ネコぶんこ


2011年12月10日 提出しなければ落第だ。 [長年日記]

§ [DnD][4e][BoVD] 『悪の冒険者の作成(Creating an Evil Adventurer)』

Book of Vile Darkness』プレビュー

バート・キャロル

「正気は退屈だ」

――ジュイブレクス

Book of Vile Darknessを使用した悪の冒険者のキャラクター作成は、他のキャラクターとほとんど変わらない。君はいつも通りクラス、種族、特技、そしてパワーを選び、装備を購入する。ほとんどの場合、善と無属性の英雄が使用できるオプションは同様に悪のキャラクターも使える。たとえば、悪のファイターでもパワー・ストライクが善のファイターと同じくらい効果的なことがわかる。しかし、物語とシステムには例外が存在し、それらは以下で紹介されている。

原型

ほぼすべての冒険者はある面において英雄的である。彼らは危険な地へ赴いて仕事をし、そこで彼らはモンスターと戦い、卑劣な陰謀を妨害するために時間を費やす。立派な英雄は世界で最後に残った光と善性の砦を護るために暗黒と戦う。

悪の冒険者は一見、他の冒険者と同じようなふりをする。彼らは同じようなダンジョンへ乗り込み、同じようなモンスターと戦う。彼らが異なるのは彼らをこれらの場所へ向かわせる動機にある。

悪の冒険者はほとんど、3つの原型の1つに落ち着く。これらの分類はキャラクターがどうふるまい、彼や彼女が何を求めるかを大雑把に記述する。君は原型を選ぶ必要はないが、作成したいキャラクターを考えるときに目を通すとよい。

反英雄

反英雄は幻想譚、映画、テレビの物語に昔からある原型で、冒険のグループにもっとも適合するオプションだ。これらのキャラクターはしばしば、他の人々が好ましくないと考える方法でことを収めようとする。

反英雄は彼らが必要だと信じる卑劣な行ないを実行するために道徳と倫理を無視する。これら闇の冒険者が使用しない手段は少ししかない。彼らは殺し、盗み、拷問で自白させ、無実の人を脅迫するなど、憎まれることを多く行なうかもしれない。彼らもこの行為を悔やんでいるが(それをする以上)、彼らはそれが崇高な大いなる目的を達成するためにまともな方法と同じくらい必要だと信じている。

君が善か無属性の冒険者パーティで悪のキャラクターをプレイしたいと考えているなら、反英雄は最高の原型だ。君がたとえ目的のためなら汚い手段を使っても、君は仲間と同じものを目指している。君はおそらく十分に聡明で、仲間が君の行ないをどう見ているか把握し、彼らが見逃すであろう限度も知っている。その結果、君は揉め事を起こさないように彼らから隠れて行動するかもしれない。だが、君の行為が万一彼らの知るところとなっても、君は彼らに弁解しないだろう。

マイケル・ムアコックのエルリックは反英雄の優れた例である。

非英雄

純真な者たちはすべての冒険者が世界のためだけを思っていると信じている。確かに、ある優れた事例では――他者のために――村を迫りくる破壊から護ったり、デーモン・ロードが自然世界へ侵攻するのを阻止するために勇敢にアビスの中心へ向かうかもしれない。

しかしそれらは絶対ではなく、献身的に弱者を守護し、悪の隆盛と戦う者たちは例外である。

多くの者たちはそれほど立派ではない。彼らは命を繋ぐだけで満足し、責任を負うものに注意し、自分自身の世話をする。これら“一般人”は、復讐、富、栄光など、他のさまざまな理由で冒険に出る。全般的に、彼らは気高い目的を持っていない。多くの場合、彼らは自分たちの目的に忠実だ。

利己的な動機は非英雄を無属性か悪にする傾向がある。これらのキャラクターは彼らの働きに見返りがあったり、仕事が彼らの利益になると確信している限り、属性が多様なグループにもなじむことができる。非英雄は通常、目的を共有する他の非英雄とのグループを組むことで最良の働きをする。

グレン・クックの小説、Black Companyのキャラクターは非英雄のよい例である。適切な報酬が得られるなら、彼らはおよそどんな雇い主のためにも働く。

悪漢

悪の冒険者最後の原型は悪漢である。いくつかを見ると悪漢は反英雄と非英雄だが、善の部分を持たない。基本的に、悪漢は彼らの望むところにより悪を行なう。助けを求める人々を助けるより、悪漢は彼らから搾取する。悪のモンスターを倒すより、悪漢は彼らを従える。悪漢は本物の悪人だ。

悪漢が善や無属性の冒険者グループとうまくやることはめったにない。悪漢は英雄が戦うものなんでもすべてに反逆する。彼らはグループに無用の軋轢と混乱を生む。対立が起こるまでそう長くはない。考えうる最良の結果は悪漢が彼や彼女自身の道を歩むことで、最悪の結果はキャラクターの死とパーティの解散である。

ある条件のもと、悪漢はパーティの一員となることができる。君の冒険者は悪のドッペルゲンガーと取り替えられ、DMは君に悪漢の仮面がはがれるまでしばらくそのキャラクターをプレイさせるかもしれない。あるいは、パーティは君の悪漢キャラクターと共通の敵を倒すために合流し、短く緊張に満ちた共闘をするかもしれない。これらと似た状況でもなければ、たとえ他のプレイヤーが認めたとしても、君は悪漢を悪ではないグループに加入させるのはやめたほうがいいだろう。

悪漢に最適のグループは悪漢と非英雄からなるものだ。この物語はキャラクターが普段は同種の任務を請けないだろうから、普段経験している冒険とはがらりと違ったものになる。たとえそうでも、彼らはたまに悪しき目的のためにそれを行なう。悪漢のグループは善の敵を倒すための任務を行ない、悪の魔法のアイテムを探してダンジョンを探索し、城を包囲したり都市を攻めるために悪の人型生物を雇い、あるいは他の、しばしば悪ではない冒険者たちが阻止することを求められる目的に邁進する。悪漢のグループはプレイヤーが互いに対立することを自重しなければ成立しない。1つの魔法のアイテムを2人のキャラクターが求めるだけでグループが崩壊するかもしれないほど、繋がりは薄い。この理由から、悪漢のグループは長くとも級を1つまたぐ程度の、短い期間のキャンペーンでもっとも使われる。

伝説の道

「汝が魂にある悪に目を背けるな。受けいれよ」

――バールゼブル、なめくじ大公

悪を受けいれた者として、君は大いなる危険な闇の道を歩む。君は困難に対するため、アイドル・オヴ・ダークネス、ヴァーミン・ロード、コントラクト・キラー、デモノロジスト、あるいはブラッドクレイジード・バーサーカーになりたくなるかもしれない。君の選択にかかわらず、君は闇の力で道を拓き続ける。

デモノロジスト

「アビスの力は私のものだ。デーモンよ、従え!」

前提条件:いずれかの秘術クラス

君は自分で操るものへの恐れを何ら持たない。君を破滅させることができるものは、君が操れないものだけだ。デモノロジストとして、君はこの原則を熟知している。アビスの中心を観測するとき、君は自分の頭脳でそれを解明できると疑いを持っておらず――1匹のデーモンのときでも、必要ならそうである。

君は野望のためなら影の領域を調査することもいとわなかった。君は長い間暗闇を見続け、アビスに隠された圧倒的な力の秘密の存在を確信していった。

研究の結果、君は小さなデーモン――醜いクアシト――の注意をひいた。この相棒との議論は、君の頭脳を新たな恐るべき可能性へと導いた。このクアシトから学んだことよりも大きな力を、君は操れる。君はこれまで、その考えが実は間違いかもしれないというしつこい忠告を一笑にふしてきた。

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バート・キャロル

バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版のMonster Manualが好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。

Book of Vile Darknessおそらく最後のプレビューは、悪属性のPC作成についてですぅ。データよりプレイの指針寄りになっているようで、プレビューの分だけでも結構参考になることが書いてありますぅ。

§ [DnD][4e] 『Book of Vile Darkness』プレビューのカテゴリわけ

Book of Vile Darknessのプレビューもひと段落したので、[BoVD]に切り出したですぅ。