ネコぶんこ


2012年04月11日 仮想の世界では、殺人は絶対悪ではなかった。 [長年日記]

§ [DnD][4e] 4月:『Halls of Undermountain

「アンダーマウンテン? そうだな。楽しむには良い場所だし、駆け出しのさまよい人が熟練の冒険者として名声を得られるもっとも有名な戦場だ。無論、アンダーマウンテンは今日のフェイルーンで知られておる最大の集団墓地でもあるが」

――シャドウデイルのエルミンスター

アンダーマウンテン、その終わりが無いようにも見えるダンジョンはかつてのボックス・セット2つといくつかのアドベンチャーを含む、多くのフォーゴトン・レルム製品で探検された。この迷宮はゲーム・グループが何マイルにも及ぶ通路と数エーカーに及ぶ部屋をかろうじて調べたくらいに、広大だ。アンダーマウンテンはフェイルーンでもっとも有名な場所の1つであり続けている。しばしば“究極最深のダンジョン”と呼ばれるアンダーマウンテンは、多くの冒険者にその深淵を探検する誘惑を投げかけた。何人かは戻り、恐怖を語った。ほとんどは二度と戻らなかった。少数の幸運な者は仰天するほどの莫大な富を発見して未探査の道から戻ってくる。そして何度も繰り返される彼らの物語は他の者をウォーターディープという巨大都市の地下にうごめく謎、逆境、モンスターへ勇敢に立ち向かわせる。

Halls of Undermountainはアンダーマウンテンのいくつかの部屋と大空洞を詳しく描写する。過去の多くのアンダーマウンテン関連製品と同様に、Halls of Undermountainもウォーターディープ地下の大迷宮にあるすべての部屋と通路を記述できようはずもない。その代わり、君にはこの危険なダンジョンの第1階層を舞台にした3つの完全な形のアドベンチャーなど、君だけの探検を始められる豊かな素材が提供される。

最初のボックス・セットにしてアンダーマウンテンの上部3階層の概要を収録したRuins of Undermountainは、1991年にこの名所について最初に詳細な情報を提供した。それから少しのことが変わった。古いダンジョンの説明を知るファンは数多くの新しい要素を見つけ、いくつかの古いお気に入りにも親しみ、古典を少しひねった遭遇を味わうだろう。一方、この本はアンダーマウンテンに不慣れなダンジョン・マスターへの入門書でもあり、キャラクターの命を危険にさらすレルム一の悪所について知るべきことすべてを説明している。

Halls of Undermountainは君にアンダーマウンテンでアドベンチャーを運営するための助言と素材として、以下のものを提供する。

  • 1レベルから5レベルのキャラクター用の、個別に使え、D&Dエンカウンターズ『旧き元素の目』と物語が強く結びついてもいて、君が既に運営しているどんな世界のキャンペーンにも適合できるアドベンチャー3本。
  • プレイヤーの探検に合わせて即興でダンジョンを作る助言とアイデア。
  • アンダーマウンテンの第1階層でもっとも危険な場所の説明。
  • アンダーマウンテンを象徴する罠と魔法のアイテムについてのルール。
  • 古典的なアンダーマウンテンのモンスターの解説と、ゲーム用ステータス。

君が自分の冒険をアンダーマウンテンでやりたいなら、この本の地図やダンジョンの第1階層のポスターマップを見て考えることができる。アドベンチャーの特別なモンスターやNPCのステータスもあるが、他のモンスターのステータスはMonster Vaultを参照する必要がある。

アンダーマウンテンへの道

アンダーマウンテンへの隠された入り口の噂は数多い、それは酷薄な貴族の屋敷地下にある隧道についてのささやきや、エールが飛び散る酒場で酒蔵と配管工組合の構成員が広める話である。隠された入り口のいくつかは疑いようもなく存在するが、アンダーマウンテン第1階層への限られた通路でしかないことが確認されている。

アンダーマウンテンの最上層は都市の通りからおよそ140フィート地下にある。地中深く通じる通路は、ねじれて曲がりくねっているかゆるやかな斜面で暗闇の中へ続いている。そのような地表への通路は、必ずしも同じ理由のためではないものの上下どちらからも監視されているかもしれない。これらの秘密の通路の“所有権”は深淵の危険性や組織の裏切りによって、しばしば変更される。

崩落するきざはし

血の手砦はアンダーマウンテンのはるか上、ウォーターディープ山の内部に位置する。一時期は都市警備隊が巡視していたこの山中のダンジョンは、呪文荒廃の10年以上前から危険なクリーチャーと魔法に奪われていた。砦の長い階段はアンダーマウンテンの第1階層(84ページ、エリア74参照)に通じている。階段は奇妙な魔法に保護され、クリーチャーがそれに近づくと頭上の天井が崩壊するようになっている。この階段を使うことは――1人あたり1時間を取れなければ――明らかに絶望的だ。石と埃が元に戻って魔法が完全に復帰する10分前なら安全に通り抜けられる。もちろん、階段を登って血の手とりでに向かう場合でも危険は免れ得ない。登ってくる者が砦の脅威を切り抜けたとしても、クリーチャーがウォーターディープ宮殿のダンジョンに侵入しないよう構築された他の防壁や魔法の罠があるからだ。

暗闇小路

港区には数世代に渡って地元で“すべり台”として知られる急な坂道があり、冬場は若者に親しまれている。この近くにある楽しい場所は下水道に入れる格子と、下水道に入ってすぐそばの壁にある小さな隠し扉だ。この扉の向こうにはレンガで床が整備された配管作業用の隙間と使われなくなったごみ捨て穴が、ゆっくりと曲がりながら行き止まりまで続いている。そこの床に、もうひとつの隠し扉がある。開いてみれば、そこから20フィート下に恐るべき彫像(59ページ、エリア41参照)の過去に何かあったことを思わせる巨大で頭の無い残骸が見える。

騎士亭と影亭

このおんぼろの酒場は呪文荒廃の激動で開いたアンダーマウンテンへ到る通路の真上に立っている。地上から見れば、騎士亭は何の変哲も無いうらぶれた落伍者が集う地元の酒場である。しかし、倉庫のごみ捨て穴につけられたぐらぐらする木の段を降りれば、常連客は影亭――落影洞(86ページ、エリア76参照)の天井裏にしつらえられたよりいかがわしい酒場――へ入ることができる。そこへ入った者は、最後の50フィートを呪痕持ちのハーフオークが動かすロープ式のリフトで降りることができる。

影亭への通路は常に警備されているため、認められた落影の住民1人だけがこのアンダーマウンテンへの通路を定期的に使える。もちろん、賄賂で警備兵の気を惹くことはできるが、顔を隠したウォーターディープの貴族から得られる金額より少なければ、彼らは嘲笑するだろう。

長く暗い階段

桃色ニンフ亭は雨走り通りに沿って建っているつぎはぎの宴会場である。この通りは宴会場のごみ捨て場で、その中に長く暗い階段最初の数段は隠れている。

創立以来長年、宴会場の従業員は穴の上に落とし戸を作ってごみを捨ててきたが、ごみがなぜ徐々に減り、時にいきなり減ることについては知らないか気にしていなかった。宴会場の持ち主に重要なことのすべては、壊れた瓶、腐った食べ物、空のエール樽、壊れた椅子、汚れたじゅうたんなどのごみが回収業者への支払いをしなくても消えてくれることだった。

彼らが知らないことはごみが――積もっている山盛りのごみに隠された――急峻な階段の下へ消えていることで、穴の底はアンダーマウンテン(88ページ、エリア79参照)に通じている。

はるか昔、(貴族により愛された)ロヴィアターのカルトはこの階段をしばしば密かにカルトが行なうアンダーマウンテンでの活動のために使った。その頃、同盟していたオークの部族が入り口を守っていた。そしてカルトがダンジョンで活動しなくなったことにより、長く暗い階段は使われることが無くなった。現在、階段を使いたい者はごみの山を掘り返し、勇気を出してどろどろに汚れ、雑然とした通路に立ち向かわなければならない。吹き抜けの基部にはにやにやと笑う髭面のヒューマンの顔が段の反対側にある壁に彫刻されている。

大門亭

大門亭の中にはもっとも名高く通りやすいアンダーマウンテンへの入り口がある。地面が陥没して開いたダンジョンへ通じる穴の周囲に造られた宿は、1世紀以上の間勇敢、無鉄砲、あるいは好奇心が強いだけの者を地下世界へ誘ってきた。

崩れたハラスターの塔とアンダーマウンテンからの戦利品で建造された大門亭は、3階分の客室と広大な酒場を誇るまとまりのない造りである。この酒場の目玉は40フィートに渡る胸壁で囲まれた竪穴だ。これがアンダーマウンテンへの“大門”である。常連の席は竪穴を囲んでいて、大きな巻き上げ機と滑車で作られた装置に140フィートを降りてアンダーマウンテンへ入るためのダンジョン探検家が使う太いロープが固定されている。1人10gpの入場料と10ラウンドをかけることでデュラナンはロープを持ち、足をあぶみに乗せた者を降ろす。

6代目デュラナンは宿の創業者デュラナン直系の子孫で、支払いをした常連を巻き上げ機できちんと井戸の底へ降ろす。竪穴の底へ戻ったダンジョン探検家が上に帰りたいなら、彼や彼女は宿の主人が人を引き上げる前に、まずデュラナンが下へよこす籠の中に10gpを入れなければならない。デュラナンは戻ってきた冒険者へ回復や他の助けを行なわないが、彼は追加料金でどこかの教会へ使いを走らせる。(彼はそうしたサービスを行なうこともアンダーマウンテン入場料に計算済みである。)

冒険者が竪穴へ入るための支払いを行なうと、常連ははやし立て、飲み物を1杯おごり、多くのダンジョン探検家が盛大にはなむけの宴を行なう。祝福は取り乱したものではなく、冒険者が戻ってくるか客や宿の従業員は公然と賭けをしたり、彼らがどれくらい生きているか話すのでその場面は空恐ろしく感じられるかもしれない。

じめじめした道

大門亭の貯蔵庫にはアンダーマウンテンへ入るもうひとつの方法がある。アンダーマウンテン第1階層の池(88ページ、エリア78参照)の水際まで降りるとても急に傾斜した通路が存在するのだ。とても急な階段が池の壁際から上まで這っており、徐々に幅10フィートほどのはしごめいたただの岩棚になっていく。この竪坑は天幕のかかった拱道がある足場に達するまで続く。近くには籠、巻き上げ機、そしてロープがある。天幕の向こうには大門亭の地下室がある。デュラナンはこのアンダーマウンテンへ入る竪坑の底に溜まった水が何を意味しているか知らないし、その情報を共有したいとは思っていない。

こちらは先月の『March: In the Works』から、今月発売のHalls of Undermountainのプレビューですぅ。

アンダーマウンテンへの入り方が工夫されていて面白そうですぅ。

§ [DnD][4e] 4月:『Halls of Undermountain

「ああ、俺はアンダーマウンテンの大空洞を見たことがある。ブルーノーと俺はゴーントルグリムの場所を示す手がかりをそこで探していた。俺たちが見つけたのは愚かさと死だけだったよ」

――ドリッズト・ドゥアーデン、冒険者

アンダーマウンテン、その一見終わりがないダンジョンはかつてのボックス・セット2つといくつかのアドベンチャーを含む、数え切れないほどのフォーゴトン・レルム製品で探検され、ゲーム・グループが何マイルにも及ぶ通路と数エーカーに及ぶ部屋にかろうじて足跡を残したほどに広大な迷宮であり、今もってフェイルーンでもっとも有名な場所の1つだ。しばしば“究極最深のダンジョン”と呼ばれるアンダーマウンテンは、多くの冒険者にその深淵を探検する誘惑を投げかけた。何人かは戻り、恐怖を語った。ほとんどは二度と戻らなかった。少数の幸運な者は仰天するほどの莫大な富を発見して未探査の道から戻ってくる。そして何度も繰り返される彼らの物語は他の者をウォーターディープという巨大都市の地下にうごめく謎、逆境、モンスターへ勇敢に立ち向かわせる。

Halls of Undermountainはアンダーマウンテンのいくつかの部屋と大空洞を詳しく描写する。過去の多くのアンダーマウンテン関連製品と同様に、Halls of Undermountainもウォーターディープ地下の大迷宮にあるすべての部屋と通路を記述できようはずもない。その代わり、君にはこの危険なダンジョンの第1階層を舞台にした3つの完全な形のアドベンチャーなど、君だけの探検を始められる豊かな素材が提供される。

最初のボックス・セットにしてアンダーマウンテンの上部3階層の概要を収録したRuins of Undermountainは、1991年にこの名所について最初に詳細な情報を提供した。それから少しのことが変わった。古いダンジョンの説明を知るファンは数多くの新しい要素を見つけ、いくつかの古いお気に入りにも親しみ、古典を少しひねった遭遇を味わうだろう。一方、この本はアンダーマウンテンに不慣れなダンジョン・マスターへの入門書でもあり、キャラクターの命を危険にさらすレルム一の悪所について知るべきことすべてを説明している。

Halls of Undermountainは君にアンダーマウンテンでアドベンチャーを運営するための助言と素材として、以下のものを提供する。

  • 1レベルから5レベルのキャラクター用の、個別に使え、D&Dエンカウンターズ『旧き元素の目』と物語が強く結びついてもいて、君が既に運営しているどんな世界のキャンペーンにも適合できるアドベンチャー3本。
  • プレイヤーの探検に合わせて即興でダンジョンを作る助言とアイデア。
  • アンダーマウンテンの第1階層でもっとも危険な場所の説明。
  • アンダーマウンテンを象徴する罠と魔法のアイテムについてのルール。
  • 古典的なアンダーマウンテンのモンスターの解説と、ゲーム用ステータス。

今日はアンダーマウンテンにまつわる3本のアドベンチャーを見ていこう。『ザールの無敵軍団』、『ダヤンの墓所』、そして『鱗の事件』を!

ザールの無敵軍団

このアドベンチャーでキャラクターはコボルドおよびゴブリノイドの小部族を支配するハーフエルフの傭兵団を相手にする。完璧な幸運とすぐれた統率力により、ハーフエルフと彼の隆盛いちじるしい軍勢はアンダーマウンテンの一角を支配し、より大規模な活動を行なうために数を揃えようとしている。

しかし軍に所属するすべての徴集兵が、彼らの運命に満足しているわけではない。キャラクターはハーフエルフのなわばりを斬り抜け、彼らが通った後に生者を誰も残さぬこともできるし、コボルドとゴブリノイドの派閥で叛乱の煽動をすることもできる。

ダヤンの墓所

このアドベンチャーで英雄たちはヴァンパイアのダヤンと彼のアンデッドの部下が支配する領地へ潜入する。ダヤンは死によって歴史の霧へと名が消えた死霊術師の秘密研究室で力と知識を得ている。アンダーマウンテンのこの区画は長い間うち棄てられた墓所で、ダヤンの野心のため彼に大量の死骸を供給している。

鱗の事件

この冒険で英雄たちはアンダーマウンテンの第1階層、南西区画から貧乏人と犯罪者が失踪していることについて調査を行なう。キャラクターが調査を開始すると、彼らは道に外れた働きをする財宝発掘屋がこの区画で活動していることを知る。その証拠はまず失踪事件の裏に盗賊団が存在することとして見えてくるが、真相はより深刻な何かであることがわかる。

April: In the Works』では、Halls of Undermountainについてくるアドベンチャーが紹介されたですぅ。