ネコぶんこ


2013年04月15日 もしプレイヤーがもっとゲームマスターの多様な役割を理解していたなら、彼らも必要なときにはゲームマスターを助けるようにプレイすることであろう。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『今週のD&D(This Week in D&D)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私たちはD&D Nextのためのおよそ一年間の公開プレイテストを厳しくやってきたと信じている。これを最初に始めた頃から、多くのことが変わった。今週は私たちが使っている新しい考えについて話をしよう。その大部分はプレイテストのフィードバックと、それを検討することで私たちがひらめいた考えである。

それはそうと、特技とは何だ?

偏った意見だが、私は特技を愛している。初めて第3版のプレイテスト版(私はRPGA関係者だったので早くからそれが可能だった)に触れたとき、私は特技が大発明だと感じた。近頃、私はこれらのルールによって作成された初期のキャラクターをふたつ発掘した。クォータースタッフを持って放浪するヒューマンのパラディンと、記憶喪失のエルフのファイターである。どちらの場合も、特技はゲームの中でそれらのキャラクターに命を与える助けになった。私はクラスのシステムの外側でキャラクターのありかたについての考えを反映させ、実現することができるそれが好きだった。

だがその一方で、特技に欠点がないわけではなかった。私はゲームの発売後、友人が第3版で初めてキャラクター作成するのを手伝ったときのことを鮮明に覚えている。彼女はソーサラーを作成したが特技を選択する段階になったとき、作業のすべてが中断してしまった。

彼女は《追加hp》を選択することができたが、長い目でみれば+3ヒット・ポイントは明らかな役立たずに見えた。彼女は呪文修正やアイテム作成特技にも目を向けたが、呪文修正特技は1レベルだと役に立たず、魔法のアイテムのために経験点を費やす気もなかった。

正直、その段階を飛ばすことができれば彼女もより楽だっただろう。彼女はD&Dをやり込んでいたのであっさりと呪文を選び、技能ランクを割り振り、種族を選び、能力値をロールしたが、特技の選択は彼女がキャラクターで表現したいこと(冷酷な貴族から勘当された娘)とほとんど無関係だった。彼女は結局〈交渉〉判定にボーナスを得られる何かを選んだと記憶している。

その場にはふたりの経験豊かなD&Dプレイヤーがいたが、どちらも特技については逆の反応をしていた。私たちはキャラクターをシステムから構築していきたい側と、早くゲームを始めたい側に分裂していることを強く感じた。私たちはどちらの方法でもゲームを機能させられる方法があると考えている。

現在の私たちは、いくつかの新たな前提に立っている:

  • クラスはそれにふさわしい比率で特技を得る。たとえば、ファイターはウィザードより多く特技を修得できていい。すべてのキャラクターがX、Y、そしてZレベルで特技を得る汎用的な基準を使わないのだ。
  • 特技は上限の20まで能力値を+1する、あるいは能力値ボーナスと同等の特殊能力を得るために使うことができる。
  • 特技にはレベルが必要条件として存在し、高レベル特技は低レベルのそれよりも強力だ。

私たちはこの変化が初心者のゲームへの導入を容易にしつつ、クラスから独立した能力を取捨選択していきたい人たちにもオプションを開放できると考えている。また、特技はより多くより面白くなくては意味がない。

選ぶことに多くの時間をかけたくない初心者やプレイヤーにとって、能力値ボーナスは強くて適用も簡単だ。熟練のプレイヤーは主要能力値を20まで成長させるためにいくつかのボーナスを選び、特殊能力を検討していくだろう。

さらに、ファイターとローグは――それら独自のクラス特徴に加え――他のクラスよりも多くの特技を得る。この方法は彼らをよりカスタマイズしやすくして多芸さを強調することができる。

最後になるが、この方法は伝説の道や上級クラスについての面白い見通しでもある。今の特技は以前のプレイテスト用ルールのものより強力になっている。現在、私は多くの伝説の道と上級クラスのパワーやクラス特徴を特技のセットで満足のいく再現ができそうだと感じている。私は伝説の道がキャラクターに外付けするものだったことが本当に好みだった。この方法論はこうしたオプションも考えたくないプレイヤーがただ最初のクラスだけの集中でき、他のプレイヤーは組み合わせや利益の調和を心ゆくまで堪能できることを意味している。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。