ネコぶんこ


2014年01月20日 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『D&D Nextでのキャンペーン(Campaigns in D&D Next)』

マイク・ミアルス

先週、私たちはD&D Nextの低レベル・キャラクターに対する方法論を見ていった。今週の私たちは、低レベルでのプレイをDMの側から見ていこう。

私たちはキャンペーンで最初の2レベルをキャラクターの成長と同じくらい、DMがゲームの雰囲気を決定づける機会だととらえている。3レベルまでにプレイヤーが彼らのキャラクターの能力を決定づけるように、DMはこの時間を使ってキャンペーンをゆるやかに始め、徐々にふくらませることができる。1、2レベルで君はちょっとした実験を行なえる。君はキャンペーンの出発点と許容範囲を決めていくことができる。君は使おうと考えたさまざまなオプション・ルールを導入していくことができる。これらの初期レベルはグループに1、2回のセッションをプレイし、そこで起こったことを話し合い、楽しかったこと、あるいは琴線に触れなかったことについて話す機会を与える。

あらゆるDMは異なるスタイルと自分だけのキャンペーン案を持つので、キャンペーン最初の2レベルでは君に全体のルールを決定する機会を与えている。あるDMは、これらのレベルでもっとも幸運かもっとも狡猾なキャラクターのみが3レベル以降のセッションに参加できるよう、若干の淘汰を行なうかもしれない。別のDMは導入レベルをキャラクターがキャンペーンの重要な要素――たとえば、たくさんの交易路が交わる都市を支配する強大なギルド――をよく知るための機会とみるかもしれない。

キャラクターの背景はキャンペーンを創造する勘所になる。背景のデザインは簡単なので、DMはキャンペーン用にカスタマイズした背景をいくつか作ることができる。たとえば、ギルドが支配する都市の場合、DMはギルドと積極的に関係する、あるいはギルドの支配に反抗する団体と結びついた背景を作ることができる。冒険の手がかり、重要NPCとの関係、あるいは行動することを促がすキャンペーンの要素すべては、キャラクターの背景に含めることができる。

キャラクターの長所、短所、そして縁もまた、キャンペーンに命を吹き込む。DMがキャンペーンに合わせた背景を作るとき、長所、欠点、そして縁をカスタマイズして一覧にすれば、プレイヤーがキャラクターの行動に反映させる役に立つ。政治的陰謀のゲームで、DMはそれぞれのプレイヤーに貴族の家と縁を結ぶように頼み、それらが敵味方であるようにするかもしれない。それらの要素を前もって準備すれば、最初から全員の見通しが明るい状態でキャンペーンを始められる。

私たちは特技、背景、あるいは他のキャラクター・オプションのようなものについて、君たちのゲーム・グループが事前に話し合っておくべきことについてルールブックにきちんと記述した。多くのグループは最初のセッションでキャラクターの作成を行なう。D&D Nextの場合、そのセッションにはキャンペーン全体の雰囲気とDMのゲームに対する姿勢が出てこなければならない。これは冒険者が中心人物になった神話的物語なのだろうか? これは生き残りそのものが報酬になる危険なダンジョン探検なのだろうか? これは魔法が戻り古代の神格たちが復活した終末期の地球なのだろうか?

一方で、君は席につくなりモンスターを何体か殴り飛ばしたいかもしれない。これらの道具はすべてが君のゲームにとって有用なものとなりうるが、私たちはいらないと感じた道具を使わない能力も道具それ自体と同じくらいに重要だと考えている。私たちの方法論の大枠はコアをできるだけ単純にしておき、グループに準備ができて熱望しているときだけ複雑さやオプションをゲームに導入できるようにすることだ。ルールは案内役のようなもので、君が望んだことを助ける準備をしている。D&Dのスタイルはプレイヤーの数と同じくらい存在するので、ルールは束縛するものではなく、まずグループの道具でなければならない。

特技、カスタマイズされた背景、そして他のオプションはまさにそれ――オプションなのだ。他のさまざまな道具と同じようにそれらが君のゲームのスタイルに合わないのなら、オプションは無視できる。もしDMが「僕はパーティのレベルに合わせた遭遇を作るガイドラインを使いたくないんだ」と言っても、その選択がゲームを傷つけることにはならない。むしろ、それは強力なモンスターが物陰のいたるところに潜み、逃走こそパーティが最初に取る戦術となりうる危険に満ちた刺激的なキャンペーンをプレイヤーに予想させる。DMのための道具としてゲームの要素をデザインするとき、私たちは必ず「いや、使わないよ」の選択肢をいつも頭に入れておいた。行動の流れが途切れず、ルールがゲームを行なっているグループを束縛せず奉仕しているときにこそD&Dは最大の効果を発揮するのだ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。