ネコぶんこ


2015年04月07日 [長年日記]

§ [DnD][5e] 『クラスの改造(Modifying Classes)』

Unearthed Arcana

ロドニー・トンプソン――2015年04月06日

キャラクター・クラスを改造することについてより多くの助言を探している? クラスのデザインについてのいくつかの助言とともにカスタム化をやってみよう。

ときにキャンペーンは既存の公式素材からは見つからないアーキタイプやキャラクター・オプションを特別に要求してくる。もし君がこの状況にあるななら、君は彼らの独特のひねったキャラクターの能力を探しているプレイヤーのためにクラスのゲームの中で提供されるオプションをひとつふたつ改造したくなるかもしれない。しかし、クラスを改造することは軽くできることではなく、そしてその仕事はいくつかの重大な努力、プレイ・テスト、そして改定を正しく行なうことを要求する。クラスを改造する最高の方法ふたつは、いくつかのクラス特徴を異なるものに交換することと、既存のクラスに新しく加えることだ。この記事は君に既存の仕組みを利用する方法の例を提示して助ける一方で、他のクラスから発想を得た特徴にも頼っている。

君たちはこのシリーズで発表される素材を第5版プレイテストの第一波と同じように考えることができる。これらのゲームの仕組みは草案の形式なので、君たちのキャンペーンで使用可能であるがプレイテストとデザインの繰り返しで完全に調節されたものではない。これらはとても気まぐれで、不安定なものかもしれない。もし君たちがこれらを使うなら、どんな問題が起こっても裁定を下せる準備をしてくれ。これらはインクではなく、鉛筆で書かれている。これらの理由もあり、このコラムで提示される素材はD&D組織化プレイのイベントで使えるものではない。

Unearthed Arcanaで発表される素材は私たちがいつか出版されるサプリメントに収録したいものから、私たちの自宅でやっているキャンペーンのハウス・ルールのうち共有してみたいものまで多岐にわたり、コア・システムのオプションから特定のセッティングの素材まである。一度それを公開すれば、君たちはそれがどのようにうまくいき、それを改善するために私たちができることがあるかを知るために君たちは私たちに接触することができる。

新たなクラス・オプションの作成

それぞれのクラスにはすくなくとも1つ重要な選択肢があり、これを暮らす・オプションと呼ぶ。クレリックは信仰の領域(divine domain)を選ぶ、ファイターは武勇のアーキタイプ(martial archetype)を選ぶ、ローグはローグのアーキタイプ(roguish archetype)を選ぶ、ウィザードは秘術の伝統組織(arcane tradition)君がこれらの重要な選択肢の異なる版を作成したいなら(たとえばバーバリアンのための新たな原始の道(primal path))、それらがどのようになっているかを見るために既存の例を調べること。クラス・デザインと同じように、君の考えをプレイテストする準備をし、そしてそれらが君の望む方向性になっていなかったなら調整をしていこう。

新たなクラス・オプションを作成するうえで最初の行為はクラスの底流になっている物語とキャンペーン世界でのオプションの立ち位置の両方について知り、そのオプションの独特な面がどこにあるかを理解することだ。クラス・オプションの背後にある物語と、君が求めて君のプレイヤーに作成してほしいキャラクターの種類を理解することは、それが君への案内の例として用いられるために工程でももっとも重要な作業だ。

独特の思想を持つクラス・オプションが君の頭にあったのなら、デザインの作業にかかる時間だ。クラスの既存のオプションを眺めてそれらが何を提供しているか見ていき、そして君のクラス・オプションが提供する特徴のための例や建築用の石材としてそれらを使おう。同じクラスの2つのクラス・オプションが一部の仕組みを共有しているのはまったくすばらしく、そしてまた他のクラスに君の発想の助けになる仕組みがないのか調べるのも適切だ。途中のあらゆる段階で、君は独自の思想でデザインしているものを比較することができ、そして、もしデザインがその思想を定義して確立するのを助けているのならば、君は適切な道をたどっていることを知っているはずだ。一方で、君の仕組みのためのデザインがどうも新たなクラス・オプションの主題を補強するのを助けていないようなら、その仕組みを再考することに価値があるかもしれない。

君がどのクラス特徴を新たなクラス・オプションに含むべきか考えるときは、以下の問いに答えていくこと。

  • このクラスのための他のオプションは、このレベルでどんな種類の能力を提供する?
  • 特徴はキャラクターの戦闘能力を直接強化するのか、キャラクターの探索や交流を良いものにするのか、あるいは純粋な力の強化ではない他の選択肢を提供するのか?
  • あるレベルでの特徴はどうやってそのクラス・オプションの物語を強くするのか?
  • 既存の仕組みが新たなクラス・オプションでやりたい何かを既に実現しているだろうか?

クラス特有のガイドライン

Dungeon Master's Guideで書かれているように、新しかったり交換するクラス特徴を完全にデザインするために用いることができる手法は存在しないが、11のクラスそれぞれに適用できるいくつかのガイドラインはある。この助言は決して包括的ではなく、それはいくつかの場所で君がクラス特徴がどのように連携していかなければならないかについて考えなければならないことを提供している。

君が理解するように、しばしば最高の助言はそのままにそれを残すことだ。たとえば彼らがそれを得て呪文の発動をするなど、多くのクラスには非常に分かちがたい性質があり、それは調整されるのには適していない。たとえクラス解説の一部が私たちの目的のために不可侵だとしていても、君にはそれぞれのクラス内部に異なる特徴を持つたくさんの静かな機会がある。

バーバリアン
  • バーバリアンの激怒(Rage)というクラス特徴はクラスに素晴らしい防御性能の増加を与えるが、他のクラス特徴がキャラクターの攻撃的な能力を高めるためにどう激怒と相互作用するかに気づいておくように。たとえば、命知らずな攻撃(Reckless Attack)第一の欠点は主に激怒によって提供されるダメージ軽減(damage resist)で相殺され、バーサーカーの狂乱という特徴はバーバリアンに少なくとも1戦闘に1回大きな攻撃力を与える。
  • 高速移動(Fast Movement)が3つの重要な目的、バーバリアンを速く戦いの最前線へ連れて行き、敵が近くにいないためバーバリアンの激怒が終わるのを防ぎ、そしてバーバリアンが重装鎧を使わないのを推奨する、にかなっていることにも注意すべきだ。
  • 10レベル特徴の原始の道(Primal Paths)はいずれもゲームへの興味の柱のうち戦いについてより雄弁であり、戦闘力を加えるためにそれらを置き換えるか変更するのには用心するように。
  • 6レベルの利益であるトーテム・ウォリアーの道(Path of the Totem Warrior)は一般的にゲームの探索の柱について雄弁なので、上記と同じ理由からそれを変更する前にはよく考えてほしい。
バード
  • バードは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
  • バードは限られた数の呪文を修得し、そしてクラスに変更をかけるときは注意して改造されなければならない彼らの便利さに縛りをかけているものだ。伝承の学院(College of Lore)のバードは完全なクラス特徴として彼らが修得している呪文の数を増やすことができる。
  • 5レベルで得られるひらめきの泉(Font of Inspiration)はバードのひらめき(Bardic Inspiration)をバードが少なくとも5レベル以上からそれに沿って進むクラスの道(class's path)でバードのひらめき(Bardic Inspiration)をよりよく利用できるようにするのを助ける。(有利(advantage)と不利(disadvantage)に代えて)数値の結果を直接上昇させる特徴は珍しくなければならないので、他のクラスに似た仕組みを組み込むのには注意してほしい。
クレリック
  • クレリックは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
  • クレリックの領域(domain)はキャラクターをプレイするさい、基本的なところに影響を及ぼす強くクラス特徴である。領域は君が作成しているか君が改造しているかにかかわらず、領域の1レベル特徴はその領域のクレリックを本当に目立たせる何かでなくてはならない。
  • クレリックの基本呪文リストを比較的短くするかわりに、クレリックのオプションを拡大する選択肢の典型が領域呪文だ。新たな領域に加える呪文を探すときは他の“クラス”の呪文リストに目を向けるといい。たとえば、光の領域はクレリックのリストにない呪文をいくつか提供する。
ドルイド
  • ドルイドは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
  • 地の円陣(Circle of the Land)のドルイドは野生の化身(Wild Shape)を主として探索のために使う。月の円陣(Circle of the Moon)のドルイドにとって、野生の化身は重要な防御的利点で、そのようなキャラクターを非常に頑丈なものにする。
  • クレリックの領域呪文(domain spells)のように、地の円陣のドルイドの円陣呪文を他のクラスの呪文リストから頻繁に書き出されるものにすれば、そのキャラクターの柔軟性は増すだろう。
ファイター
  • ファイターは、ラウンドあたり最大4回攻撃できる、アクション増加(Action Surge)で戦闘力を瞬間に爆発させることができる、そしてもっとも多い能力値増加(Ability Score Improvement)により、ファイターは彼らの攻撃とセーヴィング・スロー、あるいはDMが認めるなら特技を選択する、この3つの特色が彼らの戦闘の才能の大部分になっている。
  • ファイターのアーキタイプは主に元クラスの異なる味付けであるはずで、そこにはファイターの戦闘における強さの大部分がある。チャンピオンは少々の柔軟性とクリティカル・ヒットをもっと出すための可能性を得る。バトル・マスターは他のファイターができない武技(maneuvers)に特化している。エルドリッチ・ナイトの能力は呪文発動でありこれらのアーキタイプから離れているがその一方で、そのキャラクターがまだファイターであると感じられるよう充分に制限されている。
  • チャンピオンとバトル・マスターの7レベル特徴がゲームの柱のうち探索と交流に重きを置かれているのには注意すべきだ。エルドリッチ・ナイトは呪文を得て、それは探索と交流の柱についてのファイターの能力に関係し、そしてこの7レベルの特徴は呪文と攻撃を混合することも調整する。
モンク
  • 独自のクラス特徴がもっとも多いため、モンクはもっとも複雑なクラスのひとつだ。クラスには既に多くの特色があるため、ひとつの特徴を複数の新たな特徴と入れ替えるのには注意してほしい。
  • モンクの格闘技(Martial Arts)の特徴は予想外の組み合わせが発生しないよう慎重に記述された。この特徴が素手打撃を妙技武器(finesse weapon)とみなさないのもこのためで、それは将来の妙技武器についての素材で思いがけない結果が起こり、素手打撃ではなくレイピアやダガーが適切だとならないようにだ。
  • 氣ポイント(Ki point)はそれらを消費する方法にいくつかの細かなガイドラインがある。通常1氣ポイントを消費する特徴は補助的なものか、1回の素手打撃に相当するものだ。2氣ポイントを使う特徴は平均して1レベル呪文程度でなくてはならず、3氣ポイントを使う特徴は平均して2レベル呪文程度でなくてはならない。元素の流派である四元の道(Way of the Four Elements)のモンクから氣ポイントと呪文レベルを格付けする方法に更なる例がないかも調べるように。
パラディン
  • パラディンは通常の半分程度に活発な呪文発動の成長過程を持っている。呪文発動の特徴は少し調整することができるが、それはまだクラスが可能なことのかなりの部分である必要がある。
  • パラディンは彼らの戦闘力の多くを信仰の一撃(Divine Smite)のクラス特徴から得ている。パラディンは一撃を攻撃のヒット(あるいはクリティカル・ヒット)が決定するまで待つことが出来るので、キャラクターはダメージに大きな爆発力を持たせられる。それがパラディンの戦闘における強さの基本になるので、この特徴を調整するのには注意してほしい。
  • パラディンのクラス特徴の多くは本質的に防御的で、パラディンと彼あるいは彼女の味方を危害から防衛する。防御的なクラス特徴を攻撃的なものに変更すればおそらく君にはそんな気はないだろうが、パラディンの感覚を変化させる。
レンジャー
  • レンジャーは通常の半分程度に活発な呪文発動の成長過程を持っている。呪文発動の特徴は少し調整することができるが、それはまだクラスが可能なことのかなりの部分である必要がある。
  • レンジャーの戦闘における追加の力の多くはハンターズ・マークのような呪文とレンジャーのアーキタイプによって与えられるクラス特徴によるものだ。それぞれのアーキタイプの3レベル特徴はおおむね戦闘力を直接伸ばすか、レンジャーにより大きな戦闘の融通性を与える。
  • レンジャーの戦闘における強さがダンジョン・マスターの裁量や冒険の状況だけに頼ってはならないから、得意な敵(Favored Enemy)が戦闘ボーナスを提供しないのは故意にデザインされた。ハンターのアーキタイプの3レベル能力は戦う敵の性質にやや依存するが、得意な敵はゲームの柱でも交流と探索に幅広く役立つようになっている。
ローグ
  • ローグは主にクラスの雰囲気と戦闘での強さを2つの特徴、急所攻撃(Sneak Attack)と狡猾なアクション(Cunning Action)に依存している。これらはローグの基本となり、そして5レベルの超人的回避もそれらと同等にクラスにとって重要なものだ。君に何か変更する強い理由がないかぎり、これらの特徴はそのまま残してほしい。
  • 3レベルで与えられるローグのアーキタイプのクラス特徴はクレリックの信仰の領域(Divine Domain)の特徴のように、このクラスのプレイを基本から変えなくてはならない。
  • ローグは技能の熟練者で、このクラスは私たち(そして私たちのプレイテスター)がゲーム・バランスについて許容できると考えているところの境界ぎりぎりのところにある。彼らにより多くの技能を与えてしまうとローグは一線を越えてしまう。
ソーサラー
  • ソーサラーは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
  • ソーサラーはバードのように、彼らが選べる中から限られた数の呪文を修得しており、それはクラスの主な制限である。
  • ソーサラーはあまり多くの呪文修正(metamagic)を選べない。君が新たな呪文修正のオプションを作成するなら、それをじゅうぶん役立つものにしてソーサラーが彼や彼女の貴重な選択のひとつを公正に使えるようにするように。
  • 魔法点(Sorcery points)と柔軟な発動(Flexible Casting)はより高いレベルの呪文のために呪文スロットを魔法点に変換してばかりいるソーサラーは全体的な出力が犠牲になるよう故意にデザインされている。このバランスを変更するときは用心深くするように。
ウォーロック
  • ウォーロックは独自に呪文発動の方法を持ち、彼らはより多くのときわずかな種類の呪文を発動することに頼っている。ウォーロックは彼や彼女が発動させると自動的に呪文のレベルである呪文スロットが上昇し、ウォーロックが発動させたより低いレベルの呪文に力が与えられることを意味するが、これを覚えておくように。
  • ウォーロックの呪文リストはあまり頻繁にテーブルで発動されたら腹が立つかもしれない呪文が含まれないよう、慎重に決定された。もし君がウォーロックに新たな呪文を使わせたいが、頻繁に発動されてゲームが壊れる可能性があることを心配しているなら、より限定された原理(たとえば、再使用には休憩が必要など)で同じ魔法の効果を出す新しい妖術(eldritch invocation)を作成することを考えてほしい。
  • ウォーロックは初級呪文のエルドリッチ・ブラストを彼らの戦闘力の大きな源泉としており、そのうえその威力を増やす多くの妖術を既に持って選んでいる。エルドリッチ・ブラストをより強力にする新たな妖術の作成には注意すること。
ウィザード
  • ウィザードは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
  • ウィザードは彼らの呪文書により、もっとも長大な呪文リストと毎日でもっとも幅広い呪文の選択肢を持っている。彼らの融通性をさらに増やすものについてはすべて、気をつけて扱わなければならない。
  • 秘術の系統(Arcane Traditions)は3つの目的にかなうもので、新しいものを作るとき君はそれを考慮しないといけない。ある種の呪文の発動を強化し、特定の種類の魔法とそれらの呪文の中では見つけられない専門家独特の便利さを提供し、そして基本的にクラスの趣旨を呪文発動から引き離さずにウィザードのプレイ・スタイルを微妙に変化させる。

例:レンジャーズ・ウィズ・ノー・スペルズ

クラス特徴を入れ替える過程の例示として、私たちはレンジャーのクラスから呪文発動能力を削除した。君のキャンペーンでは君がレンジャーにもう少し指輪物語の馳夫らしさを求めたり、最初からより明白に魔法がないことを望むかもしれない。

呪文発動のクラス特徴はレンジャーのクラスに大きな影響を与えているので、これは小さな仕事ではない。呪文発動の特徴がクラスに与えているものを評価することから始めよう。一般的に、レンジャーは非常に限られた呪文リスト(そして比較的少ない数だけの呪文を修得する)を持ち、パラディンがそうであるように呪文発動は半分の速度で成長するようになっている。レンジャーの呪文に目を通せば、君は呪文発動の特徴がクラスに与えるものが以下のようなものだという結論に至るかもしれない。

  • レンジャーの呪文はディテクト・ポイズン・アンド・ディシーズビースト・センスそしてコンジュア・アニマルズのように探索に有用なものが多い。
  • レンジャーは俺らの戦闘力の多くを呪文、特にハンターズ・マークから得ている。
  • レンジャーはキュア・ウーンズレッサー・レストレーション、そしてプロテクション・フロム・ポイズンのような呪文で少々の治癒と回復能力を得て、それは冒険者が苦しむ可能性のある危険を食い止める。
  • レンジャーはエンスネアリング・ストライクスパイク・グロウス、そしてコンジュア・バラッジのような呪文で戦場を制御する効果を得て、それらのすべてはレンジャーに戦場での魔法的な強さを与える。
  • いくつかのレベルでレンジャーは新しい呪文レベルを使えるようになり、これだけがキャラクターの受け取れる唯一のクラス特徴になる。その結果、ヒット・ポイントの増加以外何もレンジャーに提供されないのを防ぐためにレンジャーには追加のクラス特徴がそれらのレベルで必要になる。

キュア・ウーンズの呪文、そして低レベルでの治癒への大きな必要性があるので、レンジャーが薬草で塗り薬を作って塗れるようになる治癒のクラス特徴――最初はポーションを飲む程度だが、レンジャーがレベルを上昇させることで増大するような――を作成しよう。

さらに、レンジャーが通常ならば提供されるいくつかの戦闘で便利な呪文も必要とされそうなので、バトル・マスターのファイターが戦闘卓越(Combat Superiority)のクラス特徴で得られるものをこの版では加えよう。特に戦場の制御については、戦闘卓越の武技は戦闘において素晴らしい支援を提供することができる。ファイターのクラスを見て、私たちはバトル・マスターのファイターが持つ戦闘卓越がエルドリッチ・ナイトの呪文発動の成長と似た場所にあることを発見できる。私たちはレンジャーにバトル・マスターのファイターより優秀であってほしくはないので、私たちはレンジャーの武技をより少ないところから始め、レンジャーがレベルを上昇させることで増やすつもりだ。私たちは半分の呪文発動能力の成長速度を入れ替えるのだから、これはこのレンジャーを標準の水準にするために私たちがいくつか他の特徴を必要していることを意味する。

9と13レベルは私たちがいくつかの探索に焦点をあてた仕組みを置くことができる隙間だ。最初のひとつはプロテクション・フロム・ポイズンの呪文に似ていて、さらに塗り薬を作成するクラス特徴を強化する効果を与えるものにしよう。私たちは2つめをコンジュア・アニマルの呪文に似せて作り、探索の場面でも先頭の場面でも役立ちそうなものにできる。

他の隙間は17レベルで、そしてこれは戦闘卓越の成長にあてることができる。幸い、バトル・マスターにはこのレンジャーの設計とよく調和するクラス特徴があるので、冒険中している日の後半でさえレンジャーは常に戦場の制御を行なう能力が常に少しはあることを表現するため、私たちは情け無用(Relentless)の特徴に交換することができる。

最後に、私たちはこれらの変更が他のクラス特徴へ及ぼす影響を考慮し、必要に応じて調整も行なわなければならない。たとえば、レンジャーのアーキタイプでもビースト・マスターが15レベルで持つ呪文共有(Share Spells)のクラス特徴は呪文発動の特徴がなければもう機能しない。君のレンジャーズ・ウィズ・ノー・スペルズでプレイすることにしたビースト・マスターがいるなら、君は同様に呪文共有のための、おそらくより長くレンジャーの獣の相棒(beast companion)を生かすのを助けるような交換されるべきクラス特徴を作成する必要がある。さらに、原始の警戒(Primeval Awareness)がクラス特徴を活性化させるために呪文スロットをレンジャーに要求するものを、私たちはこの特徴をレンジャーが1度使えばそれを回復するのに小あるいは大休憩が必要になると改造することができる。

私たちのレンジャーズ・ウィズ・ノー・スペルズのための新たなクラス特徴の完全な解説はここにある。

戦闘卓越

2レベルで、君は卓越ダイスと呼ばれる特別なダイスで使用可能になる武技を修得する。

武技。君はファイターのバトル・マスターのアーキタイプが使用できる武技リストから、武技を2つ選んで修得する。多くの武技は何らかの方法で攻撃を強化する。君は1回の攻撃あたり1つの武技だけを使える。

君は5、9、13、そして17レベルでさらに追加で1つの武技を選んで修得できる。新しい武技を修得するたびに、君は1つの武技を別の1つに交換することもできる。

卓越ダイス。君は4つの卓越ダイスを持ち、それはd8である。君がそれを使うと卓越ダイスは消費される。小あるいは大休憩を終了させると、君は消費した卓越ダイスのすべてを回復する。

9レベルおよび17レベルで君はもう1つの卓越ダイスを得る。

セーヴィング・スロー。君の武技のいくつかは君の目標に武技の効果に抵抗するためのセーヴィング・スローを要求する。このセーヴィング・スローの難易度は以下のように計算される。

武技のセーヴ難易度=8+君の習熟ボーナス+君の【筋力】あるいは【敏捷力】修正値(君が選択する)

塗り薬

3レベルで、君は治癒の力を持ったいくつかのポーションに相当するような特別な薬草の塗り薬を作ることができるようになる。君は1時間使って薬草を集めると包帯で巻いて使える薬草の塗り薬を調合でき、作成できる塗り薬の数は君の【判断力】修正値に等しい(最低1)。君は一度に【判断力】修正値に等しい(最低1)数の塗り薬を持っていることができる。この君が作った塗り薬は気味以外の誰によっても使えない。君が使わなかった塗り薬はすべて、24時間後にその効果を失う。

君が塗り薬の1つを傷ついた人型生物に1分かけてつかったなら、それはその使用によって消費され、そのクリーチャーは君が持つレンジャー・レベル2ごとに1d6のヒット・ポイントを回復する(端数切り上げ)。

自然の抗毒素

9レベルから、君は毒に対するセーヴィング・スローに有利を得て毒ダメージへの抵抗を持つようになる。さらに、君は塗り薬1つをヒット・ポイントを回復させることに加え、それを使ったクリーチャーに対する1種類の毒の効果を回復させることに使える。

自然の仲間の招請

13レベルから、君の得意な地形にいるとき、自然世界と同調して彼らからの援助を取り付けることで、君は代わりに戦ってもらうためにその地形から自然のクリーチャーを招請することができる。君の1マイル以内にいるものたちで君の話を聞くことができて君を助けに来るその地形にふさわしい獣たちを、DMは以下の群れから1つ選ぶこと。

  • 脅威度2以下の獣1匹。
  • 脅威度1以下の獣2匹。
  • 脅威度1/2以下の獣4匹。
  • 脅威度1/4以下の獣8匹。

これらの獣は彼らが現在いる場所から君に近づき、君の横で戦い、そして君に敵対的なあらゆるクリーチャーに攻撃する。彼らは君と君の味方に好意的で、君は群れとして招請されたクリーチャーのために、自分のターンでイニシアチブをロールする。DMはクリーチャーたちのステータスを受け持つ。

1時間後、これらの獣は彼らがもといた場所に戻る。君がこの特徴を使用したら、同じ動物が君の呼びかけに繰り返し耳を貸さないため、君は同じ一般的な地域では24時間使用できなくなる。

情け無用

17レベルから、卓越ダイスを持たずにイニシアチブをロールしたとき、君は1つの卓越ダイスを得る。

呪文共有を置き換えるものとして、私たちは以下の特徴を考えついた。

獣との絆

15レベルから、君が見ることのできる攻撃者が君の獣の相棒に攻撃をヒットさせた場合、君は警告を叫ぶことができる。君の獣の相棒が君の声を聞けるなら、それは反応アクションとしてそれに対するその香華のダメージを半分にすることができる。

例:神の愛児(フェイヴァード・ソウル)

新しいクラス・オプションを作成することがどう作用することができたかという例に、第3版のサプリメント信仰大全から、完全に独立したクラスであるフェイヴァード・ソウルのデザインを調べてみよう。君が神が世界に大きな影響を及ぼしそうで、それらの神のチョウズン(神の神力の断片を与えられた個人)がキャンペーンの中心的なプレイヤーであるゲームを運営しているのなら、これは魅力的なアーキタイプかもしれない。この雰囲気を反映させるために、フェイヴァード・ソウルをソーサラーのクラスの新たな起源として作成しよう。この選択はキャラクターが彼または彼女の神格による接触によって、強力な魔法の能力に覚醒して根本的な変化があった何かであるという考えを表現している。

既存の超常の起源(sorcerous origins)を見て、私たちは1レベルで、起源がソーサラーの力の源泉の説明を提供しているだけではなく、そのキャラクターのプレイを引っ張っていくことさえできると決意することができる。このソーサラーは神力を吹き込まれることでその魔力を得ていそうだから、私たちはフェイヴァード・ソウルが通常ならクレリックが得る呪文を使えることができるようにすることを決めた。ソーサラーが修得している呪文の数への制限がこのクラスのプレイに大きな影響を与えているため、私たちはソーサラーの修得呪文を拡大するどんなときでも他の超常の起源がかすんでしまう危険をおかしている。これが示すのはソーサラーとしての面は既にかなりのてこ入れがなされたので、他のクラス特徴のすべてがソーサラーの呪文発動と密接に結びついてはいけないことだ。フェイヴァード・ソウルのクラスがそのかつての姿では若干武勇の要素もあったので、私たちはこのソーサラーにもっと良い鎧と単純武器を使えるようにすることにして、竜の血脈(Draconic Bloodline)のソーサラーが1レベルで得られる防御のボーナスと似たものにした。

6レベルで、他の超常の起源はキャラクターの戦闘能力に影響を及ぼす特徴を提供している。バードのクラスを見れば、私たちは武勇の学院(College of Valor)が追加攻撃のクラス特徴を同じレベルで得られるとわかるので、私たちはフェイヴァード・ソウルが持つ武勇の傾向を強化するためにそれを与えることにした。

14レベルで、超常の起源は呪文発動や戦闘力には直接影響を及ぼさないが、かなり便利な何かを提供する。この場合、私たちは同レベルの竜の血脈の特徴にならってフェイヴァード・ソウルの特徴を作ることを選んだ、神格からの接触を反映して信仰と典型的に関係していることにすこしの創造性を働かせた、翼である。

18レベルで、超常の起源は協力で、起源の中心になる主題と強く繋がったオプションを提供する。このレベルのソーサラーはより高いレベルの呪文を扱えるようになるため、私たちが1レベルで与えた特徴のいくつかのクレリック呪文はたいした影響にならず、私たちはこのクラス特徴をそれらのクレリック呪文と関連づけ、それらの呪文を継続的に使えるより刺激的で、高レベルの脅威に直面してもフェイヴァード・ソウルがもう少し屈強になれるものを与えることにした。

私たちが初期デザインを完了した神の愛児(フェイヴァード・ソウル)の超常の起源はここに見ることができる。

神に選ばれし者

1レベルで、君はクレリックのクラスから信仰の領域を1つ選択する。君は1レベル・クレリックのための領域呪文を君の修得呪文に加える。これらの呪文は君が修得可能な呪文の数に不利な影響を与えず、そしてそれらは君のためにソーサラーの呪文であると扱われる。3、5、7、そして9レベルに達したとき、君はそれらのレベルで使用可能になる君の領域の呪文を同様に修得する。

ボーナス習熟

1レベルで、君は軽装鎧、中装鎧、シールド、そして単純武器への習熟を得る。

追加攻撃

6レベルから、君は自分のターンで攻撃アクションを行なう場合、君は1回に代わり2回の攻撃を行なうことが可能になる。

神の翼

14レベルで、君は自分の背中から一対の翼(羽がついたものか蝙蝠のようなもの)を出す能力を得て、君の現在の移動速度と等しい飛行移動速度を得る。君は自分のターンのボーナス・アクションとしてこれらの翼を出せる。君がそれらを自分のターンで行なうボーナス・アクションとして消すまでそれらは持続する。

君が鎧を着ているときは鎧がそれらに対応していない限り翼を出せず、そして服が君の翼に対応しておらず出現させたら破壊する可能性がある間、君は翼を出すことができない。

選ばれし者の力

18レベルから、神に選ばれし者のクラス特徴で君が修得した呪文の1つを発動させた場合、君は自分の【魅力】修正値(最低+1)+呪文レベルのヒット・ポイントを回復する。

こうして、私たちの神の愛児の能力を持つソーサラーは随分な過去からやってきた任意発動できるフェイヴァード・ソウルのクラスにすっかり近いものになった!

著者について

ロドニー・トンプソンはダンジョンズ&ドラゴンズのゲームのシニア・デザイナだ。彼はD&D第5版のデザイナを務めるとともに、『ウォーターディープの支配者たち』とその拡張セットの共同デザイナである。ロドニーがテネシー大学を卒業してウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社した2007年、彼は入社して『Star Wars Roleplaying Game Saga Edition』のリード・デザイナに就任した。