ネコぶんこ


2012年01月25日 シリウス・ソフトウェアは、ベトナム戦争から戻ってコンピュータ販売店を経営していたジェリー・ジュエルがカリフォルニア州サクラメントで設立した会社だ。 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e] 『シャイル(Sha'ir)』

Heroes of the Elemental Chaos』プレビュー

バート・キャロル

火と土を統べる者。風と水の王。Heroes of the Elemental Chaosは“元素の渾沌”とそこに棲むプライモーディアルなる存在に関連するプレイヤー・キャラクターを作成するための決定版ソースブックである。それは自然世界の英雄に元素がどう影響するかを示し、プレイヤーに元素を主題にしたキャラクター・オプションを提示する。

魔法を窮めるための道は多種多様である。ソーサラーは内なる力を喚び起こし、バードは物語と唄を秘術魔法への手がかりとするが、ウィザードの魔法は定義することである。ほとんどのウィザードにとって、魔法は分厚い書物に震える筆跡で記された隠秘学の図式と不可思議な表象による技法と複雑な配列の公式を学び、研究するものである。学習と集中に費やす歳月は、しばしば彼や彼女に成長をうながす厳しい導師につくが、ウィザードはこの学究期間をどんな個人的目標の追求にも使うことができる。

書生であることはウィザード――世界でもっとも有望な精神のために危険が約束されている生き方――への道でもっとも多いがそれはただひとつのものではない。ウィザードの呪文は体系的に学ぶもので、難しくなりしばしば見失いそうになるが、それらは発見し、発明すれば使えるものである。たとえほとんどのウィザードが先人の呪文書に呪文を求めていたとしても、他の源からこの種の魔法を得ることはできる。偉大なウィザードたちももちろんそうだが、強大な存在は不可解な奉仕と交換に、魔法知識を定命の者に貸し与えることがある。他の道も同様に存在するかもしれない。

以下の項では強い元素の主題を持ったウィザードの新しいパワーと、同じくウィザードのサブクラス、シャイルを紹介する。

ウィザード:シャイル

秘術の制御役:ジンのしもべが与える魔法を使い、君は生の元素の力をもちいて戦場を制御する。

主要能力値:【知力】、【耐久力】

シャイルは“元素の渾沌”の力を選別して彼らの呪文の魔法力とする。この種のウィザードは古代の公式と技術を調べぬくより、彼らが求める魔法知識のために元素の諸侯と交渉する。シャイルは直接これらの諸侯と取引はしない。その代わり、彼らはジンのしもべと呼ばれる元素の精霊を代理として立て、彼らのために取引を行なわせる。これらのしもべを毎日“元素の渾沌”へ送り込み、シャイルは創世の力を扱うのに必要な力と情報を補充する。

彼らの危険と隣り合わせで型破りな手法は彼らの評判とも結びつき、しばしば乱暴、強引として、シャイルは魔法界の非主流派とみなされる。他のウィザードは彼らが難しい訓練とウィザードのほとんどが一般的に行なう研究を行なっていないため不正をしているとみなし、シャイルに軽蔑と疑念の目を向ける。だが、この疑念は無知から生じるもので、たとえシャイルが魔法をジンのしもべから引き出していても、秘術の訓練は彼や彼女が得た力を扱うのに必要である。

シャイルは彼らの精神を神秘的な公式や秘術用語で乱さないため、彼らは他のウィザードよりも広範な呪文を扱うことができる。彼らはそれをジンのしもべに依頼するために呪文の基本構造を知っているだけでよい。ジンのしもべはその後“元素の渾沌”へと消え、そこでシャイルが求めた呪文を得るために強力な元素大公やクリーチャーと取引を行ない、呪文を発動できるだけのエネルギーも携えて間違いなくあるじのもとへ戻ってくる。こうしてシャイルはたとえ呪文書を使わなくても、彼らはウィザードの中でもっとも強力で広範な呪文を扱うことができるのである。

シャイルに魔法知識とエネルギーを貸す元素の諸侯は見返りのあてがなければそれを行なわない。シャイルはこうした理由でしばしば冒険者生活に足を踏み入れる。彼らはこの世界とその周辺で彼らの元素の主君の代表者、代理人、あるいはしもべとして活動する。認識しないまま平凡な探検に思いもよらない結末を迎えさせる目的のため、しばしばシャイルは彼や彼女が元素の存在のたくらみを進めていることを理解していないこともある。

シャイルの作成

シャイルはプレイヤーズ・ハンドブックで紹介されたウィザードの1種別である。シャイルの作成には、ルールズ・コンペンディウムあるいはプレイヤーズ・ハンドブックのキャラクター作成ルールを使用すること。キャラクター成長表(159ページ)には君のシャイルがそれぞれのレベルでどれだけのパワーと特技を修得し、能力値を成長させられるかがまとまっている。

シャイルはプレイヤーズ・ハンドブックのウィザードから次のクラス特徴が外されている。秘術装具体得、《儀式修得者》、そして呪文書。シャイルはこれらの代わりにジンのしもべおよび元素抵抗のクラス特徴を得る。

シャイルの概要

ヒット・ポイント:君のヒット・ポイントは10+【耐久力】から開始される。君はレベルを得るたびに4ヒット・ポイントを得る。

防御値へのボーナス:“意志”+2

一日の回復力使用回数:6+(【耐久力】修正値)

防具の習熟:クロース

武器の習熟:ダガー、クォータースタッフ

装具の習熟:オーブ、スタッフ、ワンド

クラス技能:〈看破〉(【判】)、〈交渉〉(【魅】)、〈自然〉(【判】)、〈宗教〉(【知】)、〈ダンジョン探検〉(【判】)、〈魔法学〉(【知】)、〈歴史〉(【知】)

訓練済み技能:〈魔法学〉、加えてクラス技能リストのものから3つ。

クラス特徴

シャイルは1レベル開始時に、次のクラス特徴を得る。

ジンのしもべ

元素魔法は定命のあるじに屈することはない。それらは元素のエネルギーに染まるか元素の諸侯との仲介役だけがその魔法を巧みに操れる。君は呪文の発動に必要な魔法のエネルギーを補給するため、小さな元素の精霊、ジンのしもべの助けを借りる。君は毎日、このしもべを“元素の渾沌”に遣わし、そこに住む強大な諸侯からこのエネルギーを盗ませ、乞わせ、あるいは借りさせる。しもべが戻ると、そのエネルギーは君の精神を満たす。

ジンのしもべは君自身の精髄から生まれた秘術の使い魔であり、その元素の肉体は永続的に一定の形状となる。キャラクターが持つジンのしもべは、使い魔と同様に扱われる。この使い魔は気味の魔法能力を拡大したり、特徴的な性格を持っていたり、下方次元界に対する君の知識を補佐するかもしれない。君のしもべが君の冒険で君のために果たす役割はたいへん大きい。

利益:君は《秘術の使い魔》の特技(142ページ)を得る。君はウィザードが通常選択できる使い魔か、以下に紹介されるシャイルだけの使い魔の中から1つを選択することができる。大休憩の終了時、君の使い魔は“元素の渾沌”での冒険から帰還し、君はウィザードの一日毎攻撃パワーあるいはウィザードの汎用パワーを1つ、同じ種別のウィザードのパワーと交換できる。新しいパワーはレベルを持ち、そのレベルが古いパワーのレベルと同じでなくてはならない。

ダオラニン

粗野と思えるほど禁欲的なダオラニンは、陰気で怒りっぽい相棒という傾向が強い。真実が刃のように切れるものだったとしても、彼らは真実を求める。ダオラニンは褐色や灰色の皮膚、黒みがかった髪、そして粗野な特徴を持つずんぐりしたクリーチャーである。彼らは戦闘において強く激しく、敵を押しとどめることに長けている。

ダオラニン 使い魔
粗野でがさつなダオラニンはその不愉快な性質を土の元素も現わさせることで埋め合わせにしている。
前提条件:使用者はウィザード(シャイル)でなければならない。
移動速度:6
恒常的利益
アースズ・アップハーヴァル/大地激震
使用者およびダオラニンと隣接する地面は地渡りを持っていない敵にとって移動困難地形となる。
能動的利益
ギフト・オヴ・ストーン/石の贈り物
使用者が秘術の一日毎攻撃パワーを使った時、ダオラニンは隣接する敵1体を使用者の(【耐久力】修正値)に等しいマスまで押しやる。
エレメンタル・コンダクト/元素の導き
遭遇に1回、使用者は使い魔のマスを起点に秘術の近接範囲攻撃パワーを使用できる。
ジニーリング

移り気なジニーリングにはしばしば予測できない性格を持つ。彼らは怒りっぽいが、忘れるのも速く、ちょっとした興味や判断に流される傾向がある。ジニーリングは小さく細い人型生物で、青い肌に白く乱れた髪を持つ。彼らははしっこいしもべで、風を君の敵を追い払う武器として使うことができる。

ジニーリング 使い魔
ジニーリングの移り気な性格はその意欲と君の仕事を助ける能力を媒介する妨げにはならない。
前提条件:使用者はウィザード(シャイル)でなければならない。
移動速度:6、飛行:4(ホバリング)
恒常的利益
フォースフル・ガスツ/烈風招来
使用者は使用者かジニーリングと隣接する味方1体をマイナー・アクションで1マスシフトさせることができる。
能動的利益
ギフト・オヴ・ウィンド/風の贈り物
使用者が秘術の一日毎攻撃パワーを使った時、使用者はジニーリングに隣接したクリーチャー1体を2マスまで横滑りさせ、ジニーリングを2マスまでシフトさせる。
エレメンタル・コンダクト/元素の導き
遭遇に1回、使用者は使い魔のマスを起点に秘術の近接範囲攻撃パワーを使用できる。
イフリートキン

攻撃的で意地が悪いイフリートキンは姿と気質が彼らの大きな親類に似ている。炎の髪、血の色をした肌、そして彼らの眉から生えた小さな角は、彼らを小さな悪魔のように見せ、実際にしばしばそうふるまう。彼らはいたずらをしては楽しみ、あるじに厄介ごとを引き寄せることで有名である。こうした傾向にもかかわらず、イフリートキンは頼れる戦いの味方で、多くのシャイルは彼らが持つ力のために彼らのいたずらを大目に見る。

イフリートキン 使い魔
イフリートキンの黒みがかった肌から発せられる炎の輝きはこのしもべが自然のクリーチャーに持つ悪意をほのめかせている。
前提条件:使用者はウィザード(シャイル)でなければならない。
移動速度:8
恒常的利益
フレンド・オブ・フレイムス/炎の朋友
使用者は[火]への抵抗5を得る。
能動的利益
ギフト・オヴ・ファイア/火の贈り物
使用者が秘術の一日毎攻撃パワーを使った時、イフリートキンに隣接した敵1体は3+(使用者の【耐久力】修正値)に等しい[火]ダメージを受ける。
エレメンタル・コンダクト/元素の導き
遭遇に1回、使用者は使い魔のマスを起点に秘術の近接範囲攻撃パワーを使用できる。
マリーダン

陽気なマリーダンは親しみやすく魅力的で、温厚なしもべである。彼らは水の元素のクリーチャーで、緑の肌と青い髪は彼らが深みに隠れるのを助ける。彼らはしばしば気位が高いが、脅迫などをするとマリーダンは簡単に慌てふためいて非協力的になるか怒り出すかもしれない。

マリーダンはもっとも信頼できる味方と考えられており、戦場においては彼らの力で敵の足止めを行なって攻撃の邪魔をすることができる。

マリーダン 使い魔
陽気なマリーダンは軽はずみに様々な状況に飛び込むが、そのこっけいなふるまいは決してその務めを遂行する妨げにはならない。
前提条件:使用者はウィザード(シャイル)でなければならない。
移動速度:6、水泳:6
恒常的利益
アクアティック/水棲
使用者およびマリーダンは水中でも呼吸が可能となる。水中での戦闘で、使用者は水棲でないクリーチャーに対する攻撃ロールに+2のボーナスを得る。
能動的利益
ギフト・オヴ・ウォーター/水の贈り物
使用者が秘術の一日毎攻撃パワーを使った時、すべてのマリーダンに隣接した敵は減速状態となり、使用者(そして使用者がマリーダンに隣接していたならばすべての隣接する味方)は視認困難を得る。この効果は使用者の次のターン終了時まで持続する。
エレメンタル・コンダクト/元素の導き
遭遇に1回、使用者は使い魔のマスを起点に秘術の近接範囲攻撃パワーを使用できる。
シャイルの初級呪文

シャイルのジンのしもべは訪れる力をほのめかして魔法を提供するが、それでもシャイルはより大きなわざを試す前に、基本の小さな呪文を最初に覚える。

利益:君は4つの初級呪文を選択して修得する(この本にも初級呪文が含まれている。Heroes of the Fallen Landsおよびプレイヤーズ・ハンドブックを参照すれば他のものもある)。

元素抵抗

君と君の使い魔は“元素の渾沌”から収穫した魔法として、君自身と君の同行者を元素のダメージから守ることを学ぶ。

利益:大休憩の終了時に、[酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴]、あるいは[冷気]から選択する。次の大休憩終了時まで、能動的状態にある君の使い魔に隣接した君と君の味方はそのダメージ種別に対する抵抗を得る。抵抗は君の(【耐久力】修正値)に等しい。21レベルで、この抵抗は君の(【耐久力】修正値)の2倍となる。

パワー

君のシャイルは最初に君が選択した8つのウィザードのパワーを修得している。

  • 2つの1レベルのウィザードの無限回攻撃パワー
  • 1つの1レベルのウィザードの遭遇毎攻撃パワー
  • 1つの1レベルのウィザードの一日毎攻撃パワー
  • シャイルの初級呪文で修得する4つのウィザードの初級呪文

君がパワーを選択する時は、“元素の渾沌”の主題と強く結びついている魔法効果を持つ、この本で追加されたウィザードのパワーを優先するとよい。プレイヤーズ・ハンドブック秘術の書Heroes of the Fallen Landsなど、他の本でも他のウィザードのパワーが色々と掲載されている。

技能

君は技能でキャラクターの過去や経歴の多くの表現し、君のキャラクターが冒険者となった理由や何を望んでいるのかもほのめかすことができる。〈看破〉、〈交渉〉、そして〈はったり〉といった対人技能は君が取引、味方作り、そして他人を制御することが得意であることにできる。〈はったり〉の訓練は君が元素の存在をだまして手伝わせていることを意味でき、〈交渉〉は君がその存在を説得して正統な手段で手助けを得たことを示唆するかもしれない。

〈魔法学〉は君の魔法修行の基礎だったかもしれないが、〈自然〉、〈宗教〉、〈ダンジョン探検〉、そして〈歴史〉というような知識技能はより幅広い教育を表現する。〈ダンジョン探検〉を訓練すればかつて“彼方の領域”の勢力と接触したこと、そして君が彼らと戦うために伝統にとらわれない力の源を探すことになったことを表現できる。〈歴史〉は学問から始まったことを暗示している。おそらく君は大きな学院で技術を学んだのだろうし、そうした案は〈宗教〉を訓練することでさらに支えることができる。〈自然〉の訓練は君が荒野の混沌魔法の影響を受け、次元界との境界が薄い場所で元素の存在と接触したことを意味することもできる。

特技

一部の特技は開始時の君にとってより有用なものになる。装具を使うので、君の命中力を強化するようにデザインされた特技は君の敵を制御する能力に貢献するものとなる。《Orb Expertise》や、それに似たimplement training特技群は、君がヒットさせる機会を増やすので君は敵により大きな影響を及ぼせる。君がダメージを求めるなら、《Implement Focus》の特技で間違いは無いだろう。

Implement training特技群が戦闘で君の利益になるように、他の特技も君の要求を満たすことができる。《Aggressive Advantage》および《イニシアチブ強化》のような、Quick reactionの特技群は、君が敵の機先を制して戦場を制御する助けになる。《追加hp》、《回復回数追加》、《Resilient Focus》など、enduring stamina特技群は君が立ち続けることを確実なものにする。

《Elemental Synergy》や《なんでも屋》のようなlearning and lore特技群は君の知識技能をさらに強化する。《Child of Wind》のようなelemental特技群は、君の特殊な血脈を探索するという広大な可能性を開拓する。

装備

君はクロース・アーマーに習熟している。君は魔法を武器として使うため、君は自分自身が追い詰められるというまれな事態に対処するための予備武器としてしか武装する必要する必要は無い。

君はすべての初期キャラクターと同じように、100gpを使って初期装備を購入できる。君はまず装具を購入しなければならない。オーブはウィザードに強力な呪文制御を与え、ワンドは君の発動できる呪文の数を増やして正確さを高める。最後のスタッフは、君が攻撃より防御を重視するなら価値ある選択である。

バート・キャロル

バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版のMonster Manualが好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。

今日紹介されるのはAl-Qadimから4eにやってきたジン使いのウィザード、Sha'irですぅ。秘術装具体得や呪文書が消えている代わりに、ジンを制御力ブースタにしたり呪文を交換してもらったりするようになってるですぅ。


2012年01月23日 「販売店をやっていた人たちは、私を家に招いて自分のコンピュータを見せ、知っている限りの裏技をすべて実演してくれるような人種だったよ」 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e] 『モンク(Monk)』

Heroes of the Elemental Chaos』プレビュー

バート・キャロル

火と土を統べる者。風と水の王。Heroes of the Elemental Chaosは“元素の渾沌”とそこに棲むプライモーディアルなる存在に関連するプレイヤー・キャラクターを作成するための決定版ソースブックである。それは自然世界の英雄に元素がどう影響するかを示し、プレイヤーに元素を主題にしたキャラクター・オプションを提示する。

モンク

モンクが学ぶ伝統の闘法は心身の合一が必要となる。この項――Heroes of the Elemental Chaosで詳述される――では、普通の定命の者でも思考を動きに変えられるようになる手助けをする。

モンクは重い鎧も物騒な武器も必要としない、型破りな戦士だ。拳、脚、肘、そして頭はモンクにとって剣や斧のようなもので、速さと瞬発力はモンクが敵の攻撃から身をかわすのを助ける。

内面への理解も肉体的な修行もモンクを彼らたらしめるゆえんではない。彼らの秘密はサイオニックの力として知られている蓄積された精神力にある。戦闘の訓練や長時間の瞑想により、モンクは素手打撃を強化したり彼や彼女が飛行しているかのごとく跳躍するために、このエネルギーに指向性を与えるすべを学ぶ。サイオニックの力はモンクの筋力とすばやさを彼らが人を超えた領域に達するまで強化する。モンクにとって静かな湖面を走ったり剣の切っ先にうまく立つことはなんでもないことだ。そして彼らはたとえ重武装の敵に囲まれても、その打撃が非常に頑丈な鎧も徹せるものだと知っているため、彼らは尻込みしない。

モンクは試行錯誤で戦闘技術を学ぶことはない。誰であれ精神に在るサイオニックの力を見つけてそれを利用する方法を学ぶために師父を探さなければならない。多くの師父は文明世界から気を散らされることが無いよう、隠棲している。他は可能性を持った弟子がさまざまな師範から技を学べる僧院で見つかる。

これら僧院の中には千段にも及ぶ危険に満ちた階段を上ることでしか到達できない霧深い山頂に建つものもある。常に濃霧で覆われほとんど見ることもできない小島に建つものもある。いくつかの流派は文明の中、時には都市の中で活動しているので、モンクになろうとする者には誰でも修行の場を見つける機会がある。

僧院に入った入門者のほとんどは離れるための理由を見つけられない。彼らにとって、修行は終わりなき努力――彼らは常に尊敬すべき師父から何かを学んでいる――である。したがって多くのモンクは彼らの精神の力を探り、肉体を鍛え、そして彼らの闘法を支える哲学を学ぶことに費やされる質素な生活に満足している。

モンクが学ぶあらゆる闘法は世界についての哲学を理解することから始まり、歩法と攻撃を通じてその哲学を実践する。多くの弟子は1つの哲学や戦闘法に忠実だが、経験を広げて戦闘能力を磨くうち徐々に他の哲学から闘法を取り入れる者もいる。

これらの幅広い闘法を我が物とし、より完成した弟子は、外界で目にする同じくらい幅広い脅威とも向き合うことができる。この後者の群に入るモンクは僧院から離れることを決意し、自身の適性を冒険者としての人生に見出す者である。富と栄光はほとんどの冒険者をしているモンクに対しては動機にならない。彼らを動かすものは以下のような英雄の目的と共通のものだ。価値ある腕比べの相手を求める、学ぶべき新たな師父を見出す、そして世界を滅ぼす暗黒と戦う。

至元の道

一部のモンクはその支持者が“至元の道”と呼ぶ元素を原理とする哲学を受容している。これらのモンクは彼らの精神の力を用いて元素魔法を利用することで、認識を超えて世界を理解する。

至元の道を学ぶ者は、すべてのモンクがそうであるように思考と行動の統一により啓発を為そうとするが、彼らはその定命の存在を変容させ、世界における真にあるべき場所――宇宙の純粋なエネルギーにして無限の可能性――に到達しようとしている。

至元の道が到達点を示すなら、この哲学に従う修道門派はそこへ至る道である。至元の道を支持する者はその内功を現実の根源的な力――さまざまな事物に結ばれているが、同時に統一されたエネルギー――であると考える。もちろん、そのエネルギーは元素の力で、渾沌から取り出されざる創世の力である。

新しい修道門派

至元の道へと続く道のすべては古代の神秘主義、瞑想、そして精神の覚醒に根ざしている。修道門派は自己の発見を示し、その道は君が蓄積したサイオニックによる認識を超えた世界認識と、君の周りで煌めく元素のエネルギーを使うことに特化している。修道門派はこの世界への哲学的理解を与え――新たな可能性の扉を開くか、あるいは君に自衛できる程度の基本的な技術を提供したかどうかに関わらず、それは君が世界と対峙する道を規定する。

この本では“至元の道”と関連した2つの修道門派を紹介している。君がモンクを作成する時、熱砂旋風と有為転変を修道門派のクラス特徴として選択することができる。

有為転変

ギスゼライが彼らの堕落した同胞、ギスヤンキからどう逃れ、彼らが自分たちの思考を体系化して折り合いをつけるまでの闘争を歴史は語っている。彼らは“元素の渾沌”へと逃れれば、袂を分かった彼らの兄弟が追ってこないと考えたが、荒涼とした風景がおのれの心象の鏡像だとは理解しなかった。ギスゼライが彼らの新しい住み家に慣れた頃、彼らは周辺の環境に精神を集中させることで、渦巻く混沌を制御できることを発見した。そして彼らは混沌を制御できるなら、感情を混沌と同質のものにできると理解した。

ギスゼライが確立させた有為転変の門派は、“元素の渾沌”の外にも広がり、その闘法は現在いくつかの学坊で教えられている。

他のモンクと同じように、【敏捷力】は君のもっとも重要な能力値だ。多くの闘法は力に対し力で応報することを君に求めるため、【筋力】は君にとって次に重要な能力値である。君の認識を高めて精神戦闘の抵抗力をつける【判断力】を3番目に高い能力値にするのは、良い選択である。

君が有為転変の修道門派を選んだ場合、君は以下のクラス特徴を得る。

エターナル・タイド・フラリー・オヴ・ブロウズ

君が相手に一撃を入れる時、君は別の相手にも君と対峙することを強いることができる。君が強くなるほど、大量の敵が君に気づきより強く引き寄せられるだろう。

エターナル・タイド・フラリー・オヴ・ブロウズ
Eternal Tide Flurry of Blows/有為転変の連打 モンク/クラス特徴
君は手始めの攻撃に続いて他の敵を間合いへと誘い込むため、サイオニックのエネルギーで二の打ちを放つ。
[無限回]◆[元素]、[サイオニック]
アクション不要 近接・2
トリガー:使用者がこのターンに攻撃をヒットさせた。
目標:クリーチャー1体
レベル11:クリーチャー1あるいは2体
レベル21:クリーチャー1、2あるいは3体
効果:目標は使用者の(【筋力】修正値)に等しいダメージを受ける。使用者は目標を1マス引き寄せることができる。目標がトリガーを発生させた攻撃の目標ではなかった場合、それは使用者の次のターン終了時まで減速状態になる。
特別:使用者はこのパワーをラウンド毎に1回まで使用できる。
均衡の心

君は他とは違う方法で世界と向き合っている。君は万物に宇宙の力を見て、そして周りに漂う元素のエネルギーを感じ、理法の束縛から逃れるために戦う。君の均衡についての理解は君が敵の攻撃を妨害した上で、君に向けられたあらゆる運動を君の優位へと転化させることを助ける。

利益:敵が君を押しやり、引き寄せ、あるいは横すべりさせる時、君は強制移動を1マス減らしてもよい。強制移動の後、君はフリー・アクションで1マスシフトできる。

新しいモンクのパワー

これらのパワーは君がレベルを上昇させた時にモンクのパワーとして選択できるものの一部である。このパワーは熱砂旋風と有為転変の修道門派のモンクにとって特に適したものである。

サラマンダー・チャージ

熱砂旋風の輩は単純な印や舞によって元素の火を喚ぶことができる。サラマンダー・チャージは君の成長した火炎操作を、もっとも効果的な局面で直接発現させるものだ。

サラマンダー・チャージ
Salamander Charge/火蠑突撃 モンク/攻撃/15
君の舞により集まった元素の火は、君が地面を蹴ると炎の軌跡となって続き、敵を滅ぼす。
[一日毎]◆[区域]、[元素]、[サイオニック]、[装具]、[火]
標準アクション 近接・接触
目標:噴射内の敵すべて
攻撃:【敏捷力】対“反応”
効果:使用者は移動速度ぶん移動する。使用者が通ったマスは使用者の次のターン終了時まで区域を作成する。この区域に入るかそこでターンを開始したクリーチャーは使用者の(【敏捷力】修正値)に等しい[火]ダメージを受ける。クリーチャーがこれでダメージを受けるのはターンごとに1回だけである。
移動終了後、以下の攻撃を行なう。
目標:クリーチャー1体
攻撃:【敏捷力】対“反応”
ヒット:4d6[火]ダメージ。
攻撃:半減ダメージ。
ブレス・オヴ・ザ・ストーム・ロード

この闘法は君の一撃の効果を高め、さらに凡百の定命の者より速く移動することを助ける。この不意な移動では風が巻き起こって君の敵に叩きつけられ、君の周囲を巻き添えにする。

ブレス・オヴ・ザ・ストーム・ロード
Breath of the Storm Lord/嵐公旋風 モンク/攻撃/15
君は敵を残虐に妨害する嵐の柱を喚ぶため、蹴りと突きを連打する。
[一日毎]◆[区域]、[元素]、[サイオニック]、[装具]、[雷鳴]
標準アクション 近接範囲・噴射3
目標:噴射内の敵すべて
攻撃:【敏捷力】対“反応”
ヒット:3d8+(【敏捷力】修正値)ダメージ。目標は減速状態となる(セーヴ・終了)。
ミス:半減ダメージ。
効果:使用者は噴射のマスに隣接するよう4マスまでシフトする。この噴射は使用者の次のターン終了時まで区域を作成する。この区域は使用者以外のクリーチャーには移動困難地形となり、使用者以外のクリーチャーが区域内でターンを終えた場合伏せ状態になる。使用者は移動アクションでこの区域を3マスまで移動させることができる。
維持・マイナー:区域は使用者の次のターン終了時まで持続する。
エヴリウェア・アット・ワンス

距離と時間は精神が外界を認識するために創造した方便である。君は意識をそのような限界から解放することができるため、君はある一点にいながらすべての場所に遍在することができる。

エヴリウェア・アット・ワンス
Everywhere at Once/可能性拡散 モンク/汎用/22
君は啓発された精神によって区域内すべてへと拡散し、望むがままに固有状態を選択できる。
[一日毎]◆[区域]、[サイオニック]、[瞬間移動]
マイナー・アクション 近接範囲・爆発5
効果:爆発は遭遇終了時まで区域を作成する。この区域内でターンを開始する敵はそれの次のターン開始時まで使用者に対する戦術的優位を与える。さらに、敵が区域内にいる使用者に対する攻撃をミスした場合、使用者は即応・対応として区域内の他のマスへ瞬間移動してもよい。
エンデュアリング・ボウルダー

この闘法を使う時、君は速度や正確さを犠牲にせず土の元素の強靭さをすべて発現させる。君が纏う岩石の外皮は攻撃から君を護るが、攻撃を受けるたび、外殻の一部は砕けてそれに覆われた君の真の姿を露わにする。

エンデュアリング・ボウルダー
Enduring Boulder/不朽玉石鎧 モンク/攻撃/25
君はしばらくの間強大な腕力を帯び、攻撃に対して難攻不落の巌のようなクリーチャーとなる。
[一日毎]◆[元素]、[サイオニック]、[装具]、[変身]
標準アクション 近接・接触
目標:クリーチャー1体
攻撃:【敏捷力】対“反応”
ヒット:5d10+(【敏捷力】修正値)ダメージ。
ミス:半減ダメージ。
効果:使用者は不朽玉石の形態となる。この形態の間、使用者はすべてのダメージへの抵抗30および近接ダメージ・ロールに+3のパワー・ボーナスを得る。使用者に攻撃がヒットするごとに、この抵抗は5減少する。抵抗が0になった時、この形態は終了する。

バート・キャロル

バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版のMonster Manualが好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。

今日のHeroes of the Elemental Chaosプレビューはモンクの新オプションですぅ。Eternal Tideは吸引力が上がって減速状態もつけられるようになって制御性が増し、新パワーは元素の力を使った派手な演出のものが増えているですぅ。

モンクの哲学として紹介されているThe Sublime Wayは、3.5e時代にTome of Battleがリリースされた時に派手な演出のクラスをフェイルーンに導入するときのフックとして設定されたもので、今回も同じような役割で戻ってきたみたいですぅ。

§ [DnD][4e][LnL] 『D&Dの知恵(The Genius of D&D)』

伝説と伝承

モンテ・クック

私は以前もこの題材でエッセイを書いたので、一部の読者には堪えていただきたい。

私がガイギャックスとアーンソンを天才だと信じる多くの理由は最初の『Dungeons & Dragons』の本に見ることができる。ありがたいことに、その知恵の多くはゲームの歴史上常に保たれてきた。

たとえば、レベルという知恵を取ってみよう。確かに、この概念はD&D以前からさまざまなウォーゲームに存在したが、私が言及したいのは革新の才能についてではなく、包括と手段の才能である。なぜレベルはそこまで偉大なのか? よろしい、私はまずレベルの偉大なところがシステムやゲームプレイに無関係なまま、この趣味の根底に存在し続けるところにあると主張しよう。一言でいえば、レベルは人々がゲームをプレイし続ける動機として機能するのだ。君の5レベルのキャラクターはもう少しすれば6レベルの利益を楽しめるというように、常にプレイを牽引し続ける。そして君がそこに到達すれば、君は7レベルに近づきたくなる。そしてその次も。それは続き物のテレビ番組のような輝きを、ゲームの形式にもたらした。人々に遊び続けたいと思わせ続けることでゲームは生きていけるのだから、それは重要なことだ。多くの人に長くプレイされ続け、おそらく彼や彼女はより多くの新しい友人にプレイを教え、そして彼らはすぐに新しいプレイヤーのグループを編成するかもしれない。

クラス、これももちろん、それより大きくはないが重要だ。それぞれのクラスは役割――その人物がゲームとゲームの世界でどのような立ち位置にあるかをつかんで理解するためのもの――を提供する。私たちのほとんどはファイターやウィザード、そしてそれらのキャラクターが何者なのかを多くの説明無しで理解することができる。彼らは原型である。冒険者のパーティが凶悪なオークの一団とぶつかれば、ファイターは走りながら攻撃をし始めるだろうし、ウィザードは後退して呪文を発動するだろうということを、版に関係無く私たちは知っている。これは新旧両方のプレイヤーとって非常に強力な道具だ。

なぜこれを挙げるのだろう? 私が釈迦に説法をしているということはありうる。これを読んでいるほんのわずかな読者はクラスとレベルを排除したほうがクールで都合のいいゲームになると主張するかもしれない。ならば、このようなゲームにもっとも不可欠な要素を評価するためにも観察することが重要になる。たとえば、君が第4版でキャラクター・クラスとテーマを比較したとすれば、クラスはより重要でなければならない。それはシステムの上で常により重要でなければならない。テーマは重要だが、クラスはもっと重要なのである。それはプレイヤーが行なう二者択一の中で常により重要でなくてはならない。私たちはそうしてキャラクターの基本的な諸相に優先順をつけていくことができる。ここで重要なのはどんな種類のシステムがそこに作用するかを理解することである。これこれのシステムが適切なのはクラスの能力? テーマ? 特技? パワー? non weapon proficiency? kit? 魔法のアイテム?

私がこれらキャラクターの諸相に、重要度の格付けをするとすればこうなる。

  • 1位:クラス(そしてレベル)
  • 2位:種族
  • 3位:能力値
  • 4位:カスタマイズ要素(技能、特技など)

もちろん、レベルはこれらすべてに優先するが、私は格付けの流儀にのっとってクラスとまとめることにした。これは私が新しいキャラクターを作成する時、私のキャラクターにもっとも影響を及ぼすのがクラスでなければならないことを意味している。2つ目に重要な選択は、種族などでなくてはならない。全体を見れば、私のキャラクターが一般的なゲームのセッションでできること、できないことを定義するのに、クラスがもっとも大きな影響を及ぼさねばならない。(すべての遭遇において真であると書くにはあまりに狭い切り口だからだ。)また、セッションの流れとすべての冒険を全体から細部へ徹底的に見ていけば、私のファイターの【筋力】は1つの特技選択やキャラクターのテーマよりも重要でなくてはならないが、彼がドワーフであるという事実よりは大きくない。

私が知るゲーム・デザイナはこの我々の視点に立ち、決して新しい種族の種族的特徴がキャラクターのクラスより重みを増さないように確認していると私は知っている。新しい技能を作成する時に決して能力値より重要にしてはいけないと知っている。しかしおそらく私は正常な順位でそれらを並べていないのだろう。君はどう思う? 私に教えて欲しい。


2012年01月20日 一九七〇年代後半~八〇年代初頭のソフトウェア会社は、単なる趣味でプログラミングをはじめ、次第にコンピュータに惚れ込んでいったという人々が集まって行き当たりばったりに設立された例が多い。 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e] 『Neverwinter』カード和訳表

さぼりっぱなしだった『Neverwinter』カード和訳表に手を入れて、Promoすべてを補完したバージョンにしたですぅ。