ネコぶんこ


2011年09月08日 「さては大英帝国出身だね。君のことはブリティッシュって呼ぶことにしよう」 [長年日記] 編集

§ [Liber][Ludus] Sandy PetersenCall of Cthulhu 30th Anniversary Edition

ハリケーンという因縁めいた原因により到着が遅れていた『Call of Cthulhu 30th Anniversary Edition』が届いたですぅ。

通し番号は794でしたぁ。

§ [DnD][4e] 『Neverwinter』カード和訳表

Fortune Cards第二弾、『Neverwinter』のカード和訳表を公開するですぅ。

他のパワーを燃料にしてパワーを回復したり、カードを使ったら回復力を失うなど、既存リソースの別の使い方が模索されているように見えるですぅ。

Promoは現在も関連イベントが進行中で出揃ってないからおいおい対応する予定ですぅ。


2011年09月09日 プレイヤーはただ、戦士やドラゴン、ドワーフ、エルフ、そして魔法のことを話していた。 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 恐竜の専門家ジャック・ホーナーが言う:“トリケラトプス”の名前はそのままだ

Dinosaur experts and scientists are trying to make it clear that they are not getting rid of the Triceratops name.Dinosaur experts and scientists are trying to make it clear that they are not getting rid of the Triceratops name.

Dinosaur expert Jack Horner: 'Triceratops' name will stay | KBZK.com | Z7 | Bozeman

恐竜の専門家と科学者は彼らがトリケラトプスという名前を消そうとしてはいないことを明らかにしようとしている。

先週当社は皆さんに三本の角があるトリケラトプスという恐竜はトロサウルスという別の恐竜のより若い状態だったと科学者が突き止めたことを報道しました。ロッキー山脈博物館のジャック・ホーナー博士とジョン・スキャネラはどちらも三本の角を持っているが角度が異なるトロサウルスとトリケラトプスとして分類される恐竜の頭部を分析した。

「私たちが骨の成長過程、それのフリルが成長していく様子を調べていくと、それがどんどん大きくなるほどに中ほどがどんどん薄くなっていくことが確認されました」とホーナーは言う。

ホーナーはメディアの混乱がこの議論を生んだと言い、ひとつのことがらを明らかなものにしておきたいと言った。

「トリケラトプスという名前はトロサウルスよりも先に名づけられたため優先順位が高いのです」ホーナーは続ける。「しかし多くの報道機関の人たちはそれを知らず、トリケラトプスが消えてしまうと思ったようですが、それは違う。トリケラトプスはそのままです」

ホーナーはトリケラトプスとトロサウルスが同じ恐竜だと判明するのに約12年かかったと言った。

トリケラトプスとトロサウルスが同属だと判明し、トリケラトプスという名前がなくなるのではないかという報道に対する研究者のホーナー博士による説明を訳したですぅ。

去年ちょっと騒ぎになったけど、またどこかが採りあげたのか騒がれているので公開するですぅ。

国際動物命名規約では先につけられた名前が優先される原則があるので、トリケラトプスが消える事はないですぅ。


2011年09月14日 一九七二年の秋、ある涼しい午後――ミネソタの三人組が、ウィスコンシン州のレークジュネーブにやってきた。 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e][ChaosScar] Logan Bonner『ルーンを刻む者の遺跡(The Runecutter's Ruin)』Dungeon #186(8-10レベル)

ベインの忠実な信奉者であるドワーフのルーンプリースト、オレク・ダールは、古代の忘れられたルーンを綴ることで、彼の神の化身を降臨させるつもりだ。彼もあずかり知らぬことだが、これらの力あるルーンは恐るべきプライモーディアルを次元の牢獄に封じている。オレクが彼のルーンを使うほど、この封印は弱体化する。冒険者たちは災厄を防ぐため、忘れられたルーンの力を得たオレクの信者に挑まなければならない。『ルーンを刻む者の遺跡』は8〜10レベル・キャラクター向けのシナリオである。

扉の向こうにある広間は、すべての面にルーンが描かれている。いくつかの文様は活性化し、力ある光を放っている。他の文字は未完成――乱雑に描かれた不活性のものだ。部屋の中央に据えられた水盤の水は、不気味に光りながら色々なルーンを投影している。近くの床板には同様のルーンが刻まれている。西端には短い廊下がふたつあり、薄暗い部屋の中には大きな石像がふたつある。

§ [DnD][4e][ChaosScar] Sterling Hershey『傷跡の剣(Scarblade)』Dungeon #189(7-9レベル)

“混沌の傷跡”には、“傷跡の剣”と呼ばれる魅惑的な魔剣と関係した“試練の穴”という闘技場がある。試練の穴を支配しているのは、かつての優勝者であり傷の剣の担い手であったモルン・ブレードクロウである。魔剣を得るためには挑戦者たちは現在の優勝者を倒し、モルン・ブレードクロウとも戦わなければならない。しかし、傷跡の剣と試練の穴には、このことについての秘密が隠されている。『傷跡の剣』は7〜9レベル・キャラクター向けのシナリオである。

人の姿をした輝くまぼろしが低い演台の上にいる。それは結晶で作られたように見える不気味な剣を担っている。それは君たちをしばし見つめ、それから両手を挙げ、まるで見えざる観衆を相手にしているかのように、ゆっくりとした節回しで演説を始めた。「正義を望む者はおるか? 審判は? 名声は? すべての挑戦者に打ち勝ち栄光を手にした者は誰だ?」その顔は君たちに注目して剣を向ける。「お前たちか。ならばお前たちも“試練の穴”の宿命と対決するがよい!」

§ [DnD][4e][ChaosScar] Jeff Morgenroth『狂乱の罠(Pit of Delirium)』Dungeon #190(8-10レベル)

ニョーギの奴隷商は“混沌の傷跡”を造った隕石のかけらに精神の力を閉じ込める方法を開発して近くにある安息砦の住民を奴隷にするために利用している。冒険者たちは機転、筋肉、直感のすべてを 駆使して彼らを無傷で(かつ正気に戻して)助け出さなければならない。

奇妙な狂気が安息砦に蔓延している。恐れと疑いがふくれあがり、キャラクターたちも無関係ではなくなっている。さらに、砦の住民が何人か跡形もなくいなくなっている。何がこの大規模な狂気と失踪を起こしているのか、冒険者たちは砦に残っている住民に聞き込みを行なって手がかりを捜さねばならない。また、彼らは見えざる脅威という狂気に取りつかれたドリスデイル卿や彼の部下たちと戦わなければならない。

§ [DnD][4e][ChaosScar] Andrew Schneider『命の傷跡(Scarred for Life)』Dungeon #192(5-7レベル)

傷跡を持った悪名高き無法者は、“混沌の傷跡”との奇妙な因縁を絶つために隠れ家から出てきた。英雄たちは無法者を長らく待ち望まれた裁きの場へ引き出すか、古代の呪いから彼を開放するか決断せねばならない。

『命の傷跡』はダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクター・レベル7〜9向け混沌の傷跡シナリオである。君は人物や場所の名前を君のキャンペーンに合わせて変更することもできる。

§ [DnD][4e][ChaosScar] Dave Chalker『谷間の乱闘(Rumble in the Valley)』Dungeon #193(6-8レベル)

狡猾なホブゴブリンは“混沌の傷跡”に棲む多様で短気な住民たちを連合させて戦力とし、安息砦を叩くための強力な軍を作ろうとしている。彼がこの野望を成功させるには、その力を証明するためにも長期的な不安要素を排除せねばならない。冒険者たちのことだ……。

『谷間の乱闘』はダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクター・レベル6〜8向け混沌の傷跡シナリオである。君は人物や場所の名前を君のキャンペーンに合わせて変更することもできる。

§ [DnD][4e] 技能チャレンジ『平原での合戦』

先日のセッションで全体の流れを表現するために作った技能チャレンジを公開しますぅ。

これのネタ元は近ごろ公開されているDungeonのシナリオでちょくちょく使われている手法ですぅ。次の段階へ必要な成功の数などで大まかなフレームを作っておくと、プレイ中に出てくる発言や作戦を拾ってシナリオの進行に繋げていくことが楽にでき、経験点にもなるので気に入っているやり方ですぅ。

平原での合戦

君たちの逗留している街の様子がにわかに慌ただしくなった。野心に燃える近くの領主が軍勢を率い、この街へ進軍を開始したというのだ。君たちパーティは街の領主に乞われ、破格の報酬で戦に手を貸すこととなった。

セットアップ

この技能チャレンジは会戦全体の流れを処理するための段階的な技能チャレンジである。

この技能チャレンジ中に大休憩を取った場合、それは1つの失敗となる。

DMは戦闘的遭遇や他の技能チャレンジを挿入し、会戦の中身を組み立てる必要がある。また、経験の少ないプレイヤーには段階2〜3で得られる最大の成功が3であることを伝えたほうがよいだろう。

レベル:なんでも

複雑度:3(3回失敗する前に8回成功しなければならない)

段階1:戦支度

この段階では敵軍が到着するまでに戦の準備をする。6回の成功で次の段階へ進む。

この段階での失敗1つにつき、段階2の戦闘的遭遇に参加する敵を追加する。失敗を2つ得た最悪の状態で遭遇レベルが1上昇する程度が目安である。

街から少し離れたところに平原がある。領主は街を直接攻撃されることを防ぐため、ここに布陣して敵を迎え討つ構えだ。急いで陣張りや偵察が行なわれているが、いかにも手が足りていない。君たちも手伝ったほうがよいだろう。

主要技能:〈隠密〉、〈交渉〉、〈看破〉、〈持久力〉、〈事情通〉、その他

〈隠密〉(難易度通常;上限1成功):敵軍に可能な限り接近して偵察する。

〈交渉〉(難易度通常;上限1成功):街に逗留している冒険者や傭兵を集めて味方につける。

〈看破〉(難易度通常;上限1成功):敵の動きを先読みして計略を進言する。

〈持久力〉(難易度簡単;上限2成功):味方の野戦築城を助ける。パーティ全員が判定を行ない、全員が成功すればパーティは1つの成功を得る。でなければ、パーティは全員1回分の回復力を失い、1つの失敗となる。

〈事情通〉(難易度通常;上限1成功):街に出入りしている旅人や商人から情報を集める。

その他(上限1成功):パーティは敵軍の偵察隊と戦闘的遭遇を行なう。パーティが敵を撃破した場合、彼らは2つの成功を得る。でなければ、パーティは全員1回分の回復力を失い、1つの失敗となる。遭遇レベルはパーティのレベルと同じか1低い程度が目安である。

副次技能:〈知覚〉、〈歴史〉

〈知覚〉(難易度通常、成功に数えない):効率よく活動できるように遠目から目星をつけておく。次に味方が行なう主要技能の判定に+2のボーナスを与える。

〈歴史〉(難易度困難、成功に数えない):歴史をひもとき、そこから策を講じる。この後の技能チャレンジにおいて、味方が失敗した技能チャレンジを1回だけ再ロールすることができる。

段階2:開戦

この段階では敵軍が戦場に到着し、軍同士の衝突が始まる。パーティはこの段階を放棄し、直接敵陣へ斬り込んで段階3を開始してもよい。この場合、それは1つの失敗となる。

地平線に土煙を巻き上げながら、敵軍が近づいてきた。こちらもできるだけの備えはした。敵はこの野戦でこちらの士気を挫いてしまおうという腹積もりらしいが、逆にここで打撃を与えれば流れは変わるだろう。

主要技能:その他

その他(上限1成功):パーティは街を攻撃している敵軍との戦場へ向かい、最前線の味方を援護するために戦闘的遭遇を行なう。パーティが敵を撃破した場合、彼らは1つの成功を得る。でなければ、パーティは全員1回分の回復力を失い、1つの失敗となる。遭遇レベルはパーティのレベルと同程度が目安である。

段階3:乱戦

この段階でパーティは敵味方入り乱れた戦場で敵の大物を探し、それを叩くことになる。複雑度で設定された8回の成功を得たらこの技能チャレンジは終了する。

戦闘的遭遇の前に敵の部隊へ肉薄するための技能チャレンジを行なってもよいだろう。

両軍は衝突し、本格的な会戦が始まった。君たちに託された役割は、小回りが利く精鋭部隊として敵の大物を叩き、奴らを撹乱することだ。

主要技能:その他

その他(上限1成功):敵はひそかに契約を結んでいたドラゴンを戦場に呼んだ。パーティはこれを打ち破るために戦闘的遭遇を行なう。パーティが敵を撃破した場合、彼らは1つの成功を得る。でなければ、パーティは全員1回分の回復力を失い、1つの失敗となる。遭遇レベルはパーティのレベルより1高い程度が目安である。

その他(上限1成功):パーティは敵陣奥深くへと潜入し、指揮官を倒すべく戦闘的遭遇を行なう。パーティが敵を撃破した場合、彼らは1つの成功を得る。でなければ、パーティは全員1回分の回復力を失い、1つの失敗となる。遭遇レベルはパーティのレベルより1〜2高い程度が目安である。

成功:パーティの活躍により敵は大きな打撃を受け、退却を始める。

失敗:奮戦むなしく友軍は戦場から撤退した。これから篭城戦となるだろう。篭城が終わるまで街で魔法のアイテムを購入できなくなる。


2011年09月16日 「深い霧に覆われたグルーミー湖の沼地に、ブラザーズ・オブ・スワンプの住む町がある……」と彼が切り出し、それが冒険のはじまりとなる。 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e] 技能チャレンジのtips

ほとんどはサプリメントやウェブの記事、先達のblogで読めることですぅが、私が技能チャレンジを作ったりプレイする上で心がけていることを、自分の中での整理ついでに書き出しておくですぅ。

状況や活躍をイメージする

技能チャレンジを作るときは、パーティがどういう状況でどう活躍をするかをイメージすることが大事だとですぅ。

たとえば“貴族の屋敷に忍び込む”という技能チャレンジを作る時も漫然と技能を並べるだけではなく、屋敷の近くにある木から塀の向こうの木まで〈運動〉で伝って忍び込む、権力者に取り入りたい門番は〈はったり〉で言いくるめられるし、街の情勢を知る〈事情通〉を副次技能にでき、庭にいる番犬は〈自然〉で懐柔できる……というふうに、技能を使うときどう使われるか、舞台はどういう場所かを少し細かく考えるといいですぅ。

こうすると、舞台はどんなところなのか明確になって情景描写を行いやすくなるですぅ。また、イメージを作って情景描写をすることで、「塀の中に木があるならツリー・ストライド(PHB2)使いたい」というようなプレイヤ側のアイデアを引き出す助けにもなるですぅ。

登場人物や舞台に個性を作ることにはまだ利点があり、“知られざる知識を探す”というような知識系技能ばかりになりそうな技能チャレンジに、「〈持久力〉でタイタンの賢者と腕相撲をする」など肉体派PCが活躍できる技能を差し込むこともできるですぅ。

既成のシナリオでDMをする時も、事前に自分はどう回していくか考えながら読むのは描写を膨らませる助けになるですぅ。

情景を描写する

DMがイメージした情景を伝えられるように、走り書き程度のメモを準備しておくのも役立つですぅ。

とはいっても構えた文章というわけではなく「〈隠密〉で物陰にひそみ、兵士をやりすごす」というような、“何をして”、“どうなる”がわかる程度のもので充分ですぅ。

細かいことだけど、あらかじめ準備しておけばセッション中につまることも少なくなって、盛り上がったテンションを維持する効果もあるですぅ。

加点法で考える

これは“技能チャレンジに失敗したら次の遭遇で不意討ちを受ける”より、“技能チャレンジに成功したら次の遭遇で不意討ちを受けない”にしたほうがモチベーションを引き出しやすいと感じたことで使っているやり方ですぅ。

レトリックの領域だけど、何事もものはいいようだと思うですぅ。

提案を拾う

技能チャレンジの利点のひとつに、さまざまな状況の解決を“xレベルの判定をy回成功させる”の形式で単純化できることがあるですぅ。

だから、プレイヤが他の技能や儀式、パワーなどで解決できないか提案してきた時はダメ出しをするより、できる限りそれを通したり拾うことでお互い幸せになれると感じたですぅ。何らかの提案をしてくれるというのは、DMが用意した状況をプレイヤ側が共有してくれているわけで、それに対してDMも誠意を持ちたいものですぅ。

私はパワー、儀式の扱いは無限回パワー、遭遇毎パワーが+2ボーナス、一日毎パワーで成功1、儀式は成功1かクリティカルに効果を及ぼすものだったら技能チャレンジそのものの成功くらいで裁定しているですぅ。

目標を明確にする

DMG2に書かれていることには反するかもしれないけど、私はよく「今の目的は遺跡を探すこと、複雑度は1ですぅ」というふうに目的と複雑度などを開示し、参加者全体で目的を共有しているですぅ。

こうして目的と必要な成功の数、現状使える技能などをある程度開示するのは、それらを簡単にしたり自分たちの得意な分野で判定するための意見を出すとっかかりにしてもらうという意図があるですぅ。


2011年09月27日 アーンソンはノート一冊分のルーズリーフにルールをまとめていたが、例外的な状況が発生すると、その場で臨機応変に対応した。 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e][LnL] 『とてもさえている(Very Perceptive)』

伝説と伝承

モンテ・クック

こんにちは!

親友のマイク・ミアルズが先週書いたように、このコラムにはちょっとした変化が訪れた。もっとも大きなものは私がそれを書いているということだ。私は誰かって? モンテ・クック。私は第3版の共同デザイナのひとりだ。私は80年代後半からTSRとウィザーズ・オブ・ザ・コーストでの長い経歴を含め、専業のゲーム・デザイナとして働いてきた。私はD&Dの第2版で多くの仕事をし、第3版への移行を助け、そして自分自身でd20システムの会社、Malhavoc Pressを起業し、自分の力でそのルールの可能性を探り続けた。

今の私はウィザーズ・オブ・ザ・コーストに帰って他の偉大なデザイナたちと仕事をしている。私は自分が愛するゲームのために働くことがどれだけ良いものなのか、君たちに語ることができないほどだ。本当に素晴らしい。

そしてそれはさらに良くなるだろう。私の主な仕事はオプションを考案することである。それは“研究開発”の“研究”部門だ。私に与えられた目標はD&Dを最良のゲームにすること。それは常に世界一のロールプレイング・ゲームで、私はそれがそうあり続けるようにしたい。

もちろん、それはとても特別な挑戦で、君はこう考えるかもしれない。D&Dのようなゲームは常に進み続けなければならないが、それでも原点に忠実でなければならない。もし君が約40年間愛され続けたゲームを任されたら、君は新しいプレイヤーをゲームに呼び込もうとしながら、長い間ゲームを愛し支持してくれた人たちも喜ばせようとするだろう。

私のように。私は1978年ごろに、今ではOriginal D&DやOD&Dと呼ばれている3冊の薄い本を手に入れてここまでやってきた。私はそこからAD&Dへ移行し、そして今までにこのゲームから枝分かれしたものや版すべてをプレイしてきた。プレイとその準備のために過ごし、そしていうまでもなく、それについて考え、そしてもちろん仕事としてやってきた何千時間は計算できそうにもない。

私が思うに、そして、それを私がいうのは思いがけないことではないが、私はダンジョンズ&ドラゴンズを愛している。

さあ飛び込もう

君が腕まくりをしてD&Dの基礎――それは真実、ほとんどのRPGの基礎である――まで掘り進むなら、君は物語を語るための特別な方法論かゲームをプレイするための特別な方法論を見つけるだろう。(私たちは別の機会に物語ることとゲームをプレイすることを対決させることになるだろう。)君がどちらの方法論を望んだとしても、君には情報を持ち、他者からの情報を待っている誰かと対峙している。プレイヤーは(彼らのキャラクターを通じて)空想世界を動き回り、何に出会ったか、彼らの行動がどんな結果になったのかを知る必要がある。DMは空想世界を管理する。では、その情報はどうやって伝えられるだろう? 彼は何を伝えるべきで何を伝えるべきではないか解っているのだろうか?

本当に、単純だ。DMはプレイヤーの目と耳である。彼らは何を見たか、何を聞いたか、何を臭ったか、何を味わったか、そして何に触ったか、彼は彼らにそれらを話さなければならない。もちろん、私たち全員が知っている通り、時おりそれらから何かが隠されるので、それらについてはより慎重でなければならない。

それは昔のダンジョン・シナリオだ。君は第1版のPlayer's Handbookの表紙でそれを見ることができる。PCたちはモンスタを倒し、財宝を探している。何人かのキャラクターは周囲を見回し、他の者は地図か何かを見ている。数人はひときわ大きな像を調べている。理想をいえば、それらのすべてをダイスのロールひとつで済ませたくない。理想をいえば、プレイヤーに部屋で現実のような相互作用を体験させたい。彼らはDMに像を調べ、それが持つ大きな火桶を覗き込み、同じように小ぶりな2つも調べると宣言する。おそらく像の大きな歯の1つは秘密の羽目板を開くためのものだろう。おそらくその空洞には秘密の財宝があるだろう。

テーブルを囲んで行なわれるそうした議論は精力的だ。それは楽しい。それは報いられなければならない。それはキャラクターよりプレイヤーの技能と想像力を高める。しかしダイスをロールした結果が残念でそれらすべてがぶち壊しになるのは台なしだ。

そして、想像してみよう。ゲームのルールにそれぞれのキャラクターは彼らがどれくらい知覚力があるか示す“ランク”が存在し、隠されたものすべてに同じランクがあるなら。君はランクを手早く簡単に比較することができる。キャラクターのランクが隠し扉や他の隠されたもの以上なら、それは彼にとって容易なものであるため、時間さえかければ彼はそれを発見できる。ダイスをロールする必要はない。知覚力に優れているので彼はそうすることができる。隠されているもののランクがより高いなら、彼はここでダイスをロールして成功を試みることができる。それは挑戦的だが、不可能ではない(君がそうさせたいと望むなら、ここはおいしいところだ)。そして難易ランクがより高いなら、それは不可能になるだろうし、ダイスをロールする必要もない。DMは「君は何も見つけられなかった」というだけだ。速く簡単である。そして何より、プレイヤーはDMに彼のキャラクターが適切なこと――動くかどうか像の歯を調べてみる――を行なっていると語れば、DMは簡単に彼のランクにボーナスを与えることができ、見つけられなかったものを見つけさせることができる。プレイヤーの創意は報いられるのだ。

平たくいってしまうと受動知覚の問題だが、私は「受動知覚はいくつだい?」と訊ねてしまうのが好きだ。君が知っているように、PCが特に何も探していない時でも、彼らのひとりくらいは隠れたものにピンとくる可能性があるかもしれないというのは理にかなっている。思い出してみよう、たとえば、第1版のエルフはどうやって彼らが歩く先の隠し扉を見つけることができただろうか? あるいは常に罠に気をつけているローグはどうだろう? 君は彼らが5フィートごとにダイスをロールすることを望みはしない。ゲームはあっという間に泥沼にはまり込むだろう。再び私たちがランク制に目を向けよう。DMはエルフが熟練ランクであるとメモしておき、そして彼女が探検中に通る道筋に熟練ランク以下の隠し扉があるなら、彼女はそれを見つけることができる。より高ければ、彼女は見つけられない(すべてにおいてダイスはロールされない――なぜならダイスをロールすること自体がメタゲームの上でプレイヤーに何か見つけられるものがあると示し、DMはスクリーンの裏側でプレイヤーのためにロールを行なうという面倒なものだからだ)。同様に、ローグは定型処理に陥ることなく、罠を探しながらダンジョンを歩き回ることができる。彼が扉や宝箱などを調べると宣言するのは、非常に注意している時だけである。そして私たちは先ほど書いたようにそれを取り扱うことで、さえたプレイに報いる。

このように情報――特に秘密の情報――の流れを制御する手段は速く簡単で、ダイスのロールは本当に重要な時にだけ関係してくる。私たちは精力的なプレイや創造的な考えで環境を探索する楽しみを失わずゲームを速く回せるようになるのだ。ルールが楽しみの邪魔にならないように。

私は君がこの問題についていいたいことを聞きたい。これは氷山の一角でしかない。話すことでより多くの考えが出てくる。一部はいかれてるだろうし、希望をいえば少しはまともであってほしいが。それをどれくらい私に話すかは、君たち次第だ。

WotCの公式サイトで連載されているLegends and Loreはゲームデザインの思想を知ることができる非常に有用な記事だと思うので以前からTwitterで内容を紹介していたけど、やはり140文字の制限がまどろっこしく、拾ってまとめてくれるD16さんにも余計なお手間をかけさせてしまうので、筆者交代を機会にこちらのほうで訳したものを掲載することにするですぅ。

今回の記事はゲームをより速く回せ、参加者の意見を楽に拾えるルールについてですぅ。


2011年09月29日 「途方もなく楽しかったよ。あのゲームに狂ってたね。でも、あの世界がこれほどすごいことになるなんて、誰も思っていなかった」 [長年日記] 編集

§ [Liber] 新型Kindle予約開始

Amazon.comのプレスカンファレンスも終わり、さっそく新しいKindleの販売と予約が始まっていたですぅ。

今回の目玉、Kindle Fireは$199で7インチIPS液晶のタブレット端末(カメラ、マイク無し)で、OSはAndroidベース(Androidとの互換性あり)ですぅ。通信機能がWi-Fiだけというのは、Amazon Primeの動画コンテンツなどを前提にした仕様みたいですぅ。購入は合衆国の住所限定なので、転送サービスを使うなりする必要があるですぅ。

電子ペーパータイプの新型はキイボードが削られてマルチタッチスクリーンになったKindle Touchで、Wi-Fiのみで$99(広告無し版が$139)、3G通信機能つきのKindle Touch 3Gが$149(広告無し版が$189)ですぅ。こちらも現在は合衆国内のみ予約中ですぅ。

これらの新型は11月21日から順次出荷されるようですぅ。

電子ペーパータイプで一番安いKindleという新型は$79(広告無し版が$109)で、これはキイボードとマルチタッチスクリーンの両方が無く、十字キイとボタンで操作するようになってるですぅ。

これは今日すでに発売されていて、日本からでも“Live outside the U.S.? Kindle is available to ship outside of the U.S. from this page. ”のリンクから$109の広告無し版を買うことができるですぅ。

第三世代KindleはKindle Keyboardと改名して$99(広告無し版は$139)と広告つき版がKindle Touchに合わせる形で価格改定されてるですぅ。

3G通信機能つきのKindle Keyboard 3Gは$139(広告無し版は$189)ですぅ。

これらは今まで通り、“Live outside the U.S.? Kindle is available to ship outside of the U.S. from this page. ”のリンクから広告無し版を買うことができるですぅ。

電子ペーパータイプのスペック自体は第三世代のそれと変わりないようなので、既存ユーザにはあまり魅力的ではないかもしれないけど、一番安いモデルのKindleが出たので敷居はまた下がったと思うですぅ。