ネコぶんこ


2014年04月01日 [長年日記] 編集

§ [DnD][DnDNext][LnL] 『ファイターの武技(Fighter Maneuvers)』

マイク・ミアルス

地味なファイターはダンジョンズ&ドラゴンズのゲームでもっとも単純なクラスという立ち位置にあるが、それは常にゲームでもっとも人気があるキャラクター・クラスでもあった。ファイターは古典的な冒険する英雄――怪物と戦って窮地を脱する屈強な戦士――像を含んでいる。

ファイターは長い間もっとも単純なクラスのひとつであり続けた。個人的な見解をいえば、私にはファイターが多くのクラスを分岐させていく基準だと思えるのだ。ローグにはファイターの鎧とヒット・ポイントがないが、狡猾さと技能でそれを補う。モンクは基本的に武器と鎧を神秘的な戦闘能力に交換したファイターだ。レンジャーは魔法にも手を出した荒野のファイターで、パラディンは神聖な力を持つファイターだ。

基準として用いられるようになったら、それ自身がはっきりとした特徴を得るのは難しい。第4版はファイターに真の意味で独自のシステムを与えた最初の版だった。その前、第3版の戦闘特技ではファイターのために多くのオプションを作成したが、他のクラスでも同様に利用できた。武器開眼は第2版のオプション・ルールだったが、それはファイターが最高の戦士であることを明らかにする大きな役割を持っていた。もっとよいことに、それは単純で理解しやすいルールだった。

D&D Nextのプレイテストへ寄せられたフィードバックは、ファイターをゲーム中もっとも満足でき強力なクラスだと一貫して表現していた。私たちは単純なファイターが多くのプレイヤーにとっていいものだとも、クラスにより多くのオプションがほしい人のことも知っている。

ファイターの最終版で、君は武勇の原型バトル・マスターを選ぶことができる。バトル・マスターは戦争の学び手――戦闘が深い研究、終わりのない実践、そして深い熟練に値する分野だと考える者だ。バトル・マスターとなった君は、武技とd8から始まる卓越ダイスを得る。君は卓越ダイスを消費して武技を使い、そしてそれらを小休憩や大休憩で回復する。多くの武技は他のダイス・ロールにボーナスとしてダイスを加えるもので、そのいくつかには特殊な攻撃や防御の効果がある。

君は武技で特別なアクションを行なうために卓越ダイスを消費でき、以下のような利益を得られる。

  • 君自身が攻撃を行なう代わりに、味方ひとりにボーナスの攻撃を与える。
  • 敵の武器を落とす。
  • 目標に対する攻撃ロールを行なう味方に有利を与える。
  • 即応として反撃を行なう。
  • 君の武器で範囲をなぎ払い、1回の攻撃で複数の敵にダメージを与える。
  • 攻撃を受け流す。
  • 敵を強制移動させる。
  • 味方を移動させる。

武技は第4版でファイターに加えられたようなものと似た、戦術的な要素をゲームに持ってくる。私たちは人気だったファイターのパワーの概念を多く再現することができ、バトル・マスターに16の武技を与えた(これを書いている現在で。私たちはゲームの調整を続けているため、その数は変わるかもしれない)。

何より、武技はさまざまな古典的ファイター像を多くの新たな道としてシステムを取り散らかすことなく抽象化できる。君は高い【敏捷力】、武器の妙技、そしてパリィ、リポスト、そしてスプリング・アウェイの武技でスワッシュバックラー型ファイターを構築することができる。ウォーロード型のファイターもコマンダーズ・ストライク、マニューヴァリング・アタック、そしてラリーを修得すれば、効果的な戦闘指揮官になれる。

この武技への方法論も、私たちのD&D Nextに対する全体的なクラス・デザイン哲学の重要な一面を反映させたものだ。可能なかぎり、私たちはキャラクターにもし君の選択したところがあるなら、少しでも基本的な部分が機能することを確認しようとしていた。1レベルの段階から、スワッシュバックラーは特技や特殊能力は要求されずに、軽装鎧とレイピアでチェインメイルとロングソードを装備したもうひとりのファイターと同じように戦うことができる。キャラクターが1、2レベルで機能することは重要であるため、ファイター・クラスのカスタマイズ用オプションが導入される以前の段階、それらのカスタマイズ用オプションがコア・システムの一部である特徴が基準になっていることを私たちは確認した。

小休憩の後に回復できる卓越ダイスと武技は、より大きな流れの一部でもある。プレイテストのフィードバックを参考に、私たちはクラス間のバランスを調整し、より多くの能力を小休憩で回復できるようにした。(ウォーロックの記事を読んでくれているなら、君はそうした線に沿って呪文発動するクラスがあると知っているはずだ。)小休憩で復帰する能力のバランスを取るのは慎重さが要求される。それらを回復するのがあまりに簡単なら、戦闘や遭遇の意外性はなくなるだろう。それらを回復するのがあまりに難しいなら、それらは大休憩で回復される能力と違いがないと感じられるだろう。プレイテストのおかげで、私たちはゲームのコアにより遭遇基準の能力を組み込んだ基準を確立することができた。

最後に、『Neverwinter』からささやかなお楽しみを紹介しよう。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

§ 森聖 [ファイターについての記事をエイプリルフールに出すなんて、さすが本場は冗談のレベルが違う。]


2014年04月02日 [長年日記] 編集

§ [Liber][Ludus] 『基本FAQ:マイケル・ムアコックとケイオシアムはどんな問題を抱えていた?(FAQ: What issues did Michael Moorcock have with Chaosium?)』

There are two sides to every dispute; the answer given here reflects Mike Moorcock's position; it may not entirely agree with Chaosium's version.

FAQ: What issues did Michael Moorcock have with Chaosium? - Moorcock's Miscellany

あらゆる論争にはふたつの陣営がある。ここで示される答えは、マイケル・ムアコックの立場を反映したものだ。それはケイオシアムの言い分と完全にかみ合わないかもしれない。

80年代初頭(?)、ケイオシアムとTSRの両方は彼らのロールプレイング・ゲームにエルリック・サーガのルールを導入する許可を得るため、マイクに接触していた。当時のRPGは多分に“趣味的”で、マイクは両社に彼のキャラクターを使う許可を無料で与えて満足するようなものだったが、ゲイリー・ガイギャックスの証言[脚注1]によれば、マイクの代理人は彼のその認識を知らずにケイオシアムにエルリック関連小説の権利契約を行なった。ケイオシアムはエルリックのゲームについて唯一の権利を持つと解釈し、(ムアコックによれば[脚注2])TSRに著作権侵害の疑いがあると申し出た。結局、両社はTSRがメルニボネの神話を『Deities and Demigods』のルールブックで使うためにケイオシアムの認証を得るという形で合意した。しかし、(TSRの大株主)ブライアン・ブルームはTSRのゲームが競合他社に利益を与えることに反対し、増刷分のルールブックからはメルニボネの神話を削除させた。[脚注3](皮肉にも、その神話自体が削除された後も認証はルールブックに残った。)

だがマイクのケイオシアムへの不満は、彼らが彼との契約の履行を渋ったと解釈したことで高まった。つまり、彼のキャラクターを使った新製品についての事前の通告、使用料の不払いと製品自体の品質への不満である。[脚注4]

議論は数年間に渡ったが、2007年、エルリック(そしてマイクの他のキャラクター)の権利はマイクとよりよい関係にあるイギリスのゲーム会社、Mongoose Publishingに委譲されることで決着をみた。

議論についての詳しい情報は、以下のスレッドを参照してほしい。(警告:その一部はあまり上品なものではない。)

ソース:

脚注1

以下引用:

ゲイリー・ガイギャックスの投稿:

(ブライアン・ブルームが)クトゥルフとメルニボネの神話を『Dieties and Demigods』から外したとき、私は抗議した。メルニボネ関係が外されたのは彼が単純に他の会社が関係したものを使いたくないからだった。「私はケイオシアムのものを使いたくない」と彼は言った。私たちはマイケル・ムアコックからの許可を得ていたのにだ。むろん、彼のあずかり知らぬところで、彼の代理人は書籍に関する権利をケイオシアムに与えたが、私はマイケルからの手紙を持っていて、私は本当に好きだったから長い間無料でマイケルのものを使っていた。彼は私に1994年のDragonConで読者数を倍にしたと感謝してくれた。

http://www.quartertothree.com/game-t...6&postcount=80

脚注2

以下引用:

マイケル・ムアコックの投稿:

私はTSRとケイオシアムの両社に私のキャラクターを使う許可を出した。その頃それは大きなビジネスではなかった。そしてケイオシアムはTSRに(たとえ両社に平等な権利があるとしても)訴訟をちらつかせ、私は突然何が起こったかほとんどわからなかったが、ケイオシアムはゲームの権利を“所有”していた。それ以来ずっと彼らはボードとカードゲームを管理していた。私は彼らが提示したり出版するものについて満足ではないが、ほとんどの文章について問題はない、しかし、現在の彼らは出版前に見本を示さないことにより、契約の条件を破っている。

脚注3

以下引用:

ゲイリー・ガイギャックスの投稿:

小説からふたつの創作パンテオンを引用するにあたり、著作権使用料は発生しなかった。私はマイケル・ムアコックから小説の宣伝をするために無料でメルニボネ・パンテオンを使えるという内容の手紙を持っていた。エルリック関係の権利をマイケルの代理人から取得したなら(ケイオシアムは)、不満だった。私は私たちも彼らのゲームを紹介し、彼も私たちの書籍について同様のことをすると同意した。ブライアン(・ブルーム、TSRの大株主)はどんな他のゲーム会社と関係することも反対したので、彼は『DEITIES & DEMIGODS』の該当する章の除去を個人的に要求してきた。

脚注4

以下引用:

マイケル・ムアコックの投稿:

私はとてもとても長い間、ケイオシアムから権利報告書を受け取っていたが、それがなくなった。彼らは私のキャラクターの名前が使われている本を出版しても、献本を送る礼儀すら欠いていた。

数年前に彼らは別の会社が出版しようとしていたカードゲームの権利を買った。そのカードゲームは出版されず、彼らは私に支払いを行なわない理由としてこれを使ったが、故意にカードゲームとRPGを混同しているように感じられた。私の代理人が権利報告書や使用料の支払いを求めた試みのすべては、混乱や沈黙で応じられた。

他のコメント

以下引用:

マイケル・ムアコックの投稿

以前も書いたが、産業になるという考えが私の中であまり重要ではなかったときに、私はD&Dとケイオシアムの両者に権利を許可した。今の私が介入できるなら、キャラクターをおおむねにおいてよい形で利用してくれたD&Dに権利を与えたい。

以下引用:

マイケル・ムアコックの投稿

私とケイオシアムの問題は関心の不足ではなく――『Silverheart』でゲーム一本分を執筆したが――私が彼らと仕事をしたときはいつも、目標を変えた人たちへの不満がつのっている……さまざまな理由で彼らは私の創作を、私にそれらを自由にできると知らせず、そして私に同意することを望み、どうとでも自由にできると思っているようだ。私はそういう議論をよく知っている。

マイケル・ムアコック氏のサイト『Moorcock's Miscellany』にあるRPGの権利関係顛末をまとめたFAQの翻訳ですぅ。

よくいえばおおらかだった当事の雰囲気を感じてしまうですぅ。


2014年04月03日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 食料レッドアラート

家から食べられるものが減っていき、買いだめしていたラミー(ラムレーズン入りチョコレート)で空腹を紛らわせているとすさんだ生活な気がしてくるですぅ。


2014年04月04日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] LC IIとLC IIIの違いとか

ここのところ『しあわせのかたち』を電子版で再読しているけど、Macやパソコン通信関係のエピソードが思いもよらぬところからノスタルジィ通り越して精神ダメージを与えてきて、さらにパソコン通信のログを読んで二次被害がくる循環に襲われているですぅ。


2014年04月05日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 春のパトレイバーまつり

今日はスターチャンネルで劇パト劇パト2WXIIIミニパトとやっていたのでついつい全部観てしまったですぅ。やはり賛否両論あれ、バビロンプロジェクトで変容した東京のone of themとしてレイバーを扱う突き放したメカへの視点はやはり好みだったと再認識できたですぅ。

そして劇パトのPC描写やHOS起動画面などでまたフラッシュバック気味になっていたですぅ。


2014年04月06日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 『ニンジャスレイヤー』兄メカ

ニンジャスレイヤー』がTRIGGERでアニメ化らしいけど、『インフェルノコップ』を観ていると確かに納得のチョイスですぅ。

それはそうと『インフェルノコップ』は勢いだけのように見えてずっとシラフでやっているようなおかしなノリが実にいいのでおすすめですぅ。


2014年04月07日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 『暴れん坊力士!!松太郎』を観た

そういえば以前友人と東映は東映アニメ色としか表現できない色指定の癖があると話していたことを冒頭の田んぼのカットで思い出しながら、『暴れん坊力士!!松太郎』を観たですぅ。

それにしても一話を観ただけで、原作を最低限丸めてはいるけど当時の時代性そのまま出し、脚本や演出で擁護するのが難しい松太郎を下手に立てるようにせず、十中八九以上の人が正義漢だと認識する人をキャスティングすることで強引に納得させようとしている力業を感じて変な笑いが出てきたですぅ。


2014年04月08日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] ノートPC物色

食べ物が底をついたので買い物ついでにノートPCも見て回ったけど、15.8インチだとデスクの横に置いてちょっとした調べ物したり気軽にバッグへ放り込んで持ち歩けるものではないというか、今スマートフォンでやれてることで特に不足はなく、あとはBluetoothのキイボードがあればいいのじゃあないのかと改めて感じたですぅ。


2014年04月09日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 泥水の材料尽きる

今日はいつも飲んでいる泥水(インスタントコーヒーを少量のお湯で溶き牛乳で割った飲み物。コーヒーに敬意を払ってこう呼ぶ)の材料たるインスタントコーヒーがなくなり、渇きにうめきながらごろごろしていたですぅ。


2014年04月10日 [長年日記] 編集

§ [DnD][4e] 旧版シナリオをベースにしたシナリオ自作

4eの展開もまとめに入っている今日この頃だけど、だからこそノウハウとして旧版シナリオをベースにシナリオを自作するとき私が行なったり考えていることを文書化するですぅ。

この方法は旧版シナリオをベースにするとはいっても、あらすじやマップといった骨組みを流用してデルヴ形式を発展させた事前の情報収集+3回程度の戦闘遭遇+2回程度の非戦闘遭遇にまとめるものなので、旧版シナリオの難易度や適正レベルをそのままに4eのシナリオにするコンヴァージョンとは違うことをおことわりしておくですぅ。

あらすじは参考程度

物語や情報収集の内容が既にできているならこの部分はすっ飛ばすけど、そのへんがない場合、シナリオをざっと読んでおいしそうな場所だけつまんでシナリオ開始時の背景や情報収集の項目をでっちあげるですぅ。

Classic用のシナリオ『キングズ・フェスティバル(King's Festival)』を例に挙げると、王の祭り直前になってスタランフォードの街からクレリックが誘拐された、誘拐犯はオークである、オークの洞窟の住民などを、シナリオ導入時に説明することや情報収集の項目として準備していくですぅ。

マップの流用

現行版や旧版の区別なく市販シナリオにはだいたいマップがついているので、自作シナリオを準備するさいはこれを流用すると作業が楽になるですぅ。

4eでこれを行なうときのポイントは、部屋ひとつだけを使わずに100×50フィート(20×10マス)くらいの分量をひとつのマップに収め、防衛役がいち早く部屋の奥に飛び込んで次の部屋から来る敵を止める、角の向こうから敵の増援がやって来るなど、キャラクタが大きく動ける場所を作ってやることですぅ。

キングズ・フェスティバル(King's Festival)』から「Dungeon Level I」を例に挙げると、ダンジョンに飛び込んですぐある1の部屋だけではなく、おくの2、8の部屋までをひとつのマップにして、9、10の部屋はマップでは省くが数ラウンド後に増援がやってくることにする、といった具合でひとつのエリア全体をひとつのマップにするですぅ。

敵の配置はあくまで参考

元になるシナリオの敵配置はどういう種類の敵と遭遇するのかの参考程度にして、シナリオが想定するレベルや4eの遭遇として適正なものにどんどん変更していくですぅ。

前項でマップを切り出した『キングズ・フェスティバル(King's Festival)』の「Dungeon Level I」を使うと、数体のオークとコボルドが第一波として出てきて、その奥からもオーク、マップ外からの増援で隊長たちが出てくるというような感じでイメージをもらい、それを4eのモンスタに変換していくですぅ。

1セッションでの戦闘遭遇は3つ程度

ここでいう1セッションは長くとも6時間(休憩込み)程度のものを想定しているですぅ。これで3遭遇は初対面のメンバだと完遂できるかどうか怪しいので、1遭遇目は様子見でとりあえず通しでやる(敵の撤退や降伏条件があればなおよし)、2遭遇目は1遭遇目の所要時間を見て、3遭遇目をやれるか怪しいようなら技能チャレンジの回復力消耗イベントなどにしてすっ飛ばす、3遭遇目は勝利条件を達成したら遭遇が終了するクライマックス、程度の見通しをつけておくといいですぅ。

キングズ・フェスティバル(King's Festival)』の「Dungeon Level I」の例示を続けると、2遭遇目は3、4、5、6、7くらいまでを第2遭遇、11、12、13、14あたりを技能チャレンジでしくじったら第3遭遇に増援が入るなどの非戦闘遭遇で処理し、15、16、17、18、19までを第3遭遇にしてしまうといった具合ですぅ。

非常に大雑把だけど、私は以上のような方法で旧版シナリオをシナリオ作成のイメージソースに使ってるですぅ。


2014年04月11日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] ぐずぐず続く

風邪をひくといつものことだけどじわじわと長いこと続くですぅ。


2014年04月12日 [長年日記] 編集

§ [DnD][DnDNext] PAX EAST 2014での発表

今日はゲームイベントのPAX EAST 2014でNextこと5eの開幕を飾る『Tyranny of Dragons』の発表があり、これが『PHB』や『DMG』不要の単体でプレイ可能な製品であることや、その内容が九層地獄からティアマトを復活させようとするカルト・オヴ・ザ・ドラゴンとサーイのレッド・ウィザードを相手に、ハーパーからゼンタリムまでフェイルーンのあらゆる組織が共闘するものだということが開示されたですぅ。このプロットは陣営への貢献要素がある組織化プレイや、MMOの『Neverwinter』などさまざまなメディアで展開するになっているですぅ。

そして、その他の質疑応答では、5eの標準宇宙観はフォーゴトン・レルムになり、エベロン、ドラゴンランスのサポートが決定、レイヴンロフトなども検討中だということも判明したですぅ。

英語での情報は「PAX EAST D&D NEXT "Tyranny of Dragons" Report」、「Secrets From 'The Tyranny of Dragons'」などが詳しいですぅ。


2014年04月13日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『1980年代のダンジョンズ&ドラゴンズ狂想曲(The great 1980s Dungeons & Dragons panic)』

In an era of potent concern over internet pornography, cyber-bullying, and drugs, it is hard to imagine a game being controversial. But 30 years ago Dungeons & Dragons was the subject of a full-on moral panic, writes Peter Ray Allison.

BBC News - The great 1980s Dungeons & Dragons panic

インターネット上のポルノグラフィ、ネットいじめ、そしてドラッグが有力な問題とされている時代に、ゲームが議論の的だったことを想像するのは難しい。しかし、30年前の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は道徳的混乱の議論で矢面に立たされていたと、この記事でピーター・レイ・アリソンは主張しよう。

1982年の『ET』は冒頭で、十代の少年たちがサイコロや呪文のある、かなり『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のように見えるロールプレイング・ゲームをやっていた。彼らはピザの出前を待ちながら気ままに冗談を言い合っていた。

この無邪気な描写はこれから訪れるより偏った報道とはかけ離れたものだった。

1974年にさかのぼってみれば、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)はおそらく最初のロールプレイング・ゲームだった。プレイヤーはさまざまな種族と職業からなる冒険者を演じる。それぞれのゲームには審判と語り部を兼ねた役割のダンジョン・マスターがいる。2004年までに、このゲームをプレイしたのは2000万人以上だと見積もられている。

今日、このゲームを若いころからやっていたベテランのプレイヤーは誰もがそのよい性質を語るだろう。それは多くの局面で想像力を働かせる。それは社交的だ。それは画面を使わない。

しかし、1980年代にこのゲームは若者の心に影響を与えることを恐れた原理主義的宗教団体から、何度も痛烈な批判を受けていた。

1979年、16歳の天才児ジェームス・ダラス・エグバート三世がミシガン州立大学の自室から失踪した。私立探偵のウィリアム・ディアはジェームスの両親から彼らの息子を見つけるために雇われた。ロールプレイング・ゲームに関する知識をほとんど何も持っていないにもかかわらず、ディアはD&Dがエグバート失踪の原因だと信じ込んだ。

実際は、エグバートにはうつ病や薬物嗜癖などの症状があったため、自傷行為の症状が発現している間――大学の地下にある共同溝へ――身を隠していた。よく知られた――蒸気溝事件と呼ばれる――物語は、小説『Mazes and Monsters』や1982年のトム・ハンクスによる同名映画(訳註:『トム・ハンクスの大迷宮』)など、いくつかの創作作品の呼び水となった。

エグバートは1980年に自分を撃った銃創がもとになって死去した。彼の精神状態の問題を示す証拠があるにもかかわらず、一部の活動家はエグバートの自殺はD&Dに原因があると信じていた。

1982年、高校生のアーヴィング・リー・プリングは自分の胸を撃って自殺した。当初は『ワシントン・ポスト』に「(プリングは)“調和する”ことについて苦労していた」とコメントしていたもかかわらず、母親のパトリシア・プリングは息子の自殺が彼のプレイしていたD&Dに原因があると信じるようになった。

繰り返すが、プレイよりも複雑な精神的要因があったのは明確だ。アーヴィング・プリングのクラスメイト、ヴィクトリア・ロッキーチャーリーは「彼はいずれにせよゲームと関係ない多くの問題を抱えていた」とコメントしている。

パトリシア・プリングは最初、息子が通っていた高校の校長を告訴しようとして、ゲーム中に息子のキャラクターが受けた悪口は本当のものだったと校長に主張した。彼女はまたD&Dの出版元であるTSR社も告訴した。これらの訴訟は裁判所から棄却されたが、プリングは1983年にダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ被害者の会(BADD)を組織して彼女の運動を継続した。

プリングはD&Dを「ファンタジー・ロールプレイング・ゲームは悪魔学、ウィッチクラフト、ヴードゥ、殺人、強姦、涜神、自殺、暗殺、狂気、性的倒錯、同性愛、売春、悪魔崇拝儀式、賭博、蛮性、人肉嗜好、嗜虐嗜好、冒涜、悪魔召喚、死霊術、占いなどの教材として使われている」と主張した。

プリングとBADDは集中的なメディアでのキャンペーンを保守的なキリスト教徒に行なうとともに、主流メディアでも時事問題を扱う番組『60 Minutes』にD&Dの製作者であるゲイリー・ガイギャックスの対立陣営として出演した。

1985年、レイクビュー・フルゴスペル・フェローシップのジョン・キグリーは多くの敵に向けて以下の発言をした。「ゲームは若者に悪魔の影響を受けたり憑依させたりするオカルト的な道具である」

これらの恐れは英国にもその行き場所を見つけた。ファンタジー小説家のK・T・デイヴィスは「教区牧師がゲーム用のフィギュアを取り出し――“神々”がゲームの中にいるので、彼はD&Dを悪魔崇拝に例えた」ことを回想している。

ベテランのロールプレイヤーであるアンディ・スミスはロールプレイヤーとキリスト教徒のどちらでもある奇妙な立場に自らを見い出した。「キリスト教団体のために働いているとき、他の職員数名が不快感を示し、また悪魔崇拝への言及が含まれているために、私は自分のロールプレイング関係の書籍を寮から廃棄するように求められた」

今になって振り返れば、これはロールプレイング界の少し秘境趣味的な要素が混乱する部外者の想像力を喚起させたもので、古典的な道徳的混乱の拡大だ。

「ファンタジーは一般的に魔法やウィッチクラフトのような行為を特徴とするため、D&Dは聖書の指針と真っ向から対立するもので、ウィッチクラフトや魔法が元になって生まれたものだと認識された」とオーストラリア連合大学で歴史と人類学の講師をし、『ロールプレイング・ゲームとキリスト教右派:道徳的混乱に反応するコミュニティの構造(Roleplaying Games and the Christian Right: Community Formation in Response to a Moral Panic)』の著者であるデイヴィッド・ウォルドロン博士は言う。「思春期はファンタジーと現実の区別がつかないという見方をされることもある」

当時はD&Dの性質についてのさらにとっぴな主張が福音主義団体から出てくる傾向にあり、彼らはより大きな疑いを投げかけてきた。

「ミームはこのキャンペーンによって増殖し、初期にほとんど批判がない中で発表されたものから、広範囲に渡るおかしな主張が導き出された」そうウォルドロンは言う。「たとえば、君のキャラクターの死がまた自殺の引き金になるような」

ロールプレイング・ゲームに対して行なわれる主張は無視できるものではなくなった。

著述家のマイケル・スタックポールはパトリシア・プリングとBADDの批判に真っ向から反論した。1990年、スタックポールは『プリング・レポート(The Pulling Report)』を出版し、そこではBADDには多くの間違いがあること、プリングのゲーム専門家としての見識が疑われるべきゆがんだものであると論難していた。

米国自殺学会の調査によれば、アメリカ疾病予防管理センター、カナダ保健福祉省はD&Dと自殺の間にある因果関係をまったく明らかにできなかった。

少なくとも米国では、D&Dについての議論が続いている。2010年、連邦高等裁判所第7巡回区はウォーパン矯正施設でのD&D禁止を支持した。施設のギャング専門家、ムラスキー氏は、D&Dは「収容者の強迫観念を促進し、実生活、矯正環境から逃避させ、敵意を育て、暴力と逃避行動をとらせる」効果があると証言した。

しかし、一般的な認識は変化した。今日の人々にロールプレイングに対するネガティヴな見方があるなら、プレイヤーの正気に対する恐怖よりもむしろ、オタク的雰囲気が想像されることだろう。1980年代にD&Dをプレイしていた学生たちは、きちんとした経歴で現在まで成長している。

「ロールプレイング・ゲームへの認識は時間とともに変わってきた」とはスミスの言だ。「大きな理由は『街は罪のない人々の血であふれ、悪魔のとりついたロールプレイヤーが国を滅ぼす』なんてことは決して実現しなかったためだ」

BBCNews Magazineに掲載された80年代の反DnD運動に関する記事だけど、簡潔にして現状にも言及した内容が概要の説明としてよくできていたですぅ。

本文中にある『Roleplaying Games and the Christian Right: Community Formation in Response to a Moral Panic』と『The Pulling Report』はウェブで読むことができるですぅ。


2014年04月14日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『Against the Giants』紹介

さまざまな部族の略奪団が連合した巨人族の軍勢が人の地へと襲いかかった。これらの怪物が訪れたあらゆる地には、死と破壊が重くのしかかっている。パーティはこの邪悪な巨人族を撃滅するために集められた、とても勇敢でもっとも精強な冒険者なのだ。

この『Against the Giants』は、ゲイリー・ガイギャックス翁による1stで二番目のシナリオ(最初のシナリオは『Tomb of Horror』)として発売された『Steading of the Hill Giant Chief』とその続篇、『The Glacial Rift of the Frost Giant Jarl』、『Hall of the Fire Giant King』のGシリーズをまとめた合本で、コードになっている文字の通り、巨人がテーマのキャンペーンですぅ。

内容はレイズ・デッドやテレポートに手が届く一歩手前から始まる8~12レベルのPC9人程度用シナリオで、パワーが開放されてくるレベル帯でダンジョンに潜り、とにかく敵を倒しまくろうという非常にわかりやすく敵もたくさん出てくるストロングな内容になってますぅ。背景説明は端的に書くと“ヒル・ジャイアントの軍団を教育してやれ!”で済む1ページ程度の端的でわかりやすい内容で終わり、あとはダンジョンの中に何がいて何があるかが説明するパートですぅ。

かくのごとくPCがパワーを解放して爽快に戦うのが主眼のシナリオだれど、敵が何のためにそこにいて何をしているのか、何を持っているかなどが詳しく書かれているので、こういう要素をちりばめてダンジョンの中だけで物語を組み立てる参考として有用ですぅ。

それにしても、わかりやすい(物理的)巨悪がいて、それに抗えるのはPCだけというシチュエーションには相通ずるものがあるのか「機動十字軍メカクルセイド(ネタバレ注意)」でメカものシナリオになっていたのには膝を叩きましたぁ。

最後になるけど、このシナリオはDungeon #197~200で4e用にデータをコンヴァージョンしたものが収録されているですぅ。


2014年04月15日 [長年日記] 編集

§ [Liber] 小関隆近代都市とアソシエイション

近代都市とアソシエイション』は、19世紀後期のイギリス都市部で開花した労働者のクラブ文化に焦点をあて、アソシエイション(自発的な人間集団)がいかにして誕生し、それがどんな役割を果たしていたかを解説しているですぅ。

この本ではまず、上流階級が労働者を啓発して社会問題を解決すべく設立した労働者クラブに、さまざまな理由から金銭や時間に余裕を持っていた労働者が加入しつつ、自分たちが楽しめる娯楽を導入していき、金銭的にも自分たちで回転させられるようになっていくクラブ文化成立の経緯から説明されてますぅ。

こうして成立したクラブというアソシエイションは、仕事から私生活まで常につきまとわれる関係ではなく、クラブでの活動中だけ結びつく、すべてを要求されない軽い人間関係として都市に住む人々のニーズに合ったものであったと著者は書いているですぅ。

選挙法の改正で労働者も政治に関わることができるようになると、クラブの自治精神が市民としての意識であるシティズンシップを育みながら、政治活動の母体にもなっていく様子が、当時のイギリスで起こっていた労働者階級の再編成にも絡め、急進主義の台頭と衰退、そして地方政治への参加と時系列を追いながらまとめられているですぅ。

一方、未成年や女性、最貧困層、外国人など会員になれない人々はクラブ文化と縁がなく、もちろん彼らはクラブによる相互扶助などの恩恵にもあずかれなかったことなど、クラブが基本的に会員のみに向けた組織であることにも触れられていますぅ。

人々がどうやって都市ならではの人間関係を築くための基盤を作り、それがどうやって他の組織や地方政治や国政など、より大きなレベルの関係と接続していたかを重点的に解説しているので、山川のリブレット全般にいえることだけど単一テーマの読みやすい本だったですぅ。


2014年04月16日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 指の折り癖

椅子の上にしゃがみこむように座り、右足の親指を丸めて体重をかけていたらかなりの負担だったらしく、じんわりと痛みが続いてるですぅ。


2014年04月17日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] A CONTACTあるいはDEATH

イデオンの接触篇を観ていると、この作品は物語を展開するのではなく、発動篇を始める前に主要キャラをランウェイに立たせ、これはこういう人となりなのだと前提になる要素を紹介するためのパートになっていると感じることが大きいですぅ。

これを前提にするとキッチ・キッチンの死がコスモの眼前で起こったのも、テレビ版では執拗に描かれていたけど劇場版ではそこまで尺が取れない、逃げ込めたかもしれない外界を衝撃的な形で完膚なきまでに破壊し、もう彼らにはソロシップしか居場所がないと示す通過儀礼だと考えることができますぅ。

そして接触篇の人物紹介パートという成分をテロップや弦楽四重奏のパートでより表面に出してきたのが劇場版エヴァのDEATHなのだというのを常々考えているですぅ。


2014年04月18日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『Call of Catthulhu

Kickstarterで出資を募集していた猫のPC(Player Cat)で冒険するRPG『Call of Catthulhu』が完成し、基本ルールブックの『Nekonomikon』が届いたですぅ。

『Call of Catthulhu』というタイトルだけどクトゥルフ神話とは特に関係なく、家猫から野良猫までさまざまな猫をPCにして、猫の視点から見た世界を冒険するどうぶつRPGですぅ。

判定は指定された個数の6面体ダイスをロールして3以上が出れば成功するようになっていて、これを猫の顔が描かれたダイスで行なうのが特徴ですぅ。


2014年04月19日 [長年日記] 編集

§ [DnD] Dシリーズ紹介

Descent into the Depths of the Earth

スナーリー王率いる巨人族との最終決戦に向かった屈強な冒険者たちは、彼の要塞を探検するうちに、巨人族の同盟を人類とその同盟種族への戦へと駆り立てたダーク・エルフ、ドラウを発見する。

Vault of the Drow

勇敢な冒険者のパーティとして、君とその仲間たちは地底の洞窟で構成された地下世界を長く旅してきた――陽の光を受ける大地の下では洞穴や空洞を繋ぐ大洞窟が蜂の巣のように終わりなく続いているのだ。君たちは凄まじい悲鳴をあげて地下へ逃げ込んだダーク・エルフたちの後をずっと追いかけている。

Against the Giants』の最終エピソード、『Hall of the Fire Giant King』でドラウを追った先あったのは数十マイルに及ぶ広大な地下世界だったという導入がDシリーズで、9~13レベルのPC7~9人用のシナリオですぅ。

このシナリオは地下世界にダンジョンや特徴的な遭遇がちりばめられていて、パーティは探検しながらさまざまなイベントとぶつかり、大きなダンジョンみっつを攻略していくものですぅ。

複雑なイベントの連動などはないので、PCには好きに探検してもらうなり、ある程度手がかりを渡しながら順番に攻略するなり、さまざまに使える遭遇の詰め合わせと考えたほうがいい構成になっているですぅ。

最初の注意書きに書かれているように、前作のGシリーズとは違ってPCを押してシナリオに参加させる動機のないシナリオなので、プレイヤには未知の異郷を探検する意欲のあるPCを作ってもらうといいですぅ。


2014年04月20日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 週末の独特な心持ち

何の予定もない週末にぼへーと弛緩するのはいいものですぅ(いつも)。


2014年04月21日 [長年日記] 編集

§ [DnD][DnDNext][LnL] 『DMの仕事を楽に(Making the DM's Job Easy)』

マイク・ミアルス

アドベンチャーのデザインについて、ロールプレイング・ゲームのシステムはふたつの目的を補助している。DMがアドベンチャーとキャンペーンを準備するためにシステムを理解しなければならないのは確かだが、ゲームのルールはまた、アドベンチャーをまとめることが簡単か難しいかを決定する一因でもある。複雑なルールは通常、NPCのステータス設定、財宝の決定、そして遭遇の調整などで準備により多くの時間がかかるようになっている。DMがより多くのルールに対処する必要があればあるほど、セッションが迷走する間違いをおかしてしまう機会は多くなる。

これと対照的に、準備が楽で単純なルールは、DMがより多くを即興する余地すらある。D&D Nextで、私たちはそれをできるだけ単純にしようとした。D&D Nextのシステム全般は、d20+能力値修正+習熟ボーナスのロールであるとまとめることができる。この単純な骨組みはそのゲーム内で柔軟性を示すとともに、プレイテストで膨大なフィードバックを受けた。より重要なのは、その単純なコアの周囲を固めればよいので、私たちはゲームをデザインするうえでいくつかの鍵となる要素に集中できた。具体的にいえば、私たちはNPC、モンスター、そしてアドベンチャーのデザインを単純だがしっかりとしたものにしたかったのだ。

D&D Nextではプレイヤー・キャラクターのようにNPCを作成することも、モンスターのようにステータスを記述することも両方ができる。君がどちらの方法を使うかに関係なく、NPCには想定される財宝のレベルが存在しない。君は5レベルのNPCファイターに+1アーマーアミュレット・オヴ・ヘルス、高品質武器、そして一服のポーションを与えることを要求されることはない。NPCが持つ経験店はクラスによって得られる利益のみから算出される。

さらに、コアの魔法システムは高レベル術者の運用をより簡単なものにする。私のゲームの場合、私が普段使う術者はマジック・ミサイルファイアボールのように、2つか3つの調整された呪文を準備するだけだ。さまざまな呪文スロットから呪文を発動できるので、彼らは効果を記述することが簡単で、戦闘では何回もそれらを使うことができる。NPCの術者は多くの呪文を必要とせずに最大火力を開放することができる。非戦闘的な呪文の場合、私はいくつかのオプションを主要なNPCの情報は抜きにして一覧にしている。私は戦闘に参加するだけのNPCのために、呪文の完全な効果を準備することさえない。

第4版におけるモンスター・デザインの方法論をよく知っているなら、君はD&D Nextのモンスター・デザインの方法論を既によく知っていることだろう。しかし、私たちはその強さにおいてレベル1より低いモンスターがいるので、レベルよりは脅威度でモンスターを分類している。なじみのある言葉を使うのは、そうやって提供したほうが私たちが扱うものをより親しみやすい形で提供できるからだ。

第4版のモンスター作成の方法論になじみがなくても、このルールではゲーム内のさまざまな脅威度をはかるための試金石となるものを提供する。最小の努力でモンスターを作成するために君がやることは、目標の脅威度に合わせた設定済みのステータスを選ぶだけだ。そしてその脅威度での典型的な攻撃ボーナス、ダメージの範囲、あるいはセーヴィング・スローの難易度などの能力をいくつか、君の満足するまで追加できる。

このシステムはまた、第3版で使われていたものに似たモンスター作成方法もサポートしている。君はモンスターの能力値、ヒット・ダイスなどを、脅威度に関係なく選んでデザインすることができる。それが終わってから、君はそれに割り当てた数値に基づいて脅威度を算出できるのだ。

アドベンチャーの作成で、君は経験点の見積もりを立てて遭遇の数を考えていくことから始める。君は個別に遭遇を作成することも、その予算に合わせた既存ダンジョンの階層、あるいは即興で作成するための単なるガイドラインとしてもその数字を使うことができる。モンスターは経験点を持つので、モンスターとその他の脅威を見積もっていけば、君のマップ、君のNPC、そして君がアドベンチャーのために創造したその他の要素に合う遭遇のしっかりとした土台を手に入れられるだろう。

これらの創造的な要素――ルールよりむしろ文章と想像力によって駆動するゲームの一部――のために、D&D Nexでtは君が素早く楽に材料を準備できるようにするたくさんの表と段階的な指示を提供している。この方法は初心者にとって、従いやすい定型書式を提供している。古強者にとって、それは使うにしろ修正するにしろ多くの見本が詰まった出発点だ。

たとえば、ダンジョン作成のために私たちが仕込んだ材料で君はそれぞれの表から要素を抽出し、ダンジョンを作成して備えておくことができる。君が表から取り出すことができる最初のひらめきは、そのダンジョンがどこにあるか、その上に何があるのか、誰が建造したのか、彼らはなぜそれを造ったのか、そして現在は何がそこに住んでいるのかだ。他の表ではモンスター、謎、そしてその他の要素といった部屋の内容を含めたダンジョンのマップを、ランダムに創造できる。

この方法はDMに時間を節約する効果のあるアドベンチャーのデザインの骨組みを提供するものだ。類似のさまざまな道具でアドベンチャーのプロット、NPC、そして他の資源を作成するガイダンスになる。私たちがD&D Nextで目標にしているのは、キャンペーンとそれに含まれるアドベンチャーの運用と作成がこれまでより簡単にできることだ。強固なルールのデザインと役に立つDM用資源が合わさることで、D&D Nextはもっともあわただしくて時間のないDMでもキャンペーンを成功裏に運用できるのだ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。


2014年04月22日 [長年日記] 編集

§ [NOVA] ハイランダーSSS-X完走

三月の中ごろからオンラインでやっていたハイランダーSSSのN◎VA-X版をついに終わらせて「夕日の沈む朝」で48経験点、「真夜中の太陽」で52経験点をいただいたですぅ。ダンジョンシナリオ風ギミックを強化したら楽しんでもらえていたようなので、N◎VAでプレイするダンジョンシナリオについてちょっと意欲がでてきましたぁ。

オンラインでもセッションはかなり疲労するので、次の準備はまた様子を見ながらになりそうですぅ。


2014年04月23日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 少し出た

ちょっと外出してちょっと用事を済ませたですぅ。


2014年04月24日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] バックファイア疑惑

昨日外出していろいろしたせいかとても眠かったけど、いつものことな気もするですぅ。


2014年04月25日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] アボカドとしょうゆの混合物

今日はお昼にアボカドを刺身にして食べたけど、トロやいくらはつまり油脂としょうゆがまじりあった味だからだいたい同じようなものだし、もっと廉価ないろいろな手段でエミュレイトできるのではないかと気づいたですぅ。


2014年04月26日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 有料会員になれば広告なし

動画やニュースのサイトで有料会員になれば飛ばせる広告があるけど、ああいう広告を見るのは会費を払わない(払えない)人だということを認識した上で広告主はターゲットを絞っているものなんじゃろうかといきなり広告が表示されるのに多少の不快感を抱きながら疑問に感じていたですぅ。


2014年04月27日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] ザビ家の裔

第二次ネオ・ジオン抗争前後でミネバ・ザビの動きがごたごたしすぎているらしいので、このさいいっそ蜂起する直前のシャアを取材した先輩から引き継いだジャーナリストが、資料を整理したり立喰師との邂逅を重ねるうちにミネバ・ザビという個人は存在しなかったことに気づいてしまうサイドストーリィを作ればいいのではないかと気づいたですぅ。

「シャアはこのミネバらしき人物をアクシズから逃がすときに一切の経歴を洗浄し、新たな人生を与えている。安全のために?」

老兵は口を結んだまま、若造に視線を向ける。それが答えだ。

「ミネバ・ザビという情報に結びついた個人を消すためか?」

その答えを聞き満足げに頷くと、かつてシャア・アズナブルの部下だった男は口を開いた。

「そう。あの方は自分ではなしえぬことを彼女の名に託した。宇宙移民のイノセントな代弁者の聖像は存続しなければならない。だが、彼女ひとりに押し付けられるべきでもない」


2014年04月28日 [長年日記] 編集

§ [DnD][DnDNext][LnL] 『兵法(The Art of War)』

マイク・ミアルス

ファンタジー小説や映画ではしばしば、善と悪の力を象徴するふたつの軍勢が世界の命運を賭けて激突する大戦争を最後に持ってくる。D&Dでは常に個々のキャラクターに焦点を合わせていたが、このゲームでも長い間いくつかの異なる方法で大規模戦闘のルール化を試みてきた。(事実、中世の戦争をミニチュアで戦う『Chainmail』のルールはオリジナルD&Dが生まれる鍵になるひらめきのひとつだった。)私たちがプレイヤーとD&D Nextに求めるオプションについて語らったときも、大規模戦闘のルールは多くのゲーマのほしいものリストで第一位だった。私たちの答えはD&Dで軍勢同士の戦いを行なうためのルール、Battlesystemだ。

D&D Nextのコア・システムのオプション部分にあるBattlesystemは、標準的なD&Dの戦闘システムをもとにしてミニチュアとマス目を利用したものである。それで使うモンスターとキャラクターのステータスにはほとんど変更がない。君がD&Dの戦闘ルールを知っているなら、すでにBattlesystemの90パーセントに慣れ親しんでいるということになる。

ルールの大きな変化は縮尺に絞られている。大人数の戦闘では少数の戦闘よりも多くの時間がかかるのが当然なので、Battlesystemの大規模会戦では1ラウンドが1分として扱われる。Battlesystemは正方形のマス目を縦横20フィートとして扱い、ひとつのミニチュアで多数のクリーチャーを表現する。Battlesystemで1体のミニチュアは“分隊”――ひとつの隊として戦う戦闘員の集まり――を意味する。10体の小型あるいは中型クリーチャー、また、5体の大型クリーチャーや2体の超大型クリーチャーはひとつの分隊を作る。プレイヤー・キャラクターと強力なモンスターを含むNPCは、1体のミニチュアで表現する武将として管理される。武将はそれだけでも戦えるし、大量の敵に囲まれて数で押されることを避けるために分隊へ参加することもできる。

ほとんどの分隊はより大規模な部隊の一部に組み込まれ、散兵か連隊として定義される。連隊は戦場へ対応するために、攻撃を撃退するための盾を構えた戦士の隊列、重装歩兵、重装騎兵、あるいはホブゴブリンの傭兵といった、異なった兵科の戦闘員を混合して組織だたせたものだ。対照的に、散兵はよりゆるい陣形の素早く行動的なものだ。軽装騎兵、斥候、エルフの弓兵、そして混沌なるノールの戦隊などが典型的な散兵の分類で、電撃作戦や戦場の大勢を見極めるための迅速な進軍に使われる。

Battlesystemでの移動は通常のD&Dルールより大規模になり、ミニチュアがマス目の中で陣形を組んで動く。移動困難地形、隠蔽、壁、その他の地形要素はコア・ルールと同じように機能する。戦闘はコア・ルールと同じように処理される。部隊が行動するとき、すべての分隊は通常通りに攻撃とダメージのロールで他の分隊を攻撃する。Battlesystemはお互いの規模を拡大し、両軍の戦闘員数名が1分間お互いに戦う様子を、戦闘員の戦闘ステータスを使って1回のダイス・ロールで再現する。

分隊が武将クリーチャーに攻撃した場合、1回の攻撃で分隊のクリーチャーすべての処理を行なう。武将はその悲惨なことになる危険がある攻撃を味方の分隊と隣接し、分隊のクリーチャーに防備を任せることで避けることができる。敵の分隊は武将を攻撃することはできるが、それは1回分の攻撃だけだ。

武将は分隊と同じように機能し、攻撃を行なってダメージを出すのはコア・ルールで行なう。武将が分隊に攻撃するときも、1ラウンドあたり1回の攻撃を行なう。しかし、2体の武将が戦うとき、彼らはBattlesystemの1分ラウンドの間に通常のD&Dルールを使用して10ラウンドの戦闘を行なう。彼らの軍勢が衝突する戦場の中心で、強大なレイスがラサンダーのクレリックと一騎討ちをすることもありうるのだ。処理速度を向上させたいのなら、君はそれぞれの武将のために10回の攻撃をロールしてダメージを算出してもいい。

士気は大きな戦いでその鍵を握る。部隊がその分隊の半分を失ったら、それは【判断力】のセーヴィング・スローに成功しなければ逃亡を始める。武将はそれら壊走している部隊をまとめ直すことができる。

Battlesystemのルールをさらに詳しく解説すると、勝利条件についてのガイドラインがある。戦場をデザインするとき、DMはそれぞれの軍勢に目標を決め(軍勢が彼らの指揮下にあるなら、プレイヤーの目標がそれになる)、それぞれの目標に勝利点を設定する。会戦の終了後、もっとも多くの勝利点を得ていた勢力が勝利となる。

Battlesystemルールの鍵となっている要素は、コア戦闘システムに依存していることだ。このデザインの決断によって、DMはNPCやプレイヤー・キャラクターも含めたゲームの中にいるどんなクリーチャーででも軍勢を構築できる。必要なのは最小の変換のみ――Battlesystemルールで唯一再計算する必要があるのは移動速度のみだ――で、大きな会戦を単純かつ楽にまとめることができるのだ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。


2014年04月29日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 連休前半はでろりごろり

いつもそうだといわれればその通りとしかいえないけど、連休前半は体調不良もありほとんど横になって過ごし、一部の方々には迷惑をかけてしまったですぅ。


2014年04月30日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] ノスタルジィを引き摺って

家のライブラリにあったパソコン通信のRPG関係過去ログを引きずり出して読んでいると、今はもうその名前を見ない人も多いけれど、今もまだインターネットで同じような分野の活動をしている人たちもいて、歴史の連続性を感じてまたノスタルジィの中に沈みそうになっていたですぅ。

それにしても、1991年ごろのログをちょっと読んだだけでもRPGシステム世代論やその適用について、ダイスを振らないゲームで表現したいことの意図と可能性、ロボットものの表現方法、オンラインや電話を使ったセッション、複雑なものの処理はコンピュータがはるかに強いのでテーブルはプレイアビリティを高める方向で云々と、現在にも続いていく、あるいは継承されていくことになる夢はこの頃から既に生まれていたのだと感じ入ったですぅ。