ネコぶんこ


2012年05月23日 人類の可住地域は、北方に偏った球面上の地片で、南端は赤道に接し、北は北極圏に続き、その向こうは周海と北極圏とを分ける山があって、その間にゴグとマゴグの防壁がある。 [長年日記]

§ [DnD][4e][DSH] 5月:『Into the Unknown: The Dungeon Survival Handbook

マスターへの言葉

君がプレイヤーのグループを集めたとしよう。それぞれキャラクターを作成し、彼や彼女の種族や役割を決定し、そして彼ら初心の冒険者が買い物に使うことができる限られた貯えで慎重に装備を選ぶ。今、君の仲間は彼らが運命を探すための場所へ向かう方法について君からの導入を今や遅しと待っている。君は彼らに何か奇妙で恐ろしいものが潜むそう遠くない修道院の廃墟の噂が村でささやかれていることを知らせる。実際に彼らが廃墟を探検したいなら、村一番の度胸を持つ者が道案内を勤める! (この一見何もなさそうな案内人はその見た目通りではなく、善や悪の強大な存在に仕える者かもしれないし、変装した盗賊かもしれないし、あるいは他の何かかもしれない……)パーティがそうと決めれば、冒険の始まりだ。

君は彼らにあまり使われていない道を2マイルほど歩き、彼らが沼地の外れに着いたことを教える。丘の下へ伸びている細い道は、壁を隔てた奥に建つ人気のない修道院へと続いている。プレイヤーの1人が丘を誰かが通ったように見えるか訊ねると、君はパーティに――交通が少なくまれであることがわかる――非常にかすかな足跡を見ることができると伝える。他のプレイヤーはいくぶんか安心し、他になにがわかっているかを訊ねる。君はまばらな叢林とそこかしこ(おそらく少し地面が盛り上がっている場所)に生えているカラマツ、そして半マイルほど先にあるさまざまな植物の孤立した密生地以外は気がめいりそうになる沼地の様子を描写する。かくして、パーティは彼らが冒険を望むなら――道に沿った――たった1つの場所しかないことを知る。グループのみんながパーティは修道院へ向かう道を登ると宣言する(それは決め打ちでも自分で決めても、たいした違いではない)ことで、本当の冒険が始まるのだ。

――ゲイリー・ガイギャックス“ダンジョンの冒険への第一歩”
AD&D Dungeon Masers Guide、1979年

先月、私たちは――ゲームで多くのダンジョンにある光なき暗黒を探索するプレイヤーに役立つ――新しいキャラクター・テーマを1つ(トラップスミス)とスヴァーフネブリンという種族を公開した。今回、私たちはディープ・デルヴァーのテーマを見ていく。

ディープ・デルヴァー

「上の世界の重みが俺の頭の上にのしかかるここだけが、俺の我が家だ」

踏み固められた大地と森の根の下には、地上の住民がどうにか想像できる世界が広がっている。無数の隧道と洞窟、川と湖による絶景という環境は、惑星全体に広がっている。だが、地下の荒野はその素晴らしさと同じくらい、準備をしていない者には冷酷だ。これらの荒野を生き残る者は世界でもっとも偉大な探検家の1人である。彼らディープ・デルヴァーにとって、アンダーダークへの探検は木々の間を歩く散歩と同じくらい普通のことだ。

ディープ・デルヴァーは自ら地下世界に挑戦したいという抑えきれない欲望につき動かれている。そのいくつかはアンダーダークに渦を巻いている主だった隧道の地図を作ろうとしている。他にも洞窟の孤独さに本能を惹きつけられ、地上での生活を捨てた者もいる。また、アンダーダークで生まれてそこを我が家と呼ぶ者もまたいる。

地上生まれ

君が地上を故郷とする種族の一員なら、君は何か神秘的なものに導かれて地下の生活を好むようになった――そして生き残った――に違いない。アンダーダークは広さも地理も地上とはまったく違う。君がなぜ地下で生きることを選び、そして君はどうやってその多くの挑戦に取り組んでいたかを考えよう。

君は新たな風景と経験を常に探し続けているのだろうか? そこへ向かう肉体的な挑戦は楽しさの半分を占めているだろうか? 君は数マイルにおよぶ深さの谷を降りたり、水浸しの洞窟を泳いで通り抜けるなどの忙しさを味わうかもしれない。そうした風景を最初に味わって興奮するのはそれ自体が報酬である。

君は必要に迫られてディープ・デルヴァーになったのかもしれない。君はおそらくアンダーダークへの入り口に近い場所の共同体に住んでいて、怪物的であったり野蛮な人型生物の攻撃と戦わなければならず、そのために隧道と周辺地域を警邏することが君の故郷で生き残るために必要なことだった。あるいは、君の生活はたとえば希少な鉱物や魔法の構成要素などアンダーダークの珍しい資源を見つけることにかかっているかもしれないし、単に食べるものを探しているのかもしれない。いずれにせよ、君は地下での追跡や高い洞察力がうまくなければならない。

もっとも有名なディープ・デルヴァーには彼らが行なうアンダーダークの探検に金を払う後援者がいる。君は裕福な君主から、領地のある鉱山で発見された長大な坑道を地図にするため雇われているのかもしれない。君の後援者はアンダーダークの文明と交易を始めたり、競争相手へ秘密の攻撃を行なうための隧道を望んでいるのだろうか? 君の調査結果はキャンペーンに広く影響を及ぼす事件を起こすことができる。

君が何から離れて探検をしているかも考えておこう。君の家族や友人とのつながりは君が冒険をしている間切れているだろうが、それは特徴になる。君は何かから逃げてディープ・デルヴァーになったのだろうか? そうならば、アンダーダークの果てしない深淵よりもよい隠れ場所はあるだろうか?

地下生まれ

アンダーダークで生まれたディープ・デルヴァーにとって、地下は不思議な世界ではなく――我が家だ。世界一の伝説的な危険、神秘の土地、そして異世界の獣は君が毎日触れているものだ。もし君のキャラクターがアンダーダークの種族であれば、君は自宅の裏庭でたいまつを振り回すような真似をしている地上の住人に対する忍耐はとても少ないだろう。

君のキャラクターの故郷と文化がどうキャンペーンと関わるか考えよう。彼らの巨大な親利で有名なドワーフは上層に住み、定期的に地上の共同体と商売を行なっている。ゴブリンやコボルドのように野蛮な人型生物も、はるかに礼儀を欠いてはいるが同じようなことを行なっている。これらの種族は――ヒューマンやエルフの狩人が森や沼の近くに住むように――地上の荒野に近い彼らの版図と近い、危険だが神秘には掛けている場所に住んでいる。

より深い場所に住む、たとえばスヴァーフネブリンのような種族はアンダーダークと共生する者たちで、彼らは保護と糧を得ている。これらの種族のディープ・デルヴァーは地上世界を驚愕と伝説の地とみなしており、地上からの探検家を迷惑な観光客とみなしている。

ディープ・デルヴァーの例:深淵歩きのカール

「大丈夫。僕はみんなを地上へ戻すよ……絶対に」

深淵歩きのカールは学んだだけで、探検家としての気概をアンダーダークの旅路で試されたことはない。彼は仲間の探検家とはぐれた若いヒューマンは、深みの荒野を生き残ってかつての仲間が死んだことの裏に何があったのか、彼の未知数な機転に頼ることを余儀なくされた。

もうEncountersも始まってしまったけど、1stのDMGに書かれたガイギャックスの文章がプレイの感覚を伝える味があるものだったので『May: In the Works』に出ていた最後のDungeon Survival Handbookプレビュー記事を訳しましたぁ。

(それは決め打ちでも自分で決めても、たいした違いではない)というくだりには、何年経ってもやることはそう変わるものではないと思わされたですぅ。