ネコぶんこ


2012年07月26日 今でも、あたしは右眼に魔法がかかっていると思っているもの。 [長年日記]

§ [DnD][4e] 2012年03月11日(無題)

エスペランザ(エラドリンのメイジ/ブララニ・ウィンターソウル17):冷気を支配する力をより研ぎ澄ました秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。

グスタフ・トラップ(ヒューマンのシーフ/パラゴン・シーフ17):速くて痛い弓使い。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。

コナン(ヒューマンのキャヴァリアー/ヴァリアント・キャヴァリアー17):敵の船に縛り上げられて転がっていた謎の騎士。湖に沈んでいた石柱(モルデンクラッド相当)を振り回す。プレイヤはアシタカ氏。

セヴン(ドワーフのウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン17):斧を偏愛するドワーフ。死狂い。キャプテンにしてジェネラルなのでまぎらわしい。プレイヤは隠者氏。

敵から奪った船をあらためて検めると、船倉から男がひとり出てきた。彼の名はコナン。遍歴の騎士である。天の島に身を寄せていたところを襲撃され、エラドリンを助けて戦っていたら捕縛されたらしい。

ともかく、こういう状況下で戦える人材は得がたい助けである。四人は“名無し”に歩哨を任せてこれからの策を検討し、とりあえずは敵がいかなる存在か知ることが先決という結論に到達。エスペランザがコンサルト・オラクルで情報を抜くことにした。
「天の島を襲撃した者の正体を教えよ」
「其は“黒耀王”星霜を経たリッチなり」
「“黒耀王”の経箱は何処にやあらん」
「其は王の侍らす船がひとつ、樹の洞に」
「“黒耀王”の切り札を教えよ」
「王の御座船は船に非ず。其は“黒耀王”の自我が移植されたミミックの変種である」
「“黒耀王”の一番知られたくない過去を教えよ」
「憧れていた女性に振られて酷いあだ名をつけられた事である。(表記不能)と」
「うむ。やはりこの手の恥ずかしい名乗りをする奴らしく何かあったらしい」

などなど。色々と調べると、“黒耀王”は天の島を追放されて以来あちこちを放浪し、宇宙の超空洞で闇の中に生きるフォモーリアンなど祝福されざる者アンシリーコートを従えることに成功し、長い時をかけて復讐のために艦隊を動かしてきていることが判明した。

長命なエラドリンとはいえ困難がある歳の問題を、“黒耀王”はリッチへの変成によって克服したと知ったパーティは、経箱を収めた船を探して出航した。

識別信号を偽装しながら艦隊に潜入して後方に位置する目的の戦艦へと近づくと、通信を入れる。
「トイレ壊れた。もう我慢できん」

「船を仕切ってるのはフォモーリアン・アウトキャストというトゲのついたチェーン巻きつけたゴスっぽいやつDEATHゥ」
「ううむ。こっちも男ばかりだし実に男臭い」
「それはそうと三ラウンド以内に決着つけないと、さすがに近くの船から怪しまれて増援きたりするDEATHゥ」

〈はったり〉に成功して平和裏に接舷したところで、エスペランザが甲板後方のリッチ・レムナントに呪文を炸裂させて彼らを一掃。そのまま前衛が突入してフォモーリアンや樹木のふりをしていたウッド・ウォード・ジャガーノートも撃破し、三ラウンド以内に経箱を奪取してそのまま船を離れた。

しかる後にパーティは経箱を携えて金字塔めいた御座船へと潜入した。グスタフが手近な作業員を捕まえて脅しつけ、警備の目をあざむいて艦橋へ向かう。だが、艦橋へ入るための生体認証で止められ、兵士と艦の防衛システムを相手に戦闘となった。

コナンが防衛システムを押しとどめるため全員の攻撃を集中することができず、決定打の出ない状況が続くが、重傷になった防衛システムがグスタフが持つ経箱を見つけてしまい、あからさまに狼狽した声をあげてしまう。

パーティはそこをついて“黒耀王”と対峙し、乗組員の面前で彼以外の当事者が死に絶えて誰も知らないはずの古いあだ名をエスペランザが連呼して心を叩き折り、祝福されざる王と交渉を始めた。
「経箱を返してもらおう」
「勘違いするな。ここで経箱を割ってお前ひとりを殺すくらいの余力はある(実際、一日毎パワーをほぼすべて温存していた)」
「では何が望みだ、撤兵か?」 「ちょっと心は痛むかもしれないけど、あの島とは関わりないし」
「ならば金か? 魔法の道具か?」
「いや別に」
「ならば何だ、お前たちは何なんだ!」
「強いていえば」
「お前が一番嫌がることをしたい」

結局、“黒耀王”がもう死ねないよう敵地の中心であるエラドリンたちの島に経箱を預けて軍を退かせ、パーティにはいくばくかの財貨と船を与えるという話がまとまり、パーティは船に財宝を積んで帰還する。その後ろでは“黒耀王”の艦隊が再び空の深遠へと消えていった。エラドリンが住む天の島を襲った危機は去ったのだ。