ネコぶんこ


2012年11月06日 「全然憶えてもいないのに、どうして一九六〇年代の世代の一員になれるんだい……」 [長年日記]

§ [DnD][4e] その他シナリオ紹介

今回のシナリオ紹介は特にシリーズ名が冠されていないシナリオ集ふたつについてですぅ。相変わらずの前置きだけど、どちらもモンスター・マニュアルIII以前のものだからMonster Vaultのデータに適宜差し替えたりダンジョン・マスターズ・ガイドIIの精鋭、単独作成ルールによるアップデートを施した方が戦闘はスムーズに回るですぅ。

ダンジョン・デルヴ』/『Dungeon Delve』[Amazon.com]

4eで提示された新しいプレイスタイル、みっつ程度の遭遇をひとつにまとめたデルヴ形式のシナリオを1~30レベルまで一本づつ収録したシナリオ集ですぅ。

そのままプレイしてもいいけど、戦闘以外の遭遇を盛るベースにするのも便利なので使いで画ありますぅ。また、参加者の慣れやPCの作成など下準備次第だけど一日で完結したプレイができるので、定期的なプレイ機会がないグループや色々なシステムをプレイしていてDnDもそのone of themなグループにもうってつけですぅ。

ダンジョン・マガジン年鑑』/『Dungeon Magazine Annual, Vol. 1』[Amazon.com]

これは2008~2009年の『Dungeon』に掲載されたものからのよりぬきシナリオ集ですぅ。収録されているシナリオはそれぞれ、

  • 『氷塔の脅威』(2レベル用)
  • 『魔女の冬』(22レベル用)
  • 『岩皮王の玉座』(15レベル用)
  • 『嵐の塔』(3レベル用)
  • 『禁断の炉の中心』(7レベル用)

となってますぅ。

個別のシナリオに目を落とせば『氷塔の脅威』は舞台がフォーゴトン・レルムに設定されているけどオーソドックスな構成で他のセッティングにも流用しやすく、『禁断の炉の中心』は逆にこれぞエベロンといったつくりになっているですぅ。

『魔女の冬』は冬越村のパドレイグ卿などシャドウフェル城の影で訪れた場所や交流したNPCの多くがふたたび登場する続篇要素が強いシナリオなので、神話級に達した冒険者たちが旧交を温めるプレイをするのにうってつけですぅ。

『岩皮王の玉座』はホビージャパンの公式サイトにある『Scalles of Warの手引き』で説明されているように、より大きな『Scales of War』シリーズからのいちシナリオですぅ。しかし、大筋は王位簒奪をもくろむ悪の貴族とその黒幕を斬る簡潔明瞭なものだからシナリオに直接関係ないところは切り捨てて単発プレイにも調整できるですぅ。

『嵐の塔』はデルヴ形式にも近い敵とギミックが詰まったダンジョンものだけど、多数のイラストが添えられたシナリオのテキスト自体が面白い内容なので、一番得をするのはプレイ前に内容を読めるDMとプレイ後それを確認できる参加者だったりするですぅ。

このようにそれぞれ光るものがあるオムニバスだけど、まだ4eでどんなシナリオをデザインすればより楽しめるか方法論がきちんと確立されていなかった2009年段階でのベストであるのが残念なところではあるですぅ。

こうした方法論は常に蓄積されアップデートされ続けていて、英語でもいいなら『Dungeon』で最新のシナリオを見ることでそれに触れられるし、ホビージャパンの公式サイトでもWebサポート記事のまんがやリプレイ、そして新しいノウハウや日本でのプレイスタイルを考慮に入れたシナリオのダウンロードといった形でそうした楽しみ方の例示が行なわれてますぅ。