ネコぶんこ


2012年11月19日 皇帝の新しいモール [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『練達ダイス(Expertise Dice)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私たちは先週、モンクのキャラクター・クラスを公開した。私たちは最新のパックで、ローグを修正した。それらのクラスはいずれも戦闘能力の成長を練達ダイスというかたちで表現している。

ぱっと見ても、練達ダイスがキャラクターに技を使わせるためにあると考えることは簡単だ。このシステムはまずファイターに使われ、このクラスが簡単に戦技を使えるようにした。私たちが先へ進むにあたり、システムの動きとそれがゲームでどういう役割を持っているのかを話すのは価値あることだ。

ゲームがまとまるにつれ、練達は武器を扱うクラスがかつての版で持っていた攻撃ボーナスの上昇を置き換えるものであることが明白になった。D&Dで武器の使い手は伝統的にレベルが上昇すれば攻撃へのボーナスを得てきた。第3版では基本攻撃ボーナス、AD&Dではレベルによってヒットする確率が上昇し、第4版ではレベルの半分を攻撃ロールに加算していた。

D&D Nextで、私たちはここを少し変化させる。君の攻撃ロールへのボーナスを上昇させるだけではなく、むしろシステムはその代わりにダメージへのボーナスを上昇させる。練達ダイスは君の武器を扱うことの得意さを表現するものだ。非常に熟練した戦士は初心者よりも非常に強い一撃を与えることができる。この改善点はヒット・ポイントの一面として致命傷を避ける技術を表現する意図があり、君のヒット・ポイントがレベルとともに上昇することとも連携している。

こうすれば2人の戦士を比較したときでも、彼らは効果的な一撃を与える能力と致命傷を避ける能力では対等なものにできる。ダメージ・ボーナスが君の武器の腕前を表現するように、ヒット・ポイントにも君の防御能力が向上したことを表現する面がある。

これは小さな点かもしれないが、私たちが他のクラスを見ていくにあたって心に留めておくことが重要になる。近接攻撃がその根幹にあるさまざまなクラスが練達ダイスを得ることはあるかもしれないが、それはほとんどのクラスが技を使うことには直結しない。事実、この方法はゲームにまとまりを与えるための助けになる利益がいくつかある。

まず、この変化は数値についての方法論をより簡単に維持できるようになる。私たちは命中率を以前よりも平らなままで維持することに満足している。君が攻撃に得るボーナスは以前より非常に遅い成長となり、私たちは以前の版と同じような命中率によるクラスの差別化は行ないたくない。低レベルのキャラクターは強いモンスターにヒットしないということはない(高いACがモンスターを特徴づけるものでない限りは)が、クリーチャーを倒すためにより多くの攻撃が必要になる。同様の理由により、弱いモンスターはより速く高レベルのキャラクターに倒される。彼らが脅威をもたらすためには集団で攻撃をしなければならない。これこそ私たちがゲームのデザインを始めてから目指してきた緩急だ。

第二に、それはファイターの能力すべてを練達が担っているわけではないことを示している。ファイターにはそれ独自の何かが必要だ。今のところ、私は練達を使わないファイター専用の能力をParryの技と似たものにしたい。これによってParryは単独のオプションとして強化され、ファイターは攻撃と防御にダイスを振り分ける必要がなくなる。

第三に、多くのクラスが練達を使うなら、それをできるだけ簡単に使えるようにする必要がある。現在、練達は君のターン中に記録をしていく必要がある。ファイターについての案はここだ。君が機会攻撃でトロルに斬りつけて押しやると宣言する。練達ダイスを攻撃のダメージ増加につかったなら、君はそのことを君のターンが来るまで覚えていなければならない。私たちの理想では、君のファイターが自分のターンと対応の両方でダイスをすべて使えるようにしたい。単純なほうのファイターを選んだプレイヤーは練達ダイスをダメージへのボーナスに使えると知っていればよい。

第四に、たとえば《二刀流》、《速射》などのように――以前の版では多くの異なるクラスで選べて使えた特技を、キャラクターがより多くの技を得る手段にできる。パラディンが練達ダイスを使うなら、パラディンをプレイしている者は汎用技かダイスを別の方法で消費するか選ぶことができる。

最後に、ルール・モジュールは異なる方法で練達ダイスを使うことができる。たとえば、戦術的戦闘オプションはすべてのキャラクターが練達ダイスで使える汎用オプション群を提供するかもしれない。ダイスを使うことで誰もがさまざまなことを試みることができる簡単な離れ業のシステムも考えることができる。オプションとして導入できるパワーのシステムも武器を使う者に遭遇毎、あるいは一日毎パワーを与え、君はダイスを限られた基礎からより大きな効果のために使うことができるようになるかもしれない。

それでは、練達ダイスについてまとめよう。

  • それらはダメージへのボーナスにより、君の腕前を表現する。
  • キャラクターの武器の腕前は攻撃ボーナスよりむしろ、ダメージ・ボーナスとして成長する。
  • 技は限られたクラスが持つ。
  • 特定の技いくつかは特技によって使えるようになる。
  • 私たちは練達ダイスをたとえばパワーや戦術的戦闘など、いくつかのオプション・ルールのモジュールで使う資源にもできる。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。