ネコぶんこ


2012年01月14日 友人がコンピュータの前に座っている間、リチャードは後ろを歩き回りながら、彼らがダンジョンをおずおずと進み、悪魔と戦い、宝物を探す様子をじっと見ていた。 [長年日記]

§ [DnD][4e][HotEC] 2月:『Heroes of the Elemental Chaos

製品カタログより:火と土を統べる者。風と水の王。Heroes of the Elemental Chaosは“元素の渾沌”とそこに棲むプライモーディアルなる存在に関連するプレイヤー・キャラクターを作成するための決定版ソースブックである。それは自然世界の英雄に元素がどう影響するかを示し、プレイヤーに元素を主題にしたキャラクター・オプションを提示する。

さあ、本を盗み読み、元素クリーチャーがあらわにする純粋な能力、元素魔法の使い方を学ぼうではないか。これらのクリーチャーは“元素の渾沌”に由来する生の力を、自分自身を媒体にしてその次元界から取り出す。冒険者には自分自身を元素のクリーチャーに変異させるなど、下方次元界の力を我が物とするための非常に多様な方法が存在する。

Heroes of the Elemental Chaosの第1章では君のキャラクターが元素の力を探求するための方法、君自身が元素のクリーチャーに変異したり、君自身を元素のエネルギーになじませたり、君のキャラクターに彼や彼女の力を与えてくれる元素の後援者を見つけられるかもしれない。

元素の後援者

多くの定命の者にとって、プライモーディアルのために奉仕するほど大いなる裏切りは存在しない。これらの存在は世界の破壊を求め、定命の領域やアストラルの領界を跪かせるために“元素の渾沌”から出陣した。神とプライモーディアルの間には、敬虔で献身的な従者が守ってきたような、神聖な絵巻物や古代から伝えられた年代記に描かれるような宇宙的闘争が起こった。それらの文書では、プライモーディアルたちをいましめる鎖を壊したり彼らのまどろみを覚ますことについて、おどろおどろしい警告を目にすることができる。破滅。破壊。終末。

しかし、どこで見つかろうがこれらのカルトを根絶しようとする狩人と審問官の働きにも関わらず、プライモーディアルの信者は彼らの間違った信条を曲げない。そして世界は穢され、深い闇へと落ち、より多くの人々はもっとましな未来を探して神の寺院に背を向ける。

プライモーディアルは悪と破壊の権化だという言説は必ずしも正当化されるわけではない。確かに、邪悪な力を彼らの中に見ることはできる。恐怖の王、エレクハスは破壊を渇望する性向で知られていた。“血王”ハエムナトゥンは神々によって倒されるまで、名状しがたい残虐さでアストラル海を襲った元素の将である。しかし大部分のプライモーディアルは神々に窮極の破壊をもたらし、彼らが創造した世界を崩壊させること以外を望まなかったとしても、あまりに強大であったり自分のことに夢中で暁の戦に興味を示さなかったものもいる。

数柱のプライモーディアルはこの世界に命をもたらし、神々は真の可能性で創造を導く同胞とみなした。しかし暁の戦は彼らの関係を絶ち、敵の見方とみなされたこれらの独立した存在は犠牲となった。ある種の神々は誰彼かまわず無差別に敵を認定していったため、善のプライモーディアルもこの対立に巻き込まれ、彼らの被造物は何もかも世界を震撼させる事件の中で失せ果てた。善にせよ悪にせよ、すべてのプライモーディアルは神前裁判により暗黒の牢獄に幽閉され、忘却されていった。

プライモーディアルが創世で果たした役割に注目すれば、彼らがその玉座を簒奪した神々よりも崇拝に値すると主張する者もいるかもしれない。彼らの力無しに、今日の定命の領域はありえない。時間も歴史も無い。終わりなき渾沌のみが横たわっていた。かくのごとく、得心した定命の者が天に叛いておのれの信仰の座を求めるのはたやすい。あまりにも起こりやすく、しかし、定命の者は悪に染まり、狂気を覗き、もろもろの唾棄すべき存在へとなり果ててプライモーディアルをその力と彼らの渾沌たる遺産でしか求めなくなる。スーニースやベンハダルの恩寵を受けたすべての善き智慧を探す者、アイミックスの名において家を燃やす邪悪な放火魔、オルヒドラの堕落した狂信者は幼子を溺れさせて移り気な女王への生贄とする。

プライモーディアル

この項に記されるプライモーディアルは冒険者が後援者として選びうる主要な既知のプライモーディアルを簡単にまとめたものである。この一覧からは死んだプライモーディアルやそれらが完全に破壊的なもの、また圧倒的に邪悪な傾向を持った冒険者のグループに適さないものは除外してある。自然世界の原始精霊のように、プライモーディアルの力も拡大解釈でき、DMはそれぞれのキャンペーンに重要な新しいプライモーディアルを遠慮無く加えてよい。同様に、プレイヤーがキャラクターに選択したクラス特徴や能力に適合する新しいプライモーディアルを提案するのもよい。

元素大公

宗教の教えと古代の歴史に染まった多くの定命の者の考えは、力あるプライモーディアルは恐るべき力を持つ暴君に他ならず、好戦的な存在は創世での役割を終え、今は“元素の渾沌”のもっとも深い深淵にある、封印された脱出不能の牢獄に鎖でいましめられ幽閉されているというものである。彼らが開放されればどんな災厄を巻き起こすか知れない恐れと不安を喚起するもの――それでもこれらの危険を秘めた存在を、ひとまとまりの家族だろうと考えるのは愚かな短絡思考である。それは古代の元素諸侯たちの間に広がり、彼らが虜囚、追放、そして休眠する怪物という身の上になっても今日まで続くもつれた同盟関係や怨恨が原因ではない。

大霊として知られるある集団は、しばしばプライモーディアルとして数えられるが、様々な点で他とは際立っている。若干の伝承はこれらの存在が世界の創世やその後起こった事件にほとんど関与していないことを示唆する。大霊はプライモーディアルが最初に創造したしもべで、彼らが他の元素の存在を支配するように渾沌の力を吹き込まれたのかもしれない。

彼らの起源に関わらず、諸侯の中で大霊のみが暁の戦を生き延び、今日も彼らは定命の世界に影響を及ぼしている。多くの定命の者はかれらの存在を元素大公と呼んでいる。悪の大公はアイミックス、オグレモク、ヤンシービン、そしてオルヒドラなどを含み、小規模な悪のパンテオンを形成し、次元界を越えて暗黒と悲惨な終焉を求める崇拝者や下僕を集めている。

彼らの破壊に対抗する大霊の集団は善の元素大公として知られる。これらはベンハダル、チャン、スーニース、ザーマン・ルル、などである。彼らは善だととらえられているが、彼らの徳は定命の倫理ではなく、彼らと対立する悪の鏡像として存在するものである。これらの存在は善意を持ち、彼らの領域に住む元素のクリーチャーもそれを継いでいる。

クリョナクス

すべての騒乱を彼らが誘い煽る、半身がその同位体へ力を見せつけるために、ほとんどの元素大公は互いを相殺している。彼らはどれも世界に与える脅威が大きいものの、大霊はお互いに、善が悪に対抗すれば、悪は善を押し返し、どれかが力と影響を増やせば、他が野心的な同位体を倒すために力を増す。

この均衡は“5柱目の”悪の元素大公には適用されない。彼の悪と均衡を取る同位体はおらず、その結果彼は非常にゆっくりとだが自由になるための戦いに勝利しようとしている。雪煙王、クリョナクスは、ロルモックの牙として知られるぎざぎざの山脈から流れ落ちる氷河に封印された恐るべき触手である。彼は冷気の元素と氷、雪、そして寒冷地に関係するすべてのクリーチャーの統治者である。彼の鞭打ちと戦うアダマンティンの鎖で縛り上げられ、彼にたえず従うエレメンタルとアイス・アルコンはあるじが再び自由になるため、そのいましめを和らげようとしている。

クリョナクスは毛皮に覆われたイエティのようだが、腕の代わりにたくましい触手を持つ巨大で残忍な怪物である。彼のいましめがより弱くなり、牢獄の周囲にひびと割れ目が生まれれば、定命の者などあっという間に凍らせる絶対の冷気が開放されて噴き上がるだろう。

秘密めいて矛盾した伝説は、さまざまに雪煙王の起源を示している。いわく、彼は“旧き元素の目”に創造された最後の恐怖である。いわく、クリョナクスは“元素の渾沌”を征服するためアビスから出兵したデーモン・ロードである。他にも彼は他ならぬ、かつて冬の女神だったカーラで、彼女の不正に報いるため殺されずに下方次元界に投げ落とされたという説さえある。真実がどれであれ、クリョナクスはその半身を持たず、自由を得たあかつきには“元素の渾沌”だけではなく、創世の所産すべてを征服しようともくろむ、より巨大な野望を持った大霊の背信者である。

封印されたプライモーディアル

定命の世界に原住する者がプライモーディアルについて考える時に思い浮かぶのは、彼らが追放されて封印された存在であり、二度と自然の領域を荒らさないということである。“追放されて封印された”一部は正解だが、神格は幽閉や。封印されたプライモーディアルが一様に示した固有かつ(彼らの希望である)強い適応力に骨を折った。より具体的なそれらの存在についての物語をここでは5つ紹介する。

多頭のもの、ブリャクス

もっとも怪物めいたプライモーディアルの1柱が多頭のもの、ブリャクスで、こぼした血は最初のヒュドラを生んだ。暁の戦では邪悪で恐るべき神々の敵となったブリャクスは、その決して満たされない食欲で数多くのエンジェルをむさぼり、“大喰らい”のふたつ名を得た。コードは激戦の末に彼を破り、致死の一撃を叩き込んだ。だが、ブリャクスは世界の上にその霊液をまき散らしてのたうった。プライモーディアルはさらに戦い、コードもまたもう一撃、雨のように殴っては殴りつけ、原型を留めないまでにした。

そのひどい傷にも耐えてブリャクスは生き残り、飛び散った肉片と骨には彼の憎悪がしみこんだ。彼の失墜以来、彼の下僕は彼のかけらを探して次元界を放浪し、誰も彼らの計画に干渉できない秘密の場所で彼らのあるじを組み立てた。彼の狂信者が彼を再生させるため、終わりも見えぬまま数世紀を無益に使ったというのは、コードがどれだけ手ひどく多頭のものを解体したかを示す証拠である。ブリャクスはこの哀れな状態である限り、彼が与える元素の力がどう使われようと何もいうことができない。

自由なプライモーディアル

何らかの理由で、少数のプライモーディアルは暁の戦が終わっても神々の復讐を受けなかった。彼らが自由のままでいる理由は、その存在そのものと同じくらい変化に富んでいる。

ティフカディ、雷電大公

ストーム・エレメンタルの王は暴力的で予測不能――遠雷と少々の警告を込めた破壊的な爆発の間でゆらめく、強く、気まぐれで怪物めいたプライモーディアルである。ティフカディの怒りを鎮めるチャンの働きが無ければ、この雷電公はとっくの昔にすべての支配権を失っていただろう。暁の戦で敗色濃厚になった時、チャンはティフカディを誘って起こるはずだった破壊のほとんどから彼を助けた。

ヘウルケットの敗北と失踪以来、雷電公はより強くなった。支配力は彼を“元素の渾沌”を開発することにかけてより攻撃的にし、彼は自然世界に影響する神々に怒っている。その怒りで彼は時々よい結果を得て、チャンにもう一度軍門に降って戦うよう要求する。

ティフカディは兵士や使者としてストーム・アルコンを使い、彼の力という恩寵を受けたがっている定命の者と会話する。このプライモーディアルは時々、原初の追放に怒る。こんな時、世界の空には暴風が巻き起こり、緑の稲妻と耳をつんざく雷鳴が轟く。

これらの後援者は君の英雄に元素の力を与えるかもしれないが、君たちには私たちが完全なプレビューが始まる月末まで待ってもらわなければならない! しかし、私たちはこのHeroes of the Elemental Chaosにはアースフォージャー、ファイアクラフター、ウォーターシェイパー、そしてイェニチェリ(ジンの下僕)のような元素のキャラクター・テーマを含んでいることは告知しておく。君はまたソーサラーのサブラクス、エレメンタリストに、ウィザードのサブクラス、シャイル、そして熱砂旋風と有為転変という、モンクの修道門派2つをはじめとする他のクラスのオプション。さらに君はメルフズ・ミニチュア・メテオスや、サモン・アン・インヴィンジブル・ストーカーを発動できるようになる。君はまさしく世界すらも割れるようになるのだ!

クラック・ザ・ワールド
Crack the World/割れる世界 ウィザード/攻撃/29
大地は震撼し引き裂かれ、君の敵は深い地割れへと落ちていく。
[一日毎]◆[秘術]、[装具]、[力術]
標準アクション 範囲・壁8・20マス以内
目標:壁の中のクリーチャーすべて
攻撃:【知力】対“反応”
ヒット:目標は戦場から除外され、継続的ダメージ30点を受ける(いずれもセーヴ・終了)。
後効果:目標は壁と隣接するマスに伏せ状態となって戦場に復帰する。
ミス:目標は15ダメージを受け、使用者はそれを壁から離れるように3マスまで押しやる。
効果:壁は地面のマスに80フィートの深さを持つ地割れである。クリーチャーがこの地割れを登攀する場合、難易度31の〈運動〉判定となる。

先月に続き、今月の『January: In the Works』にもHeroes of the Elemental Chaosのプレビューが来ていたですぅ。

この記事では後援者として選択できるプライモーディアルやそれぞれの物語が紹介されていて、今までかなり漠然としていたきらいがある彼らの深みが増しているですぅ。