ネコぶんこ


2012年05月03日 「僕はシングルプレイヤーゲームが大好きだよ。すごい長所があるからね。ゲームの中の生活は特別なものだ。自分は全世界を救うヒーローで、不死身の存在なんだ。そして、どこに行っても新しい発見がある。それに、同じゲームをプレイしている人が近所にいても、知らないままでいられるんだ」 [長年日記]

§ [DnD][4e][DSH] 『コボルド(Kobolds)』

The Dungeon Survival Handbook』プレビュー

バート・キャロル

暗い通路が四方八方に伸びている。静止し、澱んだ空気が一歩づつ注意深い前進によってゆっくりと攪拌される。鎧のぶつかる音と砂利を踏む音が地底深くの部屋では唯一の音だったが、それらが低く反響し続けて耳を惑わす。

次の角を曲がったところにあるかすかな明かりが、通路のこちら側からも見える。闇の中で距離を測る方法は無く、それは遠くの明かり、近くのヒカリダケ、あるいは潜んでいるけだものの目に反射する炎、のいずれでもありえた。仲間を一瞥し、前方に何があるか確認するためパーティのリーダーは開閉式ランタンのシャッターを持ち上げる……。

ダンジョンには冒険者が望みうるすべてが待っている。掴み取るべき無数の富、新たなる探検場所、危険なけだものへの挑戦、そして見知らぬ社会との交流。地上世界での楽な生活に慣れた普通の冒険者は、少しの間ダンジョンに入るだけでそれを栄光ある勝利だと考えるかもしれない。

しかし寸進尺退はなはだしいアンダーダークの住民や熟練の穴掘り屋は暗闇の奥深くで生き残ることがどれだけ困難か、洞窟を降りるほど世界はより危険になることを知っている。

ダンジョンの冒険すべてには大いなる危険とそれより大きな報酬がついてくる。君(と君のキャラクター)がダンジョンに潜り成功したいなら周到な準備、問題解決技術、鋼の神経、そしてかなりの幸運が必要となる。すべての曲がり角には予想外の脅威、危険な謎、あるいはこれまで見たこともないアンダーダークの脅威が潜んでいる。君はそれらを理解しなければ、脅威へと近づけないだろう。

今日のInto the Unknown: The Dungeon Survival Handbookのプレビューは、彼らのほとんどは怪物的であったり敵対的だが、アンダーダークやダンジョンを故郷にする多くの種族だ。

彼らに独特の生活様式は厳しい地下で暮らす現実に適応したものだ。彼らは他の種族から疑われたり憎悪の目で見られるが、これらのダンジョンに住む者は地表を歩く者たちと対をなすものとして充分に英雄たりうる。

  • ゴブリン:ゴブリンは底なしの好奇心を持ち、小柄な悪童たちは世界中のダンジョンに群がっている。
  • コボルド:小さくて貧弱なコボルドは、アンダーダークで生き残るため彼らの罠に頼っている。
  • スヴァーフネブリン:多くの人々は謎めいたアンダーダークのノームをおとぎ話だと思っている。

コボルド

コボルドはその数と狡猾な罠によって彼らの体格と筋力を補い、ダンジョンや洞窟を制圧する。世界のより大きく強いモンスターの間で生き残ってきたことが、彼らの戦術と手先による生存能力を示している。

コボルドは大規模な部族を形成し、彼らの数を増やすため頻繁に繁殖する。集団による圧力と求心力ある指導者の強権的な命令により、共同体は末端まで彼らの生存のために働く。それぞれのコボルドが何を感じて信じていようが、共同体は服従を求め、すべてのコボルドは部族が期待するようにふるまおうとする。若干のコボルドは善の心を持っているが、彼らの族長は冷酷さだけが種族に力を与えると信じている。このようにほとんどのコボルドは悪の行為を許容するか、少なくとも利己的な存在である。 コボルドは世界が彼らについて思っていることとほとんど変わりがない。彼らはごみあさりであり盗賊だ。彼らは自分たちで食べ物を育てず、何かを起用に作るよりは他からあるものを奪う。彼らは文明の境界に潜み、農場を襲い、隊商を待ち伏せる。彼らは自分たちが防衛するのに適し守りを固められるところを選び、古い遺跡やダンジョンに住み着く。彼らが大勢いても、断固とした攻撃に対して身を守ることはできないとコボルドは知っている。このことから、多くの部族はさらなる力を求めてモンスターと同盟を結成したり、ダンジョンの支配者の召使いとなる。

コボルドが同盟しうるモンスターのうち、ドラゴンはすべてにおいて最高だ。ドラゴンはコボルドが持たないものをすべて備えている。巨大さを、威厳を、そして強さを。彼らはコボルドのかくあるべしという自身の姿を投影した神であり、ドラゴンがこの小さなクリーチャーを受け入れたらの話であるが――信仰と奉仕に値する。ドラゴンの一挙手一投足が部族を迅速な行動へ駆り立てる。コボルドはその巣穴へ追いすがり、生贄、行列、そして彼らが見合ったと思うさまざまなものでその意思を示す。もちろん、ドラゴンは目の前に居並ぶ自発的な犠牲を満足いくまでむさぼってその食欲を満たす。だがドラゴンによってもたらされる死でコボルドの献身を止めることはできない。彼らは神の食事となることを大きな名誉だと感じており、ドラゴンの胃袋に入る機会を求めているのだ。

老成したドラゴンはコボルドを迷惑がる。ブレス攻撃の爆轟は充分に来客を排除する。ドラゴンを悩ますのはたとえ拒絶されてもコボルドがあきらめず、ひそかに仕えようとするかもしれないところである。しかし、より若いドラゴンは忠実な氏族が彼らのねぐらを守る衛兵となり、近づいてくる冒険者を知らせる可能性があることに利点を感じるかもしれない。コボルドの部族は一度ドラゴンの傍に仕えたなら、かれらの行動すべては彼らの神に仕えるためのものになる。

コボルドの一生は控えめにいっても辛く苦しい。一握りのコボルドが老年まで生き残る。彼らは成年を迎える前にほとんどが淘汰される。飢え、乾き、そして貧困は永遠についてまわり、もっとも間抜けなコボルドさえ彼らの存在を学ぶ。はるかにささやかなものだが、コボルドはドラゴンと同じ貪欲さにつきまとわれる。彼らのほとんどはたとえ彼らがそれらの財貨を共有する義務があるとしても、部族にも秘密のささやかな隠し場所にコインや他の財宝を隠している。

コボルドは彼らがばらばらであるより団結している方が強いと考えている。すべての悪意は部族が外敵からの脅威にさらされた時忘れられる。コボルドは彼らが戦場を互角とするために設計した罠で侵入者と駆け引きする時、恐るべき狡猾さを示す。コボルドの罠作りの腕前は素晴らしい。最小の器具――ほとんどはがらくた――だけで彼らは精巧な罠と精密な警報を作成できる。勇敢な探検家すらコボルドの巣穴に入り込むことが傷と死を招くことを知っている。

コボルドが生き残ることの厳しさは指導者の命令への絶対服従を要求する。殺戮への本能が欠如していたり、何らかの弱さを示したり、命令に従わないコボルドはつまはじきにされて部族の外れへと追いやられる。通りすがりの捕食者に貪られず、血に飢えた神への生贄とされなければ、そうした追放者は部族の外へ自分の運命を求めるかもしれない。生き残りは決して保障されないが、そうした行動は彼らに少なくとも生き残りの機会を与える。

コボルドは第一に逆境を生きる者だ。彼らは敵の前にひれ伏すことでしかわずかな時間を稼げないならそれをいとわない。襲撃、虜囚、あるいはさまざまな理由で同胞とはぐれた孤独なコボルドの生存者は、死から逃れるために適応しなければならない。悪の種族の一員だったコボルドはそれを導き助ける気がある他者に対してその新しい“部族”が以前のものより快適なものになりそうな場合、ふるまいを変えることがあるかもしれない。そのような個体は冒険者としての人生が好都合――彼らは危険や興奮を求めているのではなく、彼らの才能が彼らを保護する他の冒険者へのお返しとして有用なので――だと考える。

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バート・キャロル

バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版のMonster Manualが好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。

遅れたけど今日のThe Dungeon Survival Handbookプレビューは、PC用種族になったコボルドのことですぅ。特技やレベルつきの汎用パワーもひとまとめになっているのはわかりやすくていいですぅ。

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§ toshi (2012年05月05日 23:24)

コボルドpdf読ませていただいたけどトンネルスキットルのパワーの範囲、目標がおかしい気がします。