ネコぶんこ


2013年09月10日 但し三種の神器の内宝剣は失せにけり。 [長年日記]

§ [Ludus] モビルスーツについて益体もないこと

先日、ガンダムの宇宙世紀でなぜモビルスーツが戦車、戦闘機などの既存兵器にとってかわったのかを考えていたら、MSが既存兵器に優越していた部分もあるだろうけど、それ以上に宇宙世紀は大規模な軍隊を集団運用する軍事ドクトリン、ひいてはそれを下支えしてきた国家観が崩壊する時代だったという与太を思いついたですぅ。

この考えで話を進めた場合、武装勢力の最小単位を大きく縮小したことで、これまで小規模で数のうちに入らない勢力でも自らの主張を何らかの形で通せるようになったことこそ、MSが世界情勢に与えた最大の変化になりますぅ。

例を挙げると、最初の『ガンダム』では近代国家や連合体の延長上にある地球連邦やジオンが既存兵器の延長上でMSを使っていたのが、『Ζ』や『ΖΖ』になると軍事行動は領域の奪い合いではなくより小さな拠点の攻防や示威として行なわれるようになるけど、これは戦争の主体が国家ではなく、これまでその下にあったはずの思想や利権で結ばれた小規模な集団へと移っていったことの現われであると解釈できるですぅ。

そして『逆襲のシャア』でシャアの私兵が地球連邦という国家を向こうに回してある程度の戦果を挙げることは、人々の間に既存の国家はもう持たないんじゃなかろうかという疑問を生まれさせ、それが『F91』の企業や軍事貴族が人々を導くコスモ貴族主義や、『V』以降の宇宙戦国時代など、大規模な国家に頼るより手軽になった武力で自分たちの手が届く範囲を守る方向へシフトしたんじゃないかとか、そういうことを考えていたですぅ。