ネコぶんこ


2013年12月28日 [長年日記]

§ [NOVA] 鈴吹太郎/F.E.A.R.ジ・アザーサイド

ハシラの解説でゴズマが死んでて不意討ちを受けた感のある『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』最初のサプリメント、『ジ・アザーサイド』が到着しましたぁ。

テーマはタイトル通り、世界の反対側にある魔法や超能力、ミュータントにカゲムシャなど“存在しないことになっている”モノたちの世界で、それらを表現するスタイル、マイナスナンバーのデータも収録されているですぅ。

従来の版ではオーサカM○●Nのヒルコ(ミュータント)やアラシ(戦闘車輛乗り)、カムイST☆Rのアヤカシ(伝説の魔物)といったように、地方色が強めだったマイナスナンバー関係も、『TNX』では基本ルールでも少し触れられていたように、N◎VAでも裏路地をちょっと入れば彼らが潜んでいる、現実を一皮剥いたら人外の存在がひょっこり出てくるようなニアヒアな別世界になっているですぅ。

今回はそうした現実と隣り合わせの世界がより重点的に掘り下げられ、AIやアストラル、ヒルコ関係の組織や、表の世界からどう見られているかが紹介されているですぅ。

TNX』で出現し、この本で掘り下げられたN◎VAにもっとも近い外国で、比較的穏健な反日本勢力が集まるヨコハマLU$Tあらためフェスラー公国も、価値観という意味でN◎VAとニアヒアな別世界になっていて、脛に瑕持つキャストの居場所からアクトでの逃亡先、殴りこみ先まで、うまく使えるようになっているですぅ。

新スタイルのクロガネ(意思を持った器物)も、マイナスナンバーの地域性が薄れ、もうひとつの世界の住民であることがクローズアップされた結果生まれたような雰囲気なのが印象深いですぅ。

また、旧版でバギィな挙動を起こしやすかった協調行動を(疑問点はあるものの)整理しなおしたり、多くの部分でデータとしての担保がなかったためアクトで自助努力すべき部分が多かった非人間型キャスト、ゲストにもデータとして意味を与えたことも、これまで手癖でやってきた部分を改めて明文化したことに好感が持てますぅ。

データ面では、ウェポン、アーマー、ヴィークル、ガジェット、ストラクチャー(住居)、ヒューマン(人型の器物)、アニマル(動物型の器物)、アイコン(物理的実体を持たない人工物)と8種ある〈フォルム〉からひとつを選び、それに合わせた装備部位と神業《万能道具》を手に入れるという仕組みになっていて、本体になったアウトフィットや[協調行動]を行なうスタイル技能が特色になっているですぅ。

既存スタイルも各スタイル1ページ、8個の追加スタイル技能が追加され、アウトフィットも大幅に拡充されていますぅ。また、ルールセクションでは【CS】まわりを明確化したアップデートなどとともに、トループ取得やクロマクの《腹心》でゲストを取得するなど、旧版でおなじみのルールも戻ってきたですぅ。

全体を眺めて思うのは、闇に隠れて生きるマイナスナンバー、N◎VAに馴染ませづらいキャストがN◎VAで活躍できるように、うまいこと考えてマップやオーガニゼーション、パーソナリティが設定されていることですぅ。

これの傾向は『TNX』全体にいえて、キャストを演出するために実用的なパーソナリティ、オーガニゼーション、マップを積極的に揃えてきている感覚が強く、その点だけでもプレイアビリティはかなり上がった気がするですぅ。