ネコぶんこ


2015年02月11日 [長年日記]

§ [Ludus] 『新世紀サーペンタリウス』

六分儀ミユキ・30・♀:特務機関ヴィレの作戦指揮官。自己愛が強いが、プレッシャーがかかることを嫌う(タブー)。感情が高く視聴者の共感を狙いに走る。名前の元ネタはカントクの同僚/上司/部下。プレイヤは森聖氏。

ミモリ・セイル・不明・♂:特務機関ヴィレに所属するチルドレンで、人類が擁する十三体目のゾディアーク、サーペンタリウスの専属パイロット。コンピュータ少年。肉体が高くお色気シーンの作画は安定している。名前の元ネタはカントクの好きなマンガキャラで、『ケロケロちゃいむ』のミモリ。プレイヤは荒原の賢者氏。

ワカマツ・不明・♂:“学友およびその他”枠で国連軍からヴィレに派遣されてきたロシア系軍人。その実態は特務機関の内偵をするスパイである。肉体が高いので作画はいい。名前の元ネタは村上表による。プレイヤは隠者氏。

時に、西暦2015年という衝動に勝てず、『新世紀RPG E.V.A.』をプレイしてきたですぅ。プレイ会場も時間を気にしないでいい場所なので、まさに力尽きるまでのプレイにふさわしい場所であり、「いつ万策尽きるか楽しみだなあ」などといわれつつもまずは監督の能力決定ですぅ。

監督の能力は脚本8、絵コンテ6、原画・人7、動画・人6、原画・メカ8、動画・メカ6、アフレコ10、背景3、エフェクト5、音楽10、アニメ神話19となったので、ぱらでぃん監督はメカデザイナあがりで声優事務所と音楽会社にコネクションが強い監督になりましたぁ。

番組のスポンサー決定は出版者が出たので順当に角川書店をチョイスし、舞台は参加者の誰も土地勘がない第3新札幌市になり、組織名決定はヴィレになったので「Qだこれ!」とひとしきり盛り上がったですぅ。

ヴィレの上層監察組織は心を意味するゲミュートで、彼らは人類のすべてをデータ化する人類図鑑計画(このネタ出しで監督は少々ストレスを上昇させた)を推進させるため、十二星座の名を冠した敵、ゾディアークの殲滅をヴィレに課していることになったですぅ。

そしてPC作成を始めたらさっそく年齢表で監督の年齢が出たのでストレスがあがり、色々不満なところがあって何度か振り直しをさせた結果が、冒頭のPC一覧ですぅ。そしてこのキャラ表を見たプレイヤからは「これロボアニメで企画通しただけじゃない?」、「本当は三十路OLの苦悩や救済を描きたいのでは?」と邪推されつつ、第一話のプレイングで監督はアバンから宇宙空間(背景が苦手だから)に謎のメカ二体が特に設定には描かれていないビーム技の応酬から一体を組み伏せ、その顔を噛み潰して泥人形にしながらその姿をコピーするというバリ戦闘を入れ、スタッフから不安を覚えられたですぅ。

アバン終了後は機体名サーペンタリウスを披露したり、それに謎の生体部品が増えていることを描写しつつ、ミユキは総司令の信濃チハル(超巨大空母+カントクの学生時代の同級生)と参謀の真鶴セイヤ(水雷艇、監督の祖父が乗っていた+カントクの好きなアニメキャラ、『機動戦艦ナデシコ』よりウリバタケ・セイヤ)から、本格的な戦いが始まることを告げられるとヴィレ内部の動きもにわかに慌ただしくなり、国連軍からワカマツが着任したりミモリのバイタルチェック(お色気シーン)をはさみつつ、第一のゾディアーク、タウルスが出現したですぅ。

ここで「星矢ネタならアリエスじゃない?」「迎えにきたタウルスDEATHゥ」「考察が盛り上がるな」と勝手に考察を盛り上げておきつつ、不定形な煙の姿でヴィレに接近するタウルスを造作もなく喰らって内部に取り込むサーペンタリウスを遠景に見つつ、ゲミュート総帥の轟天ジュウゾウ(超巨大戦艦+カントクの好きなアニメキャラ、『宇宙戦艦ヤマト』より沖田十三)が「そうだ、すべてを喰らい、我ら人類の情報を載せる方舟となるのだ」と叫んだところで第壱話、「蛇を喰らう」が終わるには終わったですぅ。

ミモリは最初から最後まで彼の顔を画面に出さない演出を提案して実行していたため、主人公の顔が出てこない謎の第壱話になってましたぁ。

しかし第壱話が終わったはいいけど、ノルマはスポンサーの13(達成不可能な値、アニメ制作現場では往々にしてあることらしい)だったのでスポンサーからの不評が一気に8も上昇し、予算は全部に1振ったうえ、脚本1、メカ原画1、メカ動画2、アフレコ1と追加した初回だから頑張ってたものになってたですぅ。そしてこれだけやって評価はミーハー1、マニア3、シンパ5、スポンサー1なので、作品に自己投影する人と考証や考察するマニアには受けるいかにも伝説の作品ちっくなものになったですぅ。

第弐話「デブリーフィング」は常に書斎で本を読みながら会話するゲミュート幹部の天城セイラ(正規空母+カントクの好きなアニメキャラ、『機動戦士ガンダム』よりセイラ・マス)が意味深な言葉を紡ぎつつ、一方ヴィレではサーペンタリウスの機能は不明瞭だとワカマツが工作員に知らされるところから始まったですぅ。

ミユキがワカマツと食事をしてる遠景で副指令の真鶴が寂しくカレーを食べる日常シーンを挟みつつ、石狩湾沖に出現した第二のゾディアーク、適応と進化を司るカプリコーンとの戦闘が発生し、自衛隊や国連軍にヴィレが信用されていない描写や国連軍の飽和攻撃で湾内に足止めして大いに予算を使いながら、カプリコーンは環境適応で足を手に入れて上陸を試みようとしたものの、クラスメイトとの精神感応で力を感じたミモリの攻撃により“喰われ”、サーペンタリウスはまたひとつ新たな能力を得た、というここまでをCMなしでAB両パート繋げた変則構成(延々とジョーカーが出なかった)で行なった第弐話だったですぅ。

そして今回もノルマは達成できずシンパからの不評度も8になり、予算は脚本2、原画(人物)1、動画(メカ)1、エフェクト効果1の追加投入で軍事系の考証に力を入れた感じのもので、評価はミーハー2、マニア4、シンパ6、スポンサー6の相変わらず好きな人に受けてればいいんだよアニメとして続いていっているですぅ。

続く第参話「つかの間の平和」では、ミユキの出勤準備シーンを良作画で描いたりクラスメイトと遊ぶミモリの様子、職場で女の子を追いかけてはあしらわれるワカマツを描いた日常回で、そろそろ敵を出そうかと監督が言ったら「全部で十二体しかいないんだから」とたしなめられましたぁ。

今回スポンサーからのノルマは達成できないものではなかったけど、結局出目6出してスポンサーからの不評度は第参話にして16という危機的状況になりつつ、予算の使い方は動画(人物)1、背景1追加投入という安定ぶりだったですぅ。

しかし、舞台裏ではこの第参話が終わったあたりでスタッフの間には次の作品探しを重視するかとか、この企画に乗り続けるのはよくないんじゃないかという雰囲気が蔓延しだし、それを反映するように評価はミーハー3、マニア1、シンパ3、スポンサー10という、視聴層が幻滅する内容だったですぅ。

そしてこのあたりで時間やプレイヤの体力も限界とあいなり、残念ながらプレイは終了となったけど、やはりこのゲームにはたまらなく独特な毒々しい面白さがあるですぅ。

特に監督はゲームシステムから私生活や過去の古傷をえぐられていくので、名前のネタにした人たちに本当に申し訳ない気分になったり、そういえばあの人は今何やってるんだろうみたいな懐旧の情がプレイ中に襲ってくるので精神衛生には注意したほうがいいし、監督が突然悶え始めても周囲の人は気にしないでやってほしいですぅ。

プレイヤからの感想は、もうちょっと一話を短くして早回ししていきたい、記述などについてもブラッシュアップしたものがあればもっといいという意見が出てきたので、アレに合わせて『シン・E.V.A.』が出たりすると私には嬉しそうですぅ。