ネコぶんこ


2015年04月20日 [長年日記]

§ [DnD][4e] 2014年05月04日(無題)

アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル30):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。

エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ30):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。

グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ30):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。

セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター30):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。

ヒルベリスの研究室で小休憩を取った一行は、何者からも認識されないグスタフが先行して偵察を行ない、見つかった安全な経路を全員で通る方法で安全にダゴンの城へと潜入した。しかし、ダゴンの城内部ではそうもいかない。間取りからしてダゴンの部屋へ通じるらしき場所の前では多くのデーモンが彼のものを神格にするための作業を続けていたからだ。

グスタフが一体や二体倒したところでどうにもならない。そのため、一行は一旦城の窓から外に出て、玉座の間へ忍び込むことにした。足場は細く地上へ叩きつけられたら無事ではすまない高さだが、各自飛行能力やポーションで危なげなく技能チャレンジを突破し、玉座の間を彩る禍々しい図像のステンドグラスを蹴り破って宇宙の外より訪れた、ある宇宙では神とまで呼ばれている存在の高御座へと飛び込んだ。高レベルのフォービダンスで守られてはいたが、物理的な守りは薄い。その脆弱性をついた冒険者がまず一手得をした。

だが、部屋の中ではダゴンが冒険者たちを驚かせる番である。インカーネイト・ドゥームでその姿を認識するものすべてに恐怖を振りまきながら、配下のマーリド、ヴロックを差し向けてくる。冒険者たちは壊れたステンドグラスの向こうからまずはエスペランザがメテオ・スゥオームを部屋に吹き荒れさせ、確実に取り巻きから刈り取っていく。

そして配下がほぼ倒れ、ダゴンがその巨体を揺らしつつ動いたときアゼリが飛び込み海魔の王の足を止め、グスタフが切り込むダゴンは間合いを取っての遠隔攻撃を試みるが、玉座の間という限定された空間が仇になり、水場を隔てているとはいえ冒険者にとってはすぐに手の届く場所だった。機会攻撃によって水場に叩き落とされる危険もものともせずアゼリとグスタフは喰らいつき、ついにダゴンが地球という宇宙ではそう呼ばれ、神格として崇められていた“父なる”ダゴンの姿へと変化させた。今までのような無数の触手を減らし、戦いに特化した形態である。

太い腕についた鉤爪と触手、そして水流が荒れ狂い間合いをはかりたいエスペランザすらも引き寄せられる中で、パーティは確実にダメージを与えていた。もはや取り巻きもおらず、後は純粋な力勝負だ。その状況が機と見たセヴンは前に出て、ダゴンの身に爆射式鎖槍チェーンソウを抉りこんで消えない傷を与える。これでダゴンがその魂を逃がすことはできなくなった。

お互いの死力を尽くした戦いは、無用な戦いを避けて一手先を取っていた冒険者が制した。玉座の間の奥へ逃げようとするダゴンをアゼリがウォーデンズ・ルアーで一本釣りしてもはや逃げることも許さず、消えない傷口に向かって攻撃を続けると、いくつもの世界で崇められながら本拠を持たぬ流浪の王の精髄は砕け、その身も黒い泥のようなものになって崩れていき、その中からグスタフはダゴンの核をお宝として拾い上げ、エスペランザに手渡した。

ダゴンは、滅びたのだ。少なくとも今この瞬間、この宇宙では。

冒険者たちは神話になった。

支配者が滅した以上、イハ=ンスレイもまたゆるやかに荒廃していくのだろうが、それはまた別の話、他の誰かが書くことだろう。こちらは、筆を置く前に冒険者たちのその後の話を少々つけ加えて物語の締めくくりとしよう。

滅びの宿命を持つ子として生まれたエスペランザ。彼はアクシズに帰還した後、己の領界をすべてのエルフと種族に開かれた国として開放し、若きエルフたちがより広い世界を見聞する足がかりになるよう尽力した。彼はエルフの伝統的な生き方を滅ぼした王として、ある意味でその予言を成就させたのだ。

セヴンは神話になった後も雇われ将軍を続けている。いくつもの新たな武功を挙げているが、決して君主を定めず、君主となることもない奇妙なドワーフだが、オークとの戦いが絶え間ない北方諸王国では大いに頼られ、いくつもの伝説が生まれた。彼の生んだ戦略や戦術が教本から消える日は来ないだろう。

サトリアヌスからも認められて一人前になったアゼリは故郷の森へ帰り、その守護を続けている。ゆえに、この森へ入る者は気をつけたほうがいい。彼女は自然の摂理の守護者として、何者の声も耳に入れず、ただ摂理の刃を振るう存在であるがゆえに。その剣は常に公平であり、そこに情が挟まれることはない。

グスタフは、自分のギルドを部下たちに任せて気ままな旅に出た。何者からも認識されず、盗みたいものは盗みたい放題なのだが、不思議と彼が活躍した噂は聞かれなくなっていった。そのかわり、きちんとなおしたはずの物がなくなっていたとき、それが「グスタフのしわざ」と呼ばれるようになった。

2010年10月11日から四年(正味は三年くらい?)くらいかけた1~30レベルキャンペーンがついに終わったですぅ。

最初のほうはおっかなびっくりで4eの回し方もいまひとつわかってなかったけど、伝説級に入ったあたりから、やりたいことをどうやるかが段々わかってきて、プレイヤからの提案もうまく拾えるようになり、色々工夫して戦闘も速く処理できるようになった印象があるですぅ。

神話級ではPCの行動でどんどん世界が変わっていくダイナミズムがたまらず、カーレリアとそれをとりまくキャンペーン世界も随分変貌しましたぁ。この変化については、また5eで始まるキャンペーンに繋げたいので、DMの裏方仕事は増えつつカーレリアのセッティングを公開できる程度の文章にまとめるいい機会かもしれないと感じているですぅ。

プレイヤの四人や助言を下さった方々への感謝の意を述べ、4eのレポートは筆を置かせていただくですぅ。