ネコぶんこ


2024年03月30日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:盗まれて捧げられて(1レベル)

今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はCC4.0のものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちが滞在している村の牧場からゴブリンによって豚が10頭盗まれた。犯人は近くに住む者の中でもデーモン崇拝を行なうゴブリンの一党で、豚を生贄にデーモン召喚の儀式を行ない、クアジットを召喚することに成功している。

キャラクターたちが豚の行方を追い、クアジット率いるゴブリンたちを倒せば冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが滞在している村で、多くの家から豚が盗まれる事件が起こった。盗まれたのは全部で10匹。どれもよく肥えていたものらしい。

キャラクターたちは豚の追跡と奪還、犯人を懲らしめることを依頼される。報酬は1人20gpである。

1.村での捜査

豚が盗まれた小屋や柵は乱暴に壊されており、泥のある場所には足跡もある。歩幅はだいたいヒューマンの半分ほどだ。難易度10の【知力】〈歴史〉判定に成功すれば、ハーフリングやコボルド、ゴブリンの類だろうとわかる。

村人に話を訊けば、近くにゴブリンの村がいくつかある土地があり、そことは数百年前に境界と取り決めた峠にヒューマンは満月の前の日に穀物を置き、ゴブリンはその穀物を取ってイノシシの革や肉、山の幸などを置く無言の交易が続いていると教えてくれる。

2.豚を追いかける

豚には泥浴びをしていたものもいるようで、足跡は点々と村の外まで続いている。それと一緒に小型の人型生物のような足跡も複数ある。

難易度10の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、豚と人型生物の足跡を追いかけることができる。

3.闇の儀式場

豚の足跡は村外れにある森の中に続き、そこには肉を焼いたような香ばしい香りが漂っている。

森をしばらく進むと広場があり、そこには喉をかききられた豚から出た血で禍々しい文様が描かれ、地面に掘られた炉では豚の死骸がいくつも折り重なり、今もまだ燃やされている。

そしてその周囲には自分たちの肌に血で文様を描き、高い声を上げながら踊り狂う4体のゴブリンと、彼らの様子を満足そうに見る小さなデーモン、クアジットがいる。

キャラクターたちが踏み込むとゴブリンたちは狂乱の中からも「俺たちはそこのデナリ様から加護を受けた狩猟団。ヒューマンどもなんかやっちまえ」と叫び、汚い得物を振り回して襲いかかってくる。

ゴブリンたちが指したのはクアジットのことで、彼はデナリという名を持ち、彼らの手を借りて物質界に召喚されている。彼は外界を見るのは初めてなので、できるだけ死なないように、人が来ないように立ち回り、ゴブリンたちが1人でもやられると彼らを見捨て、どさくさに紛れて逃げようとする。

クアジット

超小型・フィーンド(デーモン、変身生物)、混沌にして悪


AC:13

hp:7(3d4)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
5(-3) 17(+3) 10(+0) 7(-2) 10(+0) 10(+0)

技能:〈隠密〉+5

ダメージ抵抗:[電撃]、[火]、[冷気];非魔法的攻撃による[殴打]、[斬撃]、[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:毒状態

感覚:暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉10

言語:奈落語、共通語

脅威度:1(200XP)


変身生物:クアジットはアクションを使い、バット(移動速度3m(10フィート)、飛行12m(40フィート))、センチピード(移動速度12m(40フィート)、登攀12m(40フィート))、あるいはトード(12m(40フィート)、水泳12m(40フィート))のどれかの野獣形態に変身するか、元の姿に戻ることができる。いずれの姿でも移動速度以外のステータスに変化はない。身に着けていたり運んでいる装備は変身しない。死亡すると本来の姿に戻る。

魔法抵抗:クアジットは呪文およびその他の魔法効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

爪(野獣形態の場合は噛みつき):近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ、および目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗すると5(2d4)[毒]ダメージを受けて1分間毒状態になる。目標はターンの終了時ごとにセーヴィング・スローを再び行なえ、それに成功したら効果を終了する。

脅かし(1回/日):クアジットから6m(20フィート)以内のクリーチャー1体は難易度10の【判断力】セーヴィング・スローに成功しなければ1分間恐怖状態になる。目標はターンの終了時ごとにセーヴィング・スローを再び行なえるが、クアジットの視線が通っている間は不利を受け、それに成功したら効果を終了する。

透明化:クアジットは攻撃をするか精神集中が終了(呪文の精神集中と同じように扱う)するまで魔法的に不可視状態になる。クアジットが身に着けていたり運んでいる物も透明になる。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー・アーマー、シールド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程15/60m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

結末

ゴブリンとクアジットを倒せば、小さな教団は壊滅する。豚は取り戻せなかったが、村人は感謝してキャラクターたちに取り決め通りの報酬を渡す。

この後、ゴブリン領への探索や、さらなる教団の脅威をアドベンチャーの題材にしてもいいだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-referencedocument. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.