ネコぶんこ


2014年07月29日 [長年日記]

§ [Ludus] エヴァンジェリストのシナリオ作成法

今回は「エヴァンジェリストGMのススメ」で触れた、エヴァンジェリストのシナリオ作成法ですぅ。

どんなプレイヤに向けたシナリオを書くかという具体的なイメージは「エヴァンジェリストGMとは」で挙げた、“システムを持っていない人や不慣れな人を迎え、システムを持っていない人にはあわよくば買ってもらう”になるですぅ。

では、これを前提にそんなシナリオ作成の勘所を挙げていくですぅ。

シチュエーション、登場人物は定番で

エヴァンジェリストとしてシナリオを作成するとき、ひねりがなくシステムが想定しているであろうシチュエーションを準備し、脇を定番のNPCで固めることはとても重要ですぅ。

なぜなら、エヴァンジェリストGMとしてテーブルに迎えるプレイヤはそのシステムに不慣れで、そのプレイがシステムへの第一印象を決定するものになるからですぅ。また、ネットでの交流も盛んな現代、コミュニティに参加するさいも共通の話題として公式設定やNPCでの体験を持っていると話にも参加しやすいので、基本ルールに掲載されている範囲の設定やNPCをちりばめていくといいですぅ。

情報過多にしない

さっそく前段と若干矛盾する話になるけど、公式設定やNPCはことさらにこだわった使い方をせず、たとえば依頼者を公式のNPCにして「依頼人はこんな感じの人DEATHゥ」とルールブックや小説の挿絵を見せる、ちょっとした味つけ程度にするのがいいですぅ。

システムの勝手がわからないということは、いる情報、いらない情報を区別することが難しいことでもあるので、詳しいことは訊ねられれば話す程度が丁度いい印象がありますぅ。この訊ねられれば話すというのはもうひとつ重要な意味があり、訊ねるということはそれに興味があるということなので、訊ねてきたプレイヤの様子を見ながらそのNPCや設定を演出に絡めてより興味を持ってもらうテクニックが使えるですぅ。

また、必ず裏切るNPCやかませ犬なNPC、性能が極端なクラスなど、出オチ要素のあるNPCや設定というのは“出”た時点でプレイヤがしかるべき知識を持っていないと楽しさを理解できない、内輪ネタに近いものだと理解しておく必要があるですぅ。だから、あまり出オチ要素ばかりに集中してしまうと置いてけぼりな感覚を与えてしまう危険性があるですぅ。

PCの立場も定番で

システムを持っていなかったり慣れていないプレイヤが担当するPCは、そのシステムで定番の立場を使うのがいいですぅ。なぜなら、そういう立場は求められる動きが明瞭で、特に迷うことがないのがひとつですぅ。

そしてふたつめの、エヴァンジェリストのシナリオとして重要なことは、定番のPCを作っておけばもしルールブックを買ってもらった場合、その付属シナリオにそのPCを流用することも可能だし、そのシステムで定番の動き方を知っているから別のテーブルにも適応しやすいということですぅ。

新たな人を迎えるエヴァンジェリストとしてシナリオ作成をする場合、継続的にプレイヤへ寄り添ってサポートするのではなく、プレイヤがシステムを入手したら自分の頭で考え、自分の足で歩くためのノウハウをシナリオへ入れることを考えるといいですぅ。

シナリオの中に外しやひねりを入れたいときは、定番な立場のPCだけどシナリオに出てくるNPCや敵と個人的な因縁があるなど、シナリオ限定での関係性を構築するようにするといいですぅ。また、システムに習熟したプレイヤ用の枠を作り、そこを少しひねった立場にするのもいい考えですぅ。

見せ場を想定する

PCの得意分野が光る見せ場を想定してシナリオを構築し、成功した体験をしてもらうのは重要なことですぅ。成功しないよりする方が嬉しいし、そういう場面は準備しないよりはした方が作りやすいものだから、シナリオを作成する時点で強い戦士が雑魚をなぎ払ったり、探偵が重要な情報を調査するような見せ場を準備するといいですぅ。

こういうのをあらかじめ準備しておけば、セッションの最中に見せ場が偏り気味だと感じることも少なくなるですぅ。

タイムスケジュールに余裕を

エヴァンジェリストGMのススメ」でも触れているけど、時間管理は非常に重要なのでシナリオ作成時点である程度見通しをつけるといいですぅ。

会場が六時間使えるようなら、導入と目的を達成してからのまとめでそれぞれ一時間づつ二時間を見積もり、残った二~三時間で本筋を進めるパート、そのうち見せ場になるところでひとりあたま十分使うと考えて小一時間だから、行軍や情報収集に使えるのは実質一時間……というように逆算していくと見通しは立てやすいですぅ。

時間がないぶんはどうしようもないけど、時間があればセッション後の雑談や質疑応答に使えるので、余裕はありすぎるくらいで丁度いいですぅ。

パクる

ミもフタもないけど、公式が導入用シナリオを出しているなら固有名詞とデータをちょいちょいと変更し、フレームそのままでガワだけ取り替えた別のシナリオを作るとかなりしっかりしたものが出来上がるですぅ。

システムに習熟した人がいる場合はいっそ、慣れていない人を迎えて導入用シナリオをプレイするので入ってほしいと頼めば、大抵の人はゲームを遊びたいので既にプレイしたシナリオでも話に乗ってくれるはずですぅ。

以上がエヴァンジェリストとしてシナリオを書くときに考えていることですぅ。最初のみっつ以外は普通のシナリオ作成ノウハウになった感じもあるけど、やはり重要なので外せなかったですぅ。