ネコぶんこ


2024年10月19日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:逃げ行くゴブリン(3レベル)

今週の小冒険は夏コミの新刊ソード・ワールドRの3レベル・キャラクター4人用ですぅ。

D&Dの標準的なモンスターを混ぜて冒険を作ることのサンプルも兼ねてますぅ。

ソード・ワールドRのデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちはパダの“遺跡の番人”亭の店主サイモから、遺跡に住み人里の近くまで降りてきては略奪を働くゴブリンを退治してくれないかと依頼される。

はたしてキャラクターたちが遺跡に行くと、半狂乱になったゴブリンたちが我先にと出入口に殺到してきて、そこで一度戦闘になる。

実はゴブリンたちは古代王国の魔法装置を誤って起動し、その中に封じられていたジャイアント・スコーピオンを眠りから覚ましたのだ。この怪物に恐れをなして逃げたのが、冒頭の戦いである。

洞窟の中でジャイアント・スコーピオンを倒せば、魔法装置の中にあったささやかな財宝も手に入る。もちろん、ゴブリンの討伐だけをして帰ってもいい。

冒険への導入

キャラクターたちが“古代王国への扉”亭にいると店主のラウダが、パダにある“遺跡の番人”亭が人を欲しがっていたので、そちらで仕事をする気はないかと訊ねられる。内容はゴブリン退治。報酬は1人300ガメルである。

1.パダの街

パダの街はオランのように城壁で覆われて石造りの建物と道路が美しい中心部と、その周辺にあふれ出たスラムで形成されている。“遺跡の番人”亭はスラムにある方の冒険者の店で、そこでは店主のサイモがキャラクターたちを待っている。

サイモはやってきたキャラクターたちに、街から1日ほど行った場所にある遺跡に住みついたゴブリン討伐の依頼について話す。報酬は1人300ガメルで、ゴブリンのいる遺跡に何かあればすべてキャラクターたちが持って帰って構わないというのが条件だ。サイモはこの街にいる冒険者たちは遺跡の発掘を商売にしている者たちが多く、こうした皆のためになる安い仕事をしない者が多くて困ると裏の事情も説明してくれる。

2.いざ討伐へ

問題の遺跡はパダから1日行った農場の多い地域にあり、近くにはゴブリンたちの祭儀に使われているのであろう、動物の骨を掲げた丸太などが立てられている。

冒険者たちが遺跡に近づくなら、難易度15の【判断力】〈知覚〉判定を行なうこと。成功すれば、向こうの方から近づいてくる複数の急ぎ足を聞き取れる。この場合、難易度10の【敏捷力】〈隠密〉判定を行なうなら、そのキャラクターは後から来るゴブリンに気づかれない。

向こうから来るのはゴブリン・ロードが1体、ゴブリンが10体である。彼らは狂乱しており、反対側からやってきたキャラクターを発見すると遮二無二襲いかかる。

一度殴り倒して大人しくさせたゴブリンを尋問するなら、「マヌケがヘマをやらかした」、「箱の中から怪物が出てきた」などとわめく。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ゴブリン・ロード

中型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー、シールド)

hp:33(6d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 14(+2) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


アクション

複数回攻撃:2回のシミター攻撃を行なう

シミター:近接器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

3.遺跡の入口

ゴブリンたちをやり過ごすと、遺跡の入口がある。ゴブリンたちが出てきた足跡が乱雑に残っているだけで、残っている者の様子はない。

難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すればぼろぼろの金属板を発見できる。ここには下位古代語で“巨大化実験室”と書かれている。

4.ゴブリンの集落跡

遺跡の中にはゴブリンの集落になっていた広間があり、そこには食い散らかされた兎や鹿の肉の他、彼らが追い剥ぎや野盗で盗んだ宝飾品が5000ガメル分散らばっている他、革袋に入った現金が3000ガメルある。

この集落の奥にはさらに奥へと続く通路があり、その先には高さと横幅が3m(10フィート)ほどの両開きの扉があり、近くでゴブリンが体の色を変色させて死んでいる。この扉の先はがらんどうで、とても涼しい。

ゴブリンの死因は難易度15の【知力】〈自然〉か【判断力】〈医術〉で、毒物によるものだとわかる。

5.カサカサと這い寄るもの

キャラクターたちがゴブリンの集落跡を一通り探索したところで、古代遺跡から開放されたモンスターであるジャイアント・スコーピオンが新しい獲物を見つけ、隠れ場所から襲いかかってくる。

難易度11の【判断力】〈知覚〉判定を行なわせること。失敗したキャラクターはジャイアント・スコーピオンに不意討ちされてしまう。

ジャイアント・スコーピオン

大型・野獣、無属性


AC:15(外皮)

hp:52(7d10+14)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 13(+1) 15(+2) 1(-5) 9(-1) 3(-4)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:3(700XP)


アクション

複数回攻撃:スコーピオンは2回の爪および1回の毒針で3回の攻撃を行なう。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:6(1d8+2)[殴打]ダメージ、および目標はつかみ状態(脱出難易度12)になる。スコーピオンは2つの爪を持ち、それぞれで1つの目標をつかめる。

毒針:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:7(1d10+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗すれば22(4d10)[毒]ダメージを受け、成功すれば半分のダメージを受ける。

結末

ゴブリンたちのいた遺跡を掃討したなら冒険は成功である。

逃げるゴブリンたちを見逃したなら、彼らはしばらく後にまたどこかで悪さをするだろうが、それはまた別の話である。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年10月14日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] Gears & Gigantes公式サイト更新

先日アーマード・コア6TRPGの発表に便乗して宣伝したら在庫が完売したD&D第5版をロボゲーにするサプリメント、Gears & Gigantesを電子化したので(とはいっても発売は10月1日)、それに合わせて公式サイトの誘導も更新しましたぁ。

電子版はBOOTHDLsiteで、手数料分があるのでBOOTHの方が若干お安くなってますぅ。

また、『G&G』ではキャラクターの能力値をそのまま使っていたギアの操作を少し変更し、そのまま大きくしたキャラクター……ではなく、ロボに乗ってる感じが出るようにルールの再検討をしたウェブコンテンツ『ギア操縦の再検討』も掲載したですぅ。

これでギアでは有能だが生身の戦闘はそんなにうまくないとかができるはずですぅ。


2024年10月12日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ゴブリンの海賊団(3レベル)

今週の小冒険は夏コミの新刊ソード・ワールドRの3レベル・キャラクター4人用ですぅ。

D&Dの標準的なモンスターを混ぜて冒険を作ることのサンプルも兼ねてますぅ。

ソード・ワールドRのデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちはカゾフの“海のカモメ”亭の店主フェルゼンから、近海に出没するゴブリンの海賊退治を依頼される。

このゴブリンの海賊は古代の爬虫類、プレシオサウルスの生き残りを使役する一族で、船に向かって恐竜で体当たりし、甲板で暴れ回るのが常套手段だ。

商船に偽装した船に乗り込んで海賊を倒せば、冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが“古代王国への扉”亭にいると店主のラウダが、カゾフにある“海のカモメ”亭が人を欲しがっていたので、そちらで仕事をする気はないかと訊ねられる。内容は海賊退治。報酬は1人500ガメルである。

1.カゾフの街

オランからカゾフは街道が整備されており、数日で到着できる。GMはキャラクターたちがカゾフに入るとき、入城料として衛兵から1人数ガメル徴収されると言ってもよい。

カゾフの街は大きな港の側にあり(本当は街の側に港を作っているのだが、港が主に見えるほど大きくなっているのだ)、住宅街と港や商店がある区画とのの間に“海のカモメ”亭がある。

“海のカモメ”亭に入り、眼帯をした伊達男、店主フェルゼンにラウダからの紹介だと話をすれば、彼はラウダは最近元気にしているかと世間話をしながら、依頼の内容について話し始める。

ここ数週間にわたり、小型~中型の商船が海上に現われるゴブリンから略奪されているので、彼らを叩いてほしいというのが依頼の内容だ。報酬はラウダから言われた通り、1人500ガメルである。

商人たちが船を一隻出してくれるので、それに冒険者が乗り込んでゴブリンを迎え撃つというのが海賊退治の手はずだ。

2.情報収集

カゾフの街で噂を集めるなら、以下のようなことがわかる。

  • ゴブリンたちは小さなはしけを使う者と、水面を進む者たちがいる。(本当。水面を進む者はプレシオサウルスの背中に乗っているのをそう誤認した)
  • ゴブリンたちは魔獣を数匹使役している。(本当。プレシオサウルスのことだ)
  • ゴブリンたちはカゾフの水中遺跡をねぐらにしているのではないか。(本当)

3.いざ出航

フェルゼンに準備ができたことを伝えれば、彼は今回の作戦に協力してくれた商船主のウザーラ氏と、マッコイ船長を紹介してくれる。

ウザーラ氏は親友の商船が襲われて彼の店が傾いたこともあり、大いに義憤にかられている。必ず海賊を倒してくださいとキャラクターたちに言い含めてくる。

マッコイ船長はウザーラ氏に説得されてこの危険な航海に挑む普通の商船船長だ、しかし、彼も海の男なので必要以上に怖じ気づいてはいない。ゴブリンが出てくるまでカゾフの近海を周回する役目はきちんとこなしてくれる。

4.ゴブリン、襲撃

マッコイ船長の船に乗ってカゾフの港を離れると、ゴブリンの漕ぐ小舟が3艘、向こうから突っ込んでくる。彼らは手慣れた様子でフック付きロープを船にひっかけると、よじ登って攻撃を仕掛けてくる。

小舟にはゴブリンが3体乗り込んでおり、操船する1体を残して6体のゴブリンが船に攻撃を仕掛けてくる。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

5.恐竜の襲来

「4.ゴブリン、襲撃」の遭遇開始から3ラウンド後、プレシオサウルスを使役するゴブリン・ロードと彼の側近のゴブリン・シャーマン、そしてゴブリン2体が襲来する。彼らはプレシオサウルスを船に体当たりさせ、その長い首づたいにロードとゴブリンが接舷する。

プレシオサウルスを目撃したキャラクターは難易度12の【知力】〈自然〉判定に成功すれば、古代種の竜から産み落とされた竜とリザードの混種である恐竜、その中でもプレシオサウルスと呼ばれるものだと知っている。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:9(3d6)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ゴブリン・シャーマン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(レザー)

hp:9(3d6)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 12(+1) 10(+0) 14(+2)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語、精霊語、地方語

脅威度:1/2(100XP)


呪文発動:ゴブリン・シャーマンは3レベルの術者である。呪文発動能力値は【魅力】(呪文セーヴ難易度12、呪文攻撃+4)である。ゴブリン・シャーマンは以下のウォーロック呪文を修得している。

1~2レベル(2レベル・スロット2つ):インヴィジビリティウィッチ・ボルトエンタングルキュア・ウーンズ

ノームの悪戯:ゴブリンはアクションを用いて9m(30フィート)以内のクリーチャーに難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわせ、失敗したら伏せ状態にできる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

精霊召喚:遠隔呪文攻撃:攻撃+4、間合い9m(30フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d10)[殴打]ダメージ。

ゴブリン・ロード

中型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー、シールド)

hp:33(6d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 14(+2) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


アクション

複数回攻撃:2回のシミター攻撃を行なう

シミター:近接器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

プレシオサウルス

大型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:68(8d10+24)

移動速度:6m(20フィート)、水泳12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 15(+2) 16(+3) 2(-4) 12(+1) 5(-3)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


息こらえ:プレシオサウルスは1時間まで息を止めることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:14(3d6+4)[刺突]ダメージ。

結末

ゴブリンたちを倒せば、ひとまずゴブリンの海賊の襲撃は終わる。彼らの本拠地はカゾフ近海に沈んでいる古代遺跡の中にあるが……それはまた別の話でよいだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」