ネコぶんこ


2024年06月01日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:雨の日の怪物(1レベル)

今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。現在開発中のソード・ワールドR(仮)のサンプルシナリオでもあるですぅ。

ソード・ワールドからゲスト出演しているデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちはオランの衛士隊から、雨の日に目撃される“怪物”の正体を探り、実在するなら討伐するよう依頼される。

この“怪物”の正体は下水道に住みついたブロブである。普段は地下で生活しているが、雨の日に溢れた水と一緒に外に出てきて、それを目撃した市民が怪物を見たと騒いでいるのだ。

キャラクターたちが下水道の中を探索する、雨の日に目撃現場を見張るなどの行動を行ない、ブロブを退治すれば冒険は成功となる。

冒険への導入

“古代王国への扉”亭の店主、ラウダが店にやってきたキャラクターたちに声をかける。オランの衛士隊から、雨の日に目撃されている“怪物”の正体を暴いてほしいと依頼が来たが、めぼしい冒険者が出払っているのでキャラクターたちに頼みたいというのだ。

報酬は1人500ガメル(500sp)である。詳しい話は衛士隊の事務所でするよう、ラウダは事件を担当しているエダインという衛士長の名を教えてくれる。

1.衛士隊詰所

衛士隊の詰所では、街を警邏したり揉め事を解決して犯人を連行したりしている衛士が出入りしている。エダインは奥の椅子に腰掛け、何やら書類をまとめている。

キャラクターたちが訪れると、エダインは依頼や報酬について話を再確認する。そして、最近オランの街で雨の日に目撃されるヒューマンほどの大きさをした黒い“怪物”の話をする。

エダインは地図を広げながら数ヶ所に目印を置き、“怪物”はハザード川を挟んだオランの東側で目撃されており、決まって雨の日に現われることが共通点だと話す。複数の目撃者がいることから、何かがいることはほぼ確実で、万一妖魔などであれば大事だが、専任で捜査する人手がないため、冒険者に依頼したいとエダインは言う。

キャラクターたちが申し出るなら、エダインは地図の写しに目印をつけたものを渡してくれる。

2.事件現場

“怪物”の目撃された現場はどれもオランのそれなりに大きな通りに面しており、どこも少し変な臭いがする。臭いの元は近くにある雨水を下水へ落とすための溝だ。

近くの家に住む者や露天の物売りなどに話を聞けば、最近下水の調子が悪くて雨の日などは逆流までしてくるが、役人に言っても何もしないと愚痴を聞くことができる。

3.推理の時間~解決へ

ここまで来たプレイヤーは、下水に何かあると勘づくかもしれない。そうでない場合、難易度10の【知力】判定に成功すれば、下水に異常があるのではないかとキャラクターが気づいてくれる。

キャラクターたちが取れる行動は、下水道に降りるか雨の日を待つかである。下水に入った場合、水路が流れてきた流木やゴミで詰まっており、その近くにうごめく黒い塊、ブロブが2体おり、侵入者であるキャラクターたちを攻撃してくる。

雨の日を待つ場合は2d6日後に雨が降り、キャラクターが向かった目撃現場に出てくる2体のブロブと出くわす。こちらの作戦で行く場合、その間の宿泊費などを衛士隊に請求しても無慈悲に突っぱねられるだろう(「あたりがついているなら下水道に降りてみてくれないか」程度の助言はしてもらえる)。

ブロブ

中型・粘体、中立にして悪


AC:8

hp:22(3d8+9)

移動速度:6m(20フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 6(-2) 15(+2) 3(-4) 6(-2) 1(-5)

ダメージ抵抗:[酸]、[毒]

状態完全耐性:恐怖状態、聴覚喪失状態、消耗状態、魅了状態、盲目状態

感覚:擬似感覚60フィート(それより先は見えない)、受動〈知覚〉8

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


金属腐食:ブロブにヒットした非魔法的な金属の武器は腐食する。武器はダメージ・ロールへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ペナルティが-5になると、武器は壊れる。ブロブにヒットした金属製の非魔法的な矢弾はダメージを与えた後に破壊される。

アクション

擬足:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[殴打]ダメージおよび7(2d6)[酸]ダメージ。目標が属製の鎧あるいは金属製のシールドを着用していたなら、それは腐蝕してACへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ACが10まで減少した鎧、あるいは+0ボーナスまで低下したシールドは壊れる。

結末

ブロブを倒して衛士隊に報告したら、エダインも下水道掃除をするよう上に進言すると報告をまとめ始める。

ブロブの攻撃で腐蝕した装備の保証を求めるなら、衛士隊が使っている鍛冶屋で手入れしてもらい、無傷に戻すことができる。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年06月08日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:死者の鉱山(1レベル)

今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。現在開発中のソード・ワールドR(仮)のサンプルシナリオでもあるですぅ。

ソード・ワールドからゲスト出演しているデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちは冒険者の店を訪れたドワーフのグリムから依頼を受ける。

グリムの一族は鉱石掘りがなりわいで、一族に伝わる秘密の地図を解読してオランの近くに先祖の見つけた鉱山を再発見することができた。しかし、そこに行ってみるとアンデッドが徘徊するダンジョンと化していた。

グリムは戦闘ができないので、冒険者にアンデッドの始末を依頼する。

鉱山にはびこっているアンデッドを倒せば依頼は終了だが、原因も突き止めればさらなる報酬が期待できるだろう。

冒険への導入

“古代王国への扉”亭の店主、ラウダが店にやってきたドワーフをキャラクターたちに引き合わせる。紹介されたのは髪や髭に白いものが混じり始めたグリムというドワーフだ。彼の一族は代々鉱山掘りをしており、先祖の見つけた隠し鉱山のありかを突き止めたが、そこはアンデッドが徘徊するダンジョンと化していたというのだ。

グリムの依頼はアンデッドの掃討だ。報酬は1人500ガメル(500sp)で、仕事中の食費もグリム持ちである。

キャラクターたちが依頼を受けたなら、グリムはオランから5日の山中にある祖先の鉱山まで案内してくれる。

1.よどんだ空気

鉱山の入口にやってくると、グリムは念のためろうそくを手に坑道へ入ってちゃんと息ができることを確認し、キャラクターたちを招き入れる。

坑道はそう難しい構造でもなく、有望な鉱脈があるところまで一直線に掘り進んでいるだけだ。暗闇の中を見通せるキャラクターがいるか、照明で照らすなど奥を確認したら、ゾンビやスケルトンなどの低級なアンデッドがうろついているのがわかる。

2.奥を目指せ

行動の中は“暗闇”で、人が2人ほど並んで通れる3m(10フィート)ほどの幅をしており、奥までは60m(200フィート)ほどある。

その通路に5体のスケルトンと3体のゾンビが徘徊している。キャラクターたちはこれを倒すか無視して最深部まで行く必要がある。

グリムのデータが必要な場合、一般人のものを使うこと。

一般人

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:10

hp:4(1d8)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)

脅威度:0(10XP)


アクション

クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視9m(30フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程24/96m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ゾンビ

中型・アンデッド、中立にして悪


AC:8

hp:22(3d8+9)

移動速度:6m(20フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 6(-2) 16(+3) 3(-4) 6(-2) 5(-3)

セーヴィング・スロー:【判】+0

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:毒状態

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前に知っていた言語を理解できるが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アンデッドの頑健さ:[光輝]あるいはクリティカル・ヒット以外のダメージでゾンビのヒット・ポイントが0になった時、難易度5+受けたダメージの【耐久力】セーヴィング・スローを行なう。成功すれば、ゾンビはその代わりにヒット・ポイントを1まで減少させる。

アクション

叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[殴打]ダメージ。

3.鉱脈の前で

アンデッドたちと戦いながら鉱脈の前にやって来ると、そこにはバラバラになった白骨死体があり、その上にぼんやりと光る半透明なドワーフの姿がある。

半透明なドワーフはゴーストで、「この鉱山は渡さん、誰にも渡さんぞ」と魂が冷たくなるるような声で叫ぶ。すると、先ほどまでの道中で倒してきたアンデッドの残骸がふたたび起き上がろうとする。

ここでキャラクターたちがグリムはゴーストの子孫かもしれないと気づき、彼をゴーストの前に連れて行くなら、ゴーストは「確かにその姿はわしらの一族に似ておる」とアンデッドの再活性化を止め、キャラクターたちの話を聞く。

ゴーストとグリムの話がついたら、ゴーストはキャラクターたちにも子孫を守ってよくここまで来てくれたと礼を言って消えていく。

もしグリムとゴーストを面会させられなかったら、ゴーストはキャラクターたちを侵略者とみなして排除しにかかる。

ゴースト

中型・アンデッド、好きな属性


AC:11

hp:45(10d8)

移動速度:0m(0フィート)、飛行12m(40フィート)(ホバリング)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
7(-2) 13(+1) 10(+0) 10(+0) 12(+1) 17(+3)

ダメージ抵抗:[酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴];非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、[刺突]

ダメージ完全耐性:[死霊]、[毒]、[冷気]

状態完全耐性:恐怖状態、拘束状態、消耗状態、石化状態、つかまれた状態、毒状態、伏せ状態、麻痺状態、魅了状態

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉11

言語:生前に知っていた言語すべて

脅威度:4(1100XP)


エーテル視覚:ゴーストは物質界にいる時に18m(60フィート)までエーテル界を見ることができ、その逆も可能である。

非実体移動:ゴーストはクリーチャーや物体の占める空間を移動困難地形として通り抜けることができる。物体の中でターンを終えたなら、5(1d10)[力場]ダメージを受ける。

アクション

衰弱の接触:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:17(4d6+3)[死霊]ダメージ。

エーテル化:ゴーストはエーテル界から物質界へ入る、あるいはその逆が可能である。それが境界エーテル界にいる時は物質界でも見ることができ、その逆もそうであるが、他の次元界に影響を与えたり受けたりすることはできない。

恐るべき容貌:ゴーストから18m(60フィート)以内にいる非アンデッドのクリーチャーは難易度13の【判断力】セーヴィング・スローに成功しなければ、1分間恐怖状態になる。このセーヴに5以上の差で失敗した場合、目標は1D4×10歳老化する。恐怖状態のキャラクターはターンの終了時にセーヴィング・スローを再び行なえ、成功すれば恐怖状態は終了する。目標がセーヴィング・スローに成功するか効果が終了したなら、目標は次の24時間、このゴーストの恐るべき容貌からの効果を受けない。老化の影響はグレーター・レストレーションの呪文などで元に戻せるが、受けてから24時間以内に限られる。

憑依(再チャージ6):ゴーストが視認でき1.5m(5フィート)以内にいる1体の人型生物は、難易度13の【魅力】セーヴィング・スローに成功しなれば、ゴーストに憑依される。ゴーストの姿は消え、目標は無力状態になって肉体の制御を失う。こうなったゴーストは肉体を制御しているが、目標の意志を奪うことはできない。ゴーストはアンデッド退散以外の攻撃、呪文、あるいはその他の効果の目標にできず、属性、【知力】、【判断力】、【魅力】、および魅了状態と恐怖状態への完全耐性を保持する。それ以外は目標のステータスを使用する。目標の知識、クラス特徴、習熟を使うことはできない。

憑依は肉体のヒット・ポイントが0以下になるか、ゴーストがボーナス・アクションで終了させるか、ディスペル・イーヴル・アンド・グッドの呪文などでゴーストが強制的に排除されると終了する。憑依が終了すると、ゴーストは肉体から5フィート以内の占有されていない空間に再び現われる。目標はセーヴィング・スローに成功するか憑依が終了してから24時間、このゴーストの憑依への完全耐性を得る。

結末

先祖と話をつけることに協力すればグリムからは多大な感謝をされ、報酬を100ガメルずつ上乗せしてくれる。

ゴーストを倒してしまった場合も鉱山のアンデッドは消え去り、グリムからは約束通り報酬をもらえる。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年06月09日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] ソード・ワールドR(仮):種族

ソード・ワールドR(仮)用の種族データを公開しますぅ。能力値上昇は高めで、その代わり不得手な能力値を入れたらSWぽいかのうとディスカッションしながら作ったですぅ。

種族特徴については軽めにしておいて、文化的なところは背景も込みで表現する予定ですぅ。

夏コミ受かってたのでそれまでになんとか作り上げられればイイナですぅ。


2024年06月15日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ゴブリン穴掘り部隊(1レベル)

今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。現在開発中のソード・ワールドR(仮)のサンプルシナリオでもあるですぅ。

ソード・ワールドからゲスト出演しているデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

オランの常闇通りに、ゴブリンが現われた。いくらスラムといっても妖魔がいることは異常事態であるため、衛士隊は冒険者の助けも借りて捜査を行なうことになる。

この事件の真相はオランの地下にある下水道に隠れている。ゴブリンたちはオランの近くにある地下遺跡からトンネルを掘り、下水道への進入路を作っていたのだ。

衛士隊の依頼を受けて下水道にたむろしているゴブリンを倒し、トンネルのことを報告すれば冒険は終了である。

冒険への導入

“古代王国への扉”亭の店主に衛士隊から人がやってくる。その後、店主のラウダが店内にいる客へ呼びかける。「常闇通りでゴブリンが目撃された。衛士隊が協力者を求めているそうだ。報酬は1人300ガメル(300sp)に、有望な情報を持ってきた奴には追加報酬だそうだ」

キャラクターたちが依頼を受けたなら、衛士は常闇通りで数匹のゴブリンが発見されたと話す。現場の近くでの聞き込みや捜査をしたいが、スラムの住民は衛士に警戒心を持っているので、冒険者の力を借りたいというのが詳しい話だ。

加えて、ゴブリンが目撃された場所について詳しい情報も教えてもらえる。

1.現地での調査

ゴブリンは常闇通りのいくつかの場所で目撃されている。情報収集をするなら難易度10の【魅力】〈説得〉やそれに類する技能での判定に成功すれば、行商人が張っているテントの裏側、井戸がある広場のそば、酒場の脇にある路地など、詳しい目撃情報を得られる。

これらの情報を踏まえて目撃現場で難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、どの現場も近くに下水道へ繋がる縦穴があることに気づける。

この情報を衛士隊に報告すると、追加報酬の1人100ガメルが約束される。その上で衛士長は、下水の調査も頼まれてくれないかと報酬を約束して捜査の続行を打診してくる。キャラクターが乗らなければ冒険はこれで終了である。

2.下水道へ行く

下水道へ行くなら中は“暗闇”で、人が2人ほど並んで通れる3m(10フィート)ほどの幅をしており、真ん中の水路になっている部分を水がちょろちょろと流れている。汚物や汚水が流れているため、非常に臭い。

臭いを我慢してゴブリンの痕跡を探すなら、難易度12の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、子どもほどの大きさの足跡が見つかり、それを追いかけることができる。

GMはここで【判断力】〈生存〉判定を何回かロールさせる、下水道を徘徊するラットなどを出すなどして、内容を膨らませてもよい。

3.トンネル

ゴブリンの足跡を追うと、下水道の壁が崩れ、土壁のトンネルと合流している場所に行き当たる。彼らはここからオランの街にやってきているのだ。

ここでゴブリンたちを指揮しているダーク・エルフは「人間どもめ!」と共通語で叫ぶと、部下のゴブリン3匹に攻撃を命じる。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1体。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ダーク・エルフ

中型・人型生物(エルフ)、中立にして悪


AC:13(レザー)

hp:22(6d8-5)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 9(-1) 11(+0) 11(+0) 13(+1)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉12

言語:エルフ語、共通語、精霊語

脅威度:1/2(100XP)


呪文発動:ダーク・エルフは3レベルの術者である。呪文発動能力値は【魅力】(呪文セーヴ難易度12、呪文攻撃+4)である。小休憩または大休憩を終えるたび、消費済みの呪文スロットはすべて回復する。ダーク・エルフは以下のウォーロック呪文を修得している。

1~2レベル(2レベル・スロット2つ):インヴィジビリティウィッチ・ボルトヘクス

精霊との盟約:1回のアクションとして、ダーク・エルフは18m(60フィート)以内にいるクリーチャー1体に1回の遠隔呪文攻撃を行なえる。この攻撃はヒットすると5(1d10)[精神]ダメージを与える。

魔法抵抗:ダーク・エルフは魔法的効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、2(1d4)[毒]ダメージを受ける。

結末

ゴブリンたちの掘っていたトンネルの向こうにはそこそこの規模の地下遺跡があり、そこではダーク・エルフに指揮されたゴブリンたちがオラン襲撃の機会をうかがっている。

このことを衛士隊に報告するなら、追加報酬として1人500ガメルがもらえる。黒幕がダーク・エルフということもあり騎士団も出てくる討伐作戦が始まる。冒険者たちにもまた依頼が来るだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年06月16日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] ソード・ワールドR(仮):背景

ソード・ワールドR(仮)用の背景データを公開しますぅ。こちらは2024年版コアルールにも似て特技を取ってセージ、バード、レンジャーを表現するようになってますぅ。

とりあえずこれでキャラメイクは一通り揃ったはずですぅ。


2024年06月19日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] 『New 2024 Player's Handbook Reveal | D&D』動画文字起こし

新ルールブックの話が多くなってきた今日この頃、昨日公式からルールブックのちょっと出しが始まったものの、動画とインフルエンサーへの断片的情報という私にとって超ニガテ×超ニガテでふざくんなと憤慨し、字にした方がよっぽどいいじゃないのねえというわけで、とりあえず『New 2024 Player's Handbook Reveal | D&D』動画のめぼしいところを文字起こししたですぅ。

  • ポーションの使用がボーナス・アクションになった。
  • 能力値上昇は背景によるものになり、+2と+1か、+1を3つかを選べるようになった。
  • 乗騎、使い魔、相棒、化身用のクリーチャーはできるだけPHBにステータス・ブロックが掲載されるが、化身についてはMMも必要になる。
  • 召喚呪文はターシャの大釜を参考に変更が加えられ、色々な本を参照する必要はなくなった。
  • 異形の精神ソーサラー、サイ・ウォリアーのファイター、ソウルナイフのローグなど、サイオニックも再録。
  • 海の円環のドルイド、踊りの楽派のバード、世界樹の道のバーバリアンが新規採用。
  • アーチフェイの契約のウォーロック、四大門のモンク、ビーストマスターのレンジャーなどは大幅に改良された。
  • ウェポンマスタリーはファイター、バーバリアン、パラディン、レンジャー、ローグ用のオプションだが、特技で他のクラスにも導入できる。
  • 特技は全部で75種類あり、背景で得られる1レベル用のものから、19レベルになって得られる偉業の証までさまざまである。
  • 別々のクラスで被りがあった戦闘スタイルなども特技への一本化がなされ、「戦闘スタイル」カテゴリの特技になった。
  • インスピレーションはheroic inspirationになり、判定だけではなく、ダメージや回復量を決めるダイスにも適用できる万能振り直しになった。
  • 2014年版のルールに2024年版のキャラクターを入れても遊べるし、2024年版のルールに2014年版のキャラクターを入れても遊べる。
  • ルールブックの劈頭にはイラスト付きでプレイの例示をして、そこで起こったことの解説などを入れていく。
  • クラスには推奨能力値配分がついている。
  • 特定の能力値を上げられる背景の一覧表がある。
  • 3レベルからゲームを始めることをおすすめしていて、そのためのガイドもあり、18レベル開始のルールもある。
  • オーク、アアシマール、ゴライアスが新種族。

出された内容はあれをサイオニック言われてもねとか色々思うところはあるけどこんな感じですぅ。

やる気が続くなら他の動画もやるですぅ。


2024年06月22日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:枯れた遺跡の罠(1レベル)

今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。現在開発中のソード・ワールドR(仮)のサンプルシナリオでもあるですぅ。

ソード・ワールドからゲスト出演しているデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

オランの近くにある遺跡の調査をする依頼が“古代王国への扉”亭にやってくる。この遺跡は既にいくつかの冒険者グループが探索した“枯れた”遺跡のはずだが、たびたび魔物が居着くので、近くの住民が人をやるようにしているのだ。

問題の遺跡は実際“枯れた”遺跡である。しかし、最深部にはレックスから続く一方通行の移送の扉があり、うっかり入ってしまったモンスターがたむろしてしまうのだ。

キャラクターたちが迷い込んできたモンスターを倒せば冒険は終了だが、移送の扉の真相に気づいたら、さらに報酬を得ることができる。

冒険への導入

“古代王国への扉”亭の店主が、新しく来た依頼のことをキャラクターたちに話してくる。「この街から1日ほど行ったところにある古代王国の遺跡なんだが“枯れた”はずなのに度々モンスターが現われるってことで、また依頼が来たんだ。モンスター自体は低級のアンデッドくらいしかいないんだが、ひとつ行ってくれないか」報酬は1人500ガメルである。

問題の遺跡はオランからパダに向かう道沿いにある。そう迷うほどの場所ではないが、GMは道中にモンスターとの遭遇や探索の判定を行なうようにしてもよい。

1.“枯れた”遺跡

遺跡は古代王国時代にレックスの環状列石を守護するために作られた見張り所だと伝えられている、石造りの建物だ。ところどころ天井が抜けてはいるが、まだ建物としてのていを残している。

難易度12の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、建物の中からこのあたりまで人のような足跡が徘徊していることに気がつける。

難易度15の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、建物の中の扉で隔てられた場所に複数の足音がすることに気づける。

2.金属扉の部屋

遺跡の中には他の扉は木製で朽ちているが、この部屋だけは金属製の扉がある。鍵や罠はない。ちょうつがいは錆びだらけなので、開くと結構大きな音が出る。これを避けたいなら可動部に油をさすなどの工夫が必要だ。

「1.“枯れた”遺跡」で足音が聞こえたなら、足音はここから聞こえていたのだとわかる。

部屋の中には5体のスケルトンがうろうろしている。彼らはキャラクターたちが部屋に入ってくると応戦する。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視9m(30フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程24/96m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

3.後始末

この遺跡にスケルトン以外の他にモンスターや罠はない。もちろん、財宝もない。

スケルトンのいた部屋を調べるなら、片隅に3×3m(10×10フィート)の一枚板になっている床石があるのがわかる。この床石の近くで難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、床石の上に擦り切れた下位古代語が刻まれているのがわかる。そこには「レックスからの補給物資はここに出現する」と書かれている。

難易度12の【知力】〈魔法学〉に成功すれば、古代王国の魔法には通ったものを瞬間的に他の場所へ転送する移送の扉というものがあったことを思い出せる。

この冒険最大の問題は、この一方通行な移送の扉をどうするかである。床石を砕いてしまえば移送の扉は出口を失い、近くの人々が悩んでいる問題は解決される。遺跡の真相を暴いたキャラクターたちはいたく感謝され、追加で1人500ガメルの報酬を得られる。

床石を剥がしてオランの魔術師ギルドに持ち込めば、10000ガメルで買い取ってもらえるだろう。この場合、持ち帰るまでに石からモンスターが出てくる判定を行なうと、面白い帰り道になるだろう。この場合ももう遺跡にモンスターは現われなくなるので、そのことを説明すれば1人500ガメルの追加報酬が得られる。

あるいは、何も気づかなかった“にぶい”冒険者として最初の報酬だけもらって終わらせるという手もある。これを行なった場合、“鋭い”冒険者たちが現われるまで、この遺跡は初心者冒険者の小遣い稼ぎの場になるのだ……。

結末

キャラクターたちがどのような選択をしたかで、アドベンチャーの結末は大きく異なることになる。彼らが行なった選択に文句を付けるのではなく、それを尊重して演出することを心がけたい。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年06月29日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ゴブリン襲撃隊(1レベル)

今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。現在開発中のソード・ワールドR(仮)のサンプルシナリオでもあるですぅ。

ソード・ワールドからゲスト出演しているデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

オランからカゾフへの街道にゴブリンが出没しているので退治するようにとオランの騎士団から冒険者の店に依頼が入る。

現場に向かうと、キャラクターたちもゴブリンに襲撃される。彼らを倒し、近くの遺跡の根城を叩けば冒険は終了である。

冒険への導入

今日も今日とて“古代遺跡への扉”亭に依頼が貼り出される。今回は騎士団からの依頼で、「港町カゾフへの街道にゴブリンが出没するので退治する者を募集する」である。報酬は1人500ガメルで、本拠地を見つけたりそちらを殲滅したりすれば追加報酬というものだ。

1.ゴブリンたちの襲撃

カゾフへの旅は5日ほどかかる。街道を旅していると、3日目にゴブリンから襲撃される。

ゴブリンは街道の脇から3体、道を塞ぐように2体が現われ、キャラクターたちに斬りかかってくる。

彼らを倒して討ち取った証拠品をはぎとって戻っても、オランの騎士団は1人500ガメルを払ってくれる。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1体。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

2.本拠地を探せ

ゴブリンたちを倒した後で本拠地を探すなら、難易度10の【判断力】〈生存〉判定や、倒したゴブリンと話ができるなら難易度9の【魅力】〈威圧〉判定で、街道から少し離れた場所にある古代の建物跡に彼らの本拠地があることがわかる。

3.ゴブリンの根城

古代の建物跡はところどころ天井が抜けているが、雨風をしのげる程度の屋根などがある場所だ。ゴブリンたちはそこで4体、6体とホブゴブリン1体、3体とホブゴブリン2体のグループに分かれて寝起きしている。

グループ間の連携や距離については特に設定しない。GMはプレイヤーの熟練度などを考えて調整するとよい。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1体。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ホブゴブリン

中型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:13(2d8+4)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 14(+2) 12(+1) 8(-1) 11(+0) 9(−1)

技能:〈隠密〉+6、〈生存〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:ゴブリン語

脅威度:1/2(100XP)


蛮力:ホブゴブリンが近接攻撃をヒットさせたら、そのダメージにダイスを1つ追加する(攻撃には計算済み)。

アクション

メイス:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:8(2d6+2)[刺突]ダメージ。

結末

ゴブリンたちの本拠地について情報を持ち帰れば1人300ガメルの報奨金が出る。ゴブリンたちの本拠地を殲滅すれば、1人1000ガメルの追加報酬と、騎士団長から賞賛の言葉を得られる。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」