2018年05月06日 [長年日記] 編集
§ [DnD] 『ダンジョンズ&ドラゴンズを作る舞台裏で(Behind the scenes of the making of Dungeons & Dragons)』
元記事投稿:2018年5月4日、午前6時00分|更新:2018年5月4日、午前9時57分
コラムニストのニコル・ブローダーは、ダンジョンズ&ドラゴンズのメーカーが何に取り組んでいるか、そしてシアトル・シーホークとゲームのテストをしている様子を観察するために、レントンのウィザーズ・オブ・ザ・コーストの本社に潜入した。
後ろでエレベータのドアが閉まると、あなたはドラゴンと向かい合っていた。鋼のようなつやと、他の部分は古代のオーク樹のようにねじれたギザギザ歯のクリーチャーは、ドアの向こうに吊られていた。明かりは紫から緑、赤に変化し続けている。
ここは現実の終わり、そしてやっかいな十代と善良なる大人がウィザード、クレリック、バード、そしてトロルに変身させて勇気づける物語とキャラクターの始まりだ。
レントン・オフィス・パークのイケアと自動車販売業者から目と鼻の先にある特徴のない建物の3階が、ダンジョンズ&ドラゴンズ――今年44周年を迎える卓上ファンタジー・ロールプレイング・ゲーム――を所有しているウィザーズ・オブ・ザ・コーストである(このハズブロの子会社は1997年以降、このゲームを所有している)。
過去数年、ダンジョンズ&ドラゴンズ――あるいはD&D――はギーク文化の隆盛と、彼らがその画面から目を上げ、自分自身の物語とつながりを求める新たな実感のおかげで、新しいプレイヤーの軍団を手に入れた。
「それは宇宙と私たちがぶつかった、魔法の瞬間でした」と、D&Dのブランド・ディレクターにしてエグゼクティヴ・プロデューサのネイサン・スチュワートは語り、マーベルとDCコミックスを原作にした映画、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ストレンジャー・シングス』のような番組の人気に言及した。
「あなたは今のようにギーク文化が栄えているのを見たことがないでしょう」
彼はまた約20万人がプレイテストし、プレイを合理化して新規プレイヤーに触れやすく、物語に焦点を当てて単純化されたルールになるようデザインされた、2014年の第5版発売にも触れた。
女性の参加とレプリゼンテーションへの新たな努力もあったとスチュワートは語る。
「私たちは開発をするとき、プレイしたい人は誰もが卓で歓迎されると感じることを確認したかった」彼は言う。「より多くの人々にとって、よりよい趣味に」
それは実を結んだ。2017年の調査で、D&Dプレイヤーのほぼ40%が女性だと明らかになった。
「それは特別な時間で、私には人々が向かい合ってのつながりを本当に欲しているという強い確信があります」彼は言った。「ゲームはぴったりそこにはまる」
その結果、2017年はD&D44年の歴史で「最大」だったとスチュワートは言う。
彼は販売数を明かしはしなかったが、2017年のD&Dブランドは2016年から売り上げは44%成長し、史上最大のプレイヤー数――北米だけでも1200万~1500万人――がいると説明した。
そして2014年以降D&Dを始めた人々の50%以上がゲームをオンライン配信を鑑賞するため、同社は3番目――にして最大の――配信イベントをTwitchで行なっている。(www.twitch.tv/dndで見ることができる)
『The Stream of Many Eyes』は6月の1、2、3日に、ロサンゼルスのスタジオから始まる。物語――何が6月1日に明らかにされるか――はあるD&Dスタッフが「『ダ・ヴィンチ・コード』と『ギャング・オブ・ニューヨーク』を足したようなものです」と言った。
イベントはシアトリカル・ドラマ・リアリティ・ロールプレイング・ゲーム――または略してTDRRPG――と呼ばれ、D&Dの7セッションの間継続した物語を紡ぐキャストがいる。
彼らは「ハイ・エルフ・バード・リザード」と呼ばれる何者かを含むセイレーンやローグで、すべての俳優は『トゥルー・ブラッド』のジョー・マンガニエロやデボラ・アン・ウォールのような“インフルエンサー”である。
最新の企画会議でスタッフは“本物の鍛冶屋”、ファイアーダンサーを探し、消防法をよく読む仕事を言い渡された。
「私たちがこれまでに行なったことは、まったくもって野心的なことです」D&Dコミュニケーションズ・マネージャのグレッグ・チトーは語る。 「しかし、誰もがこの飛躍を愛しています」
D&Dは故ゲイリー・ガイギャックスと彼のパートナー、デイヴ・アーンソンによって創造された。彼らはファンタジー・ロールプレイング・ゲームを創造し、人々がJ・R・R・トールキンの本で読むだけだったウィザードとゴブリンを、彼らの食卓と未完成な地下室に持ってきた。
「ファンタジーは主流になりました」フランチャイズ・クリエイティヴ・ディレクター、マイク・ミアルスは語る。「人々はエルフが何か知っています。社会がそれらの語彙を消化した今、何でもできるのです」
D&Dのオフィスで働く人々はガイギャックスの遺産の執事として奉仕し、ルールを改善し、物語を拡大する。
ガイギャックスのペンは現在、D&Dのシニア・ストーリー・デザイナのクリス・パーキンスが握っている。彼はツイッターのフォロワーが68000人を超え、世界中のテーブル、――あるときは衣装を着て――舞台でゲームを行なう、有名なダンジョン・マスターだ。
「物語はもっとも重要なものです」とパーキンスは言う。「それこそが核心で、その本を書くのが私の仕事です」
彼は自分が書くプレイヤーを迎えるための物語を“フレームワーク”と呼んでいる。
「私たちはカップを作るが、飲み物は作りません」と彼は言った。「私たちの物語は出発点のはずです。私は共通経験になる素晴らしい物語を求めています」
「私は人々にその後について話してほしいです」とパーキンスは続けた。「それらの物語は彼らの心に残り、どれも現実に比肩しうる経験になるでしょう」
ジェレミー・クロフォードはD&Dのリード・ルール・デザイナで、ゲームのマネージング・エディタで、さらに『プレイヤーズ・ハンドブック』デザインの先頭に立った。彼はD&Dのプレイを第1版、6歳の頃から始め、ガイギャックスと日々を過ごした。
「私は常に、私たちがよりうまくできるように取り組んでいます」クロフォードは言う。「私は今、改訂したい衝動を抑えなければなりません」
プレイヤーからのフィードバックは「私たちに不可欠です」とクロフォードは言い、やってくるコメントと提案を処理する担当者がひとりスタッフの中にいると付け加えた。
クロフォードがゲーム・コンベンションの間にテーブルに座り、ファンとD&Dをプレイすることは珍しくない。
「私は盲点を見るために世界の中にいる必要があります」と彼は言った。「それが私の調査です。何が混乱させるのか?何がうまくいったのか?そのすべてがゲームを導く核心になります」
この日に、チームはこの秋にアバロンヒルから発売される新しいD&Dのボード・ゲームをプレイテストしていた。それはD&Dにとって新しい若年層プレイヤーと家族向けの、学びやすく、プレイが速いものになっている。
テスターのひとり、シアトル・シーホークスのランニング・バック、C・J・プロサイスは、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの研修期間を終えていた。野心的なゲーム・デザイナの彼は、オフシーズンの間、ここで働くために登録した。このボード・ゲームはアソシエイト・ゲーム・デザイナとして彼の名前を最初にクレジットしている。
「私はちょうど、自身をよくするために何かをしたかった」とプロサイス(23歳)は言った。「ゲーム・デザインは、私の将来設計で心が向いているところです」
プロサイスのゲーム経験はほとんどがXboxだ。スポーツ、シューティング、そしてアドベンチャー・ゲーム。
「しかし、これは自分自身の異なる部分を見つけることができました」と、彼はD&Dについて語った。「そして、あるいは私が知らない人々を知ることができる。そして、ゲームは常に私がトラブルから離れる方法でした」
「さらに、私は他の誰かになって逃げ延びることができる」と彼は言った。
好き?
「私は自分自身をより強くウィザードだと見ることができます」そう彼は言った。
そして、ゲームの魔法がある。たとえ誰が、あるいはどこでプレイしていても、D&Dは想像力とファンタジーの物語によって育てられる――あなたがその本社のドアを通って踏み出し、その後の44年が始まったとき、すべては明白になった。
「D&Dがどれだけ開かれたものか」クロフォードは言った。「私には今から人々が一世紀後もプレイしている様子が見えますよ」
2018年05月10日 [長年日記] 編集
§ [DnD] ゲーム用ミニチュアの入手方法
なくてもプレイできるけど、あるとより楽しめるかもしれないのが、戦闘で自PCや敵の位置関係を確認するために使うミニチュアですぅ。特に、グリッド、ヘクスを使用したプレイを導入したいなら、とてもほしくなるはずですぅ。
しかし、日本ではまだRPG用のミニチュアそのものはメジャーではないので、その中からリーズナブルなものをチョイスしていくつかご紹介するですぅ。
こんな場末のblog見るレベルの人はもう解決しているとかそういうことを考えるのは、よくない悪霊の囁きなので無視するが吉ですぅ。
1: プライズやおまけ、単品売りのフィギュアを使う
あまり大きなものは使えないけど、モンハン、Fate、ガンダム、その他アニメ、ゲームなどの立体物からお気に入りの物を使うのも、古くはゲイリー・ガイギャックスという人がやっていた伝統の方法ですぅ。それぞれのプレイヤやマスタの思い入れも入るだろうから、それもまたよしですぅ。
これを始めるとペットボトルのオマケ情報に耳ざとくなったり、ダイソーやセリアなど百円均一ショップが宝の山になる副作用も確認されているですぅ。
2: 『パスファインダーRPG ビギナー・ボックス』を買う
厚紙製のコマと、それを立てるための樹脂製ベースがついてきて、さらにホワイトボード用のマーカで描いたり消したりできるフリップマット、そしてそれを使うRPGのルールも手に入る(申し訳ない書き方)ので、かなりリーズナブル、しかもAmazon.co.jpで買えて入手性もいいときているのでかなりおすすめの一手ですぅ。
3: 『Arena of the Planeswalkers』を買う
ちょっと残念な結果になり、市場でかなりだぶついているM:tGのボードゲーム、Arena of the Planeswalkersには彩色済みミニチュア5体、単色のクリーチャー30体、ヘクスマップが入っているですぅ。ゲームとして遊ぶだけでなく、別のゲームに流用するという視点で見てもかなりコストパフォーマンスがいいですぅ。
ミニチュアのベース(土台)が一般的なグリッドサイズの1インチにはちょっと収まらないけど、特に気にするほどのことでもないですぅ。
おまけ: フリップマットのこと
パスファインダーRPGを展開しているPaizoはRPGサプライも出していて、その中でも手に入れて損はないのが、1インチのグリッドが印刷されており、ホワイトボード用のマーカで描いたり消したりできるフリップマットですぅ。
これをテーブルに出しておけば、マップを描くだけでなくちょっとしたメモを残したり、hp計算やイニシアチブを書いておけたりするので是非一枚ですぅ(通販風)。
というわけで、いくつか挙げてご紹介したですぅ。もっとコストをかけていいなら、ウォーハンマーやReaper Bonesで検索するといいかもしれないですぅ。
2018年05月14日 [長年日記] 編集
§ [DnD] 『Dungeons and Dragons Art and Arcana』
今年の10月、Penguin Random HouseのA Visual Historyシリーズから『Dungeons and Dragons Art and Arcana』という、DnDの歴史をヴィジュアル面からひもとく一冊が出版されるですぅ。
この本は448ページの大部で、Forbesの「These Exclusive Images Reveal The 'Art And Arcana' Of Dungeons & Dragons」で一部が見られるように、ルールブックやサプリメントに使われたイラストの原画だけではなく、塗り絵やレコードのジャケットなども収録されているですぅ。
A Visual Historyのシリーズ名通り、本文執筆も『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス』のマイケル・ウィットワー氏をはじめとしたゲームに詳しい面々が担当しているですぅ。
また、この本は箱入り特装版のSpecial Editionも企画されているですぅ。
§ [Liber] 『The Art of Magic: The Gathering: Concepts & Legends』
M:tGが25周年を記念してゲームの歴史をさかのぼる画集、『The Art of Magic: The Gathering: Concepts & Legends』を出すですぅ。
歴代のアートワークや解説を収録している……くらいで詳細はまだ出ていないけど、コンセプトアートやスケッチも収録するみたいですぅ。
2018年05月15日 [長年日記] 編集
§ [DnD][5e] 『新たなダンジョン・マスターに捧ぐD&Dでの即興(Improvisation in D&D for New Dungeon Masters)』
2018年03月23日
ダンジョン・マスターが素晴らしいD&Dのゲームを行なうために必要な技術は、たくさん思い浮かぶ。それはルールへの熟練や鋭い戦闘、戦術眼かもしれない。それは歴史、宗教、そして政治も含めた世界を無から構築することかもしれない。ゲームのリアリティは非常にさまざまだ。私たちが素晴らしいゲームを行なうために必要なのはそれらの腕前ではない。しかし、ある技能はものすごいD&Dのゲームを行なうときに輝く。
即興。
ゲームは決して計画通りには進まない。プレイヤーは私たち自身が考えもしなかった直感に突き動かされる。彼らは私たちがまったく考慮していなかった決断をする。彼らは精密に地図の書かれた西から、まったくまっさらな東へ頭を向ける。彼らは私たちがでっちあげたNPCに恋をして、もっとも重要な依頼を与えるNPCをドッペルゲンガーと思って崖の上から蹴り落とす。こうした現場での変化に対応し、ゲームを難なく運営し続けることが、平凡なDMと偉大な者の違いである。
私たちはゲームを軌道修正し、彼らが行くと想定した方向へ進行させることを強いたくなるかもしれない。しかし、それは間違いになりうる。ゲームを“押す”のは、1つに、プレイヤーが物語を導く力を取り外すことになる。2つに、私たちが想定していないところへ進むのは、楽しみだからだ。物語が卓を囲む誰の思惑も越えて拡大するとき、魔法のような気持ちになる。その魔法を編むことは私たち次第で、私たちは即興という呪文を使える。
即興について語るといっても、面白い声を出したり、キャラクターに没入することの話ではない。それらは腕を磨けば確かに楽しいことだが、それらは私たちが語るものの中心ではない。語るべきは物語を進め続けるために必要で、予想外の事件やキャラクターがする決断に関係なく、それらが楽しみでありつづけるための技術だ。私たちはキャラクターに他の道へ行くよう強要せず、彼らの選択に基づいた適応をする。
即興は一生を通して伸びる技能だ。始めたばかりでも、40年間D&Dを続けていても、私たちは常にこの技能を伸ばすことができる。小技を得る。新たな技術を学ぶ。プレイヤーと新たな道を繰り返し見つけ出し、ゲームで発生する前には考えもしなかった大胆な考えを思いつく。より多くの即興でより上手くなり、それをするほどにより自信をつけ、私たちはそれを行なう。実行は良い即興の基盤になる信頼を構築する。
ルールへの熟練を投げる
D&Dのゲームを始めた君は、自分がゲームすべてのルールに圧倒されているのに気づくかもしれない。D&Dは運用が複雑なゲームだ。ルールの最終的な決定権者の役割を引き受けるかわりに、プレイヤーに助けを頼もう。サンダーウェイヴのダメージがどれだけか忘れてしまった? 自分でなんとかするよりは、むしろそれを調べてくれと頼んでみよう。プレイヤーがルールの質問に答えてくれるのをよりあてにするほど、彼らはDMのことを敵として考えず、DMは他のプレイヤーのように、物語の進展を見るためにそこにいるのだと理解する。
しかし、これはD&Dを運用する基本を理解することから君を解放するものではない。ルールに熟練する必要はないが、ゲームを難なく運ぶ程度には習熟するほうがいい。君がグループのためにそれを始める前に、終わりまで読む充分な時間を取り、ゲームがどう動くかを理解しておこう。
やらせることを学ぼう
即興でよくなるものの多くは、想定を捨てることから始まる。ゲームを計画して準備するために座るとき、私たちは頭の中でどうなるか想定していく。そして、卓についてみれば、計画した通りにはならないものだ。あまりに強くこの想定にしがみついてしまうと、私たちは物語の強制力によって驚きの機会を逃してしまう。私たちはビデオゲームを作っているのでも、映画を撮っているわけでも、小説を書いているのでもない。私たちはそこで展開する物語を体験しているのだ。
一般的に私たちが戦いが始まると想定しているとき、それは起こるが、キャラクターはそのかわりにどうやって潜在的な脅威との対話や、その他いくつかの方法で対立構造を破壊する方法を見つけようとする。キャラクターが小さなホブゴブリンの野営地に走り込むと言った。私たちは彼らが入って何体かのホブゴブリンと戦うことを想定するが、そのかわりに、彼らが戦団に加わるよう雇われた傭兵のふりをしたならばどうだろうか? 彼らが素晴らしい〈隠密〉判定の連続で野営地に忍び込んだとしたら? 彼らが大きなたき火で野営地の衛兵を誘い出したとしたら? 私たちにとって想定外だったかもしれないが、全員が面白い物語にたどりつくことができた。ただ対立を強制し、戦いを最初の場所で想定通りに戦闘を起こせば、私たちはそれに失敗するだろう。
キャラクターが探検するために面白い状況を構築し、彼らがそれにどう接するか想定を捨てて臨むのは、即興DMのための大いなる一歩だ。
質問して答えを聞こう
即興演劇を研究する人たちは多くの即興術が効くことから始まるといっている。プレイヤーが何を言い、それがどのようにゲームを買えることができるか聞いていないなら、私たちは即興をすることができない。ゲームを進めるもっとも簡単な小技の1つは、プレイヤーが答えるための質問をし、その答えをゲームの進行に使うことだ。
ここにいくつかの例を挙げる:
「マオ、君はどんなものがこの骨董屋で魅力に感じた?」
「ワーリン、君がチョルトの密林を旅するうちに、どんな面白い事件があった?」
「タイサブリ、君が街のドックで最初に気づいた3つのものは何?」
「デーヴァ、君はなぜドワーフの仲間をアンデッドの騎士から守ろうとする?」
君はこれらの質問のすべてが、より多くのものを引き出してキャラクターの操縦を助けると気づくだろう。それらはあまり一般的ではないか、制限がある。私たちはローグのマオがこの店に何かを求めていることを知っているが、何なのかを知らない。私たちはデーヴァが彼女の友を助けると知っているが、なぜ彼女がそうするかわからないかもしれない。「君はどうする?」など、前後関係なくあまりに漠然とした質問をするかわりに、これではあまりに重々しく物語を進めているように感じられるかもしれないが、楽しい道の下で物語を導いていけるかは私たち次第だ。
質問は、私たちをゲーム内のキャラクターに巻き込ませる。それは私たちがゲームを展開し、プレイヤーの望みを聞くことを手伝う。質問をしてその答えを聞くことは、私たちが頭の中に持っている物語から抜け出すのを手伝ってくれ、また、彼らが世界を旅するように私たちがキャラクターの物語を認め、理解し、受け入れられるようにしてくれる。
「そう、そして……」
即興演劇でもっとも一般的な話の種の1つは「そう、そして……」を巡る考えだ。この即興の技術は2人の間で考えを投げ合って絶えず受け入れ、その考えに「そう、そして……」と言っていく。時にキャラクターが不可能なことを試したいとき「いや、しかし……」がより適切だが、これはD&Dでうまくいく方法で、DMは選択肢を提供することもできる。多くのとき、これはプレイヤーの質問から始まるかもしれない。
「牢獄の鉄格子を抜け出せる?」
「いや、しかし君は鍵を持った衛兵が寝入り、彼のベルトの上にある鍵束がちょうど手に届く範囲だと気づいた」
これはD&Dの心臓部にある行き来する物語構築だ。DMは状況を描写し、プレイヤーは彼らが何をしたいか描写し、そしてDMはどのようにすればそれが可能なのかを描写する。「そう、そして」と「いや、しかし」を導入することで、ゲームに交渉が組み込まれる。危険を承知の上で目的を目指すキャラクターはどんな奴だろう?
本を読む
脳に偉大なフィクションを満載するのは、私たちの即興能力を向上させる。本、映画、TV番組、ビデオゲーム、これらのすべてはD&Dのゲームに素晴らしいインスピレーションを与えてくれる。しかし、即興のゲームではD&Dの本そのものが、ものすごい価値を持つ。『モンスター・マニュアル』には、正確な瞬間に君のゲームへ落とせる素晴らしい物語、フック、そして考えが詰まっている。君が他のD&Dの本で隅から隅まで読んでいないものがあれば、それを読もう。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』には、インスピレーションを与える考えでいっぱいだ。特に、ゲームを準備している間、『DMG』のランダム表は素晴らしいインスピレーションを与えてくれる助けになる。ランダム表は型どおりの考えから脱却することができ、自分のゲームに対する斬新な考えを与えることができる。君が出版されたアドベンチャーを行なっているなら、前もって伏線を張れるようにそれを通読し、アドベンチャーの想定と異なる動きをするキャラクターを快適だと感じてほしい。
即興のメカニクス
私たちがD&Dのゲームを行なうとき、技能判定、有利、不利、そしてインスピレーションといった重要なメカニクスは状況を即興で造り、キャラクターに潜在的な行動を促すのを助けるように働く。これらのメカニクスは即興される状況を促進して手助けするために働く。これらは質問し、オプションを提供する考えとも一緒に働く。
君がこれらのメカニクスをまだよく知らないなら、何分かかけてD&Dの『プレイヤーズ・ハンドブック』か、D&D Beyondを読んでおくこと。
ゲームを行なうとき、私たちはキャラクターが目標を達成するための障害に勝とうとする状況を描写する。時に、キャラクターのやりたい行動が特に簡単なら、キャラクターはそのままそれをできる。しかし、それらが挑戦的なら、私たちはそれがどれくらい困難かに基づいた挑戦を難易度として設定できる。簡単だが失敗しがちな行動は10、そして本当に難しい挑戦は20だ。キャラクターが撮りたい行動と状況の難しさに従い、われらDMはこの難易度10から20の間を選択する。眠っている衛兵のベルトから鍵を盗むのは13だろう。牢獄の鉄格子を曲げるのは20だろう。
特に戦闘において、いくつかの状況では、私たちはプレイヤーに取引をもちかけることができる。ある技能判定に成功すれば、彼らは攻撃をする際に有利を得ることができると。たとえば、キャラクターが石のテーブルに飛び乗ってオーガの頭上に飛び込む、難易度13の〈軽業〉判定に成功する気があるなら、彼らは最初の攻撃の際に有利を得ることができる。失敗したなら彼らはテーブルの上を滑り、オーガの足下で伏せ状態になる。
こうした類いの取引は、DMからプレイヤーでも、プレイヤーすらDMでも、どちらででも有効だ。プレイヤーが驚くべきことをなしたいなら、私たちはそれを達成すれば彼らに有利を与えるよう、難易度を与えることができる。同じように、状況に若干の興奮をくわえるために、私たちはプレイヤーに彼らの行なえる潜在的なオプションに難易度を与え、成功するならば有利を得られ、失敗したなら不利を受けるというようにもできる。
最後に、プレイヤーがキャラクターに合った行動をしたり、物語を前に進めようとしたとみたら、私たちは彼らにインスピレーションで報いることができる。インスピレーションは後から働く変則的な仕組みだが、それは彼らのキャラクターに忠実な選択をして物語を前進させ続けるプレイヤーへの報酬として非常によく役立つことができる。私は個人的に、キャラクターが危険をおかすかそれを望んだとき、インスピレーションを与えた。
生涯の探求は続く
この記事は偉大な即興DMに必要なものの上っ面をかろうじてひっかいた。それを上手にするには、実践と実行あるのみだ。それが働くとき、私たちのゲームは本当に魔法のもの――私たちの誰もが考えてもみなかった、しかし共に構築できた――になる。将来の記事では、卓での即興に役立つ道具を含む、D&Dのゲームに役立つ道具のいくつかについて話そう。
著者について
マイク・シアはライター、技術者、ダンジョン・マスター、そしてウェブサイト『Sly Flourish』の運営者だ。マイクはフリーランスとしてウィザーズ・オブ・ザ・コースト、Kobold Press、Pelgaane Press、そしてSasquach Gamesで働き、『Lazy Dungeon Master』、『Sly Flourish's Fantastic Locations』、そして『Sly Flourish's Fantastic Adventures』を執筆している。マイクはバージニア州北部に彼の妻ミシェルと、彼らのダイアワーグ、ジェブと一緒に住んでいる。
DnD者以外もRPG者ならマスト読むべしレベルでアドリブ、即興についてを鬼のように客観視して言語化し、定型的な方法論にまとめてくれているコラムが『D&D Beyond』に掲載されていたので、少し時間が経ってしまったけど翻訳したですぅ。
RPGのアドリブや即興に即興演劇のメソッドを借りているところは多けれど、ここまで自家薬籠中の物にしてRPGへ寄せた話をできているのはそうそうないですぅ。
2018年05月22日 [長年日記] 編集
§ [DnD][5e] 『ケンタウロスとミノタウロス(CENTAURS AND MINOTAURS)』
ケンタウロスは今月のUnearthed Arcana――君がキャラクターの種族を選ぶときのためのプレイテスト用オプション――に駆け足でやってきた。ギリシア神話からやってきた別種のキャラクター、ミノタウロスも仲間入りだ。ミノタウロスは2015年に公開されたUnearthed Arcanaで初お目見えし、今日、彼らの改訂版を発表する。
今月後半、これらオプションの調査がD&Dウェブサイトで行なわれる。君たちが何を考えたか、その調査で教えてほしい。
これはプレイテスト用
Unearthed Arcanaの内容は、プレイテストと君の想像力をひらめかせるために発表される。これらのゲーム・メカニクスは草案の形式で、君のキャンペーンで使えはするがゲーム・デザインと編集の最終段階を通ったものではない。これらはゲームの公式な一部ではない。これらの理由から、このコラムの内容はD&Dアドヴェンチャラーズ・リーグのイベントでは非合法となる。
2018年05月30日 [長年日記] 編集
§ [DnD][5e] 『調査:ケンタウロスとミノタウロス(SURVEY: CENTAURS AND MINOTAURS)』
最新のUnearthed Arcanaの調査をお願いする。
前回のUnearthed Arcanaでは、ケンタウロスとミノタウロスのプレイテスト・オプションを公開した。君がこれらのオプションを読んで考える時間を与えられている現在、私たちは以下の調査でそれらに対する君の反響を得る準備ができている。この調査は約3週間公開される。
これはプレイテスト用
Unearthed Arcanaの内容は、プレイテストと君の想像力をひらめかせるために発表される。これらのゲーム・メカニクスは草案の形式で、君のキャンペーンで使えはするがゲーム・デザインと編集の最終段階を通ったものではない。これらはゲームの公式な一部ではない。これらの理由から、このコラムの内容はD&Dアドヴェンチャラーズ・リーグのイベントでは非合法となる。
2018年05月31日 [長年日記] 編集
§ [DnD][5e] 『新たなDMのための戦闘遭遇作成法(A New DM's Guide For Building Combat Encounters)』
2018年04月13日
これは新人ダンジョン・マスターが素晴らしいD&Dのゲームを行なうのに役立つシリーズ記事の6回目である。以前の記事では仲間を見つける(未訳)、最初の冒険をやってみよう(未訳)、君の即興技能を伸ばす方法、使えそうな道具(未訳)、そして卓でモンスターを表現するオプション(未訳)を紹介してきた。
この記事ではD&Dのゲームをやる中でもっとも挑戦的な側面を持つ、戦闘遭遇の構築についてを掘り下げていく。
この記事で行なう戦闘遭遇の構築の要約はこうだ。
- 物語、状況、そしてキャラクターの行動から遭遇を作っていこう。事前に遭遇を“戦闘”、“ロールプレイ”、“探検”として定義する必要はない。私たちは状況を準備するだけで、プレイヤーにそれらと接する方法を決断させねばならない。
- 状況を与えられて意味を持つモンスターの種別と数を選ぶこと。時に、これらは洞窟の入口にいる眠たがっている衛兵2人かもしれない。別の時、それは無傷のホブゴブリン戦団かもしれない。シーンに対して異なる向かい方をするために、キャラクターに始まりを与えよう。
- 予想外に致命的な遭遇を警戒しよう。モンスターの脅威度とキャラクター・レベルの間にあるゆるやかな関係性を理解しよう。多くのモンスターより、より少ないモンスターのほうが一般的に簡単だと思い出そう。もし君が不慣れなら、『Xanathar's Guide to Everything』の表のような道具を使おう。特に、1レベル・キャラクターには親切にしよう。彼らは本当にもろい。
- ゲームの間、必要に応じて遭遇を調整しよう。ヒットダイスの範囲内でヒット・ポイントを変更しよう。ダメージを高くしたり低くしたりしよう。モンスターを出し入れしよう。
- 遭遇の要素を新鮮にするためごちゃごちゃにしてしまおう。興味深い地形や魔法的特徴を加えよう。簡単で困難な混成した遭遇をキャラクターに投げかけよう。モンスターの波を使おう。
この記事ではこれらのすべてを掘り下げていく。
物語から遭遇を作ろう
ダンジョンズ&ドラゴンズはシーンを3種類の異なるゲームプレイ、NPCとの交流とロールプレイング、探検、そして戦闘と分類している。D&Dの方言では、これら分類されたシーンのすべては“遭遇”だと考えられる。
どんなシーンも事前にロールプレイのシーン、探検のシーン、あるいは戦闘のシーンと定義する必要はない。そのかわり、私たちは状況を準備し、それにどうあたるかプレイヤーに選ばせることができる。おそらく、彼らはゴブリンのかしらであるバグベアを直接攻撃するだろう。おそらく、彼らはこいつらに取引をもちかけるだろう。おそらく、彼らはゴミ捨て穴の上に隠れ、バグベアの計画を聞き出そうとするだろう。私たちはプレイヤーが遭遇に飛び込むときにどんな選択をするか、必ずしも知っているわけではないし、知っていることが楽しみを半分にするわけでもない。
ゲームをロールプレイの遭遇、探検の遭遇、そして戦闘の遭遇のいくつかに細分化することは一般的だが、それらの分類は横に置いて、単に状況を作ることを考えよう。これらの状況はキャラクターが関係できる興味深いものを持っているが、彼らがどのようにそれと相互作用するかは未知数だ。そう、一部のシーンは傾きに指向性がつく。ゴブリンの群れがフレンドリー・ファーミング・ファミリーズ(FFFs)でいっぱいの馬車を攻撃するとき、岩の調査に行くプレイヤー・キャラクターはいないだろう。しかし、私たちDMは多くの場合単純に舞台だけを設定し、プレイヤーにシーンの範囲内で行動してもらうことができる。それはD&Dの楽しみの大きな部分である。
状況に合わせたモンスターを選ぼう
以前も話したように、物語と状況がそこでどんな遭遇が行なわれるかを制御する。モンスターを選ぶときにもまったく同じことがいえる。状況に合ったモンスターを選ぼう。現実的に考えるとホブゴブリンの幕屋には25体のホブゴブリンと50体のゴブリンがいるかもしれない。彼ら全体がすぐにキャラクターに突撃はしないかもしれないが、それが幕屋の規模だ。ホブゴブリンの斥候隊1つは6体のホブゴブリンと1体の隊長からなっているかもしれない。1つの戦闘部隊は、20体のゴブリン、12体のホブゴブリン、ホブゴブリンの隊長2体、そしてホブゴブリンの大将1体からなっているかもしれない。
この幕屋とキャラクターのバランスを取ろうとしてはいけない。キャラクターに関係なく、これが幕屋の、斥候隊の、そして戦闘部隊の規模だ。小さな斥候隊と取引するか、戦闘部隊に接近するかを決断するのはキャラクター次第だ。
ときに、キャラクターは古いドワーフの像を調査する2体のホブゴブリンに出くわすかもしれない。別のとき、キャラクターは2ダースのホブゴブリンと傷を持つワーグを駆る2体の隊長から圧倒されていることに気づくかもしれない。物語が遭遇を制御するのだ。
致死の遭遇を計算する
多くのDMは遭遇がどれくらい難しいかについての漠然とした考えを求めている。17レベル・キャラクターの一団がフェイルーンでこの幕屋と正面衝突してもたいした問題はないが、4レベル・キャラクターの戦闘部隊全員とぶつかったら即死しかねない。
遭遇が戦闘の方を向く前に、私たちが大雑把な潜在的難易度を把握しておくことはそれを助けてくれる。それは不意の全滅(TPK)となる前に、状況を組み立て、プレイヤーに他のオプションを提示することを手伝ってくれる。遭遇の難易度を理解するにはこつを理解する必要があるし、新人DMには難しい問題を引き起こすこともある。新人DMがキャラクターをあまりに硬すぎ、たやすくキャラクターを殺すことができるモンスターに挑ませてしまうのが、もっとも一般的なものだ。
偶然の全滅はD&Dの他のどのレベルよりも、1レベルで非常に起こりやすい。18レベル・キャラクターの一団とティアマトの戦いがひどいと思う誰もが、1レベル・キャラクターがあまりに多くのラットの群れと戦うとどうなるかを気づかなかった。
1レベル・キャラクターにはもっとも優しくあれ。君が彼らをどれだけ壊れやすいと考えても、彼らはもっと壊れやすい。もし君が何体かのモンスターを1レベル・キャラクターに差し向けたいなら、脅威度が1/4以下のモンスターを、キャラクター数より少ない(およそ2キャラクターあたり1体)ように選ぼう。脅威度1/2のならず者2、3人すら、1レベル・キャラクターに床を舐めさせることができる。これらの貧しく若い冒険者には親切にして、そして君には19レベル以上に与える甘美な痛みがある。
『ダンジョン・マスターズ・ガイド』には、さまざまな難易度で遭遇を構築するための詳細な指針がある。これらはウィザーズ・オブ・ザ・コーストがモンスターをデザインし、戦闘遭遇のバランスを取るために使うガイドラインだ。私は、君がこれらのガイドラインを無視するように提案する。それらはあまりに複雑で、時間がかかりすぎ、どのみち使えそうな結果を与えてくれない。
D&Dのデザイナでありルール・セージのジェレミー・クロフォードがこれらのルールの詳細に踏み込み、そして説明したDragon Talkの素晴らしい回では、その主な目的が遭遇の“バランス”を取るものではないが、特にそれが致死である場合、DMが戦闘遭遇の難易度を測るのを助けるようになっていると解説した。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』の数学はこの大まかな目安を与えられるが、他のより簡単な方法のいくつかでもそうすることができる。私は遭遇が致死かどうか決めることに対する3つの異なる方法を提供するので、君は一番好きな方法を選んでよい。これらの方法すべては根底に『ダンジョン・マスターズ・ガイド』と同じ数学を使っているが、より簡単だ。
第1に、『Xanathar's Guide to Everything』にはとても改善された遭遇難易度を決定するためのガイドラインと表が収録されている。遭遇のバランスを経験点予算、難易度、そしてモンスターの数で計算する代わりに『Xanathar's Guide』には、あるキャラクター・レベルとモンスターの脅威度を比較し、それにつり合う数のモンスターを調べられる一覧表がついている。
第2には、私が君に、遭遇が死地かどうかの大まかな計算ができるようにする、いくつかの経験則をお教えする。これを覚えておけばいくらか役に立つが、君の頭で強く結線されていれば、君は遭遇の難易度を決定するために他のいかなる道具や表も必要としない。この方法では、モンスターの脅威度をキャラクター・レベルと比較する。
脅威度をキャラクター・レベルと比較する
重要なのはモンスターの脅威度が何を示しているか理解することだ。『モンスター・マニュアル』によれば、キャラクター4人の一団は、キャラクターのレベルに等しい脅威度のモンスターを倒せなければならない。かように、2レベル・キャラクターの一団は脅威度2のオーガを倒せなければならない。
『ダンジョン・マスターズ・ガイド』で使われている遭遇作成のための数学を逆算していくと、脅威度とキャラクター・レベルにあるいくつかの関係性を理解できる。これらの比較は死地ではなく、接戦となる戦いを演出する。
その脅威度がキャラクター・レベルの1/4なら、1体のモンスターはおよそキャラクター1体に等しい強さだ。上記のようにキャラクターが4レベルの場合、それは1/2だ。
その脅威度がキャラクター・レベルの1/2なら、1体のモンスターはおよそキャラクター2体に等しい強さだ。上記のようにキャラクターが4レベルの場合、それは3/4だ。
その脅威度がキャラクター・レベルの1/10なら、2体のモンスターはおよそキャラクター1体に等しい強さだ。上記のようにキャラクターが4レベルの場合、それは1/4だ。
助けになるかもしれない小さな表がここにある。最初の列は脅威度とキャラクター・レベルの比だ。2つめの列は、キャラクターの人数に比較したモンスターの数だ。
キャラクター・レベル1から4 | |||||
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脅威度/キャラクター・レベル | × | 1/10 | 1/4 | 1/2 | 1 |
モンスターの数:キャラクターの数 | 4:1 | 2:1 | 1:1 | 1:2 | 1:4 |
キャラクター・レベル5から20 | |||||
脅威度/キャラクター・レベル | 1/10 | 1/4 | 1/2 | 3/4 | 5/4 |
モンスターの数:キャラクターの数 | 4:1 | 2:1 | 1:1 | 1:2 | 1:4 |
これらの計算を上回るあらゆる遭遇は、モンスターの数とモンスターの脅威度をキャラクターのレベルと比較したものとして、潜在的に死地である。
しかし、このシステムは君に戦いがどう進行するのか、完全に正確な予想を与えるものではない。戦闘遭遇の難易度にはあまりに多くの変数が絡む。これらの変数にはキャラクターが既に遭遇してこなした戦いの数、キャラクターが持っている呪文、キャラクターが持っている魔法のアイテム、彼らが戦っている環境、そしてもちろん、ダイスの出目、プレイヤーの経験、キャラクター・クラスの連携が含まれる。
このように、君が遭遇難易度を理解する助けにするために使おうと決めたいかなるガイドラインも、完全に正確ではない。そのかわり、君はアドベンチャーやキャンペーンの間、さまざまな種類の戦いに対するキャラクターを公正に見て、自分の手で裁定しなければならない。ときに、君は戦闘をより簡単にしたり軽減する必要がある。他のとき、君はキャラクターに挑戦するためにモンスターの数を増やす必要がある。
D&Dで戦闘を行なってより多くの経験を君のものにすれば、そしてキャラクターの能力をより理解するほど、キャラクターが何をでき、それに応じて何を調整するかを見越すことがより簡単になる。
飛びながらその場で遭遇難易度を調整する
DMたちの間には、汚い秘密がある。彼らは皆、ずるをしている嘘つきだ。しかし、私たちはずると嘘をゲームの面白さとプレイヤーの楽しみのために使う。たとえば、戦闘の趨勢次第でモンスターのヒット・ポイントを変えることができる。戦いが厳しくなってきたり、単純に困難な場合、モンスターが持つヒット・ポイントを減らすことができる。キャラクターがあまりにたやすくモンスターを刻んでいるなら、脅威を増すためにそれを増やすこともできる。モンスターのヒット・ダイスの範囲でヒット・ポイントを変える限り、私たちは技術的にずるをしていない。
たとえば、オーガは平均59のヒット・ポイントを持ち、そのヒット・ダイスは7d10+21だ。このように、どんなオーガでも26から91のヒット・ポイントを持ちうる。より大きく凶暴なら90ヒット・ポイントがあるかもしれないが、より弱いものは40だけかもしれない。事前にこれらの変更をする必要はない。私たちはゲームの盛り上がった勢いを維持するために戦闘の間、彼らのヒット・ポイントを変えることができる。
モンスターのダメージを微調整することもできる。ヒット・ポイントのように、私たちには平均値のダメージとダメージ計算式が与えられている。必要ならモンスターの与えるダメージをそのダイス幅の最大値まで増やし、ルールの範囲内にいることができる。同様に、モンスターが予想より多くのダメージを負わせているとわかるなら、ヒットをより少なくするかもしれない。
最後に、戦いを調整するためにモンスターを出し入れする。占有が攻撃されている音を聞いたとき、6体以上のホブゴブリンなら飛び込んでくるだろう。2体のホブゴブリンは助けを求めるために逃げるか、第三者によって取り乱してしまうだろう。
これら3つの技術すべては、もしもの事態が起きたときに戦いの難易度を変更するつまみを私たちに与えてくれる。私たちはおよそこうすることを望んでいないが、うまくいっていなかったり、ゲームの楽しさが落ちているなら、オプションはそこにある。
興味深い地形や魔法的特徴を加える
平原にいる6体のホブゴブリンは興味深くもない。4体のホブゴブリンと彼らが乗る4体のワーグが古代ドワーフの大拱門の周辺で野営をしているなら、特にその大拱門に不思議の力が渦巻いているなら、それはより興味を引く。
冒険のシーンを作成するとき、興味深い地形や魔法的特徴を入れることで歯ごたえを増すことができる。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』の第5章にある2つの表、記念碑と奇妙な場所は、私たちが戦闘遭遇の中に魔法的特徴を織り込むインスピレーションとして使える。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』の付録Aにも、ダンジョンの特徴のために類似した表がある。これらを書き込むことは、プレイヤーに戦いをより動的で刺激的にするためにこれらの特徴を戦闘でどう使うか考えさせることができる。
このような特徴は、シーンの中に調査と神秘の要素を加えてくれる。
いい遭遇を作るための結論
言い遭遇を作るのは、即興のような技術で、それはより多くのものをよくしてくれる。その技能は私たちが生きている間伸ばすことができるものだ。いくつかの一般的なガイドラインを頭に入れ、シーンからシーンで実践することで、うまくいくこと、そうしないこと、将来試したいことを学んでいける。
著者について
マイク・シアはライター、技術者、ダンジョン・マスター、そしてウェブサイト『Sly Flourish』の運営者だ。マイクはフリーランスとしてウィザーズ・オブ・ザ・コースト、Kobold Press、Pelgaane Press、そしてSasquach Gamesで働き、『Lazy Dungeon Master』、『Sly Flourish's Fantastic Locations』、そして『Sly Flourish's Fantastic Adventures』を執筆している。マイクはバージニア州北部に彼の妻ミシェルと、彼らのダイアワーグ、ジェブと一緒に住んでいる。