ネコぶんこ


2023年01月01日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][Ludus] 5e Zine vol.04の情報を同人サイトに書いたりなんだったり

というわけで、遅くなったけど同人のサイトに5e Zine vol.04の情報を書いて、次のイベント参加は3月5日の九州コミティア7と告知したですぅ。よろしくお願いしますぅ。


2023年01月07日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:キノコ狩りの護衛(1レベル)

今週の小冒険は1~2人の1レベル向けですぅ。

データ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちはウィラノ村という村で村娘のティセにキノコ狩りの護衛を依頼される。無事にティセのキノコ狩りを成功させたらアドベンチャーは成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちがウィラノ村という村に滞在していると、村娘のティセ(ハーフエルフ)に声をかけられる。森にキノコ狩りに行きたいが、1人で行くのは心許ないので1人あたり銀貨2枚(2sp)で護衛を雇いたいということだ。

依頼を受けると、ティセは明日の朝から行くので準備をお願いしますと言い、一旦家に戻る。

1.森へ

ウィラノ村から少し歩いたところには森があり、森の恵みや薪を取る共有地になっている。

キャラクターたちはティセに案内されて森に着く。中へ分け入ると、ティセは倒木や大きな木の根元からキノコを見つけ、背中に背負った籠の中へ入れていく。

2.昼食と歓談

日が昇りきるまでキノコ狩りをすると、ティセは一休みしましょうとキャラクターたちの分も含めたお弁当を広げる。平焼きパンにハムと野菜を載せてふたつに折ったサンドイッチのような食べ物だ。

ティセは昼食を食べながら、冒険者の方なら村で住むわたしたちとは違う視点から何か見つけることができますかと質問をしてくる。

ここで難易度13の【判断力】〈生存〉判定に成功すると、キャラクターは枯葉の中から“豚の鼻”と呼ばれている珍しいキノコを発見できる。ティセは歓声を上げ、もしこれをゆずってくれたら銀貨1枚(1sp)を追加でお支払いしますと言う。

3.徘徊する獣

日が傾き始めた。そろそろ帰る頃合いだ。キャラクターたちが森の外に出ると、そこにはキノコの匂いを辿ってきたのか飢えた3体のジャッカルがいる。彼らはうなり声をあげてキャラクターたちに飛びかかってくる。

ティセは悲鳴を上げてキャラクターたちの後ろに隠れる。データが必要な場合、一般人のものを使う。

一般人

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:10

hp:4(1d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)

脅威度:0(10XP)


アクション

クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。

ジャッカル

小型・野獣、無属性


AC:12

hp:3(1d6)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(−1) 15(+2) 11(+0) 3(−4) 12(+1) 6(−2)

技能:〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:0(10XP)


鋭敏嗅覚・聴覚:ジャッカルは嗅覚と聴覚を使う【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群れ戦術:少なくとも1体のジャッカルの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このジャッカルはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+1、間合い5フィート、目標1体。ヒット:1(1d4-1)[刺突]ダメージ。

結末

ジャッカルを倒せばそれ以上の脅威はなくウィラノ村へ戻れる。ティセが無事に帰れていたならキャラクターたちの活躍を村人たちに吹聴することになるだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年01月13日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][Ludus] 海賊の時間……か?

1980年代、ソフトウェアを実行する自由、ソフトウェアを複製する自由、ソフトウェアを配布する自由、ソフトウェアを変更する自由、ソフトウェアを有料で売る自由などを主張するフリーソフトウェア運動というものがリチャード・ストールマンという人を中心に起こり、インターネット文化にも影響を及ぼしながら現代にも続いている一部コンピュータユーザの哲学となっているですぅ。

そうした文化を背景にして1998年、Netscapeがソースコードが開放された自由参加型のソフトウェアとしてMozillaを提唱し、誰もが好きにソフトウェアをいじって育てていこうというオープンソース思想とその文化が花開きましたぁ。

そして上のようなコンピュータ業界の動きをゲーム業界で(A)D&Dの第3版をリリースしようとしていたスタッフが見て、これを真似た形でOpen Game License(OGL)を策定、D&D第3版の核となる部分をSystems Reference Document(SRD)をOGLで配布し、D&Dに好きなものを足していける環境を作ったのが2000年のことで、そこから先はここを読んでいる方もご存じな方が多いと思われるような色々な会社や個人がD&Dで使えるサプリメントやゲームを使ったり、D&Dのバージョンアップに際してはPathfinderが生まれたりしたですぅ。

かくのごとき歴史的背景がありながら、今回WotCが提示してきたOGL 1.1はユーザを保護する名目で誰もが自由に開拓や遊びを行なっていた共有地を囲い込んで鎖に繋ぐようなもので、先人(私はコンピュータ好きでもあるので)の行ないを愚弄するものだなあと感じる次第ですぅ。

OGLとSRDは、もし会社が潰れたりプロジェクトが立ちゆかなくなったり、愚かな意志決定機関に支配されたりしても、ユーザが共有地で勝手にゲームをする自由を確保する方舟の意味もあった決断だったので、起こってほしくなかったことがライセンスを有名無実にする一番愚かな形で現実になるのがまったくもって悪夢のようなものですぅ。

詳報がまだなので実際のOGL 1.1がどうなるかはわからないけど、WotCの告知段階でこれくらいは言えるから書いてやったですぅ。うなぎむらの活動も共有地で好きにやれるからやっているのが九割くらいなので、OGL 1.1で公式にお伺いを立てないといけないようなら、ライセンス関係ない同人誌を勝手に売るようなスタンスで行く予定ですぅ。


2023年01月14日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『オープン・ゲーム・ライセンス(OGL)のアップデートについて

OGLの改訂を考えたとき、我々はみっつの大きな目的を念頭に置いていました。第一に、D&Dのコンテンツが憎悪表現や差別的な製品に含まれないようにする機能が必要でした。第二に、OGLのコンテンツがキャンペーン、モジュール、サプリメントなどのTRPGコンテンツに限定されていると明確にすることで、Web3、ブロックチェーン・ゲーム、NFTでD&Dを使おうとする人たちに対処していきたかったです。そして第三に、OGLがコンテンツ作成者、自作派、野心的なデザイナ、我らがプレイヤー、そしてコミュニティのためのもので――大企業が独自の商業、あるいは宣伝目的で使用するためのものではない――ことを明確にしたかったのです。

これらの目的を推進するのは、「ひとつ、私たちはゲームの善き管理人になること」、そして「ふたつ、OGLはファンの利益のために存在すること」というふたつの単純な原則でした。これらの原則は一瞬たりとも揺らいでいません。

新しいOGLの初期ドラフトには、これらの規定が含まれてしました。そのドラフト版はコンテンツ作成者と出版社に提供され、仕上げる前に彼らのフィードバックを検討するようになっていました。差別的だったり憎悪表現のある行為に対処できるようにする文言と、OGLが対象とする製品の種類を明確化することに加え、我々のドラフトにはOGLコンテンツを利用しようとする大企業に適用されるように設計された権利料の文言が含まれていました。コミュニティの大多数に影響を与えるのは我々の本意ではありませんでした。

ですが、我々が出目1を出したのは反応からして明らかです。私たちの原則に忠実に3つの目的すべてを完全に達成するのはもはや不可能だと明らかになりました。そして、これが我々のやっていることです。

次のOGLには構築しようとしている包括的な環境を保護、育成できるようにする条項が含まれ、TRPGのコンテンツだけを対象にするよう指定されます。つまり教育や慈善のキャンペーン、配信、コスプレ、オンラインセッションツールなど他の表現はOGLの更新に影響を受けません。1.0aで既にリリースされているコンテンツも影響を受けません。

含まれないのは権利料の構造です。また、一部の人々が著作権を盗む方法と恐れたライセンス返却条項も含まれません。その考えは我々の頭をよぎったこともありません。新たなOGLの下で、皆さんは自作のコンテンツを所有します。我々は求めません。我々の言葉はその点についてとてもとても明確です。ライセンス返却の文は偶然の類似性を理由に盗作されたと謝って主張するクリエイタから我々とパートナーを守ることを目的にしています。我々が大好きなゲームに投資し続け、映画、テレビ、デジタルゲームとの提携を進めていく上で、その危険は無視するには大きすぎます。新たなOGLにはその危険に対処するための条項が含まれますが、私たちはライセンス返却をすることなく、また皆さんが作成したコンテンツに対する権利を我々が持っていることを示唆することなく、それを実行します。皆さんのアイデアと想像力がこのゲームを特別なものにし、それは皆さんの物です。

最後にいくつか。まず、新たなOGLを今日リリースすることは、我々がきちんと確認する必要があるためできませんが、間もなくリリースされます。次に、皆さんはみんなが勝ったと言うのを聞くことになりますが、皆さんの声を聞いて計画を変更せざるをえなくなったため、我々は負けました。みんなの声は半分だけ正解です。誰が勝ったか――我々みんなです。

我々の計画はOGLを更新する前に常にコミュニティの意見を求めることで、皆さんが見たドラフトでまさにそれをやろうとしていました。我々は常にファンを喜ばせて誰もが愛する体験を一緒に作りたいと思っています。今回はそうでなかったことを認識しており、まことに申し訳ありません。我々の目標はどの条項が機能して、どの条項がそうでないか、正確なフィードバックを得ることで――最終的には皆さんから得ることができました。この大きな変更は、提供された方法に関係なく、そのフィードバックを喜んで受け入れる場合にのみ上手くいく可能性があります。何が機能し、何がそうしないか、何が必要で、何が皆さんを恐れさせるかを我々に知らせてくれてありがとうございます。それを知らなければ、新たなOGLを我々の原則と一致させる役割を果たせませんでした。最後に、我々にこれを正しく行なう機会を頂ければ幸いです。我々はD&Dの熱心なプレイヤーと彼らを数多くの素晴らしい冒険に連れて行ってくれるクリエイタを愛しています。我々は皆さんを失望させません。

OGLと、SRDと、One D&D』発表後、様々な意見が表明され、実際にサードパーティも動いたためかWotCから発表があったので、乗りかかった泥船の手前訳しましたぁ。

Web3が胡散臭いなら誰もがそっぽを向けばいいだけなのにそれを敵として認定したり、自分たちがコミュニティの管理者たらんとしているのがもう味噌汁で顔を洗ってから出直してほしいものだと考えながら、映画もある、テレビもある、デジゲーもある、ここでこけるわけにゃいかねえんだという本音はまあわからぬでもない……しかし従うかは別だがねという感ですぅ。

§ [DnD][5e] アドベンチャー:橋の修復(1レベル)

今週の小冒険は1~2人の1レベル向けですぅ。

データ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちはウィラノ村という村で、壊れている村外れの橋の修理を頼まれる。迫り来る脅威と戦い、橋の修理を完遂させたら冒険は終了である。

冒険への導入

キャラクターたちがウィラノ村という村に滞在していると、ノームのガレルチェベクタチェク(通称ガレル)が声をかけてくる。ガレルは村の職人だ。

彼は数日前に村外れの橋が落ちているのを見て、修理のための材木を用立ててきたので、助手になってくれないかとキャラクターたちに頼んでくる。報酬は1人4spである。

1.荷車を牽いて

ウィラノ村から荷車を牽いて3時間ほど道を行けば、落ちている橋にたどり着ける。

橋への到着までに難易度10の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、普段なら人から逃げるようなラットが、人の見える場所をうろついていることに気づける。

ラット

超小型・野獣、無属性


AC:10

hp:1(1d4-1)

移動速度:20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
2(-4) 11(+0) 9(-1) 2(-4) 10(+0) 4(-3)

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉10

言語:-

脅威度:0(10XP)


鋭敏嗅覚:ラットは嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+0、間合い5フィート、目標1体。ヒット:1[刺突]ダメージ。

2.落ちた橋

現場にやってくると、川にかかっている木でできた橋の中ほどが落ちている。木が黒くなるなっているなど腐っている様子はない。ガレルは念のためキャラクターたちが見てきてくれないかと頼む。

その前に難易度10の【知力】〈自然〉判定に成功すれば、ジャイアント・ラットやラットの一種は木を削って倒したり崩したりして、そこを巣にする習性があることを思い出せる。このことを思い出し、難易度14の【敏捷力】〈隠密〉判定に成功したキャラクターはラットたちを不意討ちできる。

落ちた橋に近づくと、そこを巣にしている2体のジャイアント・ラットと4体のラットが飛びかかってくる。

ガレルは基本的に戦闘に参加しないが、データを参照する必要があるなら一般人のものを使う。

一般人

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:10

hp:4(1d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)

脅威度:0(10XP)


アクション

クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。

ジャイアント・ラット

小型・野獣、無属性


AC:12

hp:7(2d6)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
7(-2) 17(+3) 11(+0) 12(+1) 10(+0) 4(-3)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:-

脅威度:1/8(25XP)


鋭敏嗅覚:ラットは嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群れ戦術:少なくとも1体のジャイアント・ラットの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このジャイアント・ラットはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ラット

超小型・野獣、無属性


AC:10

hp:1(1d4-1)

移動速度:20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
2(-4) 11(+0) 9(-1) 2(-4) 10(+0) 4(-3)

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉10

言語:-

脅威度:0(10XP)


鋭敏嗅覚:ラットは嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+0、間合い5フィート、目標1体。ヒット:1[刺突]ダメージ。

3.橋の架け替え

ラットを倒せば、次は橋の架け替えだ。これは主にガレルの仕事だが、大工道具を使った難易度10の【筋力】、あるいは【敏捷力】判定に成功すれば、キャラクターたちも仕事に貢献でき、作業時間をいくらか減らすことができる。判定に成功したなら、2spの手当てが出る。

結末

ラットを倒してガレルと橋の架け替えを行なえば、冒険は終了だ。村人や行き来する行商人も安心するだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年01月17日 [長年日記] 編集

§ [DnD] Open Game Licenseこれまでのあらすじ

これまでOpen Game Licenseはいかなるものかは語ってきたけど、その歴史を含んだ部分はほったらかしにしていたなと思い、おおむね時系列に沿ってD&Dのファン活動とOGLが果たした役目などを解説しますぅ。

要約したつもりだけどかなり長くなっちゃったですぅ。

ピープルズ対TSR

インターネットの商用サービスが開始された直後の1994年、当時ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)の版元だったTSRは複数のファンサイトにスキャンした製品の表紙を勝手に使っているなどの理由で閉鎖を求め、ファンが作成したコンテンツも自社が運営するサーバのみで公開するよう求めるなど、インターネットでのファン活動に対して攻撃的な対応をしていましたぁ。

実際にルールブックの丸ごとアップロードなどはあったけど、このあまりに強硬な態度はファンの間に「ネットでD&Dの話をするのは……」のような感情を生むことになりましたぁ。なお、このファン活動のポリシーは1997年に改訂されたですぅ。 そして1997年に多額の負債を抱えていたTSRはトレーディングカードゲームのマジック:ザ・ギャザリングをヒットさせて飛ぶ鳥を落とす勢いだったウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)に買収され、AD&Dの第3版に当たるD&D第3版(3e)の開発が始まることになりますぅ。

なお、WotCも1999年にハズブロの傘下に入ることになったですぅ。

D&D第3版前夜

D&D第3版の発売にあたり、WotCは「TRPGの価値はゲーム自体にあるのではなく、ゲームを遊んでいるコミュニティにこそある」、「多数の製品が市場に溢れると利益は細かく分割されてしまう」と考え、様々な戦略を練っていましたぁ。つまり、D&Dのユーザ数を増やし、占有時間を大きくすることがより大きな利益をもたらす市場の支配に繋がるという考えですぅ。

ここで取り入れられたのが、当時のコンピュータ業界で大旋風を巻き起こしていた、よりよいソフトを作るためにソースコード(ソフトの元になるファイル)を広く公開し、色々な人がそれを改変したり検証したりできるようにするオープンソースの概念ですぅ。

当時WotCの副社長だったライアン・ダンシーという人は、これにヒントを得てD&Dの中心になるルールを広く公開し、誰もがD&Dのシナリオやサプリメントを作り、配布したり売ったりすることができるようにすることを考ましたぁ。彼はOpen Gaming Foundationというサイトを設立し、WotCはその理念に沿う形でコンテンツの再利用を妨げないためのライセンス、Open Game Licence(OGL)を作ることになったですぅ。

また、これは製品展開が止まったり、会社が潰れたり、権利者がろくでなしでもD&Dの一番大事な部分はコミュニティに残され、訴訟などの心配なくゲームのともしびを継いでいけることを願った方舟でもあったですぅ。

なお、権利者そのものがライセンスを作成、管理するのはライセンスの恣意的な改変を止められないので、お飾りでもライセンス管理団体を置き、権利者はそこのライセンスを使う形が望ましいとされている余談をしておきますぅ。

これら一連の動きは、1990年代半ばにTSRが行なったサイト閉鎖要請やユーザ作成のリソースを独占しようとするサーバなどで生まれた、D&Dの話題やデータを扱うのが危険という空気を払拭するための意図もありそうというのが私の印象ですぅ。

D&D第3版の隆盛

そして2000年にD&D第3版は発売され、Open Game Licenseに準拠して再配布、再利用可能なD&Dのルールやデータを収録したSystems Reference Document(SRD)が配布されましたぁ。

果たして結果はといえば、D&Dの復活と門戸の開放は人々を大いに湧かせ、D&D互換のゲームばかりで市場から多様性が失われると批判されるまでのブームを巻き起こすことになったですぅ。

2003年にD&D第3版を改訂した第3.5版が出て、いつかルールが改訂されるD&Dのサードパーティであることのリスクが表面化したり、市場にD&D互換製品があふれた過当競争で少なくない脱落者が出たりもしながらもOGLの理念と実績は市場に浸透し、同じように再配布、再利用可能な形態で製品を発表するTRPG会社も増えることになりましたぁ。

こうした動きは誰もがインターネットという公開された場でファン活動やアマチュア出版をする土壌が整っていった2000年代の時代背景にも合い、OGLで開放されているSRDを使ったリファレンスサイトや、OGLでデータを配布するファンサイトなども多く生まれることになったですぅ。

そして2007年に完全新作のD&D第4版が近日発売とWotCが発表すると、それまでD&Dのサポート雑誌を発売していたPaizoは、D&D第3.5版に近いプレイ感覚のパスファインダーRPGの開発を発表することになりましたぁ。このパスファインダーRPGの発表は種族名やクラス名、ACやセーヴィング・スローなどの専門用語がOGLのもとで法的リスクが少なく利用できるからこその出来事で、D&D第3版が残した最大の遺産なのかもしれないですぅ。

半ば門戸を閉ざしたD&D第4版

2008年には完全な新版のD&D第4版が発売され、その数ヶ月後に新たなライセンス形態であるGame System License(GSL)が発表されましたぁ。

しかしこのGSLはこのライセンスでゲームを出したいならOGLでの製品展開を打ち切らなければならない条項がついたもので、GSLの下で公開された第4版のSRDは、ルールブックの中にあるユニークな用語が列挙された、それ単体ではゲームに使えない単語リストのようなものだったですぅ。

WotCのこうした動きは受け入れる企業もあれば、それならばとパスファインダーRPGやその他のD&Dの旧版をクローンしたルール(これもOGLで権利関係がゆるやかになったからこそ広く世に出回った)を新たな市場として求めた企業もありでサードパーティ市場は分裂しましたぁ。

その結果としてD&D第4版のサードパーティ市場はあまり振るわず、2014年、D&D第5版が登場することになりますぅ。

D&D第5版とOGLの復活

大胆に世界設定やルールを変えた第4版は否定する声も大きく、その声に配慮したのかD&D第5版は旧来のファンにも配慮する目配せをした復古調のバージョンとして世に問われましたぁ。

そして2016年にWotCはOGLの下で第5版のSRDを配布し、D&D第5版互換の製品がサードパーティからリリースされることになりますぅ。

また一方でWotCはDungeon Masters Guild(DMsG)というファンコンテンツの販売サイトを開設し、サイトの取り分とWotCの取り分で50%のライセンス料を支払えば、D&Dというブランド名や世界設定の固有名詞などを自由に使えるようにする施策も打ちましたぁ。

歴史は韻を踏む

2022年、WotCはD&D50周年の2024年に発売される新版、開発コードOne D&Dを発表してプレイテストを開始しましたぁ。

それと並行するように一部のニュースサイトは噂として、One D&Dはサードパーティ向けライセンスがOGLではないのではという報道を行ない、WotCはそれを否定したですぅ。

また、この頃WotCの親会社であるハズブロの社長が、D&Dの収益化はうまくいっていないなどの発言を行なっていますぅ。

そしてWotCは年末に近々新たなOGLであるOGL 1.1を発表すると公式声明を出しましたぁ。

しかしこれは、これまでルールシステムの電子ゲームへの転用などほぼ何にでも使えたOGLから大きく権利の幅を縮小し、権利料の徴収も視野に入れた“Open”とは名ばかりのライセンスになる予定だと明かされたことで、ユーザからは大きな不信感を持って迎えられることになるですぅ。

そして年が明けて2023年になると、ニュースサイトのGIZOMDEはリークと称してOGL 1.1の内容に従来バージョンの1.0を終了させるものが含まれていることなどを発表し、これまでのコンテンツも新しいより不自由なライセンスになるのか、ハズブロの思惑はこれかなど、ユーザサイドからの不信感に火がついてSNSで大規模な炎上が始まったですぅ。

これに合わせてPaizoは新たなライセンス形式であるOpen RPG Creative License(ORC)の準備を発表、これにはKobold PressやGreen Ronin PublishingなどこれまでD&D第5版でWotCのOEMをしていた会社も賛同し、大きなうねりになっていますぅ。

そしてWotCは1月14日に自分たちはゲームの善き管理人でありたい、今までのはあくまでもドラフトだったという声明を発表したものの、それじゃあロイヤリティを安くするからと調印を迫った事実はどうなるのかというようなリークが出て、事態は泥沼に……というのが現在のOGLを巡る状況ですぅ。

余話:リチャード・ストールマンとフリーソフトウェアとオープンソース

1980年代、MITのリチャード・ストールマンという人はソフトウェアは自由であるべきだとし、ソフトウェアを複製する自由、ソフトウェアを配布する自由、ソフトウェアを変更する自由、ソースコードを見る自由、そしてソフトウェアを有料で売る自由すら包含したフリー(自由)ソフトウェア運動を提唱しましたぁ。このフリーは金銭的無料ではなく、権利としての自由のことですぅ。

その結果、当時主流だったコンピュータ会社によるソースコード非開示のソフトウェアだけではなく、フリーソフトウェアでそれ並みの機能を持つツール群がこつこつと開発されていくことになるですぅ。

そして時は流れて1998年、マイクロソフトのInternet Explorerに押されたNetscapeはソースコードが開放された自由参加型のソフトウェア、オープンソースソフトウェアとして新たなブラウザのMozillaを提唱しましたぁ。

ただ、オープンソースはよりよいソフトウェアを作るという目的のための自由で、倫理的な自由ではないとリチャード・ストールマンさんは指摘しているですぅ。

これらの思想を見ていたのが当時WotCの副社長だったライアン・ダンシーさんで、こうした考えがOGLに輸入されることになるですぅ。


2023年01月19日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『Open Game License(OGL)についての対話を{A Working Conversation About the Open Game License (OGL)}』

こんにちは。私はD&Dのエグゼクティブ・プロデューサー、カイル・ブリンクです。私たちみんながプレイするゲームを作るのは私のチームです。

私がウィザーズで働くようになるずっと前からD&Dは私の人生の大きな部分を占めていました。私、そしてD&Dチーム全体の使命は、D&Dが私たちに与えてくれた創造的な楽しみと長きにわたる友情をすべての人々にもたらす手伝いをすることです。

ここ数日、数週間は誰もにとって信じられないほど厳しいものでした。プレイヤーとして、ファンとして、そしてゲームの管理者として、私たちはこの状況を――望んでもいませんし――続けることもできません。

私は今日、建設的な話をするためここにいます。

しかし、まずはお詫びから。申し訳ありません。私たちが間違っていました。

OGLのドラフトに書かれている言葉と要件はクリエイターに混乱を招くもので、私たちが主に目指すプレイ環境の保護と育成、そしてOGLをTRPGに限定することを確認できるものではありませでした。さらに私たちはあまりにも長い沈黙で自体を悪化させました。より頻繁で明確な対話がこれほどまでに多くのことを防げたはずなのに、私たちはファンとクリエイターを傷つけました。

これからは、これをクリエイターのコミュニティ全体に開かれて透明性が高い、よりよい方法で行ないます。繰り返しフィードバックを得て、改善する時間があります。

これが馴染みあるように聞こえるなら、ゲームで行なう方法だからです。では、OGLでもそのようにしましょう。

Unearthed ArcanaやOne D&Dのプレイテストで行なうのと同じように、皆さんの声に耳を傾けて聞いたことを共有します。これはOGLの新しいバージョンをリリースする前に、しっかりした対話になるでしょう。

これが予定です。

  1. 1月20日(金)までに、プレイテストの資料と同じように、新しく提案されたOGLの文書を共有してレビューとフィードバックを求めます。
  2. 提案されたOGLを確認後、皆さんは簡単なアンケート――Unearthed Arcanaのプレイテストのような――に記入することができます。文書に関する具体的な質問が表示され、その他のフィードバックを共有するための自由記入フォームも含まれます。
  3. アンケートは最低2週間は公開されます。参加を希望する全員がアンケートに回答できるよう、終了前には事前に通知します。そして、皆さんから聞いたことをまとめ、分析し、返信し、提示します。

最後に、ある程度の安定性と明確さが必要です。私たちはクリエイターにOGLの更新についてのインプットと準備の余地を与えることに取り組んでいます。また、OGLのアップデートの影響を受けないものもたくさんあります。そのため、今日はこの対話で触れないすべての領域を定義していきます。

OGLの変更は少なくとも次の創造的な取り組みには影響しません。

  • 皆さんの動画配信。皆さんがコメンテーター、ストリーマー、ポッドキャスター、プレイ配信者、あるいはその他YouTubeやTwitch、TikTokなどのプラットフォームでの動画クリエイターなら、常にウィザーズのファン・コンテンツ・ポリシーの対象になっています。OGLはこれに触れません(触れられません)。
  • 皆さんが所有するコンテンツのアクセサリ。OGLへの変更はあなたが創造したものやキャラクター、世界を扱った、ミニチュア、小説、アパレル、ダイスなどのアイテムを販売することには影響しません。
  • サービス契約などの非出版作品。SRDを使って第5版のコンテンツを参照する作品を公開する場合はOGLを使います。つまり、依託作業、有料DMサービス、コンサルティングなどはOGLの影響を受けません。
  • オンラインセッションツールのコンテンツ。OGLが更新されても、クリエイターは引き続きオンラインセッションツールでコンテンツを公開でき、オンラインセッションツールのパブリッシャはそのプラットフォームでOGLのコンテンツを使用できます。
  • DMs Guildのコンテンツ。DMs Guildでリリースされるコンテンツは Dungeon Masters GuildのCommunity Content Agreement下で公開されています。これは変わりません。
  • あなたのOGL 1.0aのコンテンツ。OGL 1.0aで公開したコンテンツには何の影響もありません。これは常にOGL 1.0aの下でライセンスされます。
  • あなたの収入。権利料や財務報告の要件はありません。
  • コンテンツの所有権。ライセンス返却の要件なしで、引き続きコンテンツを所有できます。

今のところ私からは以上です。上記のように、金曜日までにもう一度連絡しますので、対話をよろしくお願いします。

カイル・ブリンク

ダンジョンズ&ドラゴンズ、エグゼクティブ・プロデューサー

WotCからOGLの今後についてアナウンスされたので、三度訳しましたぁ。

私としては、なんかなー、二十年で創業の理念も腐っちゃうのなー、その気持ちの悪い保護主義について口を開く前にFreeのとはいわないからOpenの本義を学び直してらっしゃいといいたくなってしまうですぅ。


2023年01月20日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『OGL“プレイテスト”開始(Starting the OGL ‘Playtest’)』

20年以上に渡り、何千人ものクリエイターが独自の世界やその他の創造を共有されたゲームのメカニクスを使うことでTRPGコミュニティの成長を支援してきました。私たちはそれが変化することを望まず、皆さんもそうでないと大きく声をあげたのをはっきりと聞きました。

ですので、私たちは2つのことを行ないます。

  1. 私たちはD&Dの核となるメカニクスを、完全に皆さんの手にあるようクリエイティブ・コモンズ・ライセンスでコミュニティに提供します。
  2. もしあなたがアウルベアやマジック・ミサイルなどSRDの典型的なD&Dコンテンツを利用したい場合、OGL 1.2はそのための永久的で取り消し不能なライセンスを提供します。

クリエイティブ・コモンズは知識の共有を専門とする非営利団体で、クリエイターが共有できるようにするための一連のライセンスを開発しました。私たちが選んだクリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは、これらの核となるメカニクスをすべての人に提供します。永遠に。なぜなら私たちがライセンスを管理していないため、クリエイティブ・コモンズの下でD&Dのコア・ルールをリリースすることは決して変更できない決定になるからです。

OGL 1.2と1.0aとの重要な違いについてもお話ししましょう。第一に、ヘイト表現コンテンツへの対処が可能になります。第二に、出版されたTRPGコンテンツ(オンラインセッションツール用を含む)のみに適用されます。第三に、このライセンスには取り消し不能(irrevocable)という言葉が明確に含まれています。

そこにないものは? 権利料の支払い、財務報告、ライセンス取り消し、登録、商用非商用の区別はありません。OGL 1.0aで既に出版されたコンテンツには何の影響もありません。これは常にOGL 1.0aの下でライセンスされます。あなたの物はあなたの物です。

この記事の最後に、提案されたOGL 1.2のPDFとサポート文書をダウンロードし、レビューとフィードバックを提供できるリンクがあります。

下までスクロールしてそれを押す前に、そこにあるものを詳しく説明しましょう。

  • D&Dの包摂的なプレイ体験を保護します。上記の通り、D&D(クラス、呪文、モンスターのような)とより密接に関連するコンテンツはOGLに分類されます。OGL 1.2では、攻撃的、あるいはヘイト表現を行なうコンテンツ公開された時に対処できると読めるはずです。私たちはすべての人に包摂的で安全なプレイ体験を提供したいと望んでいます。これは私たちにとってとても重要で、OGL 1.0aにはそれを保証する機能がありませんでした。
  • TRPGとオンセツール。OGL 1.2は書籍、電子出版物、あるいはオンラインセッションツール(オンセツール)のTRPGコンテンツのみに適用されます。それが何かに当てはまるかどうか誰も疑問に思ったり悩んだりする必要はありません。なにも。
  • OGL 1.0aの認証解除(Deauthorizing)。私たちはこれが大きな懸念だと知っています。クリエティ手部・コモンズ・ライセンスと1.2の開始条件は、その支援を目的としています。認証解除が必要な理由のひとつは、誰かが1.0aで有害、差別的、あるいは違法なコンテンツを公開できる場合、1.2の保護オプションを使用できないからです。繰り返しになりますが、OGL 1.0aで既に公開したコンテンツは、常にOGL 1.0aでライセンスされます。
  • 非常に限られたライセンスの変更可能性があります。OGL 1.2が公開されたら、あなたの作品でウィザーズを引用する方法と、私たちがお互いに連絡を取る方法、次の2つの条項のみが変更可能になります。未来がどうなるか、お互いに通信するためにどういう技術を使うかはわかりません。そのため、これら2つの条項だけは将来を見据えておく必要があると考えました。

完全を期すために、OGL 1.2とサポート文書のその他の内容をまとめましょう。

  • オンセのポリシー。OGLクリエイターとオンセ環境提供者のオンセツール使用を引き続きサポートします。オンラインセッションツールのポリシーはこれを明確にします。
  • 所有権紛争。あなたはあなたのコンテンツを所有しています。ウィザーズにライセンスを返却する必要はなく、著作権に関する紛争については契約違反と金銭的損害についての訴訟を起こせます(私たちがそれを整理している間に他のプレイヤーが待っている製品を差し止めるのとは対照的です)。
  • ヘイト表現や行為の禁止。有害、差別的、あるいは違法なコンテンツを含める(あるいは公にその行為に関与する)場合、私たちはそのコンテンツのOGL 1.2ライセンスを終了させられます。
  • クリエイター製品バッジ。あなたのOGL作品にバッジを含めるオプションがあります。バッジに関するフィードバックが得られるようなら、バッジの使用方法と表現方法についてのガイドを作成します。

全体として、私たちがここで目指しているのは誠実なクリエイターに、誰にとっても非常に素晴らしいTRPGコンテンツを作成するための自由(あるいはクリエイティブ・コモンズ以上の)を与えるのと同時に、ゲームがこれまで以上に包摂的で親しみやすく在り続けるための道具を提供することです。

さて、実際のドキュメントは以下の通りです。

私たちは皆さんの考えを読むことを熱望しています。私たちのチームはすべてのプレイテストのフィードバックを繁栄して行動するためにわかりやすい方法でまとめる素晴らしい仕事をしてくれます。

新しいSRD 5.1のイントロダクション、OGL 1.2およびオンセのポリシーを読んだ後は……

  1. 文書をレビューしたフィードバックを私たちのアンケートにお送りください、アンケートは明日公開されます(この記事にリンクを追加します)。
  2. アンケートは2月3日まで行なわれます。
  3. 2月17日までに再度文書を公開します。私たちは皆さんから聞いたことと、結果としてのOGL文書の更新を共有します。
  4. このプロセスは必要な限り繰り返されます。適切な結果が得られるまで、フィードバックを繰り返します。

私はまずもって協力型ゲーマーなのでD&Dは生涯の趣味です。一緒にやっていきましょう。

カイル・ブリンク

ダンジョンズ&ドラゴンズ、エグゼクティブ・プロデューサー

というわけで、日本時間では20日未明にOGL 1.2のドラフトが出たので急ぎ訳しましたぁ。詳細を読むのはこれからですぅ。

SRD 5.1でクリエテイティブ・コモンズ・ライセンスになっているのは56~104ページ(1レベル以降の成長、言語、背景、装備、能力値、セーヴィング・スロー、時間、移動、環境、休憩、冒険の合間、戦闘、呪文発動)、 254~260ページ(モンスターの凡例)、358~359ページ(状態)関係なので、クラス名とか呪文名使ったらOGLに触れるかんなという建て付けですぅ。


2023年01月21日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『OGL 1.2:最新情報の入手先、そしてよくある質問と回答(OGL 1.2: Where to Find the Latest Information, Plus FAQs)』

OGL 1.2はTRPGのクリエイターがD&Dのコンテンツを作るために使えるフリーのライセンスです。OGL 1.2についての私たちの声明は以下にありますので、クリックして確認してください。

よくある質問と回答

OGL 1.2とD&Dの将来について、ソーシャルメディアで多くの素晴らしい質問を受け取りました。以下はこれらの質問と回答のまとめです。

OGL 1.2でオンセは締め出されますか?

いいえ。私たちはオンセが大好きで、締め出したくありません。現在オンセのポリシーについて多くのフィードバックを得ており、さらに多くのものをお待ちしております。

ウィザーズはコメントを含めた調査によって得られたフィードバックを確認していますか?

はい。私たちにはフィードバックをまとめ、分析し、それに基づいて行動することを主な仕事にしているデザイナがいます。これまでの十年間、皆さんのフィードバックはゲームをよりよくしてきました。皆さんのフィードバックはD&Dの未来の中心です。

オンセとビデオゲームをどう区別していますか?

オンラインセッションツールとビデオゲームはゆるやかな連続体だと理解しています。オンセのポリシーはアップデートされるので、プレイテストのアンケートでオンセのポリシーの質問にご意見をお願いします。

D&D Beyondは30ドルの月会費をリリースしますか?

いいえ、それは噂です。

D&D Beyondの自作コンテンツはなくなってしまいますか?

自作はD&D Beyondの中心です。削除されませんし、料金を請求することもありません。皆さんの自作品はこれからもずっと皆さんのものです。D&D Beyondの内外で皆さんの作品を見るのをいつも楽しみにしています!

ウィザーズはAIのDMに取り組んでいますか?

いいえ、AIのDMには取り組んでいません。私たちはヒューマンのDMが大好きです。DMを探しているなら、DMやパーティがプレイヤーを募集しているDiscordにアクセスするのをおすすめします。

OGL 1.2の文脈でヘイト表現あるいは有害なコンテンツは何だと考えますか?

ヘイト表現や有害なコンテンツの定義は難しく、センシティブな話題だと考えています。私たちは皆さんの意見を真剣に受け止めています。これについての文言は次のドラフトで明確にする予定です。

OGL 1.2の影響を受けない創作活動は?

これについては2022年1月18日(訳註:2023年の間違い)の声明で詳しく読めます。ですが要約すれば、OGL 1.2は少なくとも次の物には影響しません。

  • 動画コンテンツ
  • あなたが所有するコンテンツのアクセサリ
  • 請負サービスなどの非公開作品
  • オンラインセッション用コンテンツ
  • DMs Guildのコンテンツ
  • OGL 1.0aで公開されたコンテンツ

さらに、OGL 1.2には権利料や財務報告の要件はなく、ライセンス取り消しの要項もありません。

開発中のOGL 1.0aのプロジェクトがある場合はどうすればいいですか?

OGL 1.2へのフィードバックをしてOGL 1.0aでプロジェクトの開発を続けてください。OGL 1.2での公開が皆さんのTRPG製品に適していると確認していただければ幸いで――成功を祈っています。そうでないと考えるなら、提案されたOGL 1.2へのアンケートで知りたいと思っています。アンケートは2月3日までです。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスはどこにありますか?

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC-BY-4.0)はクリエイティブ・コモンズのウェブサイトにあります。

OGL 1.2のドラフトでお金について触れてないのはなぜですか?

OGL 1.2はフリーのライセンスです。今後の改訂でこれをより明確にする予定です。

OGL 1.2のドラフトが「プレイテスト」と呼ばれるのはなぜですか?

このドラフトが「プレイテスト」なのはD&Dのコミュニティでよく知られている言葉だからです!つまり、フィードバックを得られた後に変更するということです。1月20日(金)に開始されたOGL 1.2のアンケートは、そのフィードバック行程の始まりです。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとOGL 1.2にさらにコンテンツは追加されますか?

はい。CCとOGL 1.2の両方に以前の版のコンテンツを追加することを検討しています。いち早くフィードバックを得るために5.1に焦点を当ててきましたが、これらの議論全体にはより多くのコンテンツが含まれています。

アンケート開始にあたり、また新しい記事がDDBに追加されていたので乗りかかった泥船……でざっと訳しましたぁ。

フリー(自由)ではなくなるので滑稽なほどフリー(無料)である点を強調し続けているけど、旧来コンテンツ(3eやModernのSRD)もOGL 1.2に囲い込むのは、もう捨てたはずの死体まで囲い込んでユーザを不自由にしたいのかと呆れるばかりですぅ。

§ [DnD][5e] アドベンチャー:イノシシ退治(1レベル)

今週の小冒険は1~2人の1レベル向けですぅ。

データ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちはウィラノ村という村で牧場主のイシュマー夫妻から柵を壊すイノシシを退治してくれと依頼される。イノシシを退治すればアドベンチャーは成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちがウィラノ村という村に滞在していると、牧場主のイシュマー夫妻(ハーフリング)に声をかけられる。近ごろ森の奥から牧場にイノシシがやってきて、土や柵を荒らすので、退治してほしいという話だ。報酬は1人当たり金貨1枚(1gp)である。

依頼を受けると、イシュマー夫妻は家で食事をごちそうしてくれる。

1.現場

イシュマー夫妻が牛を飼っている牧場は柵で囲われているが、その一部が破壊されている。

柵が壊された近くの牧草地は掘り返されており、イノシシが泥浴びをしていたのがわかる。

2.罠か追跡か

イシュマー夫妻は柵を検分しながらキャラクターたちと話をして、また来るだろうから罠でも準備するか、足跡を追跡して森でやっつけるのはどうかとイノシシ対策のアイデアを出す。

3.罠

すぐに準備できる罠といえば、壊された柵の近くに落とし穴を掘るくらいである。しばらく時間をかければ深さ10フィートほどの穴を掘れる。この上にぼろ布を敷いて、枯れ草などで偽装するには【判断力】〈生存〉で判定を行なう。結果はメモしておくこと。この結果が偽装を見破る時の難易度になる。

夜になると1体のボアが現われる。ボアは壊れた柵のあたりをうろつく。この時さきほど罠を仕掛けた時の結果を難易度にしたボアの【判断力】〈知覚〉判定を行なう。これに失敗した場合、ボアは落とし穴に落ちて1d6の[殴打]ダメージを受ける。成功したならボアは罠に気づき、そこを避けて別の柵を壊そうとする。キャラクターたちが攻撃に入るなら今がチャンスだ。

ボア

中型・野獣、無属性


AC:11(外皮)

hp:11(2d8+2)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 11(+0) 12(+1) 2(−4) 9(−1) 5(−3)

感覚:受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


しぶとさ(小休憩あるいは大休憩後に再チャージ):ボアが7以下のダメージを受けてヒット・ポイントが0になるなら、それはその代わりに1ヒット・ポイントになる。

突撃:ボアが目標まで少なくとも20フィート直線で移動して牙による攻撃が目標にヒットしたなら、目標は追加で3(1d6)[斬撃]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、それは難易度11の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

アクション

牙:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[斬撃]ダメージ。

4.追跡

難易度10の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、イノシシの足跡を追って森を進むことができる。森の奥には1体のボアが寝そべっている。これを倒せばイノシシの被害はなくなる。

ボア

中型・野獣、無属性


AC:11(外皮)

hp:11(2d8+2)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 11(+0) 12(+1) 2(−4) 9(−1) 5(−3)

感覚:受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


しぶとさ(小休憩あるいは大休憩後に再チャージ):ボアが7以下のダメージを受けてヒット・ポイントが0になるなら、それはその代わりに1ヒット・ポイントになる。

突撃:ボアが目標まで少なくとも20フィート直線で移動して牙による攻撃が目標にヒットしたなら、目標は追加で3(1d6)[斬撃]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、それは難易度11の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

アクション

牙:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[斬撃]ダメージ。

結末

ボアを倒せば、キャラクターたちは農場の危機を救ってくれた英雄として村で扱われるようになる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年01月25日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] OGL 1.2(draft)翻訳

出てきてちょっと経ってつらつらと目を通したOGL 1.2(draft)を訳したので以下に全文を展開しますぅ。

System Reference Document 5.1の概要

様々な作成方法。ダンジョンズ&ドラゴンズのコンテンツは様々な方法で使用できます。

  • このSystem Reference Document 5.1の56~104、254~260、358~359ページにあるD&Dの核となるメカニクス(ただし、これらのページで使用されている例は除外します)は、クリエイティブ・コモンズの表示4.0国際(CC BY 4.0)で許諾されています。これはウィザーズがそのコンテンツの使用方法にまったく制限を設けていないことを意味します。
  • このSystem Reference Documentに含まれるその他のコンテンツにおける当社の著作権は、Open Game License 1.2に基づいて許諾されています。
  • 仮想テーブルトップでのD&Dコンテンツの使用はウィザーズの仮想テーブルトップ・ポリシーの条件で許可されています。
  • ストリーミング、ファンアート、コスプレ、その他のファンコンテンツでのD&Dコンテンツの使用はウィザーズのファンコンテンツ・ポリシーに記載されているとおり許可されています。
  • D&D BeyondやDMs Guildなどのプラットフォームは、異なる許諾条件の下でD&Dコンテンツを共有するための方法を提供します。

クリエイター製品バッジ。OGL 1.2に基づいて公開されたコンテンツについては、クリエイター製品バッジのスタイルガイドで指定された方法で、次のバッジのいずれかを使用できます。バッジを使用する際にそのガイドに従う限り、ウィザーズはOGL 1.2に基づいて許諾された作品でそのバッジを使用する許諾を付与します。

OGL 1.0aの認証解除(DEAUTHORIZATION)。Open Game License 1.0aは認可されたライセンスではなくなりました。つまり、(発効日)以降はそのバージョンのOGLまたはそれ以前のバージョンを使用してSRDコンテンツを公開することはできません。これはそのバージョンで以前に公開されたコンテンツをこのライセンスに更新する必要があるという意味ではありません。以前に発行されたコンテンツはそのコンテンツを発行したときに有効だったOGLのバージョンに基づいてライセンスされたままになります。

Open Game License 1.2

このライセンスはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(“ウィザーズ”、“当社”)が許諾したコンテンツを自分のTRPGで使いたい方(“あなた”)との間で交わされるものです。当社の許諾したコンテンツを使用することで、あなたはこのライセンスの条件に同意したとみなされます。このライセンスで使用されている“当社”(あるいは当社を指すその他の言葉)には、当社の関連会社、後継者、および前任者が含まれます。

1. 許諾されたコンテンツ

(a) 対象となるコンテンツ

(i) 当社の許諾したコンテンツ。このライセンスはクリエイティブ・コモンズの下で許諾されていないSRD 5.1(あるいはこのライセンスに基づいてリリースされるSRDの後継バージョン)のすべてのコンテンツを対象にします。このライセンスの条件に従い、あなたはそのコンテンツを自分の作品で使用できます。

(ii) 当社が許諾しないコンテンツ。当社の許諾したコンテンツのみがこのライセンスの下で許諾されます。当社がリリースする、あるいはリリースしたその他のコンテンツはこのライセンスの下では許諾されません。

(iii) あなたのコンテンツ。これは当社の許諾したコンテンツでも当社が許諾しないコンテンツでもない、あなたが創造的な貢献をしたあなたの作品です。このライセンスはあなたのコンテンツと当社の許諾したコンテンツとをあなたが組み合わせた結果として生じる作品をこのライセンスに沿って配布することを許可します。

(b) 対象となる作品。このライセンスはあなたが制作した印刷メディアおよび(epubやpdfのような)静的電子ファイルのテーブルトップ・ロールプレイング・ゲームとサプリメント(“TTRPGs”)、および当社の仮想テーブルトップポリシー(“VTTs”)に従った仮想テーブルトップのみに適用されます。

(c) あなたの許諾された作品。このライセンス下の許諾された作品であるには、次の要件を満たす必要があります:

(i) 第1条 (b)で定義されている対象となる作品であること;

(ii) 当社の許諾したコンテンツとあなたのコンテンツの両方を含むこと;

(iii) 当社が許諾しないコンテンツを含まないこと。

(d) 著作権。当社はあなたに当社の許諾したコンテンツの著作権、のみをライセンス供与しますが、第5条(a)に基づき、クリエイター製品バッジのスタイルガイドで詳しく説明されているように、クリエイター製品バッジの商標ライセンスも付与します。あなたは当社の商標、および当社が所有するその他の知的財産に関する権利を一切受け取りません。

2. ライセンス。あなたがこのライセンスを遵守することを約因として、あなたはあなたの許諾された作品の一部として当社が許諾したコンテンツを世界中で複製、使用、変更、および配布することができます。このライセンスは永続的(perpetual)(終了日が設定されていないことを意味します)、非独占的(non-exclusive)(当社が選択した条件の下で、当社の許諾したコンテンツあるいは当社の許諾していないコンテンツを当社の選択した誰かに提供できることを意味します)、および取消不能(このライセンス下で許諾されたコンテンツのライセンスを取消できないことを意味します)また、通知に関する第5条および、第9条(a)の帰属規定を除き、変更することはできません。

3. あなたの所有するもの。あなたの許諾された作品。これらをあなたの許可なく複製あるいは使用することはできません。

あなたは当社と当社のライセンシーがコンテンツ制作者として、あなたが作成したものと同様のコンテンツを独自に発想する可能性があることを認めます。当社がこの条項に違反した、あるいはライセンシーが当社から当社からライセンス供与されたコンテンツについて違反したと主張がある場合:

(a) かかる請求は契約違反の訴訟としてのみ提起され、金銭的損害のみが対象になります。あなたは金銭による損害賠償がそのように違反への適切な救済策で、差し止めによる救済を求めたり、その権利を有さないことに明示的に同意します。

(b) かかる訴訟において、お客様は当社が故意かつ意図的にお客様の許諾した作品を複製したことを示さなければなりません。アクセスと実質的な類似性は、この第3条の違反を証明するのに十分ではありません。

4. 当社の所有するもの。当社は当社の許諾したコンテンツを所有しており、このライセンスで明示的に付与されていないすべての権利を留保します。

5. あなたのコンテンツの管理。あなたは選択した任意の条件の下であなたのコンテンツを利用可能にすることができますが、当社の許諾したコンテンツを利用可能にする条件を変更することはできません。

(a) あなたは許諾された作品にこのライセンスの全文を含めるか、その時点で最新のスタイルガイドラインに従ってクリエイター製品バッジを適用することによって、許諾された作品にこのライセンスに基づく当社の許諾したコンテンツが含まれていることを明示する必要があります。

(b) あなたは希望する条件であなたのコンテンツの使用を許可することができます。ただし、許諾された作品に提供するライセンスがこのライセンスの条件と異なる場合、該当するSRDの前文に記載されている当社の許諾したコンテンツの帰属を許諾された作品に含め、当社の許諾したコンテンツに含まれていることを明確にする必要があり、またあなたの許諾された作品に含まれる当社の許諾したコンテンツが、このライセンスの条件に従って利用可能であることを明確にしてください。

6. 保証及び免責事項。あなたは次のことを表明し、保証します:

(a) 年齢と責任能力。あなたは成年であるか、未成年の場合は親あるいは保護者にこれらの条件を確認してもらい、あなたの代わりに同意してもらいます。

(b) 権限。あなたはこのライセンスを締結し、その義務を履行する権限と責任能力を持っています。

(c) 侵害の禁止。あなたの許諾された作品は、第三者の知的財産権、またはこのライセンスまたはその他のライセンスを通じてあなたにライセンスされていない当社の権利を侵害してはなりません。

(d) 支持表明の禁止。このライセンスで明示的に許可されている場合を除き、あなたはあなたの許諾された作品が当社に商人されている、あるいは当社と関連していると述べたり、示唆したり、暗示することはできません。

(e) 違法行為の禁止。あなたはこのライセンスあるいはあなたの許諾された作品について、いかなる形でも法律に違反しないものとします。

(f) ヘイト表現コンテンツあるいは行為の禁止。有害、差別的、違法、わいせつ、あるいは嫌がらせをするようなコンテンツをあなたの許諾された作品に含めず、有害、差別的、違法、わいせつ、あるいは嫌がらせをするような行為を行なわないでください。当社はどの行為、あるいはコンテンツがヘイト表現にあたるかを決定する唯一の権利を有し、あなたは訴訟あるいはその他の法的措置を通じてそのような決定に異議を唱えないことを制約します。

7. 変更または終了

(a) 変更。当社は第5条で必要とされる帰属および第9条(a)の通知条項を特定するライセンスの規定のみを変更できます。当社はその他の条項を変更することはできません。

(b) 終了

(i) あなたが当社の知的財産を侵害した、当社の許諾したコンテンツ、商標、あるいは特許の所有権に異議を唱える訴訟を起こした、このライセンスに基づくあなたの活動に関連する法律に違反した、第6条 (f)に違反した場合、当社はただちにあなたのライセンスを終了させることができます。

(ii) あなたがこのライセンスの他の条項に違反した場合、違反の通知から30日以内にその違反を是正しない場合、当社はあなたのライセンスを終了させることができます。

8. 保証の免責および責任の制限あなたは当社が許諾したコンテンツを「現状のまま」提供していることを理解し、これに同意するものとし、このライセンスに明示的に記載されている場合を除き、許諾したコンテンツの使用に関していかなる種類の表明あるいは保証も行なわないものとします。当社は明示的、黙示的、法定、その他を問わず、すべての保証を否認します。あなたは許諾されたコンテンツを使用するすべてのリスクを負うものとし、そのような使用はあなた自身の裁量とリスクのみで行なうものとします。間接的、結果的、特殊、懲罰的、あるいは代表的な損害を含みますが、これらに限定されない、当社はあなたによる当社の許諾したコンテンツの使用に関連するいかなる種類の損害についても、問題になっている当社の行為が重大な過失あるいは意図的でない限り、当社は責任を負いません。

9. その他

(a) 通知。当社は見つけることができた任意の電子メールあるいは物理的な住所であなたに通知する場合があります。合理的な検索の結果、あなたの電子メールアドレスあるいは住所が見つからなかった場合にのみ、公開された手段での通知を行ないます。あなたはoglnotices@wizards.comに電子メールを送ることで、電子メールアドレスあるいは住所、あるいはその他の連絡方法を当社に通知できます。

(b) 完全合意および信頼の否認。このライセンスは当社の許諾したコンテンツの使用に適用されます。このライセンスはここに明示的に含まれる条件のみで構成され、ここに明示的に含まれていない事項は一切含まれていません。このライセンスに同意することで、ライセンスの条件と、もしあるのならばあなたの担当弁護士の助言のみを参考にしたことを表明し、保証するものとします。このライセンスの明示的な一部ではないものには依拠していません。

(c) 権利の放棄。このライセンスに基づく権利を行使できなかったとしても、それによって将来その権利を行使できなくなることはありません。

(d) 可分性。このライセンスにいずれかの部分が何らかの理由で執行不能または向こうであると判断された場合、ウィザーズはライセンス全体と裁定を得た当事者との間で、あるいは全体として、ライセンス全体が無効であると宣言することができます。ウィザーズがそうすることを選択しない限り、このライセンスの残りの部分は実施不能、あるいは無効な部分が存在しないかのように実施されます。

(e) 準拠法/裁判管轄/集団訴訟の権利放棄。このライセンス、およびその解釈と執行に関するすべての事項はワシントン州の法律に準拠し、このライセンスに起因または関連する紛争は、ウィザーズ(あるいは継承者)が本社をおく郡にある州裁判所あるいは連邦裁判所での個別の訴訟を通じて単独かつ独占的に解決されるものとし、両当事者はそのような裁判所の管轄権に明示的に同意します。各当事者はそのような紛争に関して、集団訴訟、団体訴訟、あるいはその他の共同訴訟に参加する権利を取り消し不能で放棄するものとします。

(f) 見出しおよび脚注。このライセンスに含まれる見出しおよび脚注は参照のみを目的としており、このライセンスの意味あるいは解釈に影響を与えるものではありません。

(g) 陪審裁判の放棄。当社とあなたはそれぞれ、このライセンスに関する、またはそこから生じる紛争、請求、あるいは訴訟原因の陪審裁判を受ける権利を放棄します。

(h) 弁護士による審査。このライセンスを完全に理解するには、弁護士の助言を求める必要があります。あなたはそうする機会があったことに同意します。

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト――仮想テーブルトップ・ポリシー

バージョン1.0

ゲーマー、およびVTTs(訳註:オンラインセッションツールのこと)の大ファンとして、OGL 1.2の公開の一環として、この新しいVTTポリシーを発表します。

ウィザーズがVTTポリシーを必要とするのはなぜですか?

当社は遊びのテーブルトップの場でのVTTsの役割をサポートします。リモートでゲームができるということはより多くの人がゲームをできるということで、何千マイルも離れた場所にいる人々がまるでテーブルを囲んでいるかのように場を共有できるのはすばらしいことです。しかし、VTTsが進歩するにつれて、その機能はトリッキーな問題を提起します。VTTとビデオゲームの境界線はどこですか? VTTが伝統的テーブルトップの単なる代替品以上になるのはいつですか? これらの質問には思慮深い回答が必要です。

それらへの回答は時間がかかるため、このポリシーには皆さんの意見を反映させたく思います。そのため、議論が進み、新しい技術が出現するにつれて、フィードバックを求め、私たちの目標についてお話します。

このポリシーの下で何が許可されますか?

VTTを使用してテーブルの周りに友達と座ってD&Dをする体験を再現することです。したがって、静的なSRDコンテンツを表示することはソースブックを参照するようなものですから問題ありません。あなたはマジック・ミサイルの文をあなたのVTTに表示し、それを買って目標にダメージを計算して適用することができます。また、マジック・ミサイルのダメージを手動でロールして計算するかわりに自動化するのも問題ありません。VTTはマジック・ミサイルの1d4+1ダメージを目標のヒット・ポイントに自動適用できます。あなたはダメージを手動で計算して記録していく必要はありません。 許可されていないのは居間のテーブルでの物語を複製したものではない機能です。あなたはその想像力をマジック・ミサイルのアニメーションが盤上を横切って目標に当たるアニメーションに置き換えたり、VTTが私たちのコンテンツをNFTに統合したりする場合、それはテーブルトップの体験ではありません。それはビデオゲームのようなものです。

私のVTTでアウルベアのトークンをモンスター・マニュアルのものから使っていいですか?

いいえ。OGLに基づいてコンテンツの視覚的描写をライセンスしたことはなく、SRDのテキストのみです。それは変わっていません。SRDのステータス・ブロックを使用してアウルベアと呼ばれるクリーチャーを作成できます。あなたは当社のアウルベアの外見をコピーすることはできません。ただし、あなたが自分でアウルベアを描いたり、誰か他の人が描けば、あなたはそれを使用できます。

OGL 1.0aはどうですか? このポリシーはそれにも適用されますか?

はい。ライセンス済みのコンテンツをVTTにアップロードできます。

私はVTTを所有あるいは運営しています。これは私にどう影響しますか?

あなたがプラットフォーム上でOGL製品をサポートするVTT所有者あるいは運営者である場合、他のウェブサイト所有者または運営者がDMCAに基づいて著作権で保護されたコンテンツに対して持つのと同じ義務をVTTコンテンツに対して負っています。

あなたはこれが対話だといっています。これはこのポリシーが変更される可能性があることを意味しますか?

はい! テーブルトップの場が進化するにつれて、あなたのフィードバックが必要です。VTTの可能性は途方もなく史劇的で、私たちはその開発を妨げたくありません。

そして、こちらは既存のOGL、Open Game License 1.0aですぅ。

オープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0a 参考用日本語訳

以下の文書はウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の所有物で、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(“ウィザーズ”)の西暦2000年の著作物である。すべての権利を留保する。

1. 定義: (a)“寄与者”とはオープン・ゲーム・コンテントに寄与した著作権および、または商標権の所有者を意味する。(b)“派生物”とは翻訳(他のコンピュータ用言語へのものも含む)、取り込み、修正、補正、追加、拡張、更新、改良、編集、要約、あるいは他の形による既存の作品の作り直し、変形、あるいは適合などの派生作品を含んだ著作物を意味する。(c)“配布”とは再版、許諾、貸与、リース、販売、放送、公共陳列、通信、あるいはその他の方法で配布することを意味する。(d)“オープン・ゲーム・コンテント”とは、ゲームの仕組みで、手法、手続き、慣例を意味するが、その内容は製品の独自性までは拡張されず、さらに以前の作品の拡張や、寄与者によってオープン・ゲーム・コンテントであると明確に指定されているすべての内容や、このライセンスによって扱われるすべての作品を意味し、翻訳、著作権の下での派生作品を含んで春が、製品の独自性は特に除外されている。(e)“製品の独自性”とは製品名や製品のシリーズ名、ロゴ、外観的な包装を含んだ識別可能にする目印である。アーティファクト、クリーチャーのキャラクター、物語、筋書き、構想、主題要素、台詞、出来事、言語、挿絵、記号、意匠、描写、肖像、形式、配置、概念、主題や画像、写真やその他の視覚的または音声的表現、キャラクター、呪文、魔法、人物、集団、人格、肖像、特殊能力や類似のもの、場所、地域、環境、クリーチャー、装備、魔法や超常能力の効果、ロゴ、記号、画像デザインの名前や記述を含み、さらに製品の独自性の所有者によって製品の独自性として明らかに指定され、特にオープン・ゲーム・コンテントから除外されている商標や登録商標を含む。(f)“商標”とは寄与者によって自分自身や、オープン・ゲーム・ライセンスの寄与者によって寄与された製品や関連製品を識別するために使用されたロゴ、名前、マーク、署名、標語、デザインを意味する。(g)“使用”とは使用、配布、複写、編集、整形、修正、翻訳、その他のオープン・ゲーム・コンテントの派生物を作成することを意味する。(h) “あなた”とはこの文書に合意し受諾を受けた者を意味する。

2. 許諾: このライセンスはこのライセンスの条項の下でのみ使用できるとの通知を含んでいるすべてのオープン・ゲーム・コンテントに適用される。あなたはすべてのオープン・ゲームコンテントを使用する場合にそのような数値を添付しなければならない。このライセンスそのものにより許可されているものを除いてはいかなる条項もこのライセンスに追加したり削除することはできない。このライセンスの下で配布されるすべてのオープン・ゲーム・コンテントには他の条項や条件を適用することはできない。

3. 提案と承認: あなたはオープン・ゲーム・コンテントを使用することによって、あなたがこのライセンスの条項に同意したことを示すものとする。

4. 承諾と対価: このライセンスの使用に同意した対価として、寄与者はあなたに、このライセンスの条項に従って恒久的、全世界的、ロイヤリティ無料、非排他的にオープン・ゲーム・コンテントを使用する許可を与える。

5. 寄与者の典拠の表示:あなたが独自の作品をオープン・ゲーム・コンテントに寄与する場合、あなたの寄与物が独自に製作されたもので、あなたがそれをこのライセンスで運用するのに十分な権利を持っていることを表示する。

6. 著作権許諾の表示: あなたはこのライセンスの著作権表示の部分を以下のように更新しなければならない。著作権表示にはあなたが複写、修正、配布したオープン・ゲーム・コンテントの著作権表示の正確な文書を含むようにし、さらにあなたが配布する独自のオープン・ゲーム・コンテントの題名、著作権の日付、著作権の保持者の名前を著作権表示に追加しなければならない。

7. 製品の独自性の使用: 他のライセンスによって明示的に許可された場合や、それぞれの作品の独自性の要素の所有者から独自に合意を得た場合を除き、あなたは製品の独自性を使用しないことに合意する。これには互換性があることの表示も含まれる。あなたは商標や登録商標の所有者から独自の許可を得た場合を除き、すべての商標や登録商標とのオープン・ゲーム・コンテンツの作品との関係において互換性や同時使用可能などの表示をしないことに合意する。オープン・ゲーム・コンテントにおいて製品の独自性を使用することは、製品の独自性の所有権に対する異議を構成しない。製品の独自性の所有者は、オープン・ゲーム・コンテントに使用したとしても、製品の独自性のすべての権利、タイトル、利益を保持し続けるものとする。

8. 識別: オープン・ゲーム・コンテントを配布する場合、あなたが配布する作品のどの部分がオープン・ゲーム・コンテントにあたるのか、あなたは明確に示さなければならない。

9. ライセンスの更新: ウィザーズもしくはその指定した代理人はこのライセンスの更新版を配布することができる。あなたは下のオープン・ゲーム・コンテントがこのライセンスのいかなる版を使用していたとしても、このライセンスの公式版のうちいずれでも使用すれば、すべてのオープン・ゲーム・コンテントの複製、修正、配布ができる。

10. このライセンスの複製: あなたが配布するすべてのオープン・ゲーム・コンテントにはこのライセンスの複写を含めなければならない。

11. 寄与者の名前の使用: あなたは商売や広告において、そうしてもよいと書面による許可を得ない限りオープン・ゲーム・コンテントの寄与者の名前を使用できない。

12. 不遵守の場合: 法令、裁判所の命令、政府の規定などのために一部もしくはすべてのオープン・ゲーム・コンテントに関してこのライセンスの条項に従うのが不可能ならば、あなたはそれらが影響するオープン・ゲーム・コンテントを使用できない。

13. 終了: もしあなたがここに書いてあるすべての条項を遵守することに失敗しており、不履行に気づいて30日以内にそのような不履行を修正できなかった場合にはこのライセンスは自動的に終了する。このライセンスが終了してもすべての二次ライセンスは継続する。

14. 改正: もしこのライセンスの規定のいずれかが施行できない場合、そのような規定は施行可能にする最低限の範囲で改正されるものとする。

15. 著作権表示

Open Game License v 1.0a Copyright 2000, Wizards of the Coast, Inc.

System Reference Document 5.1 Copyright 2016, Wizards of the Coast, Inc.; Authors Mike Mearls, Jeremy Crawford, Chris Perkins, Rodney Thompson, Peter Lee, James Wyatt, Robert J. Schwalb, Bruce R. Cordell, Chris Sims, and Steve Townshend, based on original material by E. Gary Gygax and Dave Arneson.

私はOpenやFreeの思想を愛するのでOGL 1.2関係には否定的だと前置きしておいて斜め読みした感想を書くなら、なかばコミュニティのものになったD&Dという遊びを保存する方舟にしようとした1.0aの心意気を踏みにじる全然Openじゃない俺が俺がなライセンスで、適用範囲も狭まっているのがよくないですぅ。しかも今になってから3eやd20モダンのSRDもOGL 1.2で上書きするとか言っているのでちょっとこれはどうかしたい、しかし公式のサーベイは望んだ答えを得るためのものだろうし、やはり1.0aの第9条を掲げたり、Paizoが提唱したORCから5e激似のルールを錬成して海賊の時間か~と思案しているところですぅ。

せめてOne D&Dを出してからそのSRDをOGL 1.2でとかならいいけど、過去のバージョンに遡ってよりきついライセンスに変更はAppleとGoogleとMSとSunのEVILな部分を煮詰めても出なさそうで、さすが畑違いのおもちゃ屋はやることが違うと厭なため息が出るですぅ。

仮想テーブルトップ・ポリシーの方に至っては、オンラインセッションのツールを使っているユーザではなくツールの開発者や業者向けなのだけど{そうでないとユーザが個人的使用で自分のルームに保存した画像すらNGという大越権行為をしている(多分そこまでやりたそう)}、実際にオンラインセッションをプレイしたことあらしゃいますのんと煽りたいくらいに知見が乏しくお粗末で、これを読んだだけで失望して去って行く人が出てもおかしくないレベルなのが泣けてくるですぅ。


2023年01月28日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『OGL 1.0aとクリエイティブ・コモンズ(OGL 1.0a & Creative Commons)』

プレイテストへのフィードバックは真摯に受け止めます。

すでに15000人以上がアンケートに回答しました。皆さんの意見は次の通りです。

  • 88%がOGL 1.2でTRPGコンテンツを公開したくないと考えています。
  • 90%がOGL 1.2に対応するためにビジネスの一部を変更する必要があると答えています。
  • 89%がOGL 1.0aの認証解除に不満を持っています。
  • 86%がVTTポリシーのドラフトに不満を持っています。
  • 62%がSystems Reference Document(SRD)のコンテンツをクリエイティブ・コモンズにすることに満足しており、不満を持っていた人の大多数はクリエイティブ・コモンズにもっとSRDのコンテンツを追加するよう求めました。

これらの生きたアンケート結果は明らかです。皆さんにはOGL 1.0aを望んでいます。皆さんは取消不能を望んでいます。皆さんはクリエイティブ・コモンズが好きです。

フィードバックはとても多く、その方向性は非常に明確であるため、現在対応中です。

  1. OGL 1.0aはそのまま残します。手つかずです。
  2. また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でSRD 5.1全体を使用できるようにしています。
  3. 皆さんはどちらを使うか選べます。

このクリエイティブ・コモンズ・ライセンスにより、コンテンツを自由に使用できるようになります。私たちはライセンスを管理しておらず、変更したり取り消したりはできません。私たちの言葉を信じなくても、それはオープンで取消不能です。また、そのオープン性はVTTポリシーが不要であることを意味します。SRDをクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下に置くのは一方通行です。戻ることはできません。

ここでの私たちの目標は、皆さんが望むものを提供することです。

では、これを始めた時に私たちを駆り立てていた目標はどうでしょうか?

私たちはD&Dのプレイ体験を将来にわたって守りたいと考えていました。私たちはまだ皆さんの助けを借りてそれをやりたいと思っています。ゲームの包摂的で歓迎的な性質を保護するためには、皆さんの助けが必要なので、このコミュニティが情熱的で活発であることに感謝します。

OGLをTRPGに制限したかったのです。この新しいアプローチによって、私たちはそれを脇に置き、皆さんの選択を頼りにゲームの未来を定義します。

これはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス付きのSRD 5.1のPDFです。公開するだけで取消不能のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下に置かれます。来週、より便利な場所で公開します。疑いの余地なく、今この一歩を踏み出すことが重要なのです。

OGL 1.2のアンケートは終了します。

プレイヤーとクリエイターをよりよく手助けする方法について、引き続きお話しします。いつもご意見をお寄せいただきありがとうございます。

カイル・ブリンク

ダンジョンズ&ドラゴンズ、エグゼクティブ・プロデューサー

というわけで、WotCはOGL 1.2とVTTポリシを全面的に取り下げ、SRD 5.1はクリエイティブ・コモンズでも公開されるようになりましたぁ。

これで当座のところはなんとかなったけど、One D&Dはきついライセンスをあらかじめ用意してきそうでもありですぅ。

§ [DnD][5e] アドベンチャー:小屋を取り戻せ(1レベル)

今週の小冒険は1~2人の1レベル向けですぅ。

データ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ウィラノ村の村外れには、遠出や猟の時にちょっと泊まるための小屋がある。しかし、あまり使われない建物であるため、モンスターの住み家になってしまうこともしばしばである。

キャラクターたちは村人たちからこの小屋の掃除を頼まれる。見事モンスターたちを退治してしまえば冒険は成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちがウィラノ村という村に滞在していると、村長のハマディ(ヒューマン)が、村外れにある森仕事や猟の時に使っている小屋にモンスターが住みついているので、退治してくれないかと依頼される。報酬は1人金貨5枚(5gp)である。

1.小屋へ

小屋は村外れの森に近い場所にある。村人たちによって踏み分け道ができているので、道に迷うことはない。

2.小屋の入口

小屋にやってくると入口の戸は開け放たれており、軒先には口に当たる部分に針を持つ大きな虫、スタージがぶら下がっている。

ここのスタージは2体のつがいで、片方がやられると不利を悟ってか逃げ出そうとする。

スタージ

超小型・野獣、無属性


AC:14

hp:2(1d4)

移動速度:10フィート、飛行40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
4(-3) 16(+3) 11(+0) 2(-4) 8(-1) 6(-2)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:1/8(25XP)


アクション

吸血:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ、およびスタージは目標に吸いつく。吸いついている間、スタージは攻撃しない。その代わり、スタージのターンが開始する毎に、目標は血を吸われて5(1d4+3)ヒット・ポイントを失う。

スタージは5フィートを移動したことにして離れることができる。目標が10ヒット・ポイントの血を吸われるか、目標が死ぬと離れる。目標を含むクリーチャーはアクションを消費することでスタージを引き離すことができる。

3.小屋の中には何が?

小屋の中は薄暗く、奥の方に毛皮で覆われたヒューマン程度の大きさの獣がいるのが見える。

獣に気づかれず小屋の中に入るには、難易度15の【敏捷力】〈隠密〉判定が必要になる。成功すれば中の獣に気づかれず入り、不意討ちをすることができる。

この獣はジャイアント・バジャー(大アナグマ)だ。大きさは人の背丈ほどあり、雑食性なので腹を空かせれば村の住民にも襲いかかりかねない。退治する必要がある。

ジャイアント・バジャーはここを縄張りと定めており、守り抜こうと死ぬまで戦う。

ジャイアント・バジャー

中型・野獣、無属性


AC:10

hp:13(2d8+4)

移動速度:30フィート、穴掘り10フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 10(+0) 15(+2) 2(-4) 12(+1) 5(-3)

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


鋭敏嗅覚:バジャーは嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

アクション

複数回攻撃:バジャーは1回の噛みつき、1回の爪で2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:6(2d4+1)[刺突]ダメージ。

結末

ジャイアント・バジャーを倒せば、数日も置かずに村人たちが小屋を再整備する。キャラクターたちは村人たちに感謝され、これからもこの村を守ってくれるよう頼まれる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。