ネコぶんこ


2013年01月28日 テクノ秘密恐怖症 編集

§ [DnD][4e][LnL] 『D&D Nextの目標、その4(D&D Next Goals, Part Four)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

この数週間、私はD&D Nextの基本と標準ルールの目標、そしてふたつの鍵となるゲームの目標の概要について語ってきた。今週は上級ルールについて話す時間だ。

その概念

上級ルールで私たちは、プレイヤーとDMにRPGの経験があり、彼らが何をしているか理解しており、異なる何かを求めていると仮定している。ゲームのこの部分は私たちがシステムの制御を放り投げてDMをおかしくさせるところだ。君はこれを第3版のUnearthed Arcanaのようだが、最初からゲーム・デザインがコア・ルールのハッキングを考慮した(あるいは奨励さえする)ものだと解釈できる。

上級ルールは以下の3つの基礎分野に分類される。

ルールを予想できる範囲内でコアから変化させる。それらで君はある設定を別のものにできる。もっともよくわかる例は経験点の報酬とヒット・ポイントだ。君はモンスター撃退、財宝の発見、クエストの達成、あるいはクラスの関係した行ないをしたことに対して経験点を与えることができる。ゲームをプレイする方法はかなり変化するかもしれないが、ゲームのシステムはほとんどがそのままである。これらはたいてい単純な変化――すべての魔法的治癒を使わない――で、実行は簡単かつ、多くのものはプレイ・スタイルとDMの準備に焦点を当てるものだ。治癒がなく回復手段が限られたキャンペーンの運営は標準ルールのゲームと非常に異なっている。

コア・システムに増設されるモジュールになるその他の上級ルール。従者や動物の相棒に関するルール、あるいはより詳細な戦術的戦闘ルールなどはこの分類になる。これらはコアを参照する新たなサブシステムだが、変化させることはない。従者はステータス・ブロックを持ち、おそらくは忠誠や士気の値もあるだろうが、それらはゲームの範囲内で機能する。

いくつかの上級ルールは原理原則に立ち戻ってコア・システムで鍵となる要素を変化させる。これらのルールは、それをDMが導入することにより、テーブルの誰もが新たな法や法則のために彼らのキャラクターを修正する必要があると私たちは予想している。たとえば、ダメージ軽減をする鎧、命中部位、そして魔法失敗の代替的方法などがこの分類にあたる。

これら上級ルールの分類はきちんとそれらが機能することを確実なものとするためにも重要だ。モジュール・ルールと設定変更はどのゲームにも適合させられ、それらが原理原則を変更させないかぎり、連携することができる。設定変更はゲームの雰囲気を変えるが、ほとんどはそれらの内部で既存の要素を変化させる。君がモジュールを加えて設定を変更するたびに、ゲームはより複雑にな―テーブルの動きはゆっくりとなる――が、君はゲームの中断なしにそれらを引っ込めることもできる。

分類の最後にあるオプション――コアの原理原則を変化させるもの――はひとつづつ、あるいはそれらの影響を慎重に考えた上で導入すべきものだ。コアを変化させるため、それらを混ぜるとうまく機能しないかもしれない。私たちはそれらをデザインするときは常に、君たちがエンジンを変化させるオプションを単独で使うものだと想定している。この方法は私たちの正気を守ったうえでそうしたルールの実装をより実際的にする。命中部位表はひとつのものだが、鎧によるダメージ減少を作るのはより多くの作業が必要になる。

では、私たちはどんなルールを構築しているのだろうか?一覧はやや流動的だが、私たちが焦点を当てたいものはここにある。これは長々としたリストで、すべてがすぐさま作業可能である確証もないため、より欲しいものリストに近いものだ。

  • ミニチュア・ゲームの要素をより多く取り込んだ戦闘ができる戦術的戦闘ルールを含める。これにはグリッドが含まれ、向き、支配地域(ゾーン・オヴ・コントロール)のより詳細なルールなどがオプションになる。
  • 日毎に替えて遭遇毎で資源が管理されることを強調したシステムの提供。このやり方のすばらしいところは、これをオプションにすることによって私たちが折衷的なものにする必要がないところだ。すべてを遭遇を、さらにはヒット・ポイントを基準にできる。
  • キャラクターの動機づけ、性格の特徴などに重点を置いたシステムのためのルールを作成する。
  • D&Dにより物語重視型の視点、DMとプレイヤーが物語の共同執筆者であることに着目した構造を提供する。
  • アクション・ポイント、宿命点などのメタ・システムな報酬やプレイヤーが特定の瞬間に彼らの力を増幅させるシステム面でのオプションを与えられるようにする。
  • 戦闘、調査、探検、財宝の発見など、DMが何かを強調するのに経験点を使える代替的経験点ルールを作成する。
  • 史的なものとファンタジー用のものを含む、火器のルールを加える。
  • ふたつの軍勢がぶつかりPCが合戦で役割を果たすことができる軍隊による大規模戦闘のルールを含める。
  • 大量のモンスターとキャラクターが参加しても戦闘を速く処理できるルールをデザインする。
  • 海戦ルールの提供。
  • 領地経営および要塞ルールの提供。
  • 素材探しと秘薬から魔法のアイテムを作成するルールをデザインする。
  • クリティカル・ヒットおよび致命的失敗の表の提供。
  • 命中部位のルールとともに、鎧でダメージ軽減をするルールをデザインする。
  • 健康や衛生を細かく管理する、継続的負傷のルールを含める。代替的魔法システムを含める。
  • D&Dのジャンルを変える他のルールとともに、ホラーと正気度のルールを提供する。

これは大きなリストで、私たちが提供したいものといったほうがより正確だろう。今日のまとめは、上級ルールがその精神やありかたがよりDMにゲーム・デザイナの役割を振り分け、システムを変化させたりキャンペーンの特別な要請に従ったそれらを追加させることになるということだ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。

本日のツッコミ(全47件) [ツッコミを入れる]

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2014年01月28日 編集

§ [DnD][4e][Dungeon] Dungeon221号(Dungeon Issue #221)

目次

編集部より:222号をお楽しみに(Editorial: Waiting For 222)
著者:クリストファー・パーキンス

ごきげんようと言うべき時がやってきたが、さよならではない。

真実のハイポート(Lowdown in Highport)
著者:トーマス・M・リード

悪の奴隷商人が支配するハイポート、この町から気づかれずに出入りするのは単純な問題ではない。このAD&D第1版アドベンチャーは3~5レベルのキャラクター用で、第4版へ変換するための補遺もある。

傲慢なるもの(Vainglorious)
著者:ダニエル・ヘルミック

エルトゥガルドの神権国家には、態度をあらためさせることが絶望的なブラック・ドラゴンなど、いくつかの不快な隣人がいる。このフォーゴトン・レルムを舞台にしたD&D第4版アドベンチャーは7~9レベルのキャラクター用だ。

エムリディ草原の戦い(King of the Wolves)
著者:ジョン・リートホイサーおよびクリストファー・パーキンス

善の軍隊は元素邪霊の軍勢を打ち破るために進軍し、エムリディ草原を挟んで両者は対峙した。これまで語られることのなかった大開戦を再現するこのD&D Nextアドベンチャーは6~8レベルのキャラクター用だ。

4e最後のDungeonでは、これまで邪悪寺院関係シナリオの背景としてほのめかされてきたエムリディ草原の戦いがシナリオ化された他、201~221までのシナリオ一覧も収録されているですぅ。


2018年01月28日 編集

§ [Ludus] N◎VAやるつもりがアグリコラ

お正月(?)だしN◎VAでゾンビもののシナリオをやろうかと持って行ったけど、キャスト作成が長引いたので中止し、アグリコラをもそもそとやっていたですぅ。


2023年01月28日 編集

§ [DnD] 『OGL 1.0aとクリエイティブ・コモンズ(OGL 1.0a & Creative Commons)』

プレイテストへのフィードバックは真摯に受け止めます。

すでに15000人以上がアンケートに回答しました。皆さんの意見は次の通りです。

  • 88%がOGL 1.2でTRPGコンテンツを公開したくないと考えています。
  • 90%がOGL 1.2に対応するためにビジネスの一部を変更する必要があると答えています。
  • 89%がOGL 1.0aの認証解除に不満を持っています。
  • 86%がVTTポリシーのドラフトに不満を持っています。
  • 62%がSystems Reference Document(SRD)のコンテンツをクリエイティブ・コモンズにすることに満足しており、不満を持っていた人の大多数はクリエイティブ・コモンズにもっとSRDのコンテンツを追加するよう求めました。

これらの生きたアンケート結果は明らかです。皆さんにはOGL 1.0aを望んでいます。皆さんは取消不能を望んでいます。皆さんはクリエイティブ・コモンズが好きです。

フィードバックはとても多く、その方向性は非常に明確であるため、現在対応中です。

  1. OGL 1.0aはそのまま残します。手つかずです。
  2. また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でSRD 5.1全体を使用できるようにしています。
  3. 皆さんはどちらを使うか選べます。

このクリエイティブ・コモンズ・ライセンスにより、コンテンツを自由に使用できるようになります。私たちはライセンスを管理しておらず、変更したり取り消したりはできません。私たちの言葉を信じなくても、それはオープンで取消不能です。また、そのオープン性はVTTポリシーが不要であることを意味します。SRDをクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下に置くのは一方通行です。戻ることはできません。

ここでの私たちの目標は、皆さんが望むものを提供することです。

では、これを始めた時に私たちを駆り立てていた目標はどうでしょうか?

私たちはD&Dのプレイ体験を将来にわたって守りたいと考えていました。私たちはまだ皆さんの助けを借りてそれをやりたいと思っています。ゲームの包摂的で歓迎的な性質を保護するためには、皆さんの助けが必要なので、このコミュニティが情熱的で活発であることに感謝します。

OGLをTRPGに制限したかったのです。この新しいアプローチによって、私たちはそれを脇に置き、皆さんの選択を頼りにゲームの未来を定義します。

これはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス付きのSRD 5.1のPDFです。公開するだけで取消不能のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下に置かれます。来週、より便利な場所で公開します。疑いの余地なく、今この一歩を踏み出すことが重要なのです。

OGL 1.2のアンケートは終了します。

プレイヤーとクリエイターをよりよく手助けする方法について、引き続きお話しします。いつもご意見をお寄せいただきありがとうございます。

カイル・ブリンク

ダンジョンズ&ドラゴンズ、エグゼクティブ・プロデューサー

というわけで、WotCはOGL 1.2とVTTポリシを全面的に取り下げ、SRD 5.1はクリエイティブ・コモンズでも公開されるようになりましたぁ。

これで当座のところはなんとかなったけど、One D&Dはきついライセンスをあらかじめ用意してきそうでもありですぅ。

§ [DnD][5e] アドベンチャー:小屋を取り戻せ(1レベル)

今週の小冒険は1~2人の1レベル向けですぅ。

データ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は1レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ウィラノ村の村外れには、遠出や猟の時にちょっと泊まるための小屋がある。しかし、あまり使われない建物であるため、モンスターの住み家になってしまうこともしばしばである。

キャラクターたちは村人たちからこの小屋の掃除を頼まれる。見事モンスターたちを退治してしまえば冒険は成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちがウィラノ村という村に滞在していると、村長のハマディ(ヒューマン)が、村外れにある森仕事や猟の時に使っている小屋にモンスターが住みついているので、退治してくれないかと依頼される。報酬は1人金貨5枚(5gp)である。

1.小屋へ

小屋は村外れの森に近い場所にある。村人たちによって踏み分け道ができているので、道に迷うことはない。

2.小屋の入口

小屋にやってくると入口の戸は開け放たれており、軒先には口に当たる部分に針を持つ大きな虫、スタージがぶら下がっている。

ここのスタージは2体のつがいで、片方がやられると不利を悟ってか逃げ出そうとする。

スタージ

超小型・野獣、無属性


AC:14

hp:2(1d4)

移動速度:10フィート、飛行40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
4(-3) 16(+3) 11(+0) 2(-4) 8(-1) 6(-2)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:1/8(25XP)


アクション

吸血:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ、およびスタージは目標に吸いつく。吸いついている間、スタージは攻撃しない。その代わり、スタージのターンが開始する毎に、目標は血を吸われて5(1d4+3)ヒット・ポイントを失う。

スタージは5フィートを移動したことにして離れることができる。目標が10ヒット・ポイントの血を吸われるか、目標が死ぬと離れる。目標を含むクリーチャーはアクションを消費することでスタージを引き離すことができる。

3.小屋の中には何が?

小屋の中は薄暗く、奥の方に毛皮で覆われたヒューマン程度の大きさの獣がいるのが見える。

獣に気づかれず小屋の中に入るには、難易度15の【敏捷力】〈隠密〉判定が必要になる。成功すれば中の獣に気づかれず入り、不意討ちをすることができる。

この獣はジャイアント・バジャー(大アナグマ)だ。大きさは人の背丈ほどあり、雑食性なので腹を空かせれば村の住民にも襲いかかりかねない。退治する必要がある。

ジャイアント・バジャーはここを縄張りと定めており、守り抜こうと死ぬまで戦う。

ジャイアント・バジャー

中型・野獣、無属性


AC:10

hp:13(2d8+4)

移動速度:30フィート、穴掘り10フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 10(+0) 15(+2) 2(-4) 12(+1) 5(-3)

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


鋭敏嗅覚:バジャーは嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

アクション

複数回攻撃:バジャーは1回の噛みつき、1回の爪で2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:6(2d4+1)[刺突]ダメージ。

結末

ジャイアント・バジャーを倒せば、数日も置かずに村人たちが小屋を再整備する。キャラクターたちは村人たちに感謝され、これからもこの村を守ってくれるよう頼まれる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。