2025年06月14日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:常連の多い酒場(1レベル)
今週の小冒険はD&Dで1レベルのキャラクター1人用ですぅ。作りたてのキャラクターで遊べるソロジャーナルですぅ。
冒険で起こったことをメモ帳にでも記録していけば、ひとつの物語になる……はずですぅ。
データまわりはCC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらのご参考にもしていただければ幸いですぅ。
冒険の概要
旅をしてきてある街へやってきた“あなた”は目に入った宿に泊まることにした。
部屋の準備ができるまで、しばらく酒場で時間を潰す必要がある。そこで起きた体験を記録していこう。
冒険への導入
“あなた”は街にやってきた。もう夕方なので、さっさと宿を決めて食事のひとつにでもありつきたい。きょろきょろと周りを見回すと、踊る黄金樽亭という看板がある。
予定も何もない旅だ。あそこでいいだろうと、君は開け放しにされている扉をくぐると、そこはご多分に漏れず薄暗い酒場になっていた。
1.店の中
夕食時を少し外したお陰か、店内の喧噪は落ち着きつつあった。食事で腹がくちくなった客たちは酒をたしなみながら雑談をしたり、ちょっとしたゲームをしたりしている。
「いらっしゃい! 泊まりなら飯付きで金貨1枚だよ!」
給仕をしているハーフエルフの少女の快活な声が響く、君はとりあえず泊まることを伝えると、彼女は「部屋を整えるまでここで待ってて」と言うと、別の店員に何かしら伝え、自分は給仕に戻っていく。
さて、それでは一息つこう。そう思ったが今は時間帯もあり、どこかに相席をするしかない。
店内を見回すと、カウンターで空のジョッキをいくつも積み上げて酒を呑んでいるハーフオークの男、黒いヴェールを被ってナイフとフォークで肉を食べているエルフの女、油で整えられた口髭が印象的なティーフリングの紳士の座っている卓に空きがある。
いずれも一癖ありそうな者たちだが、君は……
カウンターで酒を呑んでいるハーフオークの男の横に座るなら「2.飲み比べ」へ進むこと。
肉を食べているエルフの女の前に座るなら「3.危険な遊戯」へ進むこと。
口髭が印象的なティーフリングの紳士の隣に座るなら「4.世間話」へ進むこと。
酒場に入ってから相席の相手を決めるまで、どんな心境だったか記すのもよいだろう。
2.飲み比べ
カウンターで酒を呑んでいるハーフオークの横に座ると「おお、見ねえ顔だな! 旅のもんか?」と陽気な声がかかる。
「俺はトルチョクってんだ。ところでおめえさん、いける口かい?」
もちろん酒のことだろう。君がどう返すにせよ、トルチョクは続ける。
「飲み比べの相手が欲しかったんだ。いつもドワーフのジジイくらいしか乗ってこねえし、相手がドワーフだから俺ばかり負けるんだ」
トルチョクは飲み比べの相手が欲しくてしょうがないらしい。君がすぐに乗るなら彼は非常に喜ぶと、この店に置いてある酒の解説をする。君が渋るようなら、金は俺が出すから是非にも頼むということになり、結局相手をすることになる。
この店にある酒は次の通りだ。トルチョクは何を頼むか、お前が決めてもいいし、こいつに訊ねてもいいと、象牙色になるまで使い込まれた骨製のサイコロを出す。酒はいずれも1杯5CPだ。
1d6 | 酒の種類 |
---|---|
1 | 花をつけ込み香りを移したノーム造りの酒“黄金華”(難易度11) |
2 | エルフ造りのワインをドワーフが蒸留した“紅の髄”(難易度15) |
3 | 果実を生ったまま発酵させるエルフ造りの酒“霜と霧の蜜”(難易度13) |
4 | あり合わせの雑穀で作るゆえ味が一定しないゴブリン造りの酒“ネズミの涙”(難易度12) |
5 | キノコやコケを発酵させた地下世界造りの酒“茸の華”(難易度12) |
6 | この店の店主が半ば趣味で作らせているエール“黄金樽”(難易度11) |
酒を決めたら、トルチョクは給仕の少女に声をかけて酒を持ってこさせる。さあ、飲み比べの始まりだ。「酒の種類」表の名前の横にある「難易度」の数字を難易度にした【耐久力】セーヴィング・スローを行なうこと。成功すれば君は酔わずに済み、トルチョクの番になる。トルチョクの能力値修正値と習熟ボーナスの合計は+3だ。君が代わりにセーヴィング・スローを行なうこと、成功すれば、トルチョクも酔わずに済む。
なお、酒は毒物として扱うのであなたがドワーフならセーヴィング・スローに有利を得られる。
これを君かトルチョク、どちらかが酔ってしまうまで行なう。勝っても負けてもトルチョクはいい笑顔で、いやあ久しぶりにいい思いで酒が飲めたと笑う。君が買っていた場合、ご祝儀だと1GPくれる。
この飲み比べで思ったことを書いてみよう。
これまで2回相席をしていたなら、給仕の少女が呼びにくる。「5.順番が来た」へ進むこと。
そうでない場合、部屋の準備ができるまでまだ時間がかかる。「1.店の中」へ戻り、まだ選んでいない者と相席すること。
3.危険な遊戯
黒いヴェールを被ったエルフの貴婦人が、銀のナイフとフォークで血のしたたる分厚い肉を切り分けて食べている。君が対面に腰掛けたのを見ると、彼女は食事を中断し、左手を大きく広げてテーブルの上に乗せると、右手にナイフを握る。そして左手の指と指の間にナイフを刺しては次の指の間に刺す早業を見せると、艶然と微笑む。
「あなたもやってみませんか?」
卓の上にはもう一揃いのカトラリーがある。君が挑戦するようなら、彼女は興味深そうに手元を見つめる。挑戦しない場合、彼女はあなたに関心を失い、彼女は食事に戻る。
この早業に挑戦するなら、難易度12の【敏捷力】〈軽業〉判定に成功する必要がある。失敗したならナイフで挑戦した場合1d4[刺突]ダメージ、フォークで挑戦した場合1[刺突]ダメージを受ける。
成功したにせよ失敗したにせよ、彼女は満足な顔をして「できれば明日もお目にかかりたいものですわ」と微笑む。
彼女との邂逅にあなたは何を思ったのか、記録するのも一興だろう。
これまで2回相席をしていたなら、給仕の少女が呼びにくる。「5.順番が来た」へ進むこと。
そうでない場合、部屋の準備ができるまでまだ時間がかかる。「1.店の中」へ戻り、まだ選んでいない者と相席すること。
4.世間話
ティーフリングの紳士はこのような冒険者がよく来るような店には似つかわしくないほどきちんとした身なりをしている。あなたが相席したことに気づくと、軽く会釈をし、口の端を上げて自己紹介する。
「始めまして。わたくしはアンドレアルフスと申します」
アンドレアルフスは言う。
「わたくし、色々な土地を回って見聞を広めるのを趣味としてまして。ここにもその一環で立ち寄ったのです。あなたも冒険者なら、どうですか? わたくしの世間話を聞いていただけませんか? 何か冒険のタネになるものがあるやもしれません」
君がどう答えるかに関わらず、ドゥレイアは彼が見聞したものの話をする。どのような話かは、「ドゥレイアの話」表から1d6をロールして決めること。
1d6 | ドゥレイアの話 |
---|---|
1 | 「東の海のかなたにあるドワーフの王国では、近頃巨人たちとの間で大いくさがあったとか」 |
2 | 「この街に来る前に立ち寄った草原では、ホブゴブリンがゴブリンたちを煽動しようとしていました」 |
3 | 「はるか北の凍った海には霜の巨人と火の巨人が戦い続けている島がございます」 |
4 | 「西へ参りますと街の中で度々アンデッドが生まれるため、街の者がみな壁の外に避難している街があります」 |
5 | 「北の山地には失われた文明の遺跡がたくさん眠っております。そこにはデーモンの王が封じられている場所もあるとか」 |
6 | 「少し先にある街では海エルフの交易地に行くための定期便があり、護衛の仕事などもございます」 |
ドゥレイアとの話で何か得るものがあっただろうか。書き記してみよう。
これまで2回相席をしていたなら、給仕の少女が呼びにくる。「5.順番が来た」へ進むこと。
そうでない場合、部屋の準備ができるまでまだ時間がかかる。「1.店の中」へ戻り、まだ選んでいない者と相席すること。
5.順番が来た
あなたが店の常連たちと過ごして時間を潰していると、さきほどの給仕の少女がやってきた。
「お待たせ! 部屋の準備できたよ。こちらへどうぞ」
あなたは2階の突き当たりにある部屋へ通され、鍵を渡される。
「変な常連さんばかりだったでしょ? あんたもそのうち慣れるから」
結末
給仕の少女の言いぶりはまるであなたがこれからもここに泊まるような言いようだ。
さて、今日は何かと出来事があって疲れてしまった。日記を書き、休むとしよう。
This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.