ネコぶんこ


2024年11月02日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ガウダ爺さん(2レベル)

今週の小冒険は久しぶりにD&Dで2レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちが滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)では、ドゥエルガルのガウダ爺さんに依頼をして、隣の町へ続くトンネルを掘ってもらっていた。

しかし、約束のトンネルが出来上がってもガウダ爺さんは共同体の者たちにトンネルを開放しない。ドゥエルガルの悪い癖で、細かい部分に凝って作業を終えていないと言い張るのだ。

ガウダ爺さんは引退しているとはいえ昔は冒険もしていて、腕っ節はいい。困った人々は冒険者に依頼をすることにした。

ガウダ爺さんの目を覚まさせ、トンネルを人々に開放させれば冒険は終了である。

冒険への導入

キャラクターたちは滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)の長から呼び出され、依頼を受けてくれないかと頼まれる。

依頼の内容というと、隣の町までの道のりを短縮するためにドゥエルガルのガウダ爺さんに頼んだトンネルが最後の岩盤を掘り崩すだけだというのに、爺さんが細かいところにこだわりだして進まなくなった。生活を便利にするトンネルができるはずだった人々はすっかり困っているので、これをなんとかしてほしいという話だ。

これは説得などで穏便に外に出てもらう他、キャラクターたちの腕っ節で爺さんを強引に外に出させることも考慮の上だと長はほのめかす。

報酬はキャラクターたち全員で100gpである。

1.トンネルの入口

トンネルの入口には度々訪れる里の者をわずらわしく思ったガウダ爺さんが乱雑に材木やら木箱やらを積み重ねて封鎖している。

難易度12の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、雑に積み重ねられたガラクタに細いロープが張ってあり、これを緩ませたりこれに転んだりすれば大きな音が鳴るような仕掛けがあることを見破ることができる。

この仕掛けは難易度10の【敏捷力】判定で解除できる。盗賊道具を持っており習熟している場合、この判定に習熟ボーナスを足すことができる。この難易度に5以上の差で失敗した場合、仕掛けが作動して大きな音が響く。

仕掛けを作動させてしまった場合、トンネルの中にいるガウダ爺さんはまた厄介者たちが入ってきたかと警戒を新たにする。

2.トンネル内部

トンネルはドゥエルガルらしい精巧な仕事で造られている。床は平らで壁はきちんと固定され、そこかしこに暗視を持たない種族のための照明を灯すためのくぼみもある。しかし、まだ火は灯されていないので“暗闇”の空間だ。

しばらく進むと、行き合う人々がすれ違うために作られたのか、少し広くなっている場所がある。「3.広場」へ進むこと。

3.広場

広場に近づくと、そこには真ん中で焚かれている火を囲み、すっかりへばった風なゴブリンたちが4体、酒を飲んでいる。入口の仕掛けを鳴らしている場合、ゴブリンたちは酒も飲まず、しゃんと立っている。ここはたき火があるので“明るい”空間である。

ゴブリンたちはキャラクターが広場まで来ると、「爺さんからどやされるからなあ」と立ち上がり、やる気なさげに刃物を抜いて襲いかかろうとする。

ここでキャラクターたちがゴブリンたちの話を聞こうとしたなら、彼らはガウダ爺さんの下働きをしているが、もうすぐ完成して礼金をもらえると思っていたら、爺さんが色々な場所がまだ完全ではないと言いだし、延々作業を手伝わされるのですっかり疲れているのだと話す。

ゴブリンたちはガウダ爺さんから訪れた者を追い返す仕事も命じられているため、普段はこの広場に待機しているのだ。キャラクターたちがガウダ爺さんを説得に来たと言えば、ゴブリンたちはぜひそうしてくれと道を開ける。

力ずくで進むにしろ、ゴブリンたちに道を譲られたにしろ、「4.ペット」へ進むこと。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー・アーマー、シールド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程15/60m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

4.ペット

またトンネルを進んでいくと、向こう側にかすかに明かりが見える“薄暗い”空間になってくる。ここにはガウダ爺さんのペット、ラスト・モンスターの“おびえ”がうろついている。

“おびえ”は金属製の鎧を着ていたり武器を持っているキャラクターを、餌を持ってきてくれたものと思って人懐っこくすりよってくる。

鉄くずや金属製の物をくれてやれば、“おびえ”はそれを錆びさせて食べることに集中し、それ以上キャラクターたちとは絡まない。

“おびえ”をなんとかしたなら、「5.職人」へ進むこと。

ラスト・モンスター

中型・怪物、無属性


AC:14(外皮)

hp:27(5d8+10)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 13(+1) 2(-4) 13(+1) 6(-2)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


金属腐食:ラスト・モンスターにヒットした非魔法的な金属の武器は腐食する。武器はダメージ・ロールへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ペナルティが-5になると、武器は壊れる。ラスト・モンスターにヒットした金属製の非魔法的な矢弾はダメージを与えた後に破壊される。

鉄嗅覚:ラスト・モンスターは臭いを嗅ぎ、9m(30フィート)以内にある鉄の位置を正確に知ることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

触覚:ラスト・モンスターは1.5m(5フィート)以内に見える非魔法的な鉄の物体を腐食させる。物体が着用あるいは運搬されていない場合、接触すると30cm(1フィート)立方が破壊される。物体がクリーチャーによって着用あるいは運搬されている場合、クリーチャーは難易度11の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、ラスト・モンスターの接触を回避できる。

触れられた着用あるいは運搬されている物体が金属製の鎧あるいは金属製のシールドなら、それはACへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ACが10まで減少した鎧、あるいは+0ボーナスまで低下したシールドは壊れる。触れられた物体が手に持たれた金属製の武器である場合、金属腐食の特性で説明されているように腐食する。

5.職人

トンネルの終端近くでは、ガウダ爺さんが工具を手にトンネルに手を加えている。「何かが足りん、何が足りないのだ?」などと呟いているが、キャラクターたちがやってくると「どうせ里の者たちの使いだろう。奴らはわしをここから引き剥がして手柄を横取りにしようとしているのか?」と疑いの目を向ける。

ガウダ爺さんは「何かが足りない」ことを気に病んでいて、このトンネルを人手に渡したくない状態になっている。もっとも、それは彼の完璧主義と職人気質から来る妄念なのだが説得するのは骨が折れるだろう。【魅力】〈説得〉や、その他の交渉関係技能で話を言い聞かせるための難易度は19になる。この判定は以下の要素が修正となる。

  • ゴブリンたちを腕ずくで排除した(難易度+2)。
  • “おびえ”を腕ずくで排除した(難易度+2)。
  • “おびえ”に餌をあげた(難易度-2)。
  • 石工道具に習熟しているキャラクターが交渉に参加する(難易度-2)。

説得に成功すればガウダ爺さんはトンネルは使える状態にしなければ“生きた”ものにならないと悟り、完成させて引き渡すことに合意する。

説得に失敗したならガウダ爺さんは作業にも使うウォー・ピックを握り、キャラクターたちに襲いかかってくる。

ドゥエルガル

中型・人型生物(ドワーフ)、秩序にして悪


AC:16(スケイル・メイル、シールド)

hp:26(4d8+8)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 11(+0) 14(+2) 11(+0) 10(+0) 9(-1)

ダメージ抵抗:[毒]

感覚:暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉10

言語:地下共通語、ドワーフ語

脅威度:1(200XP)


ドゥエルガルのしぶとさ:ドゥエルガルは毒、呪文、および幻術、さらに魅了状態あるいは麻痺状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。、

陽光過敏:ドゥエルガルは陽光の中では攻撃ロール、そして視覚を利用した【判断力】〈知覚〉判定に不利を受ける。

アクション

拡大(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは1分間、身につけている物や持っている物とともに、魔法的にサイズを大きくする。拡大されている間、ドゥエルガルは大型で、【筋力】を基準とする武器攻撃(攻撃に計算済み)でダメージ・ダイスを2倍にし、【筋力】判定と【筋力】セーヴィング・スローに有利を得る。ドゥエルガルが大型になるための空間がない場合、それは空間に余裕がある場所で最大の大きさに達する。

ウォー・ピック:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、拡大中は11(2d8+2)[刺突]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5(5フィート)あるいは射程9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ、拡大中は9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

不可視化(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは攻撃するか、呪文を発動するか、拡大を使うか、精神集中が解除されるまで、最大1時間(呪文の精神集中のように)魔法的な不可視状態になる。ドゥエルガルが身につけていたり、運搬している装備はすべて透明になる。

結末

ガウダ爺さんを洞窟から出したら、数日後にトンネルは開通する。

ガウダ爺さんを説得してトンネルを完成させたなら、彼からも信頼されてさまざまに助けられたり、逆に仕事を頼まれたりするようになるだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.


2024年11月09日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:開かれた門(2レベル)

今週の小冒険は久しぶりにD&Dで2レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データまわりはCC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちが滞在している共同体で地震があった。それからというもの、共同体の外れでアンデッドを見た話が多発しており、人々は不安になっている。

この異変を起こしたのは、死の神モルディギアンの信者たちである。彼らは死者がいる地下世界の境を開き、地上をアンデッドで満たすことが神の力を増す行ないだと信じているのだ。

一方、モルディギアンの仔とされ地下世界で暮らしていたグールたちは、地上の信者たちの行ないを苦々しく思っていた。彼らの教義では地下世界こそが神の与えたもうた故郷だったからだ。

モルディギアンの信者たちを撃退し、地下世界に通じる門をふたたび閉じればアンデッド騒ぎはおさまり、冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちは滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)の長から集会所に呼び出される。そこには他にも数名の同席者がおり、みな一様に不安そうな顔をしている。

長は彼らを代表し、数日前にこの地では珍しい地震があったが、その後から共同体の外れにある畑や牧場でゾンビやスケルトンが見られるようになった。人々が不安がっているので、どうにかその件を調査して、できれば解決してくれないかと頭を下げる。

報酬はキャラクターたち全員で200gpである。

1.アンデッドはどこから来るの

共同体の人々から情報収集するなら、長やここ数世代この地で仕事をしているエルフの代書屋から「北の山に地下の国へ通じる門があり、死者はそこから地の底へ行き安らぎを得る」という言い伝えがあることを教えてもらえる。

また、畑や牧場で徘徊するアンデッドを待ち伏せし、彼らの足跡を追ってもいい。

この場合、夕刻になると畑や牧場に1d6体のスケルトン、1d6体のゾンビが現われる。彼らを倒すか否かはキャラクターたちの心がけ次第だが、難易度14の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば彼らの足跡を追跡でき、共同体の北にある山地へといざなわれる。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視9m(30フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程24/96m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ゾンビ

中型・アンデッド、中立にして悪


AC:8

hp:22(3d8+9)

移動速度:6m(20フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 6(-2) 16(+3) 3(-4) 6(-2) 5(-3)

セーヴィング・スロー:【判】+0

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:毒状態

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前に知っていた言語を理解できるが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アンデッドの頑健さ:[光輝]あるいはクリティカル・ヒット以外のダメージでゾンビのヒット・ポイントが0になった時、難易度5+受けたダメージの【耐久力】セーヴィング・スローを行なう。成功すれば、ゾンビはその代わりにヒット・ポイントを1まで減少させる。

アクション

叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[殴打]ダメージ。

2.北の山へ向かう途中

北の山までは15km(10マイル)ほどだが、9km(6マイル)ほど進んだところで、キャラクターたちは奇妙な3人組と出会うことになる。彼らはぼろ布でできたフード付きのマントに身を包んでおり、敬虔な巡礼者のようにも見えるが、鼻が曲がるような死臭をまとわりつかせている。彼らは地下世界でモルディギアンを信仰しているグールたちだ。

彼らのうち先頭を行く1人はキャラクターたちを見ると「皆さんは冒険者のようだが、北の山の異変を調査するのか?」と訊ねる。キャラクターたちがそうだと答えるなら、彼は助かった、もしよければ我々の話を聞いてほしいと言う。

キャラクターたちが違うと言ったり無視したりするようなら、「皆さんを冒険者と見込んで頼みがある。北の山の異変を共に解決してほしいのだ」と、大粒のオパールを3つ差し出す。1粒で200gpはする値打ちものだ。

グールたちの話を聞くなら、彼らは自分たちは地下世界でモルディギアンという死者の神を信仰して暮らしているグールであると身の上を打ち明けた上で、以下の情報を話す。

  • 数日前、北の山にあるモルディギアンの聖地に地上の信徒たちがやってきて、死者の国に通じる門を開けてしまった。この時、魔力の乱れで地震が起こった。
  • 地上のモルディギアン信者たちは地上に死者を溢れさせることでモルディギアンの勢力を広げようとする教義を持つ。
  • 地下のモルディギアン信者たちは、地下世界が死者に約束された安寧の地であると説く。
  • 知性を持たないスケルトンやゾンビといった死者たちは、地上の信徒たちに導かれ、徐々に地上世界に解き放されている。
  • 今回の災厄は我々地下世界の住民も困っており、共に地上のモルディギアン信者を倒し、ふたたび門を閉じてくれないだろうか。

ここでグールたちと共闘するか否かはキャラクターたち次第である。もしも報酬を要求するなら、先述のオパール3つが彼らの全財産である。

グール

中型・アンデッド、混沌にして悪


AC:12

hp:22(5d8)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 15(+2) 10(+0) 7(-2) 10(+0) 6(-2)

ダメージ完全抵抗:[毒]

状態完全抵抗:消耗状態、毒状態、魅了状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:共通語

脅威度:1(200XP)


アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:7(2d4+2)[斬撃]ダメージ。目標がエルフあるいはアンデッド以外のクリーチャーの場合、目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに失敗すると、1分間麻痺状態になる。目標は各ターンの終了時に再びセーヴィング・スローを行なえ、成功すれば効果を終了させる。

3.北の山の神殿

グールの一団との話がどうまとまるにせよ、そこから数時間旅をすると石造りの粗末な神殿が見えてくる。もはや地上世界では忘れられて久しい神殿の周囲は丈の高い草が生い茂っているが、近づくと神殿の前庭と内部の草は切り払われ、若干すっきりとしている。

そして、神殿の前庭には地下世界から開放されたスケルトンが10体、ゾンビが10体、うろうろと徘徊している。

神殿の中ではかがり火が焚かれ、詠唱らしい声が聞こえるが、下草が刈り取られて目隠しがなくなっている以上、そこまでたどり着くにはこのアンデッドたちを突破しないと難しい。

グールたちと共闘している場合、彼らは1人あたり合計脅威度が1になるまでの敵を引き受けてくれる。たとえば、グール1人で4体のゾンビかスケルトンを引きつけ、倒してくれるのだ。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視9m(30フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程24/96m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ゾンビ

中型・アンデッド、中立にして悪


AC:8

hp:22(3d8+9)

移動速度:6m(20フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 6(-2) 16(+3) 3(-4) 6(-2) 5(-3)

セーヴィング・スロー:【判】+0

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:毒状態

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:生前に知っていた言語を理解できるが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アンデッドの頑健さ:[光輝]あるいはクリティカル・ヒット以外のダメージでゾンビのヒット・ポイントが0になった時、難易度5+受けたダメージの【耐久力】セーヴィング・スローを行なう。成功すれば、ゾンビはその代わりにヒット・ポイントを1まで減少させる。

アクション

叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[殴打]ダメージ。

4.死者の神の信徒たち

神殿の中には床に造られた石造りの大扉が開け放たれており、その前では扉に向かって何事か詠唱して、腐臭のする香炉を振り回しているモルディギアンの神官(カルトの狂信者)と、彼に従う20人のカルト教団員たちがいる。

キャラクターたちが神殿に入ると、モルディギアンの神官は濁った目で彼らをねめつけ、邪魔をするなら地の底へ贄として放り込んでくれると叫び、香炉を投げ捨てて戦闘態勢に入る。

なお、ここでもグールたちと共闘している場合、彼らは1人あたり合計脅威度が1になるまでの敵を引き受けてくれる。

カルト教団員

中型・人型生物、善ではない好きな属性


AC:12(レザー・アーマー)

hp:9(2d8)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
11(+0) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0) 10(+0)

技能:〈宗教〉+2、〈ペテン〉+2

感覚:受動〈知覚〉10

言語:1つ(普通は共通語)

脅威度:1/8(25XP)


闇への献身:狂信者は恐怖状態および魅了状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[斬撃]ダメージ。

カルトの狂信者

中型・人型生物(任意の種族)、任意の善ではない属性


AC:13(レザー・アーマー)

hp:33(6d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
11(+0) 14(+2) 12(+1) 10(+0) 13(+1) 14(+2)

技能:〈宗教〉+2、〈説得〉+4、〈ペテン〉+4

感覚:受動〈知覚〉11

言語:1つ(普通は共通語)

脅威度:2(450XP)


闇への献身:熱狂的狂信者は恐怖状態および魅了状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

呪文発動:カルトの狂信者は4レベルの術者である。この呪文発動能力値は【知力】である(呪文セーヴ難易度11、呪文攻撃+3)。カルトの狂信者は以下のクレリック呪文を準備している。

初級呪文(無限回):セイクリッド・フレイムソーマタージーライト

1レベル(4スロット):インフリクト・ウーンズコマンドシールド・オヴ・フェイス

2レベル(3スロット):スピリチュアル・ウェポンホールド・パースン

アクション

複数回攻撃:熱狂的狂信者は2回の近接攻撃を行なう。

ダガー:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィートあるいは射程20/60フィート、目標1体。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

5.大扉

地下世界へと続く通路を塞ぎ、死者たちがあふれ出ないようにしている大扉は開かれたままだ。この扉を閉じるには、全員の【筋力】値が100必要になる。グールたちと協力しているなら彼らも手伝ってくれるし、足りないなら地下世界から人手を募ってくれる。

大扉を閉めてしまえば、ふたたび魔術的な儀式が行なわれるまで閉ざされたままとなり、アンデッド騒ぎは終わる。

結末

村へ帰り、北の山の神殿を封印し直したことを話せば、村人たちにも平穏が訪れるだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.


2024年11月16日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:領主がやって来た(2レベル)

今週の小冒険はD&Dで2レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データまわりはCC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちが滞在している共同体の近くに、オークたちが勝手に関所を作った。彼らはそこを通る者たちから通行税を取り立てているため、共同体を訪れる人々が迷惑をしており、行商人が持ってくる物の値段も上がりつつある。

この事件の裏にいるのは“大食らい伯”を自認するオーガ、ホッヘである。彼は貴族趣味に目覚めた“文化的”オーガで、“領民”を“統治”するためオークたちに命じて関所を作らせたのだ。

関所の奥でくつろいでいるホッヘをどうにかすれば冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)は、定期的に街から何人かの行商人がやって来るが、彼らが揃って値上げを始めた。彼らは18km(12マイル)ほど先にオークの野営地ができ、彼らがそこで“通行税”を取り立てるようになったから、物資の値上げをせざるをえないと語る。

共同体の長はその事態を憂い、この勝手に作られた関所の調査と、可能ならば破却するようキャラクターたちに頼み込む。

報酬はキャラクターたち全員で300gpである。

1.関所への道のり

関所への道すがら、キャラクターたちが滞在中の共同体へ向かう人々ともすれ違う。彼らは一様に、オーク1人の重さと釣り合う量で1gpというとんでもない大金(通常、街道や橋の通行料は銅貨数枚である)を税として取られたと嘆いている。彼らは差し迫った用事などでそれを払うしかなかった者たちだが、諦めて帰った者たちも多いと旅人たちは語る。

GMは望むならランダムな遭遇を起こしてもよいだろう。

2.オークの関所

問題の野営地は街道をまたぐように天幕が張られており、その脇にオークたちが寝起きするためのテントがいくつか張られている。そのうちの1つは他のより二回りは大きい。

天幕の近くの歩哨に出ているのはオークが8体である。彼らは訪れた旅人にずだ袋を広げて作った“触れ書き”を両手で見せつけながら読み上げ、オーク1人の重さあたり金貨1枚を請求している。

キャラクターたちが旅人を装って訪れるなら、オークたちは関所の前でキャラクターたちを止め、触れ書きを読み上げ、通るなら天幕で重さを量ると案内をする。

オーク

中型・人型生物(オーク)、混沌にして悪


AC:13(ハイド・アーマー)

hp:15(2d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 12(+1) 16(+3) 7(-2) 11(+0) 10(+0)

技能:〈威圧〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、オーク語

脅威度:1/2(100XP)


猛進:ボーナス・アクションで、オークはそれの見ることができる敵対しているクリーチャーに近づくように、自分の移動速度まで移動することができる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)または9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:6(1d6+3)[刺突]ダメージ。

3.オークのテント群

オークのテントは5つ張られており、その真ん中に二回りは大きなテントが1つある。

ここでは5つのテントについて解説する。

それぞれのテントにはオークが4体寝起きできるようになっており、今は2つのテントで夜勤のオークたちが4体づつ寝ている。テントの中には家財道具などと一緒に、オークのものである金貨が5d6gpずつ置いてある。

そして仕事中でもなく寝てもいない4体のオークたちは、テントの周辺で武器の素振りやダイス遊びなど、思い思いに暇を潰している。

オーク

中型・人型生物(オーク)、混沌にして悪


AC:13(ハイド・アーマー)

hp:15(2d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 12(+1) 16(+3) 7(-2) 11(+0) 10(+0)

技能:〈威圧〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、オーク語

脅威度:1/2(100XP)


猛進:ボーナス・アクションで、オークはそれの見ることができる敵対しているクリーチャーに近づくように、自分の移動速度まで移動することができる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)または9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:6(1d6+3)[刺突]ダメージ。

4.ここで何をするか

歩哨と暇つぶしをしているオークたちはテント群に入ることについては口で咎める程度である。

オークたちに色々と話を聞くなら、彼らは“大食らい伯”ホッヘというオーガに仕えていること。彼は気前よく金をくれるから従っていると、だいたいの事情を話してくれる。

大きなテントに入ろうとした場合、そこには貴いお方がおられると大声で威嚇し、それでも入ろうとするなら力づくで排除する。難易度15の【魅力】〈説得〉などの判定に成功すれば、オークたちはキャラクターたちのことを“大食らい伯”に取り次いでくれる。

5.“大食らい伯”ホッヘのテント

このテントの中にはオーガの“大食らい伯”ホッヘと、彼の侍従であるオーク2体が住んでいる。ホッヘは大量のクッションに埋もれるように座っており、その右手は常に横のテーブルに乗せてある臓物のプディングや芋虫の素揚げ、カブトムシの幼虫のタフィーなどの食事をまさぐっている。

オークたちと揉め事になった後、ホッヘのテントに入るなら、彼はキャラクターたちの狼藉にへそを曲げる。

オークたちに話を通した場合、ホッヘは来客を喜び、テーブルの食事を取り分けるよう侍従たちに命じる。

ホッヘを倒すのは簡単だが、関所について交渉するのなら、ホッヘはこの辺りの“領主”を自認しているので関所を閉鎖することは渋るが、関所の通行料が法外に高いことや、領主ならば領民の交通を平らかにするのも重要な仕事であることを諭し、難易度13(オークと揉め事になっていた場合、難易度は18になる)の【魅力】〈説得〉判定に成功すれば、彼は“話のわかる領主”であるため、その言葉を容れてオーク1人の重さあたり1cpまで通行料を値下げすることに納得する。

オーガ

大型・巨人、混沌にして悪


AC:11(ハイド・アーマー)

hp:59(7d10+21)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 8(-1) 16(+3) 5(-3) 7(-2) 7(-2)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉8

言語:共通語、巨人語

脅威度:2(450XP)


アクション

グレートクラブ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[殴打]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)または射程9/3m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。

オーク

中型・人型生物(オーク)、混沌にして悪


AC:13(ハイド・アーマー)

hp:15(2d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 12(+1) 16(+3) 7(-2) 11(+0) 10(+0)

技能:〈威圧〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、オーク語

脅威度:1/2(100XP)


猛進:ボーナス・アクションで、オークはそれの見ることができる敵対しているクリーチャーに近づくように、自分の移動速度まで移動することができる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)または9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:6(1d6+3)[刺突]ダメージ。

結末

ホッヘを倒すか話をつければ、事件は解決して共同体の人々や旅人に喜ばれる。ホッヘと話をつけたなら、後日、旅人たちをモンスターから守るオーガやオークの話が聞けるだろう。

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