ネコぶんこ


2024年11月02日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ガウダ爺さん(2レベル)

今週の小冒険は久しぶりにD&Dで2レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちが滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)では、ドゥエルガルのガウダ爺さんに依頼をして、隣の町へ続くトンネルを掘ってもらっていた。

しかし、約束のトンネルが出来上がってもガウダ爺さんは共同体の者たちにトンネルを開放しない。ドゥエルガルの悪い癖で、細かい部分に凝って作業を終えていないと言い張るのだ。

ガウダ爺さんは引退しているとはいえ昔は冒険もしていて、腕っ節はいい。困った人々は冒険者に依頼をすることにした。

ガウダ爺さんの目を覚まさせ、トンネルを人々に開放させれば冒険は終了である。

冒険への導入

キャラクターたちは滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)の長から呼び出され、依頼を受けてくれないかと頼まれる。

依頼の内容というと、隣の町までの道のりを短縮するためにドゥエルガルのガウダ爺さんに頼んだトンネルが最後の岩盤を掘り崩すだけだというのに、爺さんが細かいところにこだわりだして進まなくなった。生活を便利にするトンネルができるはずだった人々はすっかり困っているので、これをなんとかしてほしいという話だ。

これは説得などで穏便に外に出てもらう他、キャラクターたちの腕っ節で爺さんを強引に外に出させることも考慮の上だと長はほのめかす。

報酬はキャラクターたち全員で100gpである。

1.トンネルの入口

トンネルの入口には度々訪れる里の者をわずらわしく思ったガウダ爺さんが乱雑に材木やら木箱やらを積み重ねて封鎖している。

難易度12の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、雑に積み重ねられたガラクタに細いロープが張ってあり、これを緩ませたりこれに転んだりすれば大きな音が鳴るような仕掛けがあることを見破ることができる。

この仕掛けは難易度10の【敏捷力】判定で解除できる。盗賊道具を持っており習熟している場合、この判定に習熟ボーナスを足すことができる。この難易度に5以上の差で失敗した場合、仕掛けが作動して大きな音が響く。

仕掛けを作動させてしまった場合、トンネルの中にいるガウダ爺さんはまた厄介者たちが入ってきたかと警戒を新たにする。

2.トンネル内部

トンネルはドゥエルガルらしい精巧な仕事で造られている。床は平らで壁はきちんと固定され、そこかしこに暗視を持たない種族のための照明を灯すためのくぼみもある。しかし、まだ火は灯されていないので“暗闇”の空間だ。

しばらく進むと、行き合う人々がすれ違うために作られたのか、少し広くなっている場所がある。「3.広場」へ進むこと。

3.広場

広場に近づくと、そこには真ん中で焚かれている火を囲み、すっかりへばった風なゴブリンたちが4体、酒を飲んでいる。入口の仕掛けを鳴らしている場合、ゴブリンたちは酒も飲まず、しゃんと立っている。ここはたき火があるので“明るい”空間である。

ゴブリンたちはキャラクターが広場まで来ると、「爺さんからどやされるからなあ」と立ち上がり、やる気なさげに刃物を抜いて襲いかかろうとする。

ここでキャラクターたちがゴブリンたちの話を聞こうとしたなら、彼らはガウダ爺さんの下働きをしているが、もうすぐ完成して礼金をもらえると思っていたら、爺さんが色々な場所がまだ完全ではないと言いだし、延々作業を手伝わされるのですっかり疲れているのだと話す。

ゴブリンたちはガウダ爺さんから訪れた者を追い返す仕事も命じられているため、普段はこの広場に待機しているのだ。キャラクターたちがガウダ爺さんを説得に来たと言えば、ゴブリンたちはぜひそうしてくれと道を開ける。

力ずくで進むにしろ、ゴブリンたちに道を譲られたにしろ、「4.ペット」へ進むこと。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー・アーマー、シールド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程15/60m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

4.ペット

またトンネルを進んでいくと、向こう側にかすかに明かりが見える“薄暗い”空間になってくる。ここにはガウダ爺さんのペット、ラスト・モンスターの“おびえ”がうろついている。

“おびえ”は金属製の鎧を着ていたり武器を持っているキャラクターを、餌を持ってきてくれたものと思って人懐っこくすりよってくる。

鉄くずや金属製の物をくれてやれば、“おびえ”はそれを錆びさせて食べることに集中し、それ以上キャラクターたちとは絡まない。

“おびえ”をなんとかしたなら、「5.職人」へ進むこと。

ラスト・モンスター

中型・怪物、無属性


AC:14(外皮)

hp:27(5d8+10)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 13(+1) 2(-4) 13(+1) 6(-2)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


金属腐食:ラスト・モンスターにヒットした非魔法的な金属の武器は腐食する。武器はダメージ・ロールへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ペナルティが-5になると、武器は壊れる。ラスト・モンスターにヒットした金属製の非魔法的な矢弾はダメージを与えた後に破壊される。

鉄嗅覚:ラスト・モンスターは臭いを嗅ぎ、9m(30フィート)以内にある鉄の位置を正確に知ることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

触覚:ラスト・モンスターは1.5m(5フィート)以内に見える非魔法的な鉄の物体を腐食させる。物体が着用あるいは運搬されていない場合、接触すると30cm(1フィート)立方が破壊される。物体がクリーチャーによって着用あるいは運搬されている場合、クリーチャーは難易度11の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、ラスト・モンスターの接触を回避できる。

触れられた着用あるいは運搬されている物体が金属製の鎧あるいは金属製のシールドなら、それはACへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ACが10まで減少した鎧、あるいは+0ボーナスまで低下したシールドは壊れる。触れられた物体が手に持たれた金属製の武器である場合、金属腐食の特性で説明されているように腐食する。

5.職人

トンネルの終端近くでは、ガウダ爺さんが工具を手にトンネルに手を加えている。「何かが足りん、何が足りないのだ?」などと呟いているが、キャラクターたちがやってくると「どうせ里の者たちの使いだろう。奴らはわしをここから引き剥がして手柄を横取りにしようとしているのか?」と疑いの目を向ける。

ガウダ爺さんは「何かが足りない」ことを気に病んでいて、このトンネルを人手に渡したくない状態になっている。もっとも、それは彼の完璧主義と職人気質から来る妄念なのだが説得するのは骨が折れるだろう。【魅力】〈説得〉や、その他の交渉関係技能で話を言い聞かせるための難易度は19になる。この判定は以下の要素が修正となる。

  • ゴブリンたちを腕ずくで排除した(難易度+2)。
  • “おびえ”を腕ずくで排除した(難易度+2)。
  • “おびえ”に餌をあげた(難易度-2)。
  • 石工道具に習熟しているキャラクターが交渉に参加する(難易度-2)。

説得に成功すればガウダ爺さんはトンネルは使える状態にしなければ“生きた”ものにならないと悟り、完成させて引き渡すことに合意する。

説得に失敗したならガウダ爺さんは作業にも使うウォー・ピックを握り、キャラクターたちに襲いかかってくる。

ドゥエルガル

中型・人型生物(ドワーフ)、秩序にして悪


AC:16(スケイル・メイル、シールド)

hp:26(4d8+8)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 11(+0) 14(+2) 11(+0) 10(+0) 9(-1)

ダメージ抵抗:[毒]

感覚:暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉10

言語:地下共通語、ドワーフ語

脅威度:1(200XP)


ドゥエルガルのしぶとさ:ドゥエルガルは毒、呪文、および幻術、さらに魅了状態あるいは麻痺状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。、

陽光過敏:ドゥエルガルは陽光の中では攻撃ロール、そして視覚を利用した【判断力】〈知覚〉判定に不利を受ける。

アクション

拡大(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは1分間、身につけている物や持っている物とともに、魔法的にサイズを大きくする。拡大されている間、ドゥエルガルは大型で、【筋力】を基準とする武器攻撃(攻撃に計算済み)でダメージ・ダイスを2倍にし、【筋力】判定と【筋力】セーヴィング・スローに有利を得る。ドゥエルガルが大型になるための空間がない場合、それは空間に余裕がある場所で最大の大きさに達する。

ウォー・ピック:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、拡大中は11(2d8+2)[刺突]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5(5フィート)あるいは射程9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ、拡大中は9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

不可視化(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは攻撃するか、呪文を発動するか、拡大を使うか、精神集中が解除されるまで、最大1時間(呪文の精神集中のように)魔法的な不可視状態になる。ドゥエルガルが身につけていたり、運搬している装備はすべて透明になる。

結末

ガウダ爺さんを洞窟から出したら、数日後にトンネルは開通する。

ガウダ爺さんを説得してトンネルを完成させたなら、彼からも信頼されてさまざまに助けられたり、逆に仕事を頼まれたりするようになるだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.