ネコぶんこ


2023年09月02日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:砂塵の宮殿(3レベル)

今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

黄塵の砂漠と呼ばれる砂漠地帯には、かつて栄華を誇った王の離宮が埋もれている。今は魔物の住み家となったそこには、多くの財宝が隠されている。

キャラクターたちが離宮に挑み、宝を得たら冒険は終了である。

冒険への導入

このアドベンチャーは黄塵の砂漠と呼ばれる砂漠地帯にある街から始まる。キャラクターたちは、かつて栄華を誇ったマリヨス王の離宮についての噂を聞く。

マリヨス王の離宮は砂の海に沈んで久しいが、最近、ある冒険者が離宮への地図とおぼしき発掘品を持ち帰った。意外にも、それはこの街から90km(60マイル)ほどの地点にあるらしい。その地図はいつの間にか複製品が流出し、街の人々の多くが知るものになっている。

キャラクターたちも何らかのつてでその地図を手に入れ、マリヨス王の離宮へ挑むことになる。

1.旅路

砂漠は風が強く、身を隠す場所は少なく、水も少ない。片道5日(砂漠の荒れ地は移動困難な地形で、1日18kmしか移動できないものとする)分の水や食料を準備する必要がある。

砂漠の移動中、1日の間道に迷わず移動するには、難易度13の【判断力】〈生存〉判定に成功しなければならない。失敗した場合、1時間かけて再挑戦できる。

2.離宮への入口

90kmの旅を終えたら、近くに砂で黄色く汚れた白い宮殿が見えてくる。その近くには数人の人影が見える。

地面近くに強風が吹いていて砂が巻き上げられているために不利を受けた難易度12の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、その人影がホブゴブリンで、ジャイアント・ハイエナも連れていることがわかる。

ホブゴブリンは全部で4人おり、1頭のジャイアント・ハイエナを従えて宮殿の入口である門を守っている。

彼らを倒してから尋問するなら、彼らはシャーマルゥなる青い竜の世話をしている盗賊の一党で、偶然見つけたこの廃墟をねぐらに定めたところだと言う。

ジャイアント・ハイエナ

大型・野獣、無属性


AC:12

hp:45(6d10+12)

移動速度:15m(50フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 14(+2) 14(+2) 2(−4) 12(+1) 7(−2)

技能:〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:1(200XP)


大暴れ:ハイエナが自分のターンに近接攻撃でクリーチャーのヒット・ポイントを0にしたら、ハイエナはボーナス・アクションとして移動速度の半分まで移動して噛みつき攻撃を行なえる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[刺突]ダメージ。

ホブゴブリン

中型・人型生物(ゴブリン類)、秩序にして悪


AC:18(チェイン・メイル、シールド)

hp:11(2d8+2)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 9(-1)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/2(100XP)


連携打撃:ターンに1回、無力状態ではないこのホブゴブリンの味方がクリーチャーの1.5m(5フィート)以内にいるなら、そのクリーチャーを目標にした武器攻撃がヒットした場合、このホブゴブリンは追加で7(2d6)ダメージを与える。

アクション

ロングソード:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[斬撃]ダメージ、あるいは両手で持っている場合、6(1d10+1)[斬撃]ダメージ。

ロングボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+3、射程45/180m(150/600フィート)、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

3.中庭

壁で囲われた離宮の中庭は砂嵐の影響はなく、枯れかけてはいる泉があり、周辺に緑の草木が生えている。

中庭をまっすぐ進めば一番大きな白い石造りの建物の扉があり、東側には木製の扉がが朽ちた倉庫のようなすすけた石造りの建物がある。

白い石造りの建物の扉には鍵がかかっている。解錠の難易度は盗賊道具を使った難易度12の【敏捷力】判定だ。

白い建物に入るなら「5.離宮のあるじ」、倉庫らしき建物に入るなら「4.宝物庫だった場所」に進むこと。

4.宝物庫だった場所

ここはかつて宝物庫だった場所だ。床には砂と一緒に5gpが散らばっているくらいだが、部屋の奥には立派な宝箱が置かれて、その影には朽ちていない2振りの剣が置かれている。

しかし実はこの宝箱はミミック、2振りの剣はいずれもフライング・ソードで、キャラクターたちの誰かが手を触れた時点で攻撃を開始する。

ミミックはその腹の中に500gpを貯め込んでいる。

ミミック

中型・怪物(変身生物)、真なる中立


AC:12(外皮)

hp:58(9d8+18)

移動速度:15フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 12(+1) 15(+2) 5(-3) 13(+1) 8(-1)

技能:〈隠密〉+5

ダメージ完全耐性:[酸]

状態完全耐性:伏せ状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:2(450XP)


偽装(物体形態のみ):ミミックは動かないかぎり、ただの物体と見分けがつかない。

吸着(物体形態のみ):ミミックは触れたものすべてに吸着する。ミミックに吸着された超大型以下のクリーチャーはつかまれた状態(脱出難易度13)になる。このつかみから逃れるために行なわれる能力値判定には不利を受ける。

つかみの達人:ミミックはそれによりつかまれた状態のクリーチャーへの攻撃ロールに有利を得る。

変身生物:ミミックはアクションを使用し、物体に変身したり不定型な真の姿に戻ることができる。そのステータスはすべての形態で同じである。身につけていたり持ち運んでいる物品は変身しない。死ぬと元の姿に戻る。

アクション

擬足:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:7(1d8+3)[殴打]ダメージ、ミミックが物体形態の場合、目標はその吸着の特徴の対象になる。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:7(1d8+3)[刺突]ダメージおよび4(1d8)[酸]ダメージ。

フライング・ソード

小型・人造、無属性


AC:17(外皮)

hp:17(5d6)

移動速度:0フィート、飛行50フィート(ホバリング)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 15(+2) 11(+0) 1(-5) 5(-3) 1(-5)

セーヴィング・スロー:【敏】+4

ダメージ完全耐性:[精神]、[毒]

状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、石化状態、聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、魅了状態、盲目状態

感覚:暗視60フィート(この半径外は見えない)、受動〈知覚〉7

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


外見偽装:ソードは動かないでいる間、ただの剣と区別がつかない。

魔法抑止が弱点:ソードはアンティマジック・フィールドの範囲内で無力状態になる。ディスペル・マジックの対象となった場合、ソードは術者の呪文セーヴ難易度に対する【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、1分間気絶状態になる。

アクション

ロングソード:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[斬撃]ダメージ。

5.離宮のあるじ

正面にある立派な建物の中には、羽毛入りクッションの上で丸まったブルー・ドラゴン・ワームリングが、3体のホブゴブリンにかしづかれている。

侵入者に昼寝の邪魔をされたブルー・ドラゴン・ワームリングのシャーマルゥは口からパチパチと電撃を散らしながら、不機嫌そうにホブゴブリンたちに戦うよう命令する。

シャーマルゥとホブゴブリンたちを倒したなら、キャラクターたちは部屋にある豪奢な宝箱(これはミミックではない!)から、100pp、3000gp、10000sp、500cpおよび、250gpの陸サンゴの枝を3本を見つけられる。なお、この宝箱も250gp相当の値打ち物である。

ブルー・ドラゴン・ワームリング

中型・ドラゴン、秩序にして悪


AC:17(外皮)

hp:52(8d8+16)

移動速度:30フィート、穴掘り15フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 10(+0) 15(+2) 12(+1) 11(+0) 15(+2)

セーヴィング・スロー:【敏】+2、【耐】+4、【判】+2、【魅】+4

技能:〈隠密〉+2、〈知覚〉+4

ダメージ完全耐性:[電撃]

感覚:疑似視覚10フィート、暗視60フィート、受動〈知覚〉14

言語:竜語

脅威度:3(700XP)


アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:8(1d10+3)[刺突]ダメージおよび3(1d6)[電撃]ダメージ。

電撃のブレス(再チャージ5~6):ドラゴンは長さ30フィートで幅5フィートの直線上に電撃を吐く。範囲内のクリーチャーは難易度12の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら22(4d10)[電撃]ダメージ、成功したら半減ダメージを受ける。

ホブゴブリン

中型・人型生物(ゴブリン類)、秩序にして悪


AC:18(チェイン・メイル、シールド)

hp:11(2d8+2)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 9(-1)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/2(100XP)


連携打撃:ターンに1回、無力状態ではないこのホブゴブリンの味方がクリーチャーの1.5m(5フィート)以内にいるなら、そのクリーチャーを目標にした武器攻撃がヒットした場合、このホブゴブリンは追加で7(2d6)ダメージを与える。

アクション

ロングソード:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[斬撃]ダメージ、あるいは両手で持っている場合、6(1d10+1)[斬撃]ダメージ。

ロングボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+3、射程45/180m(150/600フィート)、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

結末

思わぬところで竜と出会うことになるが、キャラクターたちは竜と戦っただろうか? それとも、宝をあきらめて引き返しただろうか? この竜にまつわる話を続けるのも面白いかもしれない。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年09月09日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:砂に埋もれた墓所(3レベル)

今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

黄塵の砂漠と呼ばれる砂漠地帯には、色々な遺跡が埋もれている。今回キャラクターたちが挑むのは、かつてこの辺りで栄えた文明の司祭が葬られている墓所だ。

墓所にはさまざまな守護者が配置され、司祭その人がアンデッドと化したマミーも住んでいる。キャラクターたちは財宝の噂を聞き、この墓所へ挑むことになる。

キャラクターたちが墓所に挑み、財宝を得たら冒険は終了である。

冒険への導入

このアドベンチャーは黄塵の砂漠と呼ばれる砂漠地帯にある街から始まる。キャラクターたちは、かつて栄えた文明の司祭が葬られている墓所の噂を聞く。

かつて栄華を誇ったマリヨス王の時代、地位のある者たちは遙か未来での復活を信じて自らの死体に防腐処理を行ない、財宝とともに墓所に葬られた。

今回、そのような墓所が砂漠の中で見つかった。見つけたのは駆け出しの冒険者たちだが、既に冒険を済ませて物資も体力も限界が近かったため、その情報を街でキャラクターたちに教えてくれたのだ。

キャラクターたちはこの情報に従って、砂漠を旅して墓所へ向かうことになる。

1.旅路

くだんの墓所は街から50kmほど先だ。砂漠は風が強く、身を隠す場所は少なく、水も少ない。片道3日(砂漠の荒れ地は移動困難な地形で、1日18kmしか移動できないものとする)分の水や食料を準備する必要がある。

砂漠の移動中、1日の間道に迷わず移動するには、難易度13の【判断力】〈生存〉判定に成功しなければならない。失敗した場合、1時間かけて再挑戦できる。

2.墓所の入口と門番

50kmの旅をしたら、砂山のふもとに沈んだ黄色い砂岩の構造物を発見できる。ここが墓所の入口だ。

近づくと四角く切りそろえられた砂岩の建造物があり、閉ざされた一枚岩の扉がある。扉には取っ手ひとつなく、その正面には扉に向かって手を捧げるように上げた石像があり、その足元には朽ち果てた人型生物の頭蓋骨がある。

扉を開ける条件は、この像を今置かれている場所から移動させることだ。しかし、像はガーゴイルで、キャラクターたちが触れると活性化して襲いかかってくる。

ガーゴイル

中型・エレメンタル、混沌にして悪


AC:15(外皮)

hp:52(7d8+21)

移動速度:30フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 11(+0) 16(+3) 6(-2) 11(+0) 7(-2)

ダメージ耐性:アダマンティン以外の非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、あるいは[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、石化状態、毒状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:地界語

脅威度:2(450XP)


外見偽装:ガーゴイルは動かないかぎり、ただの像と見分けがつかない。

アクション

複数回攻撃:ガーゴイルは1回の噛みつきおよび1回の爪で、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

3.回廊

墓所の中の空気は冷たく乾いており、しんとしている。通路の幅は3m(10フィート)、高さは4.5m(15フィート)、照明はなく“暗闇”である。

回廊はまっすぐ奥に続いており、途中で左に折れる通路がある。また、難易度13の【判断力】〈知覚〉判定に成功すると、どこからかすきま風を感じる。難易度15の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、隠し扉を発見できる。GMはすきま風を感じたキャラクターに、隠し扉を見つけるための判定に有利を与えてもよい。

左の通路に進む場合「4.葬祭の間」、奥へ進むなら「6.控えの間」、隠し扉を調べるなら「5.隠し部屋」へ進むこと。

4.葬祭の間

ここは墓所に葬られた者に生者が祈りと供物を捧げるための場所だった。壁には3m(10フィート)四方ほどの未来の国で復活している死者たちの彩色された浮き彫りがある。これを壁面から剥がして持って帰るキャラクターがいるなら、街で2500gpで売ることができる。

浮き彫りと差し向かいには砂岩で作られた祭壇があり、そこには乾燥してボロボロになった花や果物の残骸が敷き詰められている。これらをどけてみるなら、そこにはアクアマリンが散りばめられた黄金製の腕輪がある。これは250gpの値打ちものだ。

5.隠し部屋

隠し扉に鍵や罠はない。扉の中は通路がしばらく続いた先にがらんとした広い部屋があり、砂岩から削り出された棺が安置されている。棺の蓋と本体の間には封印のためか文様の描かれた布きれが貼られており、厳重に封印されているのがわかる。

キャラクターたちが封印を剥がしたなら、棺の蓋を開けてマミーが立ち上がる。このマミーは女性で、ハナシュトラという名を持つこの墓所の主だ。彼女はキャラクターたちのことを未来の国で自分を迎えに来た使者と思うため、主人としての態度を取る。

ハナシュトラはキャラクターたちに副葬品の黄金を気前よく(1人100gp)振る舞うと、自分を未来の国の都へ連れて行くように言う。今の時代は彼女の信仰する教えがいう未来の国ではないが、キャラクターたちがぼろを出さない限り彼らの言うことを信用する。彼女を案内して外界に出るなら、ハナシュトラはキャラクターたちにとって気前のよい後援者となるだろう。

もしキャラクターたちがここは未来の国ではなく、自分たちは遺跡を探索していただけだと本当のことを言うと、彼女は憤慨するが、器の大きいところを見せようと再び布きれを棺に貼って封印するなら危害は加えないと言う。

問答無用でマミーを倒したなら、遺骸は崩れ去り、棺の中には副葬品の2000gpが見つかる。

マミー

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:11(外皮)

hp:58(9d8+18)

移動速度:20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 8(-1) 15(+2) 6(-2) 10(+0) 12(+1)

セーヴィング・スロー:【判】+2

ダメージ脆弱性:[火]

ダメージ耐性:非魔法攻撃による[殴打]、[斬撃]および[刺突]

ダメージ完全耐性:[死霊]、[毒]

状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、毒状態、麻痺状態、魅了状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:生前に知っていた言語

脅威度:3(700XP)


アクション

複数回攻撃マミーは戦慄の視線に加え、腐敗の拳による1回の攻撃を行なう。

腐敗の拳:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[殴打]ダメージおよび10(3d6)[死霊]ダメージ。目標がクリーチャーの場合、難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければマミーの腐敗の呪いを受ける。この呪いを受けている間目標はヒット・ポイントを得られず、24時間毎にヒット・ポイントの最大値が10(3d6)減少する。この呪いで目標のヒット・ポイントの最大値が0になった場合、目標は死に、その肉体は塵と化す。この呪いはリムーヴ・カースやその他の魔法によって解除できる。

戦慄の視線:マミーは60フィート以内の視認できるクリーチャー1体をこれの目標にできる。目標はマミーを視認可能ならこの魔法に対する難易度11の【判断力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗するとマミーの次のターン終了時まで恐怖状態になる。目標が5以上の差でセーヴィング・スローに失敗した場合、同じ間さらに麻痺状態になる。このセーヴィング・スローに成功した目標は、24時間の間すべてのマミー(マミー・ロードを除く)の“戦慄の視線”に対する完全耐性を得る。

6.控えの間

通路の先には広い部屋になっており、四方には石造りの燭台がある。突き当たりには観音開きの扉があり、その手前には魔法円が描かれ、その中には防護のために召喚されているヘル・ハウンドがうずくまっている。

部屋の隅には何体か分の人型生物の骨が積み重ねられている。

観音開きの扉を開こうとすると、キャラクターたちに魔法円の中からヘル・ハウンドが飛びかかり、部屋の隅にある骨が4体のスケルトンになって退路を塞ぐ。ヘル・ハウンドとスケルトンは倒れるまで戦う。

扉の先に進むなら、「7.棺の間」へ進む。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程80/320フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ヘル・ハウンド

中型・フィーンド、秩序にして悪


AC:15(外皮)

hp:45(7d8+14)

移動速度:50フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 12(+1) 14(+2) 6(-2) 13(+1) 6(-2)

技能:〈知覚〉+5

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉15

言語:地獄語を理解できるが話せない

脅威度:3(700XP)


鋭敏聴覚・嗅覚:ヘル・ハウンドは聴覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を受ける。

群狼戦術:少なくとも1体のヘル・ハウンドの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヘル・ハウンドはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(1d8+3)[刺突]ダメージに加え7(2d6)[火]ダメージ。

火のブレス(再チャージ5~6):ハウンドは15フィートの円錐状に火を噴射する。この範囲内すべてのクリーチャーは難易度12の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら21 (6d6) [火]ダメージを、成功すれば半減ダメージを受ける。

7.棺の間

部屋の中にはさまざまなコインが敷き詰められており、その中心に文様が描かれた布きれで封印された木製の棺がある。ランタンを持って入ったら明かりがコインに反射し、きらびやかに輝く。

ここには200pp、4200gp、2000sp、700cpのコインがある。

棺の中には白骨死体が入っており、両手にそれぞれ250gpの黄金の腕輪をつけ、500gpの黄金のサンダルを履いている。

結末

キャラクターたちは財宝を手に入れることができただろうか。あるいは、本当の墓所の主と遭遇してしまっただろうか。

いずれにせよ、この冒険を楽しめたなら幸いである。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年09月16日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:町の防衛戦(3レベル)

今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちが逗留している町に、オークの軍勢が攻め込んできた。キャラクターたちは町の人々に乞われ、防衛戦に参加することになる。

マンモスに乗ったオークの軍勢の大将を倒せば戦いは防衛側の勝利になる。

冒険への導入

キャラクターたちが滞在している宿に、町の人々が駆け込んでくる。地平線の向こうからオークの軍勢がやってきたので、防衛戦を手伝ってほしいという。報酬は1人50gpだ。

キャラクターたちが依頼を受けたら、市門の外に案内される。敵軍がここに迫るまでに倒さねばならない。

1.選択

防衛戦にはキャラクターたちの他にも冒険者と町の衛兵が十数名参加している。

まずキャラクターたちは、市門の側で防衛する隊に入るか、攻撃する斬り込み隊を選ぶ必要がある。防衛隊を引き受けるなら「2.市壁に到達した敵軍」、斬り込み隊に参加するなら「3.突破せよ」へ進むこと。

2.市壁に到達した敵軍

組み分けをして数十分経つと、オークの斬り込み隊が市壁に殺到してくる。ここで守り切らねば、町は彼らに食い尽くされてしまう。他のNPCたちもいるので、キャラクターたちはオーク6体とオーガ2体を相手取ればいい。

オーガ

大型・巨人、混沌にして悪


AC:11(ハイド・アーマー)

hp:59(7d10+21)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 8(-1) 16(+3) 5(-3) 7(-2) 7(-2)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉8

言語:共通語、巨人語

脅威度:2(450XP)


アクション

グレートクラブ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[殴打]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)または射程9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。

オーク

中型・人型生物(オーク)、混沌にして悪


AC:13(ハイド・アーマー)

hp:15(2d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 12(+1) 16(+3) 7(-2) 11(+0) 10(+0)

技能:〈威圧〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、オーク語

脅威度:1/2(100XP)


侵攻:ボーナス・アクションで、オークはそれの見ることができる敵対しているクリーチャーに近づくように、自分の移動速度まで移動することができる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)または9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:6(1d6+3)[刺突]ダメージ。

3.突破せよ

斬り込み隊は敵の前衛を迂回し、側面から敵を崩すのが目的だ。しかし、相手もそれは考えている。そこには遊撃部隊が待ち構えていた。

遊撃部隊のうち、キャラクターたちが相手取る必要があるのは、オークのドルイドであるカエータと、彼女が使役するダイア・ウルフが3体である。

ダイア・ウルフ

大型・野獣、無属性


AC:14(外皮)

hp:37(5d10+10)

移動速度:15m(50フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 15(+2) 15(+2) 3(−4) 12(+1) 7(−2)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:1(200XP)


鋭敏聴覚・嗅覚:このウルフは聴覚および嗅覚に関する【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群れ戦術:少なくとも1体のウルフの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このウルフはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[刺突]ダメージ。目標のクリーチャーは難易度13の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

ドルイド

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:11(バークスキンで16)

hp:27(5d8+5)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 12(+1) 13(+1) 12(+1) 15(+2) 11(+0)

技能:〈医術〉+4、〈自然〉+3、〈知覚〉+4

感覚:受動〈知覚〉14

言語:ドルイド語に加えて任意の言語2つ

脅威度:2(450XP)


呪文発動:ドルイドは4レベルの術者である。呪文発動能力値は【判断力】である(呪文セーヴ難易度14、呪文攻撃+4)。ドルイドは以下の呪文を準備している。

初級呪文(無限回):シャレイリドルイドクラフトプロデュース・フレイム

1レベル(4スロット):エンタングルサンダーウェイヴスピーク・ウィズ・アニマルズロングストライダー

2レベル(3スロット):アニマル・メッセンジャーバークスキン

アクション

クオータースタッフ:近接武器攻撃:攻撃+2(シャレイリで+4)、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:3(1d6)[殴打]ダメージ、両手持ちの場合4(1d8)[殴打]ダメージ、あるいはシャレイリの効果中は6(1d8+2)[殴打]ダメージ。

4.移動型本陣

防衛隊と斬り込み隊により、オークの波は防げた。しかし、そこに地面を震わすような太鼓の音が響く。

それと共に現われるのは、市壁に向かい悠然と進むマンモスと背中に設えられた台の上に乗ったオークたちである。

キャラクターたちがこの“本陣”を攻略しない限り、この町が明日の夜明けを見ることはないだろう。

5.背中に上れ

敵の本陣であるマンモスには、よじ登ることができる。オークたちが乗っている台までは9m(15フィート)の高さがあり、難易度12の【筋力】〈運動〉判定に成功すれば、両手両脚を使ってマンモスにとりつき、移動速度の半分の速度で登攀できる。マンモスは自身にとりついていたり、乗り込んでいたりするキャラクターを攻撃できない。

台座の広さは縦6m(10フィート)、横9m(15フィート)である。

最後の戦場にいるのはマンモスが1体と、その上に乗っているオークが2体、そしてオークの首長であるゼウグ(古強者のデータを使用)だ。

マンモスは自身に近づくキャラクターを攻撃する。オークとゼウグはマンモスの上に登られるまでキャラクターを飛び道具で攻撃し、登り切ったキャラクターと優先的に近接戦を行なう。

オークを倒すとあるじを失ったマンモスはおとなしくなる。

オーク

中型・人型生物(オーク)、混沌にして悪


AC:13(ハイド・アーマー)

hp:15(2d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 12(+1) 16(+3) 7(-2) 11(+0) 10(+0)

技能:〈威圧〉+2

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:共通語、オーク語

脅威度:1/2(100XP)


侵攻:ボーナス・アクションで、オークはそれの見ることができる敵対しているクリーチャーに近づくように、自分の移動速度まで移動することができる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)または9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:6(1d6+3)[刺突]ダメージ。

古強者

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:17(スプリント)

hp:58(9d8+18)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 13(+1) 14(+2) 10(+0) 11(+0) 10(+0)

技能:〈運動〉+5、〈知覚〉+2

感覚:受動〈知覚〉12

言語:任意の言語1つ(普通は共通語)

脅威度:3(700XP)


アクション

複数回攻撃:古強者は2回のロングソード攻撃を行なう。ショートソードを抜いているなら、さらに1回のショートソード攻撃を行なえる。

ロングソード:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:7(1d8+3) [斬撃]ダメージ、両手持ちの場合8(1d10+3) [斬撃]ダメージ。

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:6(1d6+3) [刺突]ダメージ。

ヘヴィ・クロスボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+3、射程30m/120m(100/400フィート)、目標1体。ヒット:6(1d10+1) [刺突]ダメージ。

マンモス

超大型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:126(11d12+55)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
24(+7) 9(−1) 21(+5) 3(−4) 11(+0) 6(−2)

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:6(2300XP)


踏み荒らし突撃:マンモスが少なくとも20フィート直線移動してから同じターンにクリーチャーへの牙の突き刺し攻撃をヒットさせたなら、その目標は難易度18の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。目標が伏せ状態ならマンモスはボーナス・アクションで1回の踏みつけ攻撃を目標に行なえる。

アクション

牙の突き刺し:近接武器攻撃:攻撃+10、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:25(4d8+7)[刺突]ダメージ。

踏みつけ:近接武器攻撃:攻撃+10、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:29(4d10+7) [殴打]ダメージ。

結末

ゼウグを倒せば防衛戦はキャラクターたちの勝利となり、報酬に加えて盛大な宴会が催される。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年09月23日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:竜の大掃除(3レベル)

今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。『鵼の碑』記念ということでちょっと毛色を買えたですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちが逗留している町に、コボルドがやってくる。彼らは自分たちが世話をしているドラゴンが洞窟を掃除する作業員を探していると言い、キャラクターたちを勧誘する。

キャラクターたちがこれを承諾し、ドラゴンの洞窟で掃除を行なったらアドベンチャーは完了である。

冒険への導入

キャラクターたちが滞在している町に、きらびやかな衣装を着たコボルドが数名やってくる。彼らは町の広場で「我らがあるじ、ロフルニス様が洞窟の掃除人を募集しておられる。腕に自信のある者よ来たれ! 報酬は1人あたり金貨100枚を出そう」と布告を行なう。

コボルドたちはキャラクターたちを見つけると「お前たち、腕の立つ冒険者と見える。掃除に来てくれないか?」と声をかけてくる。

コボルドたちに理由を訊ねるなら、冒険者を雇うのはドラゴンの住み家に危険物やモンスターがいるためだと説明してくれる。

ロフルニスはまだ若いヤング・カッパー・ドラゴンで、コボルドたちと共存して洞窟の中にさまざまな物を貯め込んでいるのだという。

1.ドラゴンの洞窟へ

ロフルニスの洞窟は町から40マイルほど離れた、背の低い山が多くある土地にある。町で依頼を受けたならコボルドたちが道案内し、食事なども準備してくれる。

GMは道中でランダム遭遇を起こしてもよい。

2.竜の玉座

ロフルニスの洞窟を訪れると、その周囲にはコボルドが粗末な家を建てている。彼らは竜の洞窟に住むのは畏れ多いことと考えており、その庭先に集落を作っているのだ。

キャラクターたちを案内してきたコボルドたちはここで別れ、集落の者が洞窟の中へと案内してくれる。

洞窟の中は“暗闇”で、南に入口があり、しばらく北へ進むと東西への通路が枝分かれしている。キャラクターたちはまっすぐ北の通路を案内されると、平たい岩の上に体を横たえたヤング・カッパー・ドラゴン、ロフルニスが首をもたげてキャラクターたちに「そなたらが掃除の者か」と挨拶をする。

ロフルニスは「東の部屋には我が財のうち“動くもの”を、西の部屋には“動かぬもの”を置いてある。そなたらには“動くもの”を適当に叩いて“動かぬもの”にし、西の部屋へ持って行き、そこに元からあったものと一緒に整理してくれればいい。次の仕事はそれが終わってから申しつけよう」と言うと、ふたたびまどろみ始める。案内してきたコボルドたちは、キャラクターたちを東の通路へ案内し、鍵のかかっている扉(独自に解錠する場合、盗賊道具を使用した難易度14の【敏捷力】判定が必要)を開ける。

ヤング・カッパー・ドラゴン

大型・ドラゴン、混沌にして善


AC:17(外皮)

hp:119(14d10+42)

移動速度:12m(40フィート)、登攀12m(40フィート)、飛行24m(80フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 12(+1) 17(+3) 16(+3) 13(+1) 15(+2)

セーヴ:【敏】+4、【耐】+6、【判】+4、【魅】+5

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+7、〈ペテン〉+5

ダメージ完全耐性:[酸]

感覚:疑似視覚9m(30フィート)、暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉17

言語:共通語、竜語

脅威度:7(2900XP)


アクション

複数回攻撃:ドラゴンは1回の噛みつきおよび2回の爪で、3回攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:15(2d10+4)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[斬撃]ダメージ。

ブレス攻撃(再チャージ5~6):ドラゴンは以下のブレス攻撃を行なえる。

減速のブレス:ドラゴンは30フィートの円錐状にガスを吐く。範囲内のクリーチャーは難易度14の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければならない。セーヴに失敗したら、そのクリーチャーはリアクションを行なえず、移動速度が半分になり、ターンに1回以上の攻撃を行なえなくなる。さらに、目標はそのターンにアクションあるいはボーナス・アクションのどちらかしか行なえず、両方はできなくなる。これらの効果は1分間持続する。目標はターンの終了時にセーヴィング・スローを再び行なえ、セーヴに成功すれば効果は終了する。

酸のブレス:ドラゴンは長さ40フィートで幅5フィートの直線上に酸を吐く。範囲内のクリーチャーは難易度14の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら40 (9d8) [酸]ダメージ、成功したら半減ダメージを受ける。

3.東の部屋

案内してきたコボルドは「ここの財宝は勝手に動くものが集められている。お前たちの仕事はそれを殴って黙らせることだ」と言い、扉を開ける。

部屋の中には鎧や剣が雑然と積み重ねられている。キャラクターたちが部屋に入ると、それらはふわりと浮き上がり、攻撃を行なおうと近づいてくる。その内容はアニメイテッド・アーマーが2つ、フライング・ソードが5つである。

もしhpが0になる者が出たら、コボルドたちが集落に運んで治療してくれる。

アニメイテッド・アーマー

中型・人造、無属性


AC:18(外皮)

hp:33(6d8+6)

移動速度:25フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 11(+0) 13(+1) 1(-5) 3(-4) 1(-5)

ダメージ完全耐性:[精神]、[毒]

状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、石化状態、聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、魅了状態、盲目状態

感覚:暗視60フィート(この半径外は見えない)、受動〈知覚〉6

言語:-

脅威度:1(200XP)


外見偽装:アーマーは動かないでいる間、ただの鎧と区別がつかない。

魔法抑止が弱点:アーマーはアンティマジック・フィールドの範囲内で無力状態になる。ディスペル・マジックの対象となった場合、アーマーは術者の呪文セーヴ難易度に対する【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、1分間気絶状態になる。

アクション

複数回攻撃:アーマーは2回の近接攻撃を行なう。

叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[殴打]ダメージ。

フライング・ソード

小型・人造、無属性


AC:17(外皮)

hp:17(5d6)

移動速度:0フィート、飛行50フィート(ホバリング)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 15(+2) 11(+0) 1(-5) 5(-3) 1(-5)

セーヴィング・スロー:【敏】+4

ダメージ完全耐性:[精神]、[毒]

状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、石化状態、聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、魅了状態、盲目状態

感覚:暗視60フィート(この半径外は見えない)、受動〈知覚〉7

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


外見偽装:ソードは動かないでいる間、ただの剣と区別がつかない。

魔法抑止が弱点:ソードはアンティマジック・フィールドの範囲内で無力状態になる。ディスペル・マジックの対象となった場合、ソードは術者の呪文セーヴ難易度に対する【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、1分間気絶状態になる。

アクション

ロングソード:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[斬撃]ダメージ。

4.西の部屋

東の部屋にあった武具類を動かないようにしたら、コボルドは西の部屋にキャラクターたちを案内する。ここには東の部屋と同じ鍵がかかっており、それを開けるとそこは棚から物がこぼれ落ち、あふれた財物が床にうずたかく積もった貯蔵庫になっている。

案内のコボルドは部屋の中をうんざりした目で見つめ「お前たちにはここを整理整頓してもらう。ただし、当然ながら銅貨の一枚も持って帰るなよ」と言う。

三方の壁にはそれぞれ『神秘の物』、『祈りの物』、『興亡の物』と彫り込まれており、この部屋にある財宝は元来それで分類されていたのだとわかる。

『神秘の物』に分類されるべき物を目利きするのは難易度15の【知力】〈魔法学〉判定だ。

『祈りの物』に分類されるべき物を目利きするのは難易度15の【知力】〈宗教〉判定だ。

『興亡の物』に分類されるべき物を目利きするのは難易度15の【知力】〈歴史〉判定だ。

これらの物品は大量にあるので、判定に1回挑戦するのに8時間かかる。1回に2人以上のキャラクターが挑戦することで、判定に有利をつけることができる。また、1日に1回、1人だけ、コボルドたちに手伝ってもらって判定に有利をつけることができる。再挑戦は何度でも可能だ。

8時間の仕事が終わったら、コボルドたちは集落で休むことを勧めてくれる。

ここにあるのは、さまざまな時代や文明の古銭が210pp、4000gp、800sp、300cpと、50gpの宝飾品が120個、250gpの美術品が31個である。

5.掃除の終わり

整理整頓が終わると、ロフルニスは財宝の部屋を見てたいそう嬉しげな表情をする。そして、「褒美をとらすぞ」と言うと100gpの入った革袋を人数分、コボルドに渡させる。

報酬を渡すとき、コボルドは「ロフルニス様は財宝を見て、触っているうちにそれを床や別の棚に置きっぱなしにする癖があるのだ。また頼むことになるかもしれぬ」と言う。

結末

ロフルニスの洞窟からの帰りもコボルドたちが町まで送ってくれる。キャラクターたちは町で、善なる竜の覚えめでたき者として一目置かれることになるだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年09月28日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][Ludus] 『円卓騎士異伝』紹介ページ公開

アーサー王と円卓の騎士の時代をプレイするための5eサプリメント『円卓騎士異伝』の紹介ページ公開しましたぁ。

また、夏コミで配ったおまけ本の『付録A:魔物大鑑』も公開したですぅ。


2023年09月30日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ベンターの隧道(3レベル)

今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちが滞在している町の近くには、ベンターの隧道と呼ばれている洞窟がある。昔、ベンターという山師が掘り進めた鉱山らしいが、何が掘れるのか、中がどうなっているか誰も知らない。

実はこの洞窟からは、ミスリルが採掘できる。ベンターは1人でこれを行ない、大もうけをしていたのだ。そして彼は外敵から守るために情報を秘密にし、各所に番人や罠を仕掛けた。何年も前にベンターは死んだが、洞窟の防衛機構は生きている。

財宝があるという噂を聞いたキャラクターたちが隧道に挑み、ミスリルを見つけたら冒険は終了である。

冒険への導入

キャラクターたちが滞在する町の近くに、ベンターの隧道という小さな洞窟がある。ずいぶん昔にベンターという男が掘り進めた洞窟で、今は主もおらずうち捨てられている。

ベンターは愛想が悪いが羽振りはよかったという話が残っており、町では彼は隧道で一山当てたのだと噂され、キャラクターたちが滞在する宿の主も暇なら行ってみてはどうかと提案する。

1.隧道へ

ベンターの隧道は町から16km(10マイル)ほど離れた山あいにある。直接行ける道はないが、近隣の村々を繋ぐ道から外れた場所なので、行くだけで冒険になる場所ではない。

GMは旅の途中にランダム遭遇を起こしてもよい。

2.入口

ベンターの隧道の入口は、扉で塞がれている。扉は金属製の枠に木を打ち付けたもので、主が去ってからこの洞窟に人が入らないよう守り続けている。

扉の金属部は腐蝕が進み、鍵穴も錆で埋まってしまっているため、力ずくで壊すしかない。扉のACは15、hpは18。【筋力】判定でこじ開けるなら難易度は16である。

3.細い通路

隧道の幅は3m(10フィート)、高さも3m(10フィート)、照明はない“暗闇”である。

通路はゆるやかに下りながらまっすぐ続いている。途中にいくつか岩がごろりと転がっているが、これらのうち2つは擬態したつがいのグリックである。彼らは隧道が塞がれてからは小さな虫などで飢えをしのいでいたので、キャラクターたちが通り過ぎようとすると喜び勇んで襲いかかってくる。

グリック

中型・怪物、真なる中立


AC:14(外皮)

hp:27(6d8)

移動速度:9m(30フィート)、登攀9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 14(+2) 11(+0) 3(-4) 14(+2) 5(-3)

ダメージ耐性:非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉12

言語:-

脅威度:2(450XP)


石への擬態:グリックは岩がちな地形での【敏捷力】〈隠密〉判定に有利を得る。

アクション

複数回攻撃:グリックは触手で1回の攻撃を行なう。それがヒットしたなら、グリックは同じ目標にくちばしで1回の攻撃を行なえる。

触手:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[斬撃]ダメージ。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

4.休憩所

通路を下ると天井は低いままだが、縦横18m(60フィート)ほどの部屋がある。

この部屋の隅にはベッドロールが3組とランタン、樽がいくつか置いてある。樽の中身は空のものもあるが、干した果物や穀物が底に少しだけ残っているものもある。

この部屋を調べるなら難易度10の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、ベッドロールの近くに帳面が落ちており、そこには「3回目の調査でようやく有望な鉱脈が見つかった」、「あのバカ兄弟にはうんざりだったが、見つかればこっちのものだ」、「あいつらの始末をした、番人も呼んだ、すべて上手くいった」、「4回目の調査、失敗。ここはもう潮時か」と書かれているのを読み取れる。

通路は一旦ここで途切れ、壁に穿たれた4本の通路に枝分かれしている。一番左の通路、左から2番目の通路、一番右の通路に行くなら「5.外れの突き当たり」へ、左から3番目の通路に行くなら、「6.さらなる扉」へ進むこと。

5.外れの突き当たり

通路は30m(100フィート)ほど進むと横に少しずつ掘られているが、そこで終わっている。ここは外れだったようだ。

6.さらなる扉

この通路は60m(200フィート)ほど先があり、突き当たりには木造りの扉がある。その前にはとても不機嫌そうな顔をしたひげ面の悪魔、ビアデッド・デヴィルが1体と、その傍らに青白い顔をした非実態のアンデッド、スペクターが2体いる。キャラクターたちが来たら悪魔は口で地獄語の悪態をつきながらグレイヴを構え、スペクターたちは抗議するような恨めしそうな顔で近づいてくる。

通路を立ち去るようならモンスターたちは追撃してこない。奥の扉に鍵はかかっていない。

スペクター

中型・アンデッド、混沌にして悪


AC:12

hp:22(5d8)

移動速度:0フィート、飛行50フィート(ホバリング)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
1(-5) 14(+2) 11(+0) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

ダメージ耐性:[酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴]、[冷気];非魔法的攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

ダメージ完全耐性:[死霊]、[毒]

状態完全耐性:気絶状態、拘束状態、消耗状態、石化状態、つかまれた状態、毒状態、伏せ状態、麻痺状態、魅了状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:生前に知っていた言語すべてを理解できるが話せない

脅威度:1(200XP)


非実体移動:スペクターはクリーチャーや物体の占める空間を移動困難地形として通り抜けることができる。物体の中でターンを終えたなら、5(1d10)[力場]ダメージを受ける。

陽光過敏:陽光の下で、スペクターは攻撃ロール、視覚による【判断力】〈知覚〉判定に不利を得る。

アクション

生命力吸収:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(3d6)[死霊]ダメージ。目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、ヒット・ポイント最大値を受けたダメージと同じだけ低下させる。この低下は目標が大休憩を終了するまで持続する。この効果によって最大ヒット・ポイントが0以下になった場合、目標は死亡する。

ビアデッド・デヴィル

中型・フィーンド(デヴィル)、秩序にして悪


AC:13(外皮)

hp:52(8d8+16)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 15(+2) 15(+2) 9(-1) 11(+0) 11(+0)

セーヴィング・スロー:【筋】+5、【耐】+4、【判】+2

ダメージ抵抗:[冷気];非魔法的な銀製のもの攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]、[火]

状態完全耐性:

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉10

言語:地獄語、テレパシー120フィート

脅威度:3(700XP)


悪魔の瞳:魔法の暗闇はデヴィルの暗視を阻害しない。

堅忍:視認可能な味方のクリーチャーが30フィート以内にいる限り、デヴィルは恐怖状態にならない。

魔法抵抗:デヴィルは呪文およびその他の魔法効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:デヴィルは1回のひげおよび1回のグレイヴで、2回の攻撃を行なう。

ひげ:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ1分間毒状態になる。これによって毒状態になると、目標はヒット・ポイントを回復できなくなる。目標はターンの終了時毎にふたたびセーヴィング・スローを行なうことができ、それに成功したら効果を終了する。

グレイヴ:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い10フィート、目標1体。ヒット:8(1d10+3)[斬撃]ダメージ。目標がアンデッドあるいは人造以外のクリーチャーなら、それは難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、地獄の傷によりターンの開始時に5(1d10)ヒット・ポイントを失う。デヴィルによる攻撃が傷を持つ目標にヒットするたび、傷によるダメージは5(1d10)増加する。クリーチャーは1回のアクションで難易度12の【判断力】〈医術〉判定を行ない、傷を塞ごうと試みることができる。目標が魔法による治癒を受けると、傷は閉じる。

7.ミスリルの小部屋

扉の先には9m(30フィート)四方ほどの部屋があり、ツルハシや金槌が置かれている。壁面は薄く光る青白い金属が露出している。難易度12の【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、これが伝説の金属、ミスリルの鉱脈だとわかる。

ここで採掘を行なえば、あと5000gp分のミスリルを掘ることができる。

結末

キャラクターたちは隧道の真実にたどり着けただろうか。そして、そこにあった財宝をどう活用するだろうか。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。