ネコぶんこ


2014年10月01日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] Windows 10発表によせて

Windows 9だと検索性やバージョン問い合わせ周りがいろいろよくないのかWindows 10になった新しいWindowsが発表されたけど、もっとも長くサポートされたWindowsはWindows 1.0というネタを思い出したですぅ。


2014年10月02日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『アルドノア・ゼロ』と『ウルトラマン

先日第一期が終わった『アルドノア・ゼロ』は観進めるごとに、戦闘についてはエピソード毎に襲ってくるユニークな能力を持つ怪獣にどう立ち向かうかを描く『ウルトラマン』フォーマットの作品だと強く感じたですぅ。

アルドノア・ゼロ』はこの『ウルトラマン』フォーマットでデウス・エクス・マキナであるウルトラマン役を担っている伊奈帆の印象を薄く、しかし決めるところは決める造形にすることで、科特隊の隊員に相当する脇役たちと同じ高さまで降ろし、周辺の人間模様も含めて描くことを意図しているようですぅ。この人間模様を描く面で見た場合、先頭と関連させることで伊奈帆は人間味に欠けるととられやすいマイナス面を持たせられ、それが個性になるという仕掛けですぅ。

一方、火星騎士のカタフラクトは毎回独自の攻撃方法と弱点を持っていてバリエーション豊かな怪獣を思い起こさせるものになっていたですぅ。そして怪獣の場合、そういう生き物だからしょうがないで済ませられるわざわざ弱点を露出したり不利な状況でもごり押しするような真似は、火星騎士は全般的に人格が問題ある人ばかりだということになっていて、これはどうかと感じる人も多そうだけど、結果的にドラマを動かしたり視聴者を引きつける力にはなっていた印象がありますぅ。

第二期でもこの『ウルトラマン』フォーマットを続けるかどうかはわからないけど、火星騎士のカタフラクトはあれだけ動かしてだいたい二話で屠られるのが実に贅沢な造りしてると感じ入りましたぁ。


2014年10月03日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] モトローラの系譜

今日はつらつらX68kの乗り換え先としてMacを選んだけどPowerPC離脱で路頭に迷ったモトローラスキーの人も多かったんじゃろうかと考えていたですぅ。


2014年10月04日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 割れてしまった

雑に扱いすぎて液晶面を割ってしまったKindleだけど、セッションのときくらいにしか使っていなかったというのにないのはないで物足りないから消灯後読書にも使えそうなKindle Paperwhiteにしようか次世代まで待つかと足踏みしてるですぅ。


2014年10月05日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『Gのレコンギスタ』「謎のモビルスーツ」、「G-セルフ起動!」

先行配信で第三話まで観ていてそこまでがセットだという先入観があるのかもしれないけど、Gレコは第一話をまるまる世界のおおまかな説明をしてG-セルフが起動して〆、第二話で周辺状況についてもう少し込み入った話をしながら、ベルリがうっかり人を殺してしまってそれを背負って冒険へのきっかけにすると、富野監督にしてはゆっくりと説明と展開をしている印象を受けたですぅ。

セル画風のフィルタかけてるみたいなところからも監督が少年時代に思い描いていた大らかな空想科学冒険譚にしたいような雰囲気を受け取ったけどどうなることやらですぅ。

それにしてもノベルはかわいいですぅ。


2014年10月06日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 微サイバーパンク

湿布のことも“一時的に痛みを忘れるための経皮型ドラッグパッチ”と表現すればほんのりサイバーパンク風味に浸れそうな今日この頃ですぅ。


2014年10月07日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 車輪を潰す覚悟はない

コードは私ひとりが読み書きできればいい程度の小さな開発ツールがあるけど、ほしいものが出てきたら継ぎ足し継ぎ足しとやっていたらどうもとっちらかってしまい、仕様(ソース)読みながらツールを使う状態になっているけど一から再検討するのはめんどくさい今日この頃ですぅ。


2014年10月08日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] MUSIC BOX

以前NHKで深夜に当時のニュース映像に乗せて流行歌を流していた番組があり、それに昔のゲームセンタやらWindows 95発売の様子が入っててまた観たいと検索してMUSIC BOXという番組名はわかったけど、もう放送をしてないしNHKオンデマンドにも登録されてないようでゲンナリですぅ。


2014年10月09日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『神撃のバハムート GENESIS

予告の雰囲気がよくてアフロも気になったから 『神撃のバハムート GENESIS』を観たですぅ。背景の大道具まで豪快に使った殺陣から細々とした小物類までをしっかりと描いた上にわかりやすい話を載せているのが好感触だったですぅ。


2014年10月10日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 鉄路の記憶

Google Mapsで航空写真を眺めてると、廃線になった鉄道の痕跡は結構目立つものだと認識できるですぅ。


2014年10月11日 [長年日記] 編集

§ [DnD][3.5e] 世界が弱いのではなく諸君が強い

DnDの特に3.5eは特技や呪文、クラスなどの膨大なデータを投入して読み込むほどにPCを強くすることができるので『モンスター・マニュアル』に掲載されているクリーチャは盛り盛りのPC相手だと役者が足りないことが非常に多い(『モンスター・マニュアルIII』、『Monster Manual IV』、『Monster Manual V』などは割と頑張れる)のでDMをする方はデータで苦慮したり時間をかけたりすることが多いかもしれないですぅ。

私も一時期そういう状況に陥ってそこらへんの遭遇でもクリーチャの特技を組み替えたりしていたけど、今回の見出し通り、世界(MMの標準的なデータ)が弱いのではなくPCが強すぎるのだから楽勝は当然だと開き直り、力を入れたいクリーチャのデータや遭遇だけに手間隙を注ぎ込むことでDMをやる上での精神的負担やかける時間が減り、気が楽になったですぅ。

これはプレイヤにとってもPCがその世界でどれだけ強いかを表現するアピールタイムになるからお互いに悪くない考えだという感触があるので、データ作るのが面倒なマスタの方の参考になれば幸いですぅ。


2014年10月12日 [長年日記] 編集

§ [NOVA] 2014年10月12日「Cross The Line」

御堂アキラ(30・♂・カブト●、クグツ◎、カブトワリ):千早重工後方処理課所属の工作員。鍛えられた肉体にサングラスをかけ、全身義体に搭載兵器を担ぐタフガイ。社に絶対の〈忠誠〉を誓う根っからのクグツだが、メロディには温かみのあるものを感じている。プレイヤはアシタカ氏。

クルス・和人(?・♂・バサラ、フェイト◎、クグツ●):N.I.K.本部づきの探偵で、異能力を使い表沙汰にできないような事態を処理するプロフェッショナル。今回は佐村和也からの依頼で、メロディのワールド・ツアーでのトラブルシュートを頼まれた。プレイヤは隠者氏。

ニコライ・葛木(?・♂・カゲ、レッガー●、イヌ◎):北米産まれの警察企業、Lone Star N◎VA所属の警官。今回は北米から出てきた連続殺人鬼アイコンブレイカーの確保を社とケルビムから命じられる一方、副業のダフ屋でも一儲けを企んでいる。プレイヤは森聖氏。

セフィロス(16・♂・カブキ◎、ミストレス、ニューロ●):あれから一年。ハイスクールにも通い出し、ある意味一番変わった少年。だが、ウェブでは変わらずニューロなアイドルに楽曲や演出を提供し続け、メロディのツアーにも仕掛け人として参加することに。プレイヤは荒原の賢者氏。

永遠の詩――The Song Remains The Same――」事件から数年(?)後、ニューロエイジのスターダムを駆け上がったメロディは世界のプレックスを巡るワールド・ツアーへ旅立つことになり、それぞれ因縁を持つキャストたちも同行することになったですぅ。

巡回する都市では個性豊かなアイドルたちとのLIVEバトルや事故をバズーカやAR演出で乗り切り、殺人者や彼を操る存在も舞台から奈落へ落としたりバズーカで吹き飛ばしてと、ショウビズらしくバズーカ大活躍のアクトだったですぅ。

一方でニコライは最終目的地のミトラスGARDENへ向けてスラム街のダフ屋を掌握するなど暗躍して、犯人も制圧しながらちゃっかり小銭を儲けていましたぁ。

セフィロスもセフィロスで各地のアイドルに顔を売り込み、プロデューサとしての辣腕を発揮していたですぅ。

アウターエッジ』から続くこのメロディ三部作は、無垢なメロディにキャストが接して返答せざるを得ない状況へと追い込み、彼らの厚みや引き出しを増やして結果的にキャストを立たせる作りになってるのがよくできていたですぅ。


2014年10月13日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『Gのレコンギスタ』「モンテーロの圧力」

キャピタルをG-セルフが飛び出して導入篇が終わり、という趣きの回だったですぅ。ベルリの親子関係なんかも描写しつつ、G-セルフに乗ってしまったベルリが七光りも意識しながらも自分だけができる自負を持ってそれを動かし、クンパ大佐もそれを利用させてもらってるという関係がうまいこと描写されてましたぁ。

カーヒル大尉を殺した負い目や戦闘のどさくさもあってベルリが成り行きで海賊に行く序章部分をこの三話使ってゆっくりと描写して地盤を固めてきた印象があるですぅ。


2014年10月14日 [長年日記] 編集

§ [Ludus][Liber] Troy ChristensenPhantasm Adventures IV: GameMaster Guide

ファンタズム・アドベンチャー』の第四版にあたる『Phantasm Adventures IV: Character Guide』の続刊で、GM用ガイド『Phantasm Adventures IV: GameMaster Guide』が発売されましたぁ。これでシナリオを作ってプレイしていくことが可能になるですぅ。


2014年10月15日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] あの壺

今日は九州国立博物館の特別展『台北 國立故宮博物院 - 神品至宝 -』に行ってきたですぅ。書画をはじめとした文物は実にすばらしかったけど、なかでも汝窯青磁の美しさには目を奪われましたぁ。

それはそうと、JR二日市駅から西鉄二日市駅までかなり歩くことや、大宰府駅から博物館までも結構歩かされるのは誤算だったですぅ。


2014年10月16日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 力強いお菓子

マルセイバターサンドの角ばった重量感や力強さは、あれを燃料棒と呼びたい気分にさせてくれるですぅ。


2014年10月17日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] すくりーん

iMac Retina 5Kディスプレイモデルの解像度がどれくらいすごいかといえば、MSXの130画面以上、PC-9801の56画面以上と表現するのが一定年代以上の人々にはわかりやすそうですぅ。


2014年10月18日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~クライマックスフェイズ:シーン13(戦闘前)』

クライマックスフェイズ:シーン13(戦闘前)・颯爽登場(銀次郎)

屋形船の中には欲得にまみれた本性を現した二挺拳銃の中山。船尾には蛇腹にのたうつ太刀をぞろりと構えた金剛童子。

張り詰めた二対二の対峙を破ったのは、水音であった。 においと気配を消すため水中で様子を窺っていた銀次郎は狩りの好機を感じ、船端へ跳ぶ。

「やっぱり隠れていやがったか。八刃破り」

金剛童子は半身と片目で銀次郎を見やると、ぞろり、と蛇腹の剣を這わせた。

狼と変じたその身の銀毛は総毛立ち、口からはもうもうと怒気含みの湯気が立ち昇る。

「渡辺の仇、討たせてもらうぜ拝み屋……いや、金剛童子!」

片や鬼面に甲殻質の鎧を纏った男、片や人の言葉を紡ぐ口を持つ狼。いずれ負けず劣らぬ異貌異相である。

そのやり取りを呆然と見つつ、十五郎は刀を握った。もはや迷いは何ひとつなかった。彼にとっていかなる難事も所詮は刀で斬れるか、斬れないかそのふたつのみ。

そして、妖異は刀で斬りうる難事と知れた。ならば、身に覚えた業が結末をもたらす。それだけのことなのだ。

異形とは外面だけではない。

「師匠、この身に刻んだ天獄流、妖異の肉身に通じるか、試してご覧に入れましょう」

妖異は切れる。そう直観し、体を動かした十五郎もまた、江戸の夜を駆ける異形にふさわしい者だった。

次々と登場する英傑を前に、しかし金剛童子は余裕綽々の様子だった。

金剛童子/GM:「鬼神衆や妖怪ってェやつらはつくづく便利だよ。何しろお上からすれば“いない”奴らだからなァ」

三日月:「そうねぇ。だから、ココで居ないはずの化け物が天狗様達に斬られても、罪には問われない。ですよね、平賀の旦那」《天狗変》して上空から登場。

空から羽が舞い落ち、艶な女天狗が船に降り立つ。

「何を言い出すかと思えば! 皆さんは“いない”者がどちらか解っていないようだ」

全員揃った英傑から得物を向けられていることに気づいた中山は、引きつったように甲高い笑いを上げ始めた。

中山/GM:「これからはこれと」そう言って銃をちらつかせる。「金がものを言う時代なのですよ。やっとうや仁義がものを言う時代などとうに終わっています」

GM:ここで中山が《一件落着》を効果を宣言します。この戦闘中、役人が毎ラウンド増援にかけつけます。これを阻むには《一件落着》による相殺が必要となります。

貞親:「中山殿、貴方は蘭学の基礎がわかっていない。蘭学の根本は観察だ。状況は行為者が決めるんじゃない、結果に表れるんだ。そのことによってのみ『う゛ぃてんすかっぷ』は正しい回答を得られる」

中山/GM:「減らず口を! ならば私が“正しい”観察者となればよいだけ」

三日月:「中山! 金がモノを言う“時代”だと! 貴様のような小悪党風情が“時代”を語るな!」天狗様の怒りと共ににわかに空がかき曇ると、黄龍の姿が雷とともに。

貞親:「自分で結果を導くのは観察者の為すことではない。その時点で貴方は“正しく”ない。三日月殿の言った通り、お前の語るような“時代”は来ない」雷鳴の中で何故か声が通る。

三日月:《黄龍顕現》し、中山によって集められた火盗の役人が“初めから居なかった”事象に再収束します。

GM:了解。戦闘中の増援は無くなります。そして、PC全員に【宿星:毘沙門組を倒す】を与えます。また、橋の上からはもうひとつの可能性が。

お倫は力一杯、愛しい人が着けていた面を投げていた。

彼の遺志を継いで戦う英傑たちに。

十五郎は軽く手を上げ、それを掴む。

少し優しげな彫りの鬼面には、確かな温もりがあった。

お倫/GM:「あの人の無念、晴らしてください!」

十五郎:「充殿、あんたの無念。俺たちが晴らす!」

GM:この面で《天佑神助》を1回使えます。

金剛童子/GM:「滑稽だねェ。人を護ろうが、人を殺めようが、所詮鬼と蔑まれるだけだというのに」

銀次郎:「抜かせ外道。例えこの身は人にあらねども、渡辺も俺も、心まで鬼畜生と成り果てた覚えはない!」

金剛童子/GM:「どうせ鬼と蔑まれるなら、一番上手い汁を吸える場所に立つのが頭のいいやり方ってえもんですヨ」

十五郎:「蔑まれている、なんて思ってなかったんだよ。あの人達はな。そこが、おまえら外道とはちがうってことだ」

そう言い切った重五郎に向き直りつつ、「所詮鬼は鬼、陽の当たる場所は歩けねェ」憎悪の相も露わに金剛童子は言葉を搾り出した。

「どれだけ取り繕ったところで、英傑も羅刹も外から見れば同じ鬼なんだよ」

柄が震え、船端に巻き散らかされた剣の蛇腹が餌を求める蛇の仔のような音を、立てた。


2014年10月19日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『Gのレコンギスタ』「カットシー乱舞」

クラウンが塗りなおされたりアーミィのお披露目にチアが動員されるなど、徐々に雰囲気が変わっていく様子を描くのが富野監督の持ち味だと感じさせられた回だったですぅ。

カットシーはてのひらが膨張色だから細かい動きがわかりやすくて面白かったですぅ。

それはそうとノベルはかわいいですぅ。


2014年10月20日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~クライマックスフェイズ:シーン13(1ラウンド目)』

クライマックスフェイズ:シーン13(1ラウンド目)

GM:エンゲージは中山と役人(剣客相当)4モブ、10m離れてPCたち、逆方向に5m離れて金剛童子と毘沙門組(下級羅刹相当)2モブです。

十五郎:そうだった、挟み撃ちされてんだっけ。

銀次郎:どう攻めるかというところですね。

GM:では、1ラウンド目のセットアッププロセスです。

GM:敵は金剛童子が行動値12で《鬼神変》を使い、先ほど銀次郎の咆哮で割られた面を再生させ、全身の肉と骨が弾けるような音がしてむくむくと背筋を伸ばし、六尺を超す巨漢へと変身します。中山や他の敵は行動なし。

十五郎:どれから潰しましょう?

三日月:数は力だし、中山の周囲にいる役人潰しますか?

銀次郎:ですね。

十五郎:了解。

貞親:ですねー。数が怖い。

十五郎:十五郎は中山狙いに突っ込んでいきますから、《陣形構築》で前にでるといいのかな?

貞親:マイナーアクション分行動が浮きますね。で十五郎を動かします。

GM:では、イニシアチブプロセスで中山が奥義を宣言します。三日月のターゲットスコープに高エネルギー反応。

「私が何の策も弄していないとお思いか?」

中山が片手を挙げると、橋の上や川辺に伏せていた火盗の役人が一斉に動く。彼らは新式のヤーゲル銃で武装し、英傑たちを狙っていた。

「ここは既に我らが囲みの中」

中山/GM:《鎧袖一触》を使い、このラウンド中、中山たちの行なう攻撃のダメージを全て〈神〉属性に変更し、ダメージを+2D6します。

銀次郎:キャンセルしとかないと怖いかもしれません。

貞親:手数が多いんで消しといた方が安心度高いですね。

三日月:《破邪顕正》を打ち、中山の奥義を打ち消します。「悪いが、貴様のような存在を歴史に残すわけにはいかん!」というわけで、背後の火盗をガーンズバック連続体の向こうへ飛ばします。

中山/GM:「……馬鹿な!」

貞親:改めてこちらから《鎧袖一触》。「私がこの場で備えをしていないと思うかね?」ぱぁん、と手を打ち鳴らすと頭上の橋の上に奉行所の岡っ引きたちが。攻撃に遭わせて何かしら投擲して援護してくれるということで。

中山/GM:「やはり考える事は同じですか」上に向かって合図の銃声を響かせると、そっちに火盗の捕り方が向かって乱闘を始める。という演出で《破邪顕正》。

貞親:「考えることが同じなら、後は信頼性の問題だ」三日月に《天佑神助》。

三日月:「そういうこと。ここまで考えるのが知略と言うものですよ、ねぇ平賀の旦那」《破邪顕正》して事象を一時的に巻き戻します。

貞親:「頭の回転が早い人がいると助かるな」

GM:奥義の応酬は終わりですね。貞親の《鎧袖一触》は通りました。

十五郎:「なんか目まぐるしいな」と舟の上でニヤリ笑い。

三日月のメインプロセス

三日月:「……さて、中山様。奥の手がここまでなら、改めて。天狗の怒りというものを、目に焼き付けてお逝きなさい!」マイナーアクションで《地を薙ぐ者》。ウージーは範囲(選択)なのでダメージ+3。メジャーアクションで《コンバットシューティング》。中山と役人4モブが対象で達成値12。中山には《殲滅者》でファンブル値+1。

GM:役人は全員回避しましたが、中山には命中です。

三日月:「くっ!歴史の修正力が強い! ……だが、中山!貴様だけは歴史が許さなかったようね!」

GM:役人Aはこのラウンドの行動を破棄して中山をかばいます。

三日月:ダメージは《悟入:魔縁》と《天狗身:烈風》でダイス2つ追加でさらに+2D6なので……35点。

GM:役人Aが倒れます。

三日月:「済まない狒々男……中山斬るまで死ぬんじゃないよ!」

金剛童子のメインプロセス

GM:次のイニシアチブプロセスで金剛童子が吼える。

十五郎:金剛童子が先か。

金剛童子/GM:「できればここでこんな大仕掛けはしたくなかったんですがねぇ!」《天佑神助》で中山の《鎧袖一触》を復活させ、即座に使用させます。

三日月:そのとき、充の仮面が共鳴し、再び金剛童子の面にヒビが入る。充の最期の遺志の放つ《天佑神助》が、天狗のもつ《破邪顯正》を呼び起こしたのだ。

十五郎:「新太の親父さんが、お前達の悪行を許しはしない、そう言ってンだよ!」

銀次郎:「鬼神衆の力、見くびったな金剛童子!」

金剛童子/GM:「ぬゥ」金剛童子はマイナーアクションで銀次郎、貞親、三日月のエンゲージに移動し、メジャーで三日月に剣を振りかぶり「伸びろ!」と叫ぶや蛇腹の剣を繋ぐ鎖を開放して鞭のように周囲をなぎ払います。《広大無辺》でPC全員を対象に。達成値14。

三日月:回避。

十五郎:十五郎、回避。

銀次郎:よし、回避。

貞親:むぐぐっ。1足りない。

三日月:じゃ、《未来の記憶》でダイス目を+1する。『特異点解放! 波動関数の収束結果改編』と、ターゲットスコープの下に文字が出ます。で、特異点カウンターが一減り、残りふたつ。

GM:ここで中山が銀次郎の足元に威嚇射撃して《漆黒の波動》。ダイス目を-2して達成値を12に落とす。

銀次郎:ダメージくらいましょう。さぁ、来い!

金剛童子/GM:「落ちなせえ!」《一刀両断》を乗せます。56点の〈神〉ダメージ。蛇腹剣が身体に巻きつき、絞り上げるように斬り裂く。

銀次郎:ダメージは素直にくらって、覚悟状態に突入します! 「……それじゃあ、俺の命には届かねぇなぁ!」血塗れで笑います。火事場の底力で2点追加回復して17点。

金剛童子/GM:「しぶといでやすねぇ。苦しむだけだというのに」

銀次郎のメインプロセス

銀次郎:銀次郎は行動を遅らせて最後に回します。防御行動待ちで。

その後このラウンドで銀次郎が行動を行なうことはなかった。よくある凡ミスである。

十五郎のメインプロセス

十五郎:俺は同エンゲージの役人をまず始末します。マイナーアクションで《闘気集中》、メジャーアクションで《大斬り》。5と6だから《武神の手》でクリティカルですね。

銀次郎:天獄流凄い!

十五郎:基本1D6+11、《大斬り》で+1D6、《闘気集中》で+1D6、クリティカルで+1D6、つまり4D6+11。

三日月:いや、まだ+2D6ある。

十五郎:あ、《鎧袖一触》か! 22点、〈神〉ダメージです。

GM:瀕死でギリギリ立ってます。

貞親のメインプロセス

貞親:まずイニシアチブプロセスで「避けろーッ」と叫びながらふところに入れていた金属の球体をばしっと甲板に叩き付けますと、それが帯状に加工された金属がぱぁんとはじけて全方向にまき散らされ、んでそれにエレキテルから電気を流してバチバチバチッ! という演出で《驚天動地》を使います。21点の〈神〉ダメージ。

GM:では、瀕死の役人Aが中山をかばい、毘沙門組AがBをかばう。そして役人Aと毘沙門組Aが雷に撃たれ、河へ落ちます。役人CとDは瀕死ですが健在。

貞親:本来の行動はメジャーアクションで普通に攻撃。エレキテルで瀕死の役人の片方を撃ちます。

GM:それは同値でリアクション有利の回避。

銀次郎:ちょいと待った。《畏怖の幻影》でその達成値に-2します。恐ろしい獣の殺気に足元が狂うということで。

GM:わずかにすくんだその足が命取りとなった。

貞親:〈神〉の15点。

GM:少し焦げ臭くなってドウと倒れる役人。

貞親:「ほい、っと」さっきの鉄片の一つからだめ押しの電気を流してる感じ。

中山のメインプロセス

GM:中山はマイナーアクションで《地を薙ぐ者》、メジャーアクションで《精密攻撃》を使い、銀次郎、貞親、三日月に向かって弾を撃ち尽くす勢いで乱射します。さらに《撃滅者》も入ってますね。

破れかぶれになって乱射する中山の弾は、しかし確実に英傑たちをとらえた。

GM:ダメージは18点の〈殴〉。

銀次郎:《範囲防御》で3点軽減。さらにお奉行を《援護防御》でかばい、《どこ吹く風》を使って9点軽減し、〈殴〉防御値が8あるのでふたり分からでも5点ダメージです。

貞親:うおお、ありがたい!

三日月:12点。持ちこたえ。

役人Dのメインプロセス

GM:十五郎を狙ってマイナーアクションで《居合い》、メジャーアクションで《大斬り》。命中して18点の〈斬〉です。

十五郎:のこり6点「雑魚が、無理すんじゃねえよ!」と強がる。

毘沙門組Bのメインプロセス

GM:十五郎が切り結んでる横で、毘沙門組がマイナー移動、メジャーでお奉行に攻撃。達成値は悲惨すぎる12。

貞親:むむ、でも当たるかもだ。あたるー。振り直すのもイマイチだな。

GM:7点の〈斬〉。

貞親:「……ぐっ、刃傷沙汰は慣れないんだが……っ」〈斬〉防御2で5点。残り11。

GM:これで全員の行動が終了しました。


2014年10月21日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] ドラマ版『すべてがFになる

ドラマ版『すべてがFになる』を観たところ、国枝先生の再現度が結構高い気がしたですぅ。


2014年10月22日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~クライマックスフェイズ:シーン13(2ラウンド目)』

クライマックスフェイズ:シーン13(2ラウンド目)

GM:2ラウンド目のセットアッププロセスですが、敵はありません。

銀次郎:では《仁義を切る》を使用。このシーンの自分のすべての達成値に+1。

三日月のメインプロセス

三日月:《地を薙ぐ者》と《コンバットシューティング》で、中山と役人を撃つ。覚悟はまだ決めない。

しかし出目は1と2。範囲攻撃の得意な朱雀の三日月にとっては痛恨だ。

貞親:む、これは振り直した方がいいですね。《名将の指揮》、同意したら振り直しです。

三日月:振り直す!

貞親の指示を受けて構えをずらすと、ウージーの弾は中山たちへ吸い込まれるように飛んでいき、中山を守るように立ちはだかった役人を完膚なきまでに叩きのめす。もはや彼を守るべき部下はいない。

中山/GM:「おのれ」焦りが顔に浮かぶ。

三日月:「あとは思う存分おやりなさい! 狒々男!!」

十五郎:「ありがとよ! 三日月の! すぐに片付けてそっち行くぜ!」

金剛童子のメインプロセス

金剛童子/GM:「調子に乗って貰っちゃ困りやすねェ」マイナーアクションで《攻撃増幅》し、メジャーアクションでひとつに戻して金砕棒のようになった蛇腹剣で三日月を殴ります。

ここで攻撃、回避は出目で同値。そこに中山が《漆黒の波動》で牽制射撃して達成値を下げてくる。

GM:33点、〈殴〉です。

三日月:3点引いて30点喰らい、覚悟状態に。

銀次郎のメインプロセス

銀次郎:毘沙門組Bから殴ります! 命中して長脇差のダメージ〈斬〉で16点!

GM:盗賊たちは半分以上倒れたけどいまだ健在。

十五郎のメインプロセス

十五郎:《闘気集中》から《大斬り》で中山に斬りかかります。

三日月:念のため、ダイス目ひとつ上げます《未来の記憶》。

GM:回避失敗。

十五郎:《嵐の心》を使い、それに《一刀両断》を乗せます。〈神〉の71!

GM:そのダメージなら落ちます。

天獄流を窮めた剛の刀が二挺拳銃を振り回す悪党を真正面からとらえ、船端へしたたかに打ち据える。

いかな蘭学の武装も、小手先の技もこの男の前では無意味。その証左であった。

「へ、お前の始末は平賀殿の仕事。関わってる暇はねえ」

気を失った中山へ悪態をひとつつくと背を向け、十五郎は金剛童子を睨みつける。

「なんてったって、向こうじゃ鬼とやれるんだからな!」

獣の笑みであった。

GM:しかし、ずるりとその場にのびた中山の懐から何かが落ちる。

十五郎:音を聞きつけ、振り向く。

GM:イニシアチブプロセスに中山が《驚天動地》。懐に隠し持っていた爆弾を炸裂させます。対象はPC全員。ダメージは〈神〉の18点。

銀次郎:この野郎ー!

三日月:そう来たか!

貞親:む、うちはまだ覚悟してないから一人はかばえるよ。

三日月:かばって!

貞親:はい。では「危ない!」と叫んでとっさに押し倒した。

十五郎:十五郎は普通に喰らって覚悟になります

貞親:倍食らって覚悟状態になります。

銀次郎:《起死回生》で起き上がります。

毘沙門組Bのメインプロセス

GM:「化け物があ!」と《攻撃増幅》して物理攻撃です。達成値15。

十五郎:「銀さん!」さすがにこれは、ヤバイと思って叫んでおく。

銀次郎:とりあえず《畏怖の幻影》ですくんでもらおう。その上で回避……14。あっぶな!

三日月:紙一重!


2014年10月23日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『タクティクスオウガ』から見る記録と記憶の重要性

タクティクスオウガ』の世界は覇王ドルガルアの死からスタート時点までわずか二年しか経っていないのに彼の事跡が恐ろしい勢いで風化し、争いの当事者がボコボコ知らなかったそんなことみたいなことをいいだすので、この世の野蛮のひとつは記録しないことと記憶されないことだということを痛感するですぅ。


2014年10月24日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~クライマックスフェイズ:シーン13(3ラウンド目)』

クライマックスフェイズ:シーン13(3ラウンド目)

GM:3ラウンド目のセットアッププロセスも、敵は何もしません。

十五郎:えっと、《陣形構築》で動かしてもらえますか?

貞親:む、《陣形構築》で十五郎を。

十五郎:「平賀殿、ありがてえ!」

三日月のメインプロセス

三日月:《地を薙ぐ者》と 《コンバットシューティング》で金剛童子と毘沙門組に。《未来の記憶》で+1して14。

GM:金剛童子は回避しました。ダメージください。

三日月:《悟入:魔縁》、《天狗身:烈風》 を乗せて24点の〈刺〉。

GM:そこで大部屋役者の皆さんはばらばらと河へ落ちていきます。

金剛童子のメインプロセス

GM:金剛童子の眼にも余裕はなくなっています。金棒を振り回し《攻撃増幅》して銀次郎を殴ります。14。

銀次郎:《畏怖の幻影》で-2してもらおうかい。19で回避。

GM:屋形船の障子が持っていかれるが、銀次郎にはかすりもしない。

三日月:だいぶ息が上がってきてるな、金剛童子。

銀次郎:「どうした金剛の。切っ先が焦ってるぜ!」

銀次郎のメインプロセス

銀次郎:長脇差でアタック! ギャー! ピンゾロ!

貞親:ピンゾロはまずいので《名将の指揮》。

銀次郎:ありがたく頂戴いたします。16。

GM:こっちも16。同値なので避けた。

銀次郎:チックショー!

三日月:こりゃもう余裕がないな……。

貞親:む、まだ「判定の直後」ならこれ振り直しさせられますか?

GM:金剛童子になら可能です。

貞親:では《天賦の貫禄》。

GM:それでも変わらず。16。

貞親:同値ではしょうがない。

三日月:なんという……。

銀次郎:なんたる粘り腰。

金剛童子/GM:「息が上がってるのはお互い様じゃねえか」

銀次郎:「へ、あのご丁寧な口もきけなくなってきたみたいだな」

金剛童子/GM:「おっと、あんたの前ではどっちで喋ればいいのか。へ、へ。やりづれえですよ」

十五郎のメインプロセス

十五郎:マイナーアクションで《闘気集中》、《大斬り》で金剛童子を攻撃します。えーと、《剣禅一如》使用してクリティカルにします。

GM:リアクションは行なえず命中。

十五郎:基本1D6+11に特技で+3D6、クリティカルで+1D6、そして一刀両断で+10D6。57点の〈神〉。さっきの出目の揺り返しか、ひどいな。

GM:金剛童子は真っ向斬られ夜空に赤黒い血が吹き上がるが、面の下にある血走った目は光を失っていない。

十五郎:「さすがだ! 世の中広い!」

十五郎は歓んでいた。師のもとを離れて何年が経ったか。ようやく、一太刀で倒れぬ相手を見つけたのだから。

貞親のメインプロセス

貞親:では普通に撃ちましょうか。マイナーアクションなし、メジャーアクションで通常

攻撃。エレキテルの電撃が鉄片を通じて大地を這う。

GM:回避。獣じみた唸り声を出して鉄片を払います。

貞親:「うーん、鉄バネの密度が足りなかったかな、こりゃ」


2014年10月25日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] はじまってたな

今年がエヴァの放送から十九年目であり、十九年前の今日は「雨、逃げ出した後」だったということをここに記録しておくものですぅ。


2014年10月26日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] 『Gのレコンギスタ』「敵はキャピタル・アーミィ」

格納庫内での細かい芝居や、戦闘になったらうまいこと通信させずにベルリの逃げ先を奪っていく天才の天才ぶりなんかの細かい芝居が相変わらず光っていたですぅ。

それはそうと初見からずっとそう感じていて謎バリアのとき確信したけど、Gレコは逆シャアのように光を粒子として表現することに相当手間隙かけている印象があるですぅ。


2014年10月27日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~クライマックスフェイズ:シーン13(4ラウンド目)』

クライマックスフェイズ:シーン13(4ラウンド目)

GM:4ラウンド目のセットアップは全員特になしですね。

三日月のメインプロセス

三日月:未来ガンのセーフティ「ア-タ-レ」のレからタに切り替えて、金剛童子に《コンバットシューティング》 。

GM:命中しましたが、《軍神の盾》で実ダメージ軽減。これで踏みとどまれるかもしれない。防御点入れて12点軽減しましたが……足りなかった。

銀次郎:おお!

十五郎:いったぁ!

GM:落ちるけどそのときに《一蓮托生》。

十五郎:ちょ。

銀次郎:ちょっ!

GM:とはいえ受けた実ダメージ4点をそのまま三日月に受けさせるだけです。

硝煙弾雨の中へ身を曝しながら飛び込んできた獲物に胸元を匕首で抉らせながら、三日月は無表情に脳天へ銃をあてがい、引鉄を引く。

乾いた銃声が、水面を揺らした。

もがき、苦しむこともなく金剛童子は瞬時にその身をゆっくりと収縮、消滅させていく。マイクロブラックホール弾。妖異をシュヴァルツシルト面の向こうへ葬り去る切り札だ。

からりと音を立てて仮面を残し、金剛童子だった拝み屋の丈は消え失せた。

そして、英傑たちは直感する。

今たどりついたこの瞬間こそ、数年前に中山と丈が辿り着いた分かれ道であることに。

金剛童子の仮面を誰かが被れば、不死身の盗賊は死なない。

貞親:「私には……面倒極まりないが公職がある。無貌の者にはなれんなぁ」

十五郎:「新太の仇だ、壊しちまおうぜ」

三日月:「この仮面そのものが凶悪な妖気を放っている。破壊以外あり得ない」と、まだ無表情で。

銀次郎はぼろぼろの体でのそりと立ち上がって面を拾い上げ、十五郎へ目配せを送る。

「旦那」

放り投げられた仮面は、そのまま一刀のもとに切り捨てられた。ふたつに割られた面は水面をゆらゆらと揺れつつ、水の重さで沈んでいく。

「かくて江戸を騒がせた夜盗もお役御免というわけだな」

蘭学奉行が感慨深そうにそう呟いた。


2014年10月28日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~エンディングフェイズ:シーン14』

エンディングフェイズ:シーン14・毘沙門組の最期(貞親)

GM:中山が町奉行に狼藉を働いたのは確かなので、そのことを指摘すれば目付は中山の屋敷を査察します。

貞親:まあ、そこはやってもらいましょう。証拠が揃ってた方が蹴りは着けやすいですし。

GM:毘沙門組から盗まれた物品が中山の屋敷から押収され、彼の権力失墜はほぼ確定。頼みにしていた幕閣からの擁護もなく、そのまま身分は剥奪され裁きを待つ身です。町奉行としては、数年前の詮議からやり直しして渡辺充の無実を証明することも可能です。 貞親:ふむ。せっかくなのでそれもやっておきましょう。無実の罪は証明しておかんとならん。

銀次郎:それは是非いってあげていただきたい。

貞親:「我々が剥奪した尊厳は我々によってしか取り戻すことができないのだ」

蘭学奉行と目付による捜査が進む中、中山が裁きの場に引きずり出されたとの報を聞いた老中某は書状を握りつぶし、それを火鉢にくべていた。

「ええい……役に立たぬ……っ。次の手駒を探さねば」

随分と目をかけ、便宜も図ってやった。老中とはいえ権力を振りかざすのはただではないのだ。

「誰か、誰かある!」

応えはない。野卑な声の反響もそのうちやみ、水を打ったような静寂が訪れ、その気持ち悪いぐらい静かな屋敷の中をすり足で歩く音が近づき、す、と障子の裏に影が現われる。

「貴殿のなされようは目に余る」

「な、何者!?」

久しく握ったことすらなかった刀に手をかけ、障子の向こうをうかがう。

「何もなさらない方がよろしいですよ。私は……貴殿が中山とご懇意になされていたことを知っているのですから」

「ひ、平賀か? 丁度良い。今からお主のところへ使いを参らせようと思っておったのだ」

精一杯媚びた声音を作り、喉元へ突きつけられた刃に抵抗する。この男が何かを喋ればこの身は破滅しかねない。

「そうですか。ですがそうなさらない方がよろしいでしょう」

「常ならば町奉行でお主の出世も終わりだ。だが、わしならば……」

「結構です。そのような栄達はいり申さぬ」

ぴしゃりと出された一声は、絶対の拒絶を意味していた。

「私はこの江戸を脅かすものを許しませぬ。江戸を脅かせば人が死ぬる。あなたひとりの命と町人ひとりの命。私にとってはまったく同じものだ。それは断じて許しませぬ」

江戸町奉行の鑑ともいうべき正論を、まったくの躊躇なしに投げつけてくる。

「ご隠居なされい。さすれば貴殿と中山の関係、私の胸の内に治めましょう」

「ぐ、ウ……」

少しの沈黙の後、老中某は膝を折った。

「おわかり頂けて嬉しい限り。私はあなたの死も望んでおりませぬ。腹を切るとか切らぬとか、そのような面倒事も御免被る」

彼にとって、すべての命は等価なのだ。それがたとえ欲得に塗れたこのような男のものでも。

「それでは、次にお会いする時は憑きものが落ちていると良いですな」

それきり、音もなく影は消えていった。

権勢を振るっていた老中の某が病を理由に隠居を申し出て、政の表舞台から姿を消したのはそれから数日後のことである。


2014年10月29日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~エンディングフェイズ:シーン15』

エンディングフェイズ:シーン15・世はなべて……?(三日月)

「結局、この任務でも村雨丸への手がかりは見つからなかったわね……」

三日月は長屋で疲れを癒しつつ、タイムレシーバーを眺めていた。村雨丸の探索状況を示すプログレスバーは少し上がったが、直接の手がかりは掴めていないためまだまだ先は長い。

三日食いつなげるのが十日になっただけ、というエージェントらしくない悩みを頭の中でもてあそんでいると、タイムレシーバーが着信を告げた。その先から発せられるのは、いつも通りの声だった。

「私だ。時空破断に影響を及ぼす歴史の分岐点が解析された。今から座標を転送する」

「……イエス・マム。クレセントムーンです……これは……!」

送られてきた座標、それは今日、この場所だった。

「新撰組だ、御用改めである!」

凄まじい音で戸が蹴り破られ、浅葱色のだんだら羽織を纏って抜き身を振りかぶった“未来”の住人たちが部屋の中へ乱入してくる。

「……なっ! なぜ、新撰組が江戸にいるのよ!」

傷もまだ癒えていない体のまま、三日月は長屋から遁走する。もはやタイムレシーバーにも構っていられない状況であるが、そこからは長官の無慈悲な声が響いていた。

「詳細を君が知ることは、禁則事項に触れるため許されない。独力でこの状況を突破せよ。健闘を祈る」


2014年10月30日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~エンディングフェイズ:シーン16』

エンディングフェイズ:シーン16・そして(十五郎)

蘭学奉行の尽力で、渡辺充の無実は証明されたらしい。

そのこともあり、十五郎はお倫から充の墓参に誘われていた。彼女の横には新太郎がおり、まだ少し複雑な顔でま新しい父の墓標に手を合わせている。

不器用な剣客はその様子を少し離れた場所から眺めていたが、それを見つけた新太郎が駆けてきた。

「おう、新太。とうちゃんにちゃんと手を合わせてきたか?」

「ありがとうな、十五郎のおじさん。母ちゃんも元気になったみたいだ」

新太郎が十五郎にそっと耳打ちする。

「そうか、そいつは何よりだ」

十五郎はぽん、と新太郎の頭に手を乗せた。

「新太、今日お前を墓に連れてきてくれたのは、たぶんな。お前が、少しは大人ンなって、ちゃんと話できるってお倫さんが認めたからだぜ。その気持ち、裏切るんじゃねえぞ」

「そうだったのか。やっとわかったよ」

男同士の話をしていると、少し遅れてお倫が歩いてくる。

「旦那には新太郎がすっかり迷惑をかけてたみたいで」

「や、ま。その、あはははは」

助兵衛心があったのは否定できず、それを隠すほど器用ではないのがこの男なのだ。お倫はそれを見ると微笑み、言葉を続ける。

「やっとあの人に新太を会わせることができました。本当にありがとうございます」

道の先へ走っていく新太郎を見やりつつ、十五郎は野に生きる剣豪の顔でお倫へと向き直る。

「そのうち、あんたと充さん、それと銀さんたちがどんなことしてたのか、聞かせてくれ。あんな連中と、やり合ってたんだろう?」

「あまり思い出したくはなかったけど、今度のことで少し整理がつきました。堅気の道には戻れませんが、よろしいんですか?」

心配するかつての英傑をよそに、新たな英傑の横顔はあくまでも明るかった。

「戦もないこの世の中で、こんなおもしろいこと見つけた。俺ぁいま、ようやく生きてるって気がしてる。足を洗ったあんたには、バカに見えるんだろうなぁ」

「いえ」

困ったような顔で首を振り、女は微苦笑した。

「あの人も、そんな目をしていましたから」


2014年10月31日 [長年日記] 編集

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~エンディングフェイズ:シーン17』

エンディングフェイズ:シーン17・これから(銀次郎)

夕暮れどき、人気の無い墓地。銀次郎が充の墓へやってくると、先客の供えものが並べられていた。渡世人はそっと微笑むと、昔一緒に呑んでいた酒を墓前に捧げる。

「ずいぶん遅くなっちまったけど、全部ケリがつきやしたよ」

「ありがとう」

そう風が声を運んでくる。はっとして振り向くも、そこにはただ風が吹き抜けるだけ。それを一番よく知っているのは自分ではないか。そう銀次郎は自分にいい聞かせると、かぶりを振って立ち上がる。

顔を上げたとき、墓地から続く道のあたりにこの前助けた女、お倫が立っていた。

「おめぇさん……」

彼女は無言で男へ頭を下げる。

男も無言で会釈して、その隣を通り過ぎる。眼すら合わさず、風のように。

そのままふたりはすれ違う。

堅気と渡世の間には、それだけ深いものがあるのだ。