2015年04月04日 [長年日記] 編集
§ [Ludus] とりあえずは一周
『デビルサバイバー2 ブレイクレコード』をとりあえずはトリアングルム編で一周しましたぁ。トリアングルムの正体とかは名前が出てる通りもうバレバレなんだけど、暗躍してる存在も前作が北極星だったからそうなるし、世界が情報によって構成されていてそれをいじりまわしてるならやはり来たか超大統一理論という感じで順当に話を盛った印象ですぅ。
トリアングルム編一番の特徴はキャラ萌え部分で、セプテントリオン編終了後のお互い知ってる関係からさらに踏み込んでいくところが印象的だったですぅ。
ただ、やはり世界は情報によって構成されていることの消化についてはいまいちな感がぬぐえず、データの再生などだけではなく、せっかくだからカルツァ=クライン理論を持ってきて、電磁気力と重力を統合して五次元以上まで次元モデルを拡張することで悪魔と呼ばれていた超常体を科学の枠に組み込み、第二次世界大戦直前に本土の霊的守護を担うためにジプスの前身が設立されたとか、そういう胡散臭いことをやってほしかったというのはあるですぅ。悪魔がなぜ物語に関わっているかが非常に希薄なので、そういうところの補完もしてほしかったけど、そういうのもなかったのは残念ですぅ。
ゲームとしては無印でやれた楽なことは簡単にはやらせないけど別の楽なことは用意してるデザインで、特に難易度がハネ上がる最終日は死に覚えて相性揃えたりする真3以降のメガテン感をちょっと感じるようになっていたですぅ。ただ、レベル的に手ごろでボスに刺さる能力を持った仲魔をデビオクで買えるから、下手なセーブして詰むような難易度ではないはずですぅ。
そして新規の侵略者はどれもこれも蓮の実や蛙の卵に生理的嫌悪を催す人が多いとわかってきた昨今よく通せたという造形ばかりで挑戦してる感じがあり、アルクトゥルスでもギリギリ攻めてると評価してたらその先にもっと酷いのが出てきたのはさすがだったですぅ。
なんだかんだいったけど、シミュレーションRPGとしては手軽にストレスなく進められるし、一定の歯ごたえもあるから充分に楽しませていただきましたぁ。
そしてこれからは二週目ですぅ。
2015年04月07日 [長年日記] 編集
§ [DnD][5e] 『クラスの改造(Modifying Classes)』
Unearthed Arcana
キャラクター・クラスを改造することについてより多くの助言を探している? クラスのデザインについてのいくつかの助言とともにカスタム化をやってみよう。
ときにキャンペーンは既存の公式素材からは見つからないアーキタイプやキャラクター・オプションを特別に要求してくる。もし君がこの状況にあるななら、君は彼らの独特のひねったキャラクターの能力を探しているプレイヤーのためにクラスのゲームの中で提供されるオプションをひとつふたつ改造したくなるかもしれない。しかし、クラスを改造することは軽くできることではなく、そしてその仕事はいくつかの重大な努力、プレイ・テスト、そして改定を正しく行なうことを要求する。クラスを改造する最高の方法ふたつは、いくつかのクラス特徴を異なるものに交換することと、既存のクラスに新しく加えることだ。この記事は君に既存の仕組みを利用する方法の例を提示して助ける一方で、他のクラスから発想を得た特徴にも頼っている。
君たちはこのシリーズで発表される素材を第5版プレイテストの第一波と同じように考えることができる。これらのゲームの仕組みは草案の形式なので、君たちのキャンペーンで使用可能であるがプレイテストとデザインの繰り返しで完全に調節されたものではない。これらはとても気まぐれで、不安定なものかもしれない。もし君たちがこれらを使うなら、どんな問題が起こっても裁定を下せる準備をしてくれ。これらはインクではなく、鉛筆で書かれている。これらの理由もあり、このコラムで提示される素材はD&D組織化プレイのイベントで使えるものではない。
Unearthed Arcanaで発表される素材は私たちがいつか出版されるサプリメントに収録したいものから、私たちの自宅でやっているキャンペーンのハウス・ルールのうち共有してみたいものまで多岐にわたり、コア・システムのオプションから特定のセッティングの素材まである。一度それを公開すれば、君たちはそれがどのようにうまくいき、それを改善するために私たちができることがあるかを知るために君たちは私たちに接触することができる。
新たなクラス・オプションの作成
それぞれのクラスにはすくなくとも1つ重要な選択肢があり、これを暮らす・オプションと呼ぶ。クレリックは信仰の領域(divine domain)を選ぶ、ファイターは武勇のアーキタイプ(martial archetype)を選ぶ、ローグはローグのアーキタイプ(roguish archetype)を選ぶ、ウィザードは秘術の伝統組織(arcane tradition)君がこれらの重要な選択肢の異なる版を作成したいなら(たとえばバーバリアンのための新たな原始の道(primal path))、それらがどのようになっているかを見るために既存の例を調べること。クラス・デザインと同じように、君の考えをプレイテストする準備をし、そしてそれらが君の望む方向性になっていなかったなら調整をしていこう。
新たなクラス・オプションを作成するうえで最初の行為はクラスの底流になっている物語とキャンペーン世界でのオプションの立ち位置の両方について知り、そのオプションの独特な面がどこにあるかを理解することだ。クラス・オプションの背後にある物語と、君が求めて君のプレイヤーに作成してほしいキャラクターの種類を理解することは、それが君への案内の例として用いられるために工程でももっとも重要な作業だ。
独特の思想を持つクラス・オプションが君の頭にあったのなら、デザインの作業にかかる時間だ。クラスの既存のオプションを眺めてそれらが何を提供しているか見ていき、そして君のクラス・オプションが提供する特徴のための例や建築用の石材としてそれらを使おう。同じクラスの2つのクラス・オプションが一部の仕組みを共有しているのはまったくすばらしく、そしてまた他のクラスに君の発想の助けになる仕組みがないのか調べるのも適切だ。途中のあらゆる段階で、君は独自の思想でデザインしているものを比較することができ、そして、もしデザインがその思想を定義して確立するのを助けているのならば、君は適切な道をたどっていることを知っているはずだ。一方で、君の仕組みのためのデザインがどうも新たなクラス・オプションの主題を補強するのを助けていないようなら、その仕組みを再考することに価値があるかもしれない。
君がどのクラス特徴を新たなクラス・オプションに含むべきか考えるときは、以下の問いに答えていくこと。
- このクラスのための他のオプションは、このレベルでどんな種類の能力を提供する?
- 特徴はキャラクターの戦闘能力を直接強化するのか、キャラクターの探索や交流を良いものにするのか、あるいは純粋な力の強化ではない他の選択肢を提供するのか?
- あるレベルでの特徴はどうやってそのクラス・オプションの物語を強くするのか?
- 既存の仕組みが新たなクラス・オプションでやりたい何かを既に実現しているだろうか?
クラス特有のガイドライン
『Dungeon Master's Guide』で書かれているように、新しかったり交換するクラス特徴を完全にデザインするために用いることができる手法は存在しないが、11のクラスそれぞれに適用できるいくつかのガイドラインはある。この助言は決して包括的ではなく、それはいくつかの場所で君がクラス特徴がどのように連携していかなければならないかについて考えなければならないことを提供している。
君が理解するように、しばしば最高の助言はそのままにそれを残すことだ。たとえば彼らがそれを得て呪文の発動をするなど、多くのクラスには非常に分かちがたい性質があり、それは調整されるのには適していない。たとえクラス解説の一部が私たちの目的のために不可侵だとしていても、君にはそれぞれのクラス内部に異なる特徴を持つたくさんの静かな機会がある。
バーバリアン
- バーバリアンの激怒(Rage)というクラス特徴はクラスに素晴らしい防御性能の増加を与えるが、他のクラス特徴がキャラクターの攻撃的な能力を高めるためにどう激怒と相互作用するかに気づいておくように。たとえば、命知らずな攻撃(Reckless Attack)第一の欠点は主に激怒によって提供されるダメージ軽減(damage resist)で相殺され、バーサーカーの狂乱という特徴はバーバリアンに少なくとも1戦闘に1回大きな攻撃力を与える。
- 高速移動(Fast Movement)が3つの重要な目的、バーバリアンを速く戦いの最前線へ連れて行き、敵が近くにいないためバーバリアンの激怒が終わるのを防ぎ、そしてバーバリアンが重装鎧を使わないのを推奨する、にかなっていることにも注意すべきだ。
- 10レベル特徴の原始の道(Primal Paths)はいずれもゲームへの興味の柱のうち戦いについてより雄弁であり、戦闘力を加えるためにそれらを置き換えるか変更するのには用心するように。
- 6レベルの利益であるトーテム・ウォリアーの道(Path of the Totem Warrior)は一般的にゲームの探索の柱について雄弁なので、上記と同じ理由からそれを変更する前にはよく考えてほしい。
バード
- バードは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
- バードは限られた数の呪文を修得し、そしてクラスに変更をかけるときは注意して改造されなければならない彼らの便利さに縛りをかけているものだ。伝承の学院(College of Lore)のバードは完全なクラス特徴として彼らが修得している呪文の数を増やすことができる。
- 5レベルで得られるひらめきの泉(Font of Inspiration)はバードのひらめき(Bardic Inspiration)をバードが少なくとも5レベル以上からそれに沿って進むクラスの道(class's path)でバードのひらめき(Bardic Inspiration)をよりよく利用できるようにするのを助ける。(有利(advantage)と不利(disadvantage)に代えて)数値の結果を直接上昇させる特徴は珍しくなければならないので、他のクラスに似た仕組みを組み込むのには注意してほしい。
クレリック
- クレリックは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
- クレリックの領域(domain)はキャラクターをプレイするさい、基本的なところに影響を及ぼす強くクラス特徴である。領域は君が作成しているか君が改造しているかにかかわらず、領域の1レベル特徴はその領域のクレリックを本当に目立たせる何かでなくてはならない。
- クレリックの基本呪文リストを比較的短くするかわりに、クレリックのオプションを拡大する選択肢の典型が領域呪文だ。新たな領域に加える呪文を探すときは他の“クラス”の呪文リストに目を向けるといい。たとえば、光の領域はクレリックのリストにない呪文をいくつか提供する。
ドルイド
- ドルイドは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
- 地の円陣(Circle of the Land)のドルイドは野生の化身(Wild Shape)を主として探索のために使う。月の円陣(Circle of the Moon)のドルイドにとって、野生の化身は重要な防御的利点で、そのようなキャラクターを非常に頑丈なものにする。
- クレリックの領域呪文(domain spells)のように、地の円陣のドルイドの円陣呪文を他のクラスの呪文リストから頻繁に書き出されるものにすれば、そのキャラクターの柔軟性は増すだろう。
ファイター
- ファイターは、ラウンドあたり最大4回攻撃できる、アクション増加(Action Surge)で戦闘力を瞬間に爆発させることができる、そしてもっとも多い能力値増加(Ability Score Improvement)により、ファイターは彼らの攻撃とセーヴィング・スロー、あるいはDMが認めるなら特技を選択する、この3つの特色が彼らの戦闘の才能の大部分になっている。
- ファイターのアーキタイプは主に元クラスの異なる味付けであるはずで、そこにはファイターの戦闘における強さの大部分がある。チャンピオンは少々の柔軟性とクリティカル・ヒットをもっと出すための可能性を得る。バトル・マスターは他のファイターができない武技(maneuvers)に特化している。エルドリッチ・ナイトの能力は呪文発動でありこれらのアーキタイプから離れているがその一方で、そのキャラクターがまだファイターであると感じられるよう充分に制限されている。
- チャンピオンとバトル・マスターの7レベル特徴がゲームの柱のうち探索と交流に重きを置かれているのには注意すべきだ。エルドリッチ・ナイトは呪文を得て、それは探索と交流の柱についてのファイターの能力に関係し、そしてこの7レベルの特徴は呪文と攻撃を混合することも調整する。
モンク
- 独自のクラス特徴がもっとも多いため、モンクはもっとも複雑なクラスのひとつだ。クラスには既に多くの特色があるため、ひとつの特徴を複数の新たな特徴と入れ替えるのには注意してほしい。
- モンクの格闘技(Martial Arts)の特徴は予想外の組み合わせが発生しないよう慎重に記述された。この特徴が素手打撃を妙技武器(finesse weapon)とみなさないのもこのためで、それは将来の妙技武器についての素材で思いがけない結果が起こり、素手打撃ではなくレイピアやダガーが適切だとならないようにだ。
- 氣ポイント(Ki point)はそれらを消費する方法にいくつかの細かなガイドラインがある。通常1氣ポイントを消費する特徴は補助的なものか、1回の素手打撃に相当するものだ。2氣ポイントを使う特徴は平均して1レベル呪文程度でなくてはならず、3氣ポイントを使う特徴は平均して2レベル呪文程度でなくてはならない。元素の流派である四元の道(Way of the Four Elements)のモンクから氣ポイントと呪文レベルを格付けする方法に更なる例がないかも調べるように。
パラディン
- パラディンは通常の半分程度に活発な呪文発動の成長過程を持っている。呪文発動の特徴は少し調整することができるが、それはまだクラスが可能なことのかなりの部分である必要がある。
- パラディンは彼らの戦闘力の多くを信仰の一撃(Divine Smite)のクラス特徴から得ている。パラディンは一撃を攻撃のヒット(あるいはクリティカル・ヒット)が決定するまで待つことが出来るので、キャラクターはダメージに大きな爆発力を持たせられる。それがパラディンの戦闘における強さの基本になるので、この特徴を調整するのには注意してほしい。
- パラディンのクラス特徴の多くは本質的に防御的で、パラディンと彼あるいは彼女の味方を危害から防衛する。防御的なクラス特徴を攻撃的なものに変更すればおそらく君にはそんな気はないだろうが、パラディンの感覚を変化させる。
レンジャー
- レンジャーは通常の半分程度に活発な呪文発動の成長過程を持っている。呪文発動の特徴は少し調整することができるが、それはまだクラスが可能なことのかなりの部分である必要がある。
- レンジャーの戦闘における追加の力の多くはハンターズ・マークのような呪文とレンジャーのアーキタイプによって与えられるクラス特徴によるものだ。それぞれのアーキタイプの3レベル特徴はおおむね戦闘力を直接伸ばすか、レンジャーにより大きな戦闘の融通性を与える。
- レンジャーの戦闘における強さがダンジョン・マスターの裁量や冒険の状況だけに頼ってはならないから、得意な敵(Favored Enemy)が戦闘ボーナスを提供しないのは故意にデザインされた。ハンターのアーキタイプの3レベル能力は戦う敵の性質にやや依存するが、得意な敵はゲームの柱でも交流と探索に幅広く役立つようになっている。
ローグ
- ローグは主にクラスの雰囲気と戦闘での強さを2つの特徴、急所攻撃(Sneak Attack)と狡猾なアクション(Cunning Action)に依存している。これらはローグの基本となり、そして5レベルの超人的回避もそれらと同等にクラスにとって重要なものだ。君に何か変更する強い理由がないかぎり、これらの特徴はそのまま残してほしい。
- 3レベルで与えられるローグのアーキタイプのクラス特徴はクレリックの信仰の領域(Divine Domain)の特徴のように、このクラスのプレイを基本から変えなくてはならない。
- ローグは技能の熟練者で、このクラスは私たち(そして私たちのプレイテスター)がゲーム・バランスについて許容できると考えているところの境界ぎりぎりのところにある。彼らにより多くの技能を与えてしまうとローグは一線を越えてしまう。
ソーサラー
- ソーサラーは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
- ソーサラーはバードのように、彼らが選べる中から限られた数の呪文を修得しており、それはクラスの主な制限である。
- ソーサラーはあまり多くの呪文修正(metamagic)を選べない。君が新たな呪文修正のオプションを作成するなら、それをじゅうぶん役立つものにしてソーサラーが彼や彼女の貴重な選択のひとつを公正に使えるようにするように。
- 魔法点(Sorcery points)と柔軟な発動(Flexible Casting)はより高いレベルの呪文のために呪文スロットを魔法点に変換してばかりいるソーサラーは全体的な出力が犠牲になるよう故意にデザインされている。このバランスを変更するときは用心深くするように。
ウォーロック
- ウォーロックは独自に呪文発動の方法を持ち、彼らはより多くのときわずかな種類の呪文を発動することに頼っている。ウォーロックは彼や彼女が発動させると自動的に呪文のレベルである呪文スロットが上昇し、ウォーロックが発動させたより低いレベルの呪文に力が与えられることを意味するが、これを覚えておくように。
- ウォーロックの呪文リストはあまり頻繁にテーブルで発動されたら腹が立つかもしれない呪文が含まれないよう、慎重に決定された。もし君がウォーロックに新たな呪文を使わせたいが、頻繁に発動されてゲームが壊れる可能性があることを心配しているなら、より限定された原理(たとえば、再使用には休憩が必要など)で同じ魔法の効果を出す新しい妖術(eldritch invocation)を作成することを考えてほしい。
- ウォーロックは初級呪文のエルドリッチ・ブラストを彼らの戦闘力の大きな源泉としており、そのうえその威力を増やす多くの妖術を既に持って選んでいる。エルドリッチ・ブラストをより強力にする新たな妖術の作成には注意すること。
ウィザード
- ウィザードは完全な呪文発動の成長過程を持つため、呪文発動の特徴はどんな変更でもクラスに大影響を及ぼす。
- ウィザードは彼らの呪文書により、もっとも長大な呪文リストと毎日でもっとも幅広い呪文の選択肢を持っている。彼らの融通性をさらに増やすものについてはすべて、気をつけて扱わなければならない。
- 秘術の系統(Arcane Traditions)は3つの目的にかなうもので、新しいものを作るとき君はそれを考慮しないといけない。ある種の呪文の発動を強化し、特定の種類の魔法とそれらの呪文の中では見つけられない専門家独特の便利さを提供し、そして基本的にクラスの趣旨を呪文発動から引き離さずにウィザードのプレイ・スタイルを微妙に変化させる。
例:レンジャーズ・ウィズ・ノー・スペルズ
クラス特徴を入れ替える過程の例示として、私たちはレンジャーのクラスから呪文発動能力を削除した。君のキャンペーンでは君がレンジャーにもう少し『指輪物語』の馳夫らしさを求めたり、最初からより明白に魔法がないことを望むかもしれない。
呪文発動のクラス特徴はレンジャーのクラスに大きな影響を与えているので、これは小さな仕事ではない。呪文発動の特徴がクラスに与えているものを評価することから始めよう。一般的に、レンジャーは非常に限られた呪文リスト(そして比較的少ない数だけの呪文を修得する)を持ち、パラディンがそうであるように呪文発動は半分の速度で成長するようになっている。レンジャーの呪文に目を通せば、君は呪文発動の特徴がクラスに与えるものが以下のようなものだという結論に至るかもしれない。
- レンジャーの呪文はディテクト・ポイズン・アンド・ディシーズ、ビースト・センス、そしてコンジュア・アニマルズのように探索に有用なものが多い。
- レンジャーは俺らの戦闘力の多くを呪文、特にハンターズ・マークから得ている。
- レンジャーはキュア・ウーンズ、レッサー・レストレーション、そしてプロテクション・フロム・ポイズンのような呪文で少々の治癒と回復能力を得て、それは冒険者が苦しむ可能性のある危険を食い止める。
- レンジャーはエンスネアリング・ストライク、スパイク・グロウス、そしてコンジュア・バラッジのような呪文で戦場を制御する効果を得て、それらのすべてはレンジャーに戦場での魔法的な強さを与える。
- いくつかのレベルでレンジャーは新しい呪文レベルを使えるようになり、これだけがキャラクターの受け取れる唯一のクラス特徴になる。その結果、ヒット・ポイントの増加以外何もレンジャーに提供されないのを防ぐためにレンジャーには追加のクラス特徴がそれらのレベルで必要になる。
キュア・ウーンズの呪文、そして低レベルでの治癒への大きな必要性があるので、レンジャーが薬草で塗り薬を作って塗れるようになる治癒のクラス特徴――最初はポーションを飲む程度だが、レンジャーがレベルを上昇させることで増大するような――を作成しよう。
さらに、レンジャーが通常ならば提供されるいくつかの戦闘で便利な呪文も必要とされそうなので、バトル・マスターのファイターが戦闘卓越(Combat Superiority)のクラス特徴で得られるものをこの版では加えよう。特に戦場の制御については、戦闘卓越の武技は戦闘において素晴らしい支援を提供することができる。ファイターのクラスを見て、私たちはバトル・マスターのファイターが持つ戦闘卓越がエルドリッチ・ナイトの呪文発動の成長と似た場所にあることを発見できる。私たちはレンジャーにバトル・マスターのファイターより優秀であってほしくはないので、私たちはレンジャーの武技をより少ないところから始め、レンジャーがレベルを上昇させることで増やすつもりだ。私たちは半分の呪文発動能力の成長速度を入れ替えるのだから、これはこのレンジャーを標準の水準にするために私たちがいくつか他の特徴を必要していることを意味する。
9と13レベルは私たちがいくつかの探索に焦点をあてた仕組みを置くことができる隙間だ。最初のひとつはプロテクション・フロム・ポイズンの呪文に似ていて、さらに塗り薬を作成するクラス特徴を強化する効果を与えるものにしよう。私たちは2つめをコンジュア・アニマルの呪文に似せて作り、探索の場面でも先頭の場面でも役立ちそうなものにできる。
他の隙間は17レベルで、そしてこれは戦闘卓越の成長にあてることができる。幸い、バトル・マスターにはこのレンジャーの設計とよく調和するクラス特徴があるので、冒険中している日の後半でさえレンジャーは常に戦場の制御を行なう能力が常に少しはあることを表現するため、私たちは情け無用(Relentless)の特徴に交換することができる。
最後に、私たちはこれらの変更が他のクラス特徴へ及ぼす影響を考慮し、必要に応じて調整も行なわなければならない。たとえば、レンジャーのアーキタイプでもビースト・マスターが15レベルで持つ呪文共有(Share Spells)のクラス特徴は呪文発動の特徴がなければもう機能しない。君のレンジャーズ・ウィズ・ノー・スペルズでプレイすることにしたビースト・マスターがいるなら、君は同様に呪文共有のための、おそらくより長くレンジャーの獣の相棒(beast companion)を生かすのを助けるような交換されるべきクラス特徴を作成する必要がある。さらに、原始の警戒(Primeval Awareness)がクラス特徴を活性化させるために呪文スロットをレンジャーに要求するものを、私たちはこの特徴をレンジャーが1度使えばそれを回復するのに小あるいは大休憩が必要になると改造することができる。
私たちのレンジャーズ・ウィズ・ノー・スペルズのための新たなクラス特徴の完全な解説はここにある。
戦闘卓越
2レベルで、君は卓越ダイスと呼ばれる特別なダイスで使用可能になる武技を修得する。
武技。君はファイターのバトル・マスターのアーキタイプが使用できる武技リストから、武技を2つ選んで修得する。多くの武技は何らかの方法で攻撃を強化する。君は1回の攻撃あたり1つの武技だけを使える。
君は5、9、13、そして17レベルでさらに追加で1つの武技を選んで修得できる。新しい武技を修得するたびに、君は1つの武技を別の1つに交換することもできる。
卓越ダイス。君は4つの卓越ダイスを持ち、それはd8である。君がそれを使うと卓越ダイスは消費される。小あるいは大休憩を終了させると、君は消費した卓越ダイスのすべてを回復する。
9レベルおよび17レベルで君はもう1つの卓越ダイスを得る。
セーヴィング・スロー。君の武技のいくつかは君の目標に武技の効果に抵抗するためのセーヴィング・スローを要求する。このセーヴィング・スローの難易度は以下のように計算される。
武技のセーヴ難易度=8+君の習熟ボーナス+君の【筋力】あるいは【敏捷力】修正値(君が選択する)
塗り薬
3レベルで、君は治癒の力を持ったいくつかのポーションに相当するような特別な薬草の塗り薬を作ることができるようになる。君は1時間使って薬草を集めると包帯で巻いて使える薬草の塗り薬を調合でき、作成できる塗り薬の数は君の【判断力】修正値に等しい(最低1)。君は一度に【判断力】修正値に等しい(最低1)数の塗り薬を持っていることができる。この君が作った塗り薬は気味以外の誰によっても使えない。君が使わなかった塗り薬はすべて、24時間後にその効果を失う。
君が塗り薬の1つを傷ついた人型生物に1分かけてつかったなら、それはその使用によって消費され、そのクリーチャーは君が持つレンジャー・レベル2ごとに1d6のヒット・ポイントを回復する(端数切り上げ)。
自然の抗毒素
9レベルから、君は毒に対するセーヴィング・スローに有利を得て毒ダメージへの抵抗を持つようになる。さらに、君は塗り薬1つをヒット・ポイントを回復させることに加え、それを使ったクリーチャーに対する1種類の毒の効果を回復させることに使える。
自然の仲間の招請
13レベルから、君の得意な地形にいるとき、自然世界と同調して彼らからの援助を取り付けることで、君は代わりに戦ってもらうためにその地形から自然のクリーチャーを招請することができる。君の1マイル以内にいるものたちで君の話を聞くことができて君を助けに来るその地形にふさわしい獣たちを、DMは以下の群れから1つ選ぶこと。
- 脅威度2以下の獣1匹。
- 脅威度1以下の獣2匹。
- 脅威度1/2以下の獣4匹。
- 脅威度1/4以下の獣8匹。
これらの獣は彼らが現在いる場所から君に近づき、君の横で戦い、そして君に敵対的なあらゆるクリーチャーに攻撃する。彼らは君と君の味方に好意的で、君は群れとして招請されたクリーチャーのために、自分のターンでイニシアチブをロールする。DMはクリーチャーたちのステータスを受け持つ。
1時間後、これらの獣は彼らがもといた場所に戻る。君がこの特徴を使用したら、同じ動物が君の呼びかけに繰り返し耳を貸さないため、君は同じ一般的な地域では24時間使用できなくなる。
情け無用
17レベルから、卓越ダイスを持たずにイニシアチブをロールしたとき、君は1つの卓越ダイスを得る。
呪文共有を置き換えるものとして、私たちは以下の特徴を考えついた。
獣との絆
15レベルから、君が見ることのできる攻撃者が君の獣の相棒に攻撃をヒットさせた場合、君は警告を叫ぶことができる。君の獣の相棒が君の声を聞けるなら、それは反応アクションとしてそれに対するその香華のダメージを半分にすることができる。
例:神の愛児(フェイヴァード・ソウル)
新しいクラス・オプションを作成することがどう作用することができたかという例に、第3版のサプリメント『信仰大全』から、完全に独立したクラスであるフェイヴァード・ソウルのデザインを調べてみよう。君が神が世界に大きな影響を及ぼしそうで、それらの神のチョウズン(神の神力の断片を与えられた個人)がキャンペーンの中心的なプレイヤーであるゲームを運営しているのなら、これは魅力的なアーキタイプかもしれない。この雰囲気を反映させるために、フェイヴァード・ソウルをソーサラーのクラスの新たな起源として作成しよう。この選択はキャラクターが彼または彼女の神格による接触によって、強力な魔法の能力に覚醒して根本的な変化があった何かであるという考えを表現している。
既存の超常の起源(sorcerous origins)を見て、私たちは1レベルで、起源がソーサラーの力の源泉の説明を提供しているだけではなく、そのキャラクターのプレイを引っ張っていくことさえできると決意することができる。このソーサラーは神力を吹き込まれることでその魔力を得ていそうだから、私たちはフェイヴァード・ソウルが通常ならクレリックが得る呪文を使えることができるようにすることを決めた。ソーサラーが修得している呪文の数への制限がこのクラスのプレイに大きな影響を与えているため、私たちはソーサラーの修得呪文を拡大するどんなときでも他の超常の起源がかすんでしまう危険をおかしている。これが示すのはソーサラーとしての面は既にかなりのてこ入れがなされたので、他のクラス特徴のすべてがソーサラーの呪文発動と密接に結びついてはいけないことだ。フェイヴァード・ソウルのクラスがそのかつての姿では若干武勇の要素もあったので、私たちはこのソーサラーにもっと良い鎧と単純武器を使えるようにすることにして、竜の血脈(Draconic Bloodline)のソーサラーが1レベルで得られる防御のボーナスと似たものにした。
6レベルで、他の超常の起源はキャラクターの戦闘能力に影響を及ぼす特徴を提供している。バードのクラスを見れば、私たちは武勇の学院(College of Valor)が追加攻撃のクラス特徴を同じレベルで得られるとわかるので、私たちはフェイヴァード・ソウルが持つ武勇の傾向を強化するためにそれを与えることにした。
14レベルで、超常の起源は呪文発動や戦闘力には直接影響を及ぼさないが、かなり便利な何かを提供する。この場合、私たちは同レベルの竜の血脈の特徴にならってフェイヴァード・ソウルの特徴を作ることを選んだ、神格からの接触を反映して信仰と典型的に関係していることにすこしの創造性を働かせた、翼である。
18レベルで、超常の起源は協力で、起源の中心になる主題と強く繋がったオプションを提供する。このレベルのソーサラーはより高いレベルの呪文を扱えるようになるため、私たちが1レベルで与えた特徴のいくつかのクレリック呪文はたいした影響にならず、私たちはこのクラス特徴をそれらのクレリック呪文と関連づけ、それらの呪文を継続的に使えるより刺激的で、高レベルの脅威に直面してもフェイヴァード・ソウルがもう少し屈強になれるものを与えることにした。
私たちが初期デザインを完了した神の愛児(フェイヴァード・ソウル)の超常の起源はここに見ることができる。
神に選ばれし者
1レベルで、君はクレリックのクラスから信仰の領域を1つ選択する。君は1レベル・クレリックのための領域呪文を君の修得呪文に加える。これらの呪文は君が修得可能な呪文の数に不利な影響を与えず、そしてそれらは君のためにソーサラーの呪文であると扱われる。3、5、7、そして9レベルに達したとき、君はそれらのレベルで使用可能になる君の領域の呪文を同様に修得する。
ボーナス習熟
1レベルで、君は軽装鎧、中装鎧、シールド、そして単純武器への習熟を得る。
追加攻撃
6レベルから、君は自分のターンで攻撃アクションを行なう場合、君は1回に代わり2回の攻撃を行なうことが可能になる。
神の翼
14レベルで、君は自分の背中から一対の翼(羽がついたものか蝙蝠のようなもの)を出す能力を得て、君の現在の移動速度と等しい飛行移動速度を得る。君は自分のターンのボーナス・アクションとしてこれらの翼を出せる。君がそれらを自分のターンで行なうボーナス・アクションとして消すまでそれらは持続する。
君が鎧を着ているときは鎧がそれらに対応していない限り翼を出せず、そして服が君の翼に対応しておらず出現させたら破壊する可能性がある間、君は翼を出すことができない。
選ばれし者の力
18レベルから、神に選ばれし者のクラス特徴で君が修得した呪文の1つを発動させた場合、君は自分の【魅力】修正値(最低+1)+呪文レベルのヒット・ポイントを回復する。
こうして、私たちの神の愛児の能力を持つソーサラーは随分な過去からやってきた任意発動できるフェイヴァード・ソウルのクラスにすっかり近いものになった!
著者について
ロドニー・トンプソンはダンジョンズ&ドラゴンズのゲームのシニア・デザイナだ。彼はD&D第5版のデザイナを務めるとともに、『ウォーターディープの支配者たち』とその拡張セットの共同デザイナである。ロドニーがテネシー大学を卒業してウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社した2007年、彼は入社して『Star Wars Roleplaying Game Saga Edition』のリード・デザイナに就任した。
2015年04月12日 [長年日記] 編集
§ [BoA] 2015年04月12日『武勇の証明』(西方暦1070年)
ハンス(24・♂・ルナ=アクア=ディアボロス):マティアス・フォーゲルヴァイデ側仕えの魔“拳”をもつあくまで執事の青年。「少年公の秘密」を知る側近中の側近ではあるが、ブルーダーシャフトの大兄から悪党を「闇は闇へ」葬ることを遺言された始末人という一面も持つため、いつかは主君のもとを離れる覚悟をしている。プレイヤは荒原の賢者氏。
マクベス(?・♂・オービス=アクシス=マーテル):天慧院で魔術を研究していた博士。数年前から見聞を広めるため世界を放浪してハイデルランド地方を訪れ、行きがかりで上北狄大征伐にも参加してしまい「ベルクフリートの誓い」を行なってしまうことになった。現在はミンネゼンガー公国の復興に助力している。プレイヤは隠者氏。
ハインリッヒ・アイゼンハウエル(24・♂・ディアボロス=アダマス=レクス):ウニオンに所属するヒルデガルドの騎士だが、実は彼女の「分かたれた半身」であり、リューテスバーデンのトーナメントが開かれなくなった現在「最強の騎士」候補のひとりではないかと目されている。いつの頃からか持っている「運命のサイコロ」の加護も得ている恩寵多き男。プレイヤは森聖氏。
この面子で久しぶりにやる『ブレイド・オブ・アルカナは、オーソドックスなものにしようと『キング・オブ・ザ・ランド』の一大キャンペーンより、まだ幼くか弱い少年公を護って君主へと育てていくオーソドックスなミンネゼンガー編をやることになりましたぁ。
公式シナリオの内容なので、ネタバレ注意ですぅ。
北狄との戦いの傷がまだ癒えぬミンネゼンガー公国の復興を支援するためにさまざまな方面で尽力していた三人の刻まれし者は、ある日マティアスの後見人であり実質的にこの国を動かしているエヒターブルク宮中伯ユリウスに呼び出され、貴族たちが公の能力に疑問を持っているため、公国北方の山砦を根城にする北狄の残党退治を手伝うように依頼されたですぅ。
マティアスと秘密を共有し忠義を誓ったハンス、北狄大征伐でも戦った宿敵“ずる賢い”ガイネルとの再戦であるマクベス、ヒルデガルドからマティアスの器を見極めるよう命じられたハインリッヒの三名はいずれもこれを断る理由なく、数日の後には公都ヤークトブロンからマティアス率いる北狄討伐軍が出陣することになったですぅ。
しかし、いくらも進軍しないうちに兵士からは兵糧が足りないと不満が漏れ聞こえ、これを調査してみると道中の伝令がうまくいってないことが判明し、刻まれし者たちが近くの村で交渉していくばくかの兵糧を確保して軍の崩壊は防がれたですぅ。
いよいよ北狄の支配域に近い北方の山岳地帯にやってくると、地の利を持つ敵が夜襲をかけてきて、しかもそれに混じって兵士に偽装した刺客がマティアスを狙って突撃してきたですぅ。とっさに気づいて彼らを取り押さえたハンスが尋問して口を割らせると、彼らはエヒターブルク宮中伯の食客で、別働隊がガイネルの部下に接触してさらなる増援を誘導する手筈になっていると口を割りましたぁ。
こうなると最初からユリウスを怪しんでいたハンスとハインリッヒが俄然生き生きし始め「北狄とか今そんなこと言ってる場合じゃないだろ……」「北狄討伐の前に宮中の奸賊を討たねば公国の復興はない!」と兵に檄を飛ばし、追ってくる北狄軍にくるりと背を向け、ヤークトブロンへの大返しを始めたですぅ。
このとき活躍したのがマクベスで「《神罰の光》《煉獄》《水の紋》……って炎と水が混じってるけどどんな攻撃だろう?」「ゴグとマゴグを焼いた火でも連想すればいいDEATHゥ」といった感じで追撃の豚人たちを天から投げ込まれる火と硫黄との池へ溺れさせて振り切り、脱落した兵士たちは置いていきながら刻まれし者とマティアスは公都へ帰還してユリウスの屋敷を襲撃したですぅ。
「どうしたことだ、ウニオンが我が国へ干渉するということか」
「あろうことか北狄と結ぶ奸物ほどではありませぬよ」
「北狄退治より、まずは貴様のような君側の奸を闇へ葬る」
「た、助けてくれマリエン! ∵不可知∵でシーンに出てきてくれ!」
「今、∵封印∵を使った。このシーンで倒せばこっちのもんよ」
こうして、∵封印∵の奇跡によって静寂に包まれたユリウス邸で刻まれし者と殺戮者の暗闘が始まり、ユリウスの攻撃をハインリッヒが防ぎ、危ういところは《恩讐を越えて》でマクベスが補助しつつ、舞台裏から出たがっているマリエンの∵不可知∵をマティアスが打ち消しているうちにハンスの拳がユリウスを叩きのめし、ここに公国を中から喰い荒らしていた悪漢の運命は潰えたですぅ。
そして、パトロンであり恋人のユリウスが死んだことを知って逃げようとしていた“毒使いの”マリエンも同じ手順でその魂を無へと還され、ミンネゼンガー公国の悪党退治はひと段落がつき、マティアスが今度こそ自らの意志をもって北狄を倒しに行く決意をしたところで、アクトは終了したですぅ。
§ [BoA] 2015年04月12日『武勇の証明(ONE MORE)』(西方暦1070年)
ハンス(24・♂・ルナ=アクア=ディアボロス):マティアス・フォーゲルヴァイデ側仕えの魔“拳”をもつあくまで執事の青年。「少年公の秘密」を知る側近中の側近ではあるが、ブルーダーシャフトの大兄から悪党を「闇は闇へ」葬ることを遺言された始末人という一面も持つため、いつかは主君のもとを離れる覚悟をしている。プレイヤは荒原の賢者氏。
マクベス(?・♂・オービス=アクシス=マーテル):天慧院で魔術を研究していた博士。数年前から見聞を広めるため世界を放浪してハイデルランド地方を訪れ、行きがかりで上北狄大征伐にも参加してしまい「ベルクフリートの誓い」を行なってしまうことになった。現在はミンネゼンガー公国の復興に助力している。プレイヤは隠者氏。
ハインリッヒ・アイゼンハウエル(24・♂・ディアボロス=アダマス=レクス):ウニオンに所属するヒルデガルドの騎士だが、実は彼女の「分かたれた半身」であり、リューテスバーデンのトーナメントが開かれなくなった現在「最強の騎士」候補のひとりではないかと目されている。いつの頃からか持っている「運命のサイコロ」の加護も得ている恩寵多き男。プレイヤは森聖氏。
一応、公式シナリオの内容なので、ネタバレ注意ですぅ。
マティアスの叔父であり後見人、エヒターブルク宮中伯ユリウスは北狄討伐にかこつけ甥を除こうとしていたという事実は、刺客として使われた彼の食客たちによる証言や刻まれし者たちの尽力もあって立証されたですぅ。しかし、そうなると問題はこれまで表では能吏だったユリウスが取り仕切っていた政務がマティアスの肩にかかるようになったということで、宮廷雀たちは早速彼の実力について囀り始めていたですぅ。
一方で前回放置した公国北方の北狄残党軍は相変わらず周辺域を脅かしていたため、やはりマティアス公の親征によって脅威を討ち払って民の不安を除いてミンネゼンガー公としての武勇を立てることが望まれ、マティアスも自らの意志によって刻まれし者たちに協力を要請し、二度目の遠征軍が組まれることになったですぅ。
今回のシナリオ前回のアクトから一時間も準備期間がなかったので、こうして戦争へのモチベーションを高め、展開ステージは『キング・オブ・ザ・ランド』の戦争ルールで“ずる賢い”ガイネルの砦までを踏破していくことになりましたぁ。
戦場チャートで思いがけぬことが次々と発生し、武勲チャートで刻まれし者たちが輝く中、軍は公国北方の山地に建つガイネルの居城へ攻め寄せると、一天にわかに掻き曇り「捧げよ聖痕! 今宵は殺戮の宴なり」の叫びとともに戦いが始まりましたぁ。
とにかく力押しの攻撃を2ndアクションも含めて繰り返してくるガイネルには刻まれし者も苦戦し、打撃力の弱さでなかなか削れない事態が危惧されたけど、武勲チャートによりガイネルへ向かって次々とダメージが飛んだこともあり、結構楽に倒されてしまったですぅ。
かくしてミンネゼンガー公国北方の脅威は討ち払われ、マティアスも武勲の証明を立てて貴族たちを黙らせることに成功しましたぁ。
そしてしばらく後、マティアスは宮廷で自らの正体であるマルレーネの姿を明かし、偽りなき君主としてミンネゼンガー公であることを宣言したですぅ。その裏で、彼女はハンスに先日まで“毒使いの”マリエンに与えられていたクリューター伯の地位を与え、どこかに消えそうな彼に腹心でいてほしいと願っていたですぅ。
マクベスはマルレーネが正体を明かしたところで真教教会の代表として彼女を祝福して場を収めた後は、ふたたび毎日の仕事へと戻っていきましたぁ。
そしてハインリッヒはウニオンへ帰還するとマティアス改めマルレーネがミンネゼンガー公にふさわしい器と剛毅さを持っているとヒルデガルドに証言し、ここに『キング・オブ・ザ・ランド』ミンネゼンガー編は幕となったですぅ。
ところで、マティアスが正体を明かしたところで「男の娘っぽさがなくなったのでGMのやる気が一気に減ったな」といわれたのはなかなかにアレだったですぅ。
今回はシナリオで指定された特殊因果律に加え、プレイヤが使いたい特殊因果律というレギュレーションでプレイしたけど、こうするとGMがこんなネタを使う予告(シナリオの特殊因果律)と、それはそうとマイPCはこういうところを強調したい(プレイヤが選んだ特殊因果律)という感じになり、プレリュードの時点である程度ネタ絞れるから色々すっ飛ばして殺戮者と戦うだけでも満足度高く遊べた印象があるですぅ。
2015年04月14日 [長年日記] 編集
§ [DnD][5e] 『私の新たなd20モダン・キャンペーン(My New d20 Modern Campaign)』
Behind the Screens
私は長年のD&Dプレイヤーだが、都市ファンタジーが大好きでもある。『Dungeon Master's Guide』といくつかの改造で、私は第5版のルールが持つ現代ファンタジーの設定での銃撃戦の可能性について探り始めた。
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが2002年に『d20モダン』を発売したとき、私は天にも昇る気持ちだった。ノールがくしゃくしゃのビロウドを着ている! 着飾ったオーガが霧でけぶるロンドンにいる! リヴィング・ダンプスターズが人を食べている!
私は特にアーバン・アルカナのキャンペーン・セッティングに夢中になった。シナリオはおなじみの、私自身の無想からむしりとられたようにも見えるものだった。D&Dのモンスターと魔法(このセッティングでは“影”と呼ばれる)は私たちの世界に自分の居場所を見つけている。否定についてのすさまじい能力のおかげで、大多数の人類はこの事態を知らないままである。少数のヒューマンと友好的な影の存在の種族だけが知っているのだ――戦闘はいうまでもなく――この侵略がもたらす脅威を。
私は自分のアーバン・アルカナのキャンペーンを6年運営した。その点において、他のゲームも私に注目を求めたが、私はD&Dと都市ファンタジーの婚姻がどれくらい興味深かったかを決して忘れなかった。第5版の『Dungeon Master's Guide』が12月に発売されたとき、私は新しいルールを使った最初の自作セッティングがアップデートされたアーバン・アルカナになることを疑いなく知っていて、都市ファンタジーで使うための火器と現代の鎧をいじり回していた。
交戦のルール
『Dungeon Master's Guide』は火器――現代とさらに未来の武器も含んだ――のオプション・ルールを提供する。しかし、これはキャラクターの防御について困惑させられたので私のもとを去った。一般的なファンタジーのセッティングでは、冒険者、警備員、そして他の戦闘する可能性がある者は完全に鎧を着込むことになっている。完全に鎧で身を包んだ仕事中のキャラクターが見られても社会的な罰がない。現代のセッティングはこのことについては異なる動物だ。
古い『d20モダン』のコア・ルールブックを頼りに、そして第5版の数値論をつまみながら、私は自分の“5eモダン”用の鎧オプションを作成した。それは偽装することができるので多くのキャラクターが秘密で、匿名で、あるいは単純に少なくともその時間は目立たない方法で任務を行なえ、私はそれらのオプションが隠匿できる鎧を含むことを確認した。より明白な鎧――ライオット・アーマー、フラック・ジャケット、あるいはランド・ウォリアー・ミルスペック・アーマーなどに関わらず――はおそらく君のキャンペーンで自由に動くためにはキャラクターの社会的能力値判定と彼らの能力値への影響がおそらくあるだろう。それと同じことを象徴して、鎧は【魅力】〈威圧〉判定にボーナスを与えるかもしれない。
現代鎧 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
鎧 | アーマー・クラス(AC) | 【筋力】 | 隠密 | 特性 | 重量 | |
軽装鎧 | ||||||
ヘヴィ・コート | 11+【敏捷力】修正値 | - | 不利 | - | 6lb. | |
レザー・ジャケット | 11+【敏捷力】修正値 | - | - | - | 4lb. | |
ライト・アンダカヴァ・シャツ | 11+【敏捷力】修正値 | - | - | ダメージ減少/2 弾丸 | 2lb. | |
ケヴラーラインド・コート | 12+【敏捷力】修正値 | - | - | ダメージ減少/2 弾丸 | 8lb. | |
アンダカヴァ・ヴェスト | 13+【敏捷力】修正値 | - | - | ダメージ減少/2 弾丸 | 3lb. | |
中装鎧 | ||||||
コンシーラブル・ヴェスト | 13+【敏捷力】修正値(最大2) | - | - | ダメージ減少/3 弾丸 | 4lb. | |
ライトデューティ・ヴェスト | 14+【敏捷力】修正値(最大3) | - | - | ダメージ減少/3 弾丸 | 8lb. | |
タクティカル・ヴェスト | 15+【敏捷力】修正値(最大2) | 【筋力】10 | 不利 | 抵抗:弾丸 | 10lb. | |
重装鎧 | ||||||
スペシャル・レスポンス・ヴェスト | 15 | 【筋力】10 | 不利 | 抵抗:弾丸 | 15lb. | |
ランド・ウォリアー・アーマー | 17 | - | - | ダメージ減少/5 弾丸/斬撃 | 8lb. | |
フォースド・エントリー・ユニット | 18 | 【筋力】13 | 不利 | 抵抗:弾丸/斬撃 | 20lb. |
君がこの表から理解できるように、より重い鎧のほうが新たなダメージ種別である弾丸ダメージも含めたいくつかのダメージ種別への、ダメージ減少(DR)や抵抗を持っている。ゲーム用語としての弾丸ダメージは、火器が与えるダメージ種別で、刺突ダメージに内包される。これはすべての弾丸ダメージが刺突ダメージとして扱われるが、すべての刺突ダメージが弾丸ダメージだというわけではない。魔法の効果やクリーチャーの特性が刺突ダメージへの抵抗を与えればそれは弾丸ダメージにもあてはまるが、弾丸ダメージを軽減する効果や特性が自動的に刺突ダメージへ適用されることはない。
(私のゲームの鎧は今のところ価格を持っていないが、それは私のモダンのルールセットでは、『d20モダン』で使われているそれと似た財力システムをキャラクターに使っているからだ。キャラクターは追跡による収入や経費よりもむしろ、彼らの財力を基準に装備を得る。私は今回完全なシステムについて立ち入らないが、これは Behind the Screensの後の回でいいネタになるかもしれない。)
誰が何を得る?
火器が与えるその潜在的な高いダメージのため、より伝統的な攻撃の方法とのバランスを取るためには複雑化や状態を導入することも必要になった。私のキャンペーンでは、火器に習熟したキャラクターはその攻撃ロールへ自動的に習熟ボーナスを加えることはできない。むしろ、火器への習熟はキャラクターがキャラクターの習熟ボーナスを攻撃ボーナスへ加えるための照準アクションを行なうためにボーナス・アクションを使えるようにする。照準アクションを行なわなければ(あるいはキャラクターが習熟なしに火器を使ったなら)、射手は攻撃ロールに【敏捷力】修正値の利益のみを得る。
武器習熟については、私はいくつかのクラスが火器への習熟を楽しむように決定し、他はマルチクラスをするか休息期間を使って訓練する(『Player's Handbook』参照)ことでそれらへの習熟を得なければならないようにした。私は火器を2つの基本クラスに分けた。(サブマシン・ガンまでが上限の)携帯火器と(ライト・マシン・ガンまでが上限の)重火器だ。より重いもの――たとえばヘヴィ・マシン・ガン、ロケットプロペリッド・グレネード・ランチャー、あるいはフレイムスロワー――はゲームの状況によって特別な許可を与えられる。私自身のキャンペーンで、私は《重火器専門家》という特技を作成して徒歩の個人によって自力運用されるミディアム・マシン・ガンより重いすべての現代武器についての習熟を与えるようにした。私はまたこの特技をファイターのクラスの戦闘スタイルとして使えるようにした。
クラス毎の火器への習熟 | |
---|---|
クラス | 火器習熟 |
バード | 携帯火器 |
バーバリアン | 重火器 |
クレリック | なし(たとえば都市あるいは戦争のような領域によっておそらくは与えられる) |
ドルイド | なし |
ファイター | 重火器および携帯火器 |
モンク | 携帯火器 |
パラディン | 重火器および携帯火器 |
レンジャー | 重火器および携帯火器 |
ローグ | 重火器あるいは携帯火器(キャラクター作成時に選択) |
ソーサラー | なし |
ウォーロック | なし(しかし剣の契約(Pact of the Blade)のクラス特徴を持つなら携帯火器と重火器を作成することができる) |
ウィザード | なし(しかし科学技術の系統(School of Technomancy)では携帯火器への習熟が与えられるかもしれない) |
動くな! 都市の領域? 科学技術の系統? 私は次の機会にそれらを説明しよう!
著者について
ダニエル・ヘルミックはダンジョンズ&ドラゴンズのR&D部の契約社員で、以前はウィザーズ・オブ・ザ・コーストのD&D Insider studioに所属していた。彼は多くの記事とアドベンチャーをDungeonおよびDragon Magazineに寄稿し、それだけではなく『暴虐の悪竜(Tyranny of Dragons)』や『元素邪霊(Elemental Evil)』のAdventurers Leagueプログラムにも貢献している。彼は猫を飼おうと考えているが、彼はその名前をトラップスプリンガーとドラゴンバイトのどちらにしようか迷っている。
2015年04月15日 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 2013年03月10日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル26):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ26):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ26):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター26):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
軌道上での戦いから一年と二ヶ月が過ぎた頃、カーレリアの南に広がる緑の海では大嵐によって船の航海が非常に危険な状態になっていた。その原因はそのあたりの海を支配する神格、グレグルスが突然財宝に憑かれ、それらを運ぶ船を彼が住まう海底の城へ引きずり込みだしたのが原因らしい。そういう事情を神格たちから聞かされ、港町スリカトゥの人々からの嘆願もあり、冒険者たちは海中戦の準備を面倒がりながらも命知らずの船乗りを集めて船を出した。
エスペランザのコントロール・ウェザーによって危なげなく進んだ三日の航海の後、グレグルスの領界へと達したパーティはそれぞれが準備した手段を使って彼の城へ向かった。海底へ降りてみると、そこではストーム・ジャイアントやマーリド、グレグルスの神力で産み出されたヒトガタが水の渦巻く入り組んだ通路を警備している。
海の汚染も気にせずエスペランザがアシッド・ストームを放って敵を牽制しつつ、入り組んだ通路ならばシーフの独壇場ということで三人が見守る中グスタフが各個撃破し、一行は城の中を目指すのだった。
城の中ではグレグルスの司祭でもあるストーム・タイタンの王が、ストーム・ゴルゴンとサンダーストーム・サイクロンを従えて侵入者を迎え撃ってきた。今度はアゼリに守られながらグスタフが進行し、それを少し後ろからセヴンが支え、遠距離からエスペランザが戦場を支配する構図で戦い、王を倒したところで彼から事情を訊くことにした。
王の話によれば、海上に住むグレグルスの信者は海へ貢物を投げ込み、グレグルスはそれを受け取るのが長年のしきたりだったのだが、数ヶ月前から徐々に神格の様子がおかしくなり、財貨を狙った嵐を起こすようになるまで豹変したのだと王は語った。貢物はすべて神格の高御座に置かれているし、どのみち狂った彼を修正しなければならない。冒険者たちはグレグルスの座所へ続く階段を進むと、凪いだ日なら海面まで見渡せるであろう屋上へとやってきた。
屋上は、ここが神格の座する高御座かというほどに荒れ、穢れていた。明らかに禍々しい気配を放つ金貨の山に、ウェンディゴ・プライマル・スピリットやボーンゴウジ・アサシンといったデーモンたち。グレグルスがこれらに狂わされたのは明白であったため、エスペランザのメイズでグレグルスを放逐してから、残ったストーム・ゴルゴンをいなしつつデーモン二体と怪しげな金貨を排除することになった。
戦いが終わり、迷宮次元から戻ってくるとグレグルスはやや正気を取り戻していたようで、これまでの事情をパーティに話した。海上から投げ入れられる供物に混じっていた金貨を眺めていると、財宝がほしくてほしくて仕方がなくなってしまい、嵐を起こしていたと。
穢れた金貨を投げ込ませたのは恐らくデーモンだろうが、それ以上のことはわからないまま今回の事件は終わった。しかし緑の海を覆っていた嵐は晴れ、海辺の民は元の生活を取り戻し、英雄たちは世界にまたひとつの伝説を刻むのだった。
2015年04月16日 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 2013年06月16日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル27):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ27):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ27):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター27):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
物質界で緑の海に起こった異変を解決してから四ヶ月が経った。パーティのメンバはそれぞれ自分の事をしていた。だが、エスペランザの領界を訪れたあるエルフが、星幽界に浮かぶさまよい島に住む謎めいた種族、ウィーヴァーたちが困っているという情報を持ってきた。彼らの高度な文明に興味を持ったエスペランザは仲間たちを募り、“名無し”の船で八日をかけてさまよい島を見つけ、彼らと接触することに成功した。
ほとんどが機能を停止して朽ちた遺跡都市の中心部にウィーヴァーたちは住んでおり、何に困っているか訊ねると、ここにフォーセイクンの一団と“千人長”を名乗るピット・フィーンドの兄弟が訪れ、遺跡の動力であり彼らが元いた宇宙の時空間座標を刻んだ故郷への手がかりでもある円盤を奪われてしまったという話だった。一枚でも取り戻してくれれば礼をするといわれた冒険者たちは、フォーセイクンの隠れ家を探して船を進めるのだった。
三日後、くだんのフォーセイクンたちが潜む要塞を発見したパーティは強襲した。アポカリプス・スペルの冷気が吹き荒れる中、神と世界を憎む無貌の者たちは攻撃を仕掛けてきたが彼らを打ち倒して先へ進み、アゼリとエスペランザが盤面を支配している隙にグスタフが首領を斬り、それと同時にレジェンダリィ・シーフの特徴、Steal Back the Soulでその心を満たしていた憎悪を盗み出し、さらには彼らが円盤の力で開発を進めていた神殺しのアーティファクトも押収し、戦闘を終了させた。
今までの己を作り上げてきたものが一瞬にして無になったフォーセイクンの首領は要塞の床に膝をついて「俺もうただのバイザーつけたおっさんだよ」と嘆いていたが、グスタフはその隙を見逃さず、長年の知識と能力があればうまくやっていけると自らのギルドへ勧誘し、永劫に続く憎悪から開放された者たちは新たな居場所を求めて物質界へ向かう準備を始めるのだった。
それはそうと、どこから円盤を使ってアーティファクトを作成するような技術がもたらされたか訊ねると、神々を憎悪するが力に欠けていた彼らのもとにウォーロック風の人物が訪ねてきて、さまよい島の遺跡都市と円盤の力について教えてくれ、ことが済んだら円盤を謝礼としてもらいたいと持ちかけられたことを首領が白状した。パーティが彼らの特徴から招待を分析すると、この宇宙ではない“彼方の領域”とも呼ばれるどこかからやってきたスター・スポーンだと判明し、彼らはまた船を飛ばして次の戦場へ向かった。
三日かけて船がたどり着いたのは、かつてはどこかの次元、あるいは宇宙へ通じる門があったと思しき遺跡。しかし、現在スター・スポーンが取り囲むその門からは半透明の不浄な触手が漏れ出し、床を満たしている。どうやら“千人長”兄弟からもたらされた円盤を起動させ、時空間座標を歪めることで自分たちの故郷へと繋げているらしい。
何者かの到来に陶酔しているような台詞を吐くスター・スポーンにしかし冒険者たちは無慈悲だった。前衛をアゼリが足止めしてエスペランザが吹き飛ばしてセヴンがエスペランザにマジック・ミサイルを撃たせているうちに、〈隠密〉に長けたグスタフが首領らしきスター・スポーンを切り刻んで黙らせ、そこから各個撃破したのだ。
スター・スポーンを退治した後は門を止めねばならない。しかしそこはエルフ・ハイ・メイジのエスペランザが危なげなく封印し、円盤も取り返した。
すべてが終わってさまよい島のウィーバーに円盤を返却すると、彼らはこれで故郷への手がかりが戻ってきたと大いに喜ぶとパーティたちへ礼の財宝を渡し、元の静かな生活へ帰っていった。
今回のセッションでは、神と世界への憎悪に塗れたフォーセイクンですら救える神話級PCの能力を見て、神話級セッションとは単にパワーだけではなく自発的に物語を動かしていける力をPCに与え、DMとプレイヤがお互いに展開を提案しあうものだという認識を新たにしたですぅ。
また、セッション後半は記憶と記録に怪しい点があったので実際とはちょっと因果が異なるかもしれないけどご了承いただきたいですぅ。
2015年04月17日 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 2013年11月17日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル28):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ28):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ28):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター28):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
ウィーヴァーたちの都市で一休みしているとき、異変は起こった。物質界すべての海が泡立つように荒れ始め、死者がアンデッドとしての蘇生を始めたのだ。この急報を神々からの声で聞いた一行は、同じく星幽界の辺境に位置する何かの神の骸ともいわれる岩塊が怪しいとみて急遽飛び立った。
同じ辺境であるゆえ一日でそこへ降り立つと、そこには生まれることがなかった神の骨と皮でできた遺骸、アトロパル・デススクリーマーが、この宇宙ではないところから訪れた異形のドゥーム・ハルクと、マインド・スラッシャーを従えて待ち構えていた。
「ツギノ、セカイデ、カミニナル」などのうわごとを発しながら迫ってくるアトロパルたちには、戦場を駆け回るアゼリと後ろで泰然と呪文を詠唱するエスペランザが状態異常を叩き込み、グスタフがダメージを与え、セヴンが適宜味方を再行動させていた。
最後はそれでも押し込んでくる敵と乱戦になるがアゼリが守り通して戦いは冒険者側が制した。しかし、ここはまだ外周部に過ぎない。複数の次元界が折り畳まれた複雑な迷宮になっている内部は技能チャレンジになっていたが、もはや28レベル。危なげなくクリアすると、次の空間へと放り出された。
次元界回廊を抜けたパーティがいたのは、密林だった。茂みのそこかしこからサーペント・オヴ・ニハルが這い出てきて、生きとし生けるものの正気を餌にするサニティ・サイフォンが徘徊し、近づいたものを吸い込む次元の亀裂が行く手を遮る、異形の密林である。
エスペランザの開幕爆撃をサーペント・オヴ・ニハルはそのパワーでかわして29レベル雑魚の維持を見せるが、所詮は雑魚。ふたたび戦場に出てくれば足止めにしかならず、タイム・ストップやAC以外の防御値を狙うことに集中したサニティ・サイフォンがやや冒険者を苦しめるも袋叩きになり、戦闘は終わった。
次元の亀裂を避けながらさらに奥へ進むと、サニティ・サイフォンとそれを従える“目玉の暴君”ことビホルダーの中でも最悪の一種、異なる宇宙の力をその身に宿し現実改変の力まで持つヴォイドスフィア・ビホルダーが、湖の中でとぐろを巻く長大な“龍”を見下ろし、その移ろう様子を観察していた。
そしてこの多重次元迷宮を創造した“目玉の暴君”は厳かに宣言する。
「リヴァイアサン。それがまどろむうたかたの凪こそが宇宙で、目覚めると宇宙は終わると伝えられる龍王。夢が現となる“ここ”ではそれすらも創造できる。この世界を夢みる龍王に夢を囁くわしこそが秩序の制定者であるがゆえに」
夢と現の境が曖昧なほつれた次元の元凶はウィーヴァーから盗んだ円盤の力の余波でアスペクト・オヴ・リヴァイアサンを見つけ出したビホルダーたちだったのだ。しかも、彼らの次の一手はアスペクトの力を借りて夢見るリヴァイアサンを起こし、宇宙を再創造することだった。そんなことは許さんとばかりにエスペランザはメイズをアスペクト・オヴ・リヴァイアサンへ放って迷宮次元に放逐し、まずは彼らの目的達成手段を奪った。しかる後にプレイヤがその能力を恐れるヴォイドスフィア・ビホルダーへ集中攻撃が加えられ、奇しくもエミッサリー・オヴ・カイフォンが横で善戦しながら全滅。メイズから戻ってきたアスペクト・オヴ・リヴァイアサンはパーティ全員で宥めて再封印し、ここに宇宙再創世の危機は免れたのだった。
今回のセッションは導入部の記憶がかなり曖昧なので、これでよかったのかちょっとわからないですぅ。
しかし、今回の最終戦闘はドラゴンやビホルダーなどの有名どころはプレイヤも危機感を持つから取り巻きが少ないと一ラウンド生き残れないことを見事に証明してしまい、もうちょっと何かいさせてもよかった気がしないでもないですぅ。
2015年04月18日 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 2013年12月08日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル29):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ29):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ29):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター29):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
ウィーヴァーたちを助けリヴァイアサンを鎮めた旅から一年と四ヶ月が過ぎた。
パーティはふたたびそれぞれの運命に導かれてそれぞれの偉業をこなしていたが、エスペランザの領界に炎が落ちるとともにデーモンの軍勢が出現し、破壊の限りを尽くし始めたのをきっかけに、また集結することになる。
小さな次元界であることが幸いして多くの住民はエスペランザの宮殿へ逃げ込むことに成功したが、敵は次々と飛来して宮殿を目指し、天球の端では現実が改変され、森の木々は腐れ花も枯れ始めていた。
そんな中、緊急で集まった四人により軍議が行なわれ、斥候を走らせ敵の進軍路を把握するとともに、エスペランザはかつて呪文が九階梯だった時代には九つと一つ目の呪文と呼ばれていた大呪文を行ない、敵が行なう現実改変への防壁を展開し、戦いの間の時間稼ぎを行なうことに成功した。
そして一行は斥候からの情報と地の利を活かして宮殿の近くまで寄せてきた敵の背後を取った。ユアンティの傭兵団とヴロックの一群を率い、副官のズィザールたちに辺りを焼かせているのはモリデウス。次元界のひとつも持っていておかしくない実力の堕ちたるエンジェルだ。
物陰から彼らの隙を突くと、エスペランザが怒りに任せてヴロックたちを一瞬にして屠り、その後は自ら大斧で先陣を切るモリデウスとそれに乗じて攻撃してくるユアンティをアゼリが抑え、ズィザールからの炎はセヴンが矢面に立って彼らを撃破した。しかし、これもまだ第一波にすぎない。歪められた天球からは次々とデーモン・ロードが降臨し、エスペランザの世界を破壊している。
大規模な呪文やそれに類するもので敵が降りてきているのなら、異変の中心へ向かう鉄則に従ってすっかり禍々しい雰囲気に支配された森の中を進む一行の前に、エンシェント・アビサル・ワームを従えたデーモン・ロードが姿を見せた。筋肉に覆われた大きな猫背の人型に一対の翼をそなえた、フラズ・アーブルである。その本質である怒りに任せて破壊を振りまこうとしていた彼に、冒険者たちはひとつの挑発ともとれる提案を行なった。
いわく、物質世界のある地域で行なわれている勝負の儀式である相撲。それに冒険者が勝てば、この次元界から退去する、と。十八フィートを超える巨体のフラズ・アーブルは負けるはずがないと怒りながらその挑発に乗ってグスタフと立ち会ったが、結果は即座に転倒。契約ならばしかたなしとエンシェント・アビサル・ワームに鞭をくれ、この次元界から去っていった。
フラズ・アーブルをやり過ごして森を抜けると、炎が落下した場所が見えてきた。辺りの土は融けて溶岩と化し、熱せられた空気はそこらで爆炎を発している。その中心にはこれまた次元界をひとつ支配してもおかしくないデーモン・ロード級の化け物、クルリキルが狂信者とアポカリプス・スペルのライト・オヴ・アモスを従えて何かの到来を待っていた。
しかし、われらが冒険者はそんなことは意に介さずアゼリが飛び込んでクルリキルに与えられるだけの状態異常を与えて身動きを取れなくしてからエスペランザがメイズで始末し、狂信者も神話級に達して永劫に足を踏み入れていたとはいえ所詮ヒューマンであるゆえ連続して繰り出される暴力には弱く、あとはライト・オヴ・アモスだけかというところで、それは来た。
この場に渦巻く炎を触媒にエスペランザの防壁を強引に通り抜けて出現したそれは人のような形をした炎。燃え盛り、焼き尽くすことこそがその意志にして目的の悪のエレメンタル・プリンス“火の王”アイミックス。それは宣言する。この世界を焼尽し、世界卵へと回帰させると。
途方もないものいいだが、それには可能なのだ。その剣のように形成された炎の一閃で大地は沸き立つ溶岩と化し、腕を一振りするだけでエレメンタルの僕を大量に発生させる。ここでエスペランザたちが抑えなければ、生まれたばかりのエルフの安息所は無へと回帰させられるのだ。
グスタフとセヴンはアイミックスが繰り出す攻撃や大地の融解をものともせずにひたすら打撃を与え、戦場を飛び回るアゼリがライト・オヴ・アモスとアイミックスの両方を押さえ、エスペランザが後方から火力で支援する。いつもの形だが、一番慣れた連携でじりじりと押していき、冒険者たちはついにアイミックスをこの世界から消散させることに成功した。それと同時に次元界で増していた火の力も通常に戻り、世界にはふたたび花や木が芽吹き始める。誰もがそう感じた。
しかし、勝利を確信し天を仰いだものがいれば、そうではないことを直感できたはずだ。
まるで物質界の空に浮かぶ月が如く次元界の天球に見える禍々しい水の塊、デーモン・ロードたちが集結していた魔宮が浮かんでいたがゆえに。もっとも古きデーモン・ロードの一柱であるダゴンの支配する次元界、イハ=ンスレイは、今まさに現実を改変してエスペランザの領する次元界アクシズを同化しようとしていた。
ついに4eのキャンペーンも最終章に近づいてきたですぅ。というわけで、私が『EoE』好きだし、敵が全力で本拠地を攻めてくるのでそれを迎撃せよというタメの回であり、この辺は自分の次元界を持つことにしたエスペランザのおかげでシナリオのプロットが大半決まっているわけで、キャンペーンで積み重ねてきたものを使う醍醐味ともいえるものですぅ。
敵も出し惜しみなく、デーモン・ロード級のモリデウス、フラズ・アーブル、クルリキル、アイミックスの四天王という感じの面子を揃えて、とにかく勢いで押していくコンセプトですぅ。
そして今回のセッションで一番光っていたのは、フラズ・アーブルを挑発して相撲勝負に納得させ(技能チャレンジ)、グスタフがパワーで転がしたところで、これぞ4eの柔軟性であり、戦い以外で敵を追い返す神話的偉業だと感じましたぁ。
そして、話は次回へ続くですぅ。
2015年04月19日 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 2014年03月09日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル30):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ30):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ30):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター30):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
アイミックスは退けたものの、彼ら邪悪なる存在を操っていたダゴン、そして彼の領界イハ=ンスレイはエスペランザの領界アクシズからも大きな月のように見えるほど目と鼻の先に留まり、次の一手を準備しているのか不気味に沈黙していた。こちらはエスペランザが第十階梯の呪文で防壁を張っているが、敵が攻勢に転じれば不利になる。そこで、冒険者たちはイハ=ンスレイへ攻撃を仕掛けることにした。アイミックスの撃破後に大休憩を取った翌日、ウォーフォージドの“名無し”が合体した船を駆って一日の航海をし、イハ=ンスレイの外周部に潜入した。
敵も無策ではなく外周部には幾重もの防壁迷路が張り巡らされていたが、エスペランザやグスタフは易々とそれをほどき、イハ=ンスレイ内部への経路を作っていく。
たどり着いたそこは、水没した遺跡だった。いつの時代、どこのものとも知れない様式の建造物に面妖な浅浮き彫りが刻まれ、生物の腐った磯臭さが漂う建物の上では、エンシェント・アビサル・ワームが侵入者を認め、鎌首をもたげていた。
エンシェント・アビサル・ワームは冒険者たちが出現した海岸まで一気に飛び込むと陣形を整える暇を与えずに攻撃を加え、アゼリの戦場支配能力と拮抗した戦いを演じたが、最終的には伏せ状態になり倒された。
その直後、周辺の海が逆巻き、下半身から無数の触手を生やした人のような形を取る。悪のエレメンタル・プリンセスの一柱“水の女王”オルヒドラである。オルヒドラは防御役であるアゼリをその水の体に取り込んでパーティを苦しめるが、堂々巡りになることに苛立ちを覚えたエスペランザがメイズで迷宮次元に放逐している隙にパーティは泥仕合をやり過ごし、近くでさらに内側の層へ向かうための門を見つけて飛び込んだ。
門を抜けた先にはクオトアやサフアグンなど知的水棲生物の住まうイハ=ンスレイの都があり、中心部にはいくつもの巻貝を有機的に融合させたようなダゴンの宮殿がそびえていた。宮殿の近くには同じような造りで小ぶりの建造物がもうひとつあったので、冒険者は休息所の確保も兼ねてまずその建物を制圧することにした。
レジェンダリィ・シーフの特徴で他者から認識されなくなっているグスタフが建物の中を調べると、漆黒の大鎌を携えた男がシブリエクスなどを従えて研究らしきことを行なっている。そこでグスタフは仲間をこの部屋まで誘導して部下を一掃させた後、男の喉元に短剣を突きつけた。
「やあ困ったな。助けてくれたら君たちが知りたいことを教えよう。千年とまではいかんがこの体で百年以上は蓄積した経験を惜しむほどの分別はあるからね。わたしはヒルベリス。かつてヴァンパイアとして黒き月で滅ぼされた者だ。ダゴンの力で欠けた魂と体を再構成され、今は彼のものの魂の総容量を増やし、より高次の階梯へ至るための研究をしているというわけさ。平たくいえば神格化だ。別の仮説や方法もあるにはあるがわたしにも分別はあるからね。バックドアのあるこの方法にした。で、その神格化の方法が君たちの次元界を世界卵へ還元して取り込むことなんだ。ダゴンは宇宙外から漂着したので、この世界との強烈な結びつきが必要なんだな。ダゴンを滅ぼす方法? 宇宙外から漂着した存在だからこの宇宙の武器じゃだめだよ。神格化してこの世界の存在になったら力業で滅ぼせるかもしれないけどね」
比較的話好きな研究者のヒルベリスは彼自身も安定はしているがつまらないこの研究生活から抜け出したいのか、ダゴンについての情報をよく喋った。グスタフなどは彼から知識欲の概念を盗めば、蓄積した知識を喋るだけの無害な男になるのではないかと感じたくらいである。しかし、この世界の武器ではあれに致命の一撃は与えられない。そんなとき、グスタフとセヴンは自分たちが持つ力場発生器と爆射式鎖槍のことに気づいた。これらは放浪する次元界“貪る大渦”の島長から与えられた異なる宇宙で生み出された武器。勝機はある。
4eキャンペーンの最終章は、ダゴンがエスペランザの次元界を襲った目的も明らかになり、不完全に倒すか、エスペランザの次元界を呑ませて神格にさせたところで完全に倒すかの二択かと思ったら、かつての冒険で得られた武器が第三の選択肢を与えてくれたという展開だったですぅ。
DMとしては3.5eキャンペーン終盤で即死したヒルベリスを死に際の台詞通りにまた復活して研究者として出したのがこだわりポイントだったけど、転生した姿が自分専用武器を出すヘクスブレードでろくに活躍できないまま降伏したので、PCからは散々いわれたのがアレだったですぅ。
そしてこの日はここで時間切れとなり、ダゴン退治は次回へと続くですぅ。
2015年04月20日 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 2014年05月04日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル30):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ30):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ30):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター30):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
ヒルベリスの研究室で小休憩を取った一行は、何者からも認識されないグスタフが先行して偵察を行ない、見つかった安全な経路を全員で通る方法で安全にダゴンの城へと潜入した。しかし、ダゴンの城内部ではそうもいかない。間取りからしてダゴンの部屋へ通じるらしき場所の前では多くのデーモンが彼のものを神格にするための作業を続けていたからだ。
グスタフが一体や二体倒したところでどうにもならない。そのため、一行は一旦城の窓から外に出て、玉座の間へ忍び込むことにした。足場は細く地上へ叩きつけられたら無事ではすまない高さだが、各自飛行能力やポーションで危なげなく技能チャレンジを突破し、玉座の間を彩る禍々しい図像のステンドグラスを蹴り破って宇宙の外より訪れた、ある宇宙では神とまで呼ばれている存在の高御座へと飛び込んだ。高レベルのフォービダンスで守られてはいたが、物理的な守りは薄い。その脆弱性をついた冒険者がまず一手得をした。
だが、部屋の中ではダゴンが冒険者たちを驚かせる番である。インカーネイト・ドゥームでその姿を認識するものすべてに恐怖を振りまきながら、配下のマーリド、ヴロックを差し向けてくる。冒険者たちは壊れたステンドグラスの向こうからまずはエスペランザがメテオ・スゥオームを部屋に吹き荒れさせ、確実に取り巻きから刈り取っていく。
そして配下がほぼ倒れ、ダゴンがその巨体を揺らしつつ動いたときアゼリが飛び込み海魔の王の足を止め、グスタフが切り込む。ダゴンは間合いを取っての遠隔攻撃を試みるが、玉座の間という限定された空間が仇になり、水場を隔てているとはいえ冒険者にとってはすぐに手の届く場所だった。機会攻撃によって水場に叩き落とされる危険もものともせずアゼリとグスタフは喰らいつき、ついにダゴンが地球という宇宙ではそう呼ばれ、神格として崇められていた“父なる”ダゴンの姿へと変化させた。今までのような無数の触手を減らし、戦いに特化した形態である。
太い腕についた鉤爪と触手、そして水流が荒れ狂い間合いをはかりたいエスペランザすらも引き寄せられる中で、パーティは確実にダメージを与えていた。もはや取り巻きもおらず、後は純粋な力勝負だ。その状況が機と見たセヴンは前に出て、ダゴンの身に
お互いの死力を尽くした戦いは、無用な戦いを避けて一手先を取っていた冒険者が制した。玉座の間の奥へ逃げようとするダゴンをアゼリがウォーデンズ・ルアーで一本釣りしてもはや逃げることも許さず、消えない傷口に向かって攻撃を続けると、いくつもの世界で崇められながら本拠を持たぬ流浪の王の精髄は砕け、その身も黒い泥のようなものになって崩れていき、その中からグスタフはダゴンの核をお宝として拾い上げ、エスペランザに手渡した。
ダゴンは、滅びたのだ。少なくとも今この瞬間、この宇宙では。
冒険者たちは神話になった。
支配者が滅した以上、イハ=ンスレイもまたゆるやかに荒廃していくのだろうが、それはまた別の話、他の誰かが書くことだろう。こちらは、筆を置く前に冒険者たちのその後の話を少々つけ加えて物語の締めくくりとしよう。
滅びの宿命を持つ子として生まれたエスペランザ。彼はアクシズに帰還した後、己の領界をすべてのエルフと種族に開かれた国として開放し、若きエルフたちがより広い世界を見聞する足がかりになるよう尽力した。彼はエルフの伝統的な生き方を滅ぼした王として、ある意味でその予言を成就させたのだ。
セヴンは神話になった後も雇われ将軍を続けている。いくつもの新たな武功を挙げているが、決して君主を定めず、君主となることもない奇妙なドワーフだが、オークとの戦いが絶え間ない北方諸王国では大いに頼られ、いくつもの伝説が生まれた。彼の生んだ戦略や戦術が教本から消える日は来ないだろう。
サトリアヌスからも認められて一人前になったアゼリは故郷の森へ帰り、その守護を続けている。ゆえに、この森へ入る者は気をつけたほうがいい。彼女は自然の摂理の守護者として、何者の声も耳に入れず、ただ摂理の刃を振るう存在であるがゆえに。その剣は常に公平であり、そこに情が挟まれることはない。
グスタフは、自分のギルドを部下たちに任せて気ままな旅に出た。何者からも認識されず、盗みたいものは盗みたい放題なのだが、不思議と彼が活躍した噂は聞かれなくなっていった。そのかわり、きちんとなおしたはずの物がなくなっていたとき、それが「グスタフのしわざ」と呼ばれるようになった。
2010年10月11日から四年(正味は三年くらい?)くらいかけた1~30レベルキャンペーンがついに終わったですぅ。
最初のほうはおっかなびっくりで4eの回し方もいまひとつわかってなかったけど、伝説級に入ったあたりから、やりたいことをどうやるかが段々わかってきて、プレイヤからの提案もうまく拾えるようになり、色々工夫して戦闘も速く処理できるようになった印象があるですぅ。
神話級ではPCの行動でどんどん世界が変わっていくダイナミズムがたまらず、カーレリアとそれをとりまくキャンペーン世界も随分変貌しましたぁ。この変化については、また5eで始まるキャンペーンに繋げたいので、DMの裏方仕事は増えつつカーレリアのセッティングを公開できる程度の文章にまとめるいい機会かもしれないと感じているですぅ。
プレイヤの四人や助言を下さった方々への感謝の意を述べ、4eのレポートは筆を置かせていただくですぅ。
2015年04月21日 [長年日記] 編集
§ [Ludus] 佐賀と熊本への旅(ロマ佐賀2篇)
今日から佐賀のロマンシング佐賀2と熊本の特撮博物館をめぐる旅に出るですぅ。
唐津から佐賀へスタンプラリーをしてそこから熊本入りするプランをいくつか立てていたものの準備に時間がかかったので、地下鉄で押して扉を開けるボタンにほえーとなりながらも唐津滞在時間が十分かそこらのもっともタイトなものになり、駅の観光案内所でスタンプラリーの台紙を全部もらったら数日前に届いたばかりのブーツでふるさと会館アルピノまで歩いてスタンプを押すと、ロリィタで行っていたのでパニエで膨らませすぎたスカートをひっかけながらタクシーに乗って旧唐津銀行の建物を眺め、こんなところで撮影をしたらよさげだと感じながら急いでスタンプを押して駅までとってかえし、インサガ看板を撮ってアプリ『どがんしたと?』のスタンプラリーも達成したので、いつもはモバイルSuicaだから久しぶりに切符を買い、次なる目的地の多久へ向かおうとしたらホームで怪我があったらしく流血沙汰になっていて、大丈夫じゃろかとか考えながら電車に乗ったですぅ。
このときホームにもSaGaなデコレーションがしてあるのに気づいたけど、もう電車がいつ出るかな状態だったから撮るのはやめておいたですぅ。
多久ではホームの皇位継承やキャット、インペリアルクロスのデコレーションを撮影しつつ、ペルソナめいた階段を降りて隣接するあいぱれっとでアセルスを撮ってアプリのスタンプラリーをこなしつつ、でんでんカフェでベリーのスムージーで一休みしながら岸川まんじゅうのかけばやし本舗さんまでどう行けばいいか伺って、商店街の中にあるお店へ向かったですぅ。
ここではロリィタが珍しがられ、奥にいた店員さんまで呼ばれて「週刊誌から出てきたみたい」などともったいないことをいわれてしまいましたぁ。ロマ佐賀2に参加してる人が頻繁に来るみたいなお話を聞きながら、ここのお店で珍しかったあん無しまんじゅうと抹茶、よもぎを買って道中のおべんとうにすることにしたですぅ。
そしてまたあいぱれっとへ戻り、SCOL&Sさんという雰囲気のいい雑貨屋さんでペンを買って多久の三地点を達成し、ちょっと休んでいたらバスが来たので運転手さんに小城の様子を訊ねてみるとバスターミナルから駅まで結構歩くということだったけど、チェックポイントを回るには都合がいいので乗ることにしてしばらくバスの旅をしましたぁ。
小城のバスターミナルで降りたらちょうど近くにむら雲堂本舗さんがあったのでそこで好物の昔ようかんと小さなようかんがあったのでそれをいくつか買って、スタンプを押させてもらいましたぁ。ここではようかんとお茶までごちそうになってしまい、ありがとうございましたぁ。
しかし、しばらく歩いたところでスタンプラリーの台紙を忘れたことが発覚し、また戻って回収、おぎ元気館を目指したですぅ。ここは観光案内所みたいな施設で、スタンプのほかにも等身大ゆるキャラが展示してあったり、イベントの告知があったりしたですぅ。そしてしばらく歩いたらまた台紙を忘れていることに気づいたので取りに戻り、履きなれないブーツがもう限界かもしれないからタクシーを呼びたいと相談したら、歩ける距離だからとはげまされながら小城駅へ歩き、ここでドット絵ジェラールを撮ってアプリのスタンプラリーを進めたら計画通り十分ほどで列車が来たけど、ラッピング列車だったのは嬉しい誤算だったので道中と佐賀駅でもいっぱい撮ったですぅ。
そして佐賀に到着したのが午後四時、ぎゃらりぃふじ山さんの閉店まではあと一時間ほど余裕があるけど、チェックポイントはどれも駅から遠いので、まずは白銀の皇帝を撮ってアプリのスタンプラリーをコンプリートし、タクシーに乗って佐賀城本丸歴史館へ向かいつつさがレトロ館が歩いていける距離にあることを確認し、ジョジョめいた文句の看板に導かれながら復元された佐賀城の本丸へ入ると、土足禁止だったので自分でも扱いづらいブーツをうんうんと脱いで、駆け足で展示を眺めさせてもらいましたぁ。幕末鍋島藩ゆかりの品々が多く展示されていたけど、一番の驚きは入館料がお気持ち次第になっていたところですぅ。なので私の気持ちを支払った後、また苦労してブーツを履き、近くのさがレトロ館へ行くとこっちも雰囲気のいい建物で、撮影以下略とか頭をよぎりながらおみやげの嬉野茶を買ってスタンプをもらい、ロマ佐賀2スタンプラリーの全地点を制覇して急いでタクシーに乗ったですぅ。
午後四時五十分くらいにようやくぎゃらりぃふじ山さんへ到着してスタンプラリーの台紙を見せ、一日で全地点制覇をしたといったら少々呆れられたようだったですぅ。時間が押しているのにいろいろと見せてもらったりお話も聞かせていただき、広告入り佐賀新聞や、ロマ佐賀2の絵柄入りバッグも余分にいただいてしまったですぅ。
グッズはトートバッグと陣形水ものがたり羹、ドット絵小皿から白銀の皇帝を買いましたぁ。白銀の皇帝は最初、家にこもってゲームばかりやってた時期に長いつき合いをしていた最終皇帝かとばかり思って買ったものだけど、彼にもお世話になってるし似たような存在だからよしとするですぅ。
というわけで、ロマ佐賀2は七枚すべてのステッカーも手に入れ、無事に完走したですぅ。関係者の皆さんがイベントのことをよく把握しておられて、親切に対応していただいたのでとてもいい思い出になる、列車やバス一本逃せばタイムアップなリアルRTA体験だったですぅ。
しかし私はこれから熊本へ向かわねばならないのだけど、よく考えたら朝から多久のスムージー以外何も飲んだり食べたりしてないのでちょっと苦しくなり始めてきたものの、ミスタードーナツは学校が終わったらしい高校生な人々たちが多そうだしカロリーも心配だしと駅の食堂街をふらふらして、結局買ったおまんじゅうをどこかで食べればいいと考え、駅にあったコクミンドラッグでペットボトルの麦茶買っただけで鳥栖への電車へ乗り込んだですぅ。
しかし、鳥栖行き電車は帰宅する人たちだらけでお弁当を食べるような余裕はもちろん座ることすらできず、麦茶をちびちび飲りながら特急にすればよかったと後悔しながら鳥栖に着いたですぅ。鳥栖では次の電車まで待ち時間がかなりあるので今のうちにとおまんじゅうを開封し、あん無しをまず食べたですぅ。これはたまにやってくるあんこはいらないから皮だけ食べてたい欲を満たせるいいおまんじゅうでしたぁ。
ちょっと遅れてやってきた電車はさっきまでよりかなり余裕があったのでもうひとつお茶の香りが結構強い抹茶まんじゅうを食べつつ、九州新幹線にしておけばよかったのかもしれないと熊本への普通電車の旅に不安感を覚えてきていたですぅ。
このあたりでブーツへの我慢も限界がきて、念のため持ってきていた普段履きのボアつきブーツ(ブラウン)という黒主体の服と致命的に合わない靴に泣く泣く履き替え、電車を乗り換えると、周囲の喧騒からひたすら逃避しつつ熊本到着を待つ時間が始まりましたぁ。
そして午後八時ごろ電車は熊本へ到着して二時間ほどの旅は終わり、市電に乗ったらなぜか旅行客の私がこの電車はどこそこに停まるか訊ねられてそれに答えるハプニングがあったものの、無事に宿へ着いたですぅ。体調のことも考えてチェックアウト遅めの宿を取ったらかなりお高くなったのが泣けたけど、ともかくそこで最後にのこっていたよもぎまんじゅうを食べて残りの麦茶と宿のお茶を飲んだところで夕食も終了ということにして、あとはテレビで放送大学や攻殻ARISE、タイムスクープハンターを観たり、ネットで友人と話したりTwitterを眺めてから眠りにつき、旅の一日目は終わったですぅ。
だけどよく考えたらワラスボを食べるのも買うのも忘れてしまったですぅ。
2015年04月22日 [長年日記] 編集
§ [Ludus] 佐賀と熊本への旅(特撮博物館篇)
今日は熊本で特撮博物館ですぅ。起きるのが遅くなって宿を出るのが十時半くらいになったので、チェックアウト遅めのところを選んでいてよかったですぅ。
しばらく市電に揺られていると背中のファスナー上げてなかったのを指摘されてしかも上げてもらうという恥をさらしつつ、特撮博物館をやっている熊本市立美術館へやってきたですぅ。
中に入るとさっそく遠近感を協調した撮影可能なミニチュアセットに迎えられ、中へ入ると“原点I 人造”と題された展示で数種類の東京タワーや轟天号(復元)が現われ、『妖星ゴラス』、『宇宙大戦争』、『地球防衛軍』などのミニチュアや設定画に圧倒されていったですぅ。特に『地球防衛軍』に出てきたミステリアンドームのデザイン画はただこんな感じと絵を描いているだけではなく、どこがどうなって動いているかまで緻密に設定されていて、小松崎茂さんの力を味わうことができる逸品だったですぅ。他には劇中で小道具として使われた新聞も展示されていて、これがまた細かい記事にもネタが散りばめられているいいものだったですぅ。
そして『快獣ブースカ』のチャメゴンで和みつつ、オリジナルを修復した『惑星大戦争』版の轟天を眺め、残っていたことにありがたみを感じたですぅ。ありがたかったといえば、『メカゴジラの逆襲』で使われたメカゴジラ2のスーツもオリジナルが残っていて、その痛み具合や宇宙人なのに入ってるMG2のロゴも含めて味わい深い展示だったですぅ。さらに『怪獣総進撃』からはムーンライトSY-3の修復品が展示されていて、発掘戦艦ごっこをやりたい衝動を抑えるのに大変でしたぁ。もちろん『マイティジャック』からも万能潜水艦マイティジャック号が修復展示されている上かなりのスペースを取って展示がされており、Qってこのネタがやりたかった以下略という気持ちを胸にしまいつつ、成田亨さん描くMJを観ながら、次のテーマである“原点II 超人”へと展示は移っていくですぅ。
“原点II 超人”の展示では、『ウルトラマン』シリーズを中心にしたマスクやミニチュア、小道具の展示で、ウルトラマンのマスクはBタイプの再現品(個人蔵)が展示されていたですぅ。『ウルトラセブン』のマスクは修復品でしたぁ。他には、飛行シーン撮影用のさまざまな尺で作られたミニチュアが、修復品や再現品で並べられていたですぅ。もちろん、ジェットビートルやウルトラホーク1号、マットアロー各種、ZATのメカも並べられていたけど、一番これはと感じてしまったのは『突撃!ヒューマン!!』で使われたヒューマンのマスクが展示されていて、ヒューマンも仲間に入れてもらえているのだという不思議な感動があったですぅ。
他には池谷仙克さん描くペルシダーの妖しさに目を奪われたり、『流星人間ゾーン』のゾーンファイターのスーツが上半身とはいえ残っているのに感動したり、『シルバー仮面』や『レッドマン』に見入ったり、『電人ザボーガー』のザボーガーや『怪傑ライオン丸』のライオン丸、『冒険ロックバット』のロックバットなど、ピープロ特撮のマスクを眺めたりしましたぁ。この辺まで来ると『ジャンボーグA』や『ファイヤーマン』、『アイアンキング』、『トリプルファイター』、『ミラーマン』、『サンダーマスク』、『行け!グリーンマン』のグリーンマンなどなどちょっとマイナな作品も展示されていて、館長の趣味ばしってる感じでしたぁ。
次の展示である“力”では、現実を再現するために作られる建造物などのミニチュアで、館長の電信柱愛に満ちた一文から始まったですぅ。ここでは平成版『ガメラ』の着ぐるみやそこで使われた民家などのミニチュア、さらに『日本沈没』で使われた建物のミニチュアなどを観ることができたですぅ。
そして“力”を抜けたところに『巨神兵東京に現わる』の展示とスクリーンがあり、二周ほど観てからメイキングのスクリーンへ向かったですぅ。メイキングは「まんがは楽だなあ」といいながらニコニコして熔解爆破の特撮案を練ったり、荒れ地でミニチュア爆破して大笑いしたり、飛び跳ねながら爆炎に向かって瓦礫を投げつけたり、庵野館長の意向で工事現場の順番に光るやつを巨神兵のツノに入れたり、例の犬を見ながら「これで勝ちだよ」とか大笑いしてバカとシラフの間を行き来する特撮マニアを嵩じさせすぎた人たちがきゃっきゃうふふしてるだけの一大巨編になっていて、もう笑いをこらえるのが大変で、これはもうメディア化して衆目にさらすべきだと確信したですぅ。また、ここの展示では樋口監督は測量野帳(方眼タイプ)ユーザとか、コンテ段階だとより主張が露骨(『破壊がそのまま再生につながることもあるのだ。次はまだ見えないが、今はこの破壊を楽しめばいい』、『破壊者だけが、すべての楽しみを味わっている』、『手応えも、お供、悲鳴も、単調でつまらなくなったときの細かいアレンジも』)だったことを知ることができるので、メイキングと図録込みでBDやDVD化希望ですぅ。
その次は“特撮美術倉庫”と題された東宝撮影所にあった特美倉庫の内容を再現したもので、狭い空間の中にごちゃごちゃとゴジラの足から魏怒羅のスーツ、『青島要塞爆撃命令』で使われた蒸気機関車のような乗り物類、『零戦燃ゆ』の戦闘機各種からさまざまな特撮作品で使われたの特別車両や航空機、船舶、そして妖星ゴラスまでが所狭しと並べられていたですぅ。
次は“特撮の父”と題された円谷英二さんのコーナで、『ゴジラ』の絵コンテなど直筆の資料やオキシジェン・デストロイヤーの展示とともに、その事績が紹介されていましたぁ。
次にある“技”では、特撮に貢献した職人の方々を個人の仕事と結びつける形で紹介してあり、井上泰幸さんのイメージ画やデザイン画では『ガンヘッド』まで展示してあり、高山良策さんの造型では『大魔神』などが、そして東宝の造型師たちとして利光貞三さん、開米栄三さん、安丸信行さん、村瀬継蔵さん、八木康栄さんと八木勘寿さんたちが手がけたゴジラのひな形やスーツなどが展示されていたり、平成ガメラの原口智生さんのガメラも展示されていましたぁ。
また、カラータイマーや怪獣のツノが回転するところなどで使われた機電の技、『マグマ大使』でマグマ大使が変形するロケットを作った木工の技、爆破にも耐えられる板金の技もそれぞれ実例や写真つきで紹介されていたですぅ。
そして次は倒れた東京タワーと樋口監督を中心に据えた再現スタジオで、何人かで来てるならここで怪獣ごっこができるのだろうけど、私はひとりだったのでウルトラマンやミニチュア、謎看板などを撮るだけだったですぅ。『巨神兵東京に現わる』のひとり暮らしアパートもあったので思わずパチリですぅ。本当はもっといろいろ撮ったけど、紹介用に加工するのがめんどいのでこれくらいですぅ。
以上で展示は終わり、ミュージアムショップでは図録とfigma巨神兵をお迎えし、巨神兵ヴィネットをふたつほどやったらRPGで使えそうなのが出たからこれくらいにしたですぅ。
それにしても、熊本展だけの特別展示として『日本海大海戦』で使われた三笠の現物が観られたのは嬉しいサプライズでしたぁ。
こうして展示物を一通り観終わって館内の椅子でぼへーとしていたら、もう疲れてしまったし時刻も午後一時になりそうだったので、他の美術館や博物館へ行く計画はとりやめ、帰宅する方向で今後を考えることにしましたぁ。
とりあえず何か食事でもと考えたけど、美術館の中のきっちゃてんは少しお高く、階下にあるスターバックスもそういう気分じゃないのでとりあえず交通センタに行けば何かあるということで、市電に乗って県民百貨店があった場所をひいひい歩きながら交通センタへ向かったら改装工事か何かでお店がおおむねなくなっていたし、おみやげに買う予定だった馬油もなかったので、帰りの高速バスまで二十分近く余裕があるからお土産コーナの人に教えてもらった近くの物産館まで行ったですぅ。そしてそこで馬油と熊本名物っぽい三菱サイダーを買って交通センタに戻ると丁度バスの時間だったのでそれに乗り、三菱サイダーが今日始めて口にしたものになったですぅ。
バスは時速百キロ以上出てるんじゃあないかという速さで、普通電車よりは大幅にストレスなく博多駅まで到着しましたぁ。そしてちょっと買い物して帰ろうかとも思ったけど、疲れてるのでそのまま電車に乗ったら、折り畳み傘を博多駅のトイレに忘れたことを思い出し、そのまま取って返して取り戻したけど、ここでさすがに何か食べないと体によくないと理性が告げたので、阪急の地下にあるクラブハリエでバームクーヘンを食べてカロリを補給し、今度こそ帰りの電車に乗りましたぁ。
こうしてなんやかんやで帰宅が午後九時近くになり、今回の旅行は終わったですぅ。私はひとり旅をするとものを食べない、予定がタイトすぎる、すぐ疲れて帰ろうとするなどの傾向が見えてきたけど、これは注意する人がいない限りなおりそうにもないですぅ。
それにしてもまだ四月だというのに熊本は暑く、日傘をさしていたというのに陽光に随分やられてしまったですぅ。
2015年04月25日 [長年日記] 編集
§ [Promiscuus] 電子レンジ壊れる
電子レンジが異音をあげて異臭もしだしたので、十何年使われてきたこれももう寿命かと少し感慨深くなったですぅ。
それにしても、電子レンジが壊れるとできることの幅が狭まるですぅ。
2015年04月26日 [長年日記] 編集
§ [NOVA] 2015年04月26日『God Save the Queen』
今日は体の調子もそこそこよかったのでコンベンションへ行き、N◎VAクルードで『God Save the Queen』のアクトをしてきたですぅ。
ある死者にはいろいろと文句が飛ぶもののそれはそれとして暴走する若者も問題だということで、もはや生身がひと欠片も残っていない全身義体のマッチョマンが説教しながらステージ上をカゼが爆走し、その様子をトーキーが実況中継する派手なクライマックスになりましたぁ。
今回のアクトで、N◎VAクルードはRPGのプレイには慣れてるけどN◎VA経験は浅い方を迎えるのにはとてもいいシステムだと実感したので、これからコンベンションではクルードを主にするかもしれないですぅ。