ネコぶんこ


2025年12月27日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:峠の巨人(4レベル)

今週の小冒険はD&Dで4レベルのキャラクター2人用ですぅ。いわゆるGMレスタイマンシナリオですぅ。

データまわりはCC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらのご参考にもですぅ。

このアドベンチャーを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。

冒険の概要

プレイする前の注意

このアドベンチャーは特殊な構造をしている。GMは必要なく、片方のキャラクターは20レベルで、これをPC1と呼ぶ。もう片方のキャラクターは1レベルで、これをPC2と呼ぶ。

PC1がプレイをする時はPC2のプレイヤーがアドベンチャーの内容を読み上げてモンスターの攻撃などの処理を担当し、PC2がプレイする時はその逆で、PC1のプレイヤーがアドベンチャーの内容を読み上げてモンスターの攻撃などの処理を担当する。

このアドベンチャー中はパラグラフ(1-1や2-1などの段落のことである)ごとに担当するキャラクターが入れ替わるようにプレイすること。つまり、1-1→2-1→1-2……と交互にキャラクターを描写していく。

なお、特記がないかぎりこのアドベンチャーの中で小休憩および大休憩を行なうことはできないものとする。

このアドベンチャーは同じ峠を東の道から登るキャラクターと、西の道から登るキャラクターがその中間点にいて旅人を襲っている“巨人”と戦うものである。

PC1のアドベンチャー

1-1.東の峠道

PC1はメウイ峠という峠を通る山道を登っている。この道のてっぺんには巨人がいて、運が悪いと食い殺されるという噂だが、西の国に急ぎの用があるPC1に選択の余地はなかった。

それに、ある程度鍛えているPC1は腕に覚えもある。

PC1が峠道を登っていく決意を改めて固めたところで「2-1.生き残り」と交代すること。

1-2.山賊団

峠道を登っていくと、3体のゴブリンが1体のダイア・ウルフを前に押し出し、「金目の物置いてけ。でないと、“こう”だぞ」と、食いちぎられた人型生物の腕を投げつけてくる。

彼らに市価50GP以上の金品を与えるなら、「へっへ、頭のいい奴だ」と言って戦闘は回避できる。そうでない場合、ゴブリンたちはダイア・ウルフを先頭にして攻撃に移ってくる。

PC1がゴブリンたちをどうにかして、さらに道を進むなら「2-2.怪鳥」と交代すること。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー・アーマー、シールド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程24/96m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ダイア・ウルフ

大型・野獣、無属性


AC:14(外皮)

hp:37(5d10+10)

移動速度:15m(50フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 15(+2) 15(+2) 3(-4) 12(+1) 7(-2)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:1(200XP)


鋭敏聴覚&嗅覚:このウルフは聴覚および嗅覚に関する【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群れ戦術:少なくとも1体のウルフの味方がクリーチャーから1.5m(5フィート)以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このウルフはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[刺突]ダメージ。目標のクリーチャーは難易度13の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

1-3.平たい道

しばらく進むと峠道は若干ゆるやかになってくる。ここで難易度15の〈生存〉【判断力】判定に成功すれば、少し休めるようなくぼみを見つけ、小休憩を取ることができる。

PC1がさらに道を進むなら「2-3.広場」と交代すること。

1-4.双頭巨人ヘット

PC1が峠の頂上にたどり着くと、そこには運悪くふたつの頭を持つ巨人、エティンが立ちはだかっている。

彼はPC1に気がつくと「おんやあ? メシが来たぞメルス」と、もう片方の頭に声をかける。そうすると、もう1つの頭は「向こうからも来るぞ、ヘット」と、向こうからやって来るPC2を見て言う。

PC1がエティンと対峙したら「2-4.双頭巨人メルス」と交代すること。

PC2のアドベンチャー

2-1.西の峠道

PC2はメウイ峠という峠を通る山道を登っている。この道のてっぺんには巨人がいて、運が悪いと食い殺されるという噂だが、東の国に急ぎの用があるPC1に選択の余地はなかった。

それに、ある程度鍛えているPC2は腕に覚えもある。

PC2が峠道を登っていく決意を改めて固めたところで「1-2.山賊団」と交代すること。

2-2.怪鳥

PC2が山道を登っている時、難易度13の〈知覚〉【判断力】判定を行なうこと。成功すれば、山の向こうから4体のヴァルチャーを引き連れた1体のジャイアント・ヴァルチャーが飛んできてくることがわかる。

ヴァルチャーたちを発見して彼らをやりすごしたい場合難易度13の〈隠密〉【敏捷力】判定に成功すれば、その辺りの木や岩の裏に身を隠すことができる。

すべてに失敗した場合、ヴァルチャーはPC2をちょうどいい獲物と見て空から飛びかかってくる。

PC2がヴァルチャーたちをなんとかして山道をさらに進むなら「1-3.平たい道」と交代すること。

ヴァルチャー

中型・野獣、無属性


AC:10

hp:5(1d8+1)

移動速度:3m(10フィート)、飛行15m(50フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
7(-2) 10(+0) 13(+1) 2(−4) 12(+1) 4(−3)

技能:〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:0(10XP)


鋭敏視覚&嗅覚:ヴァルチャーは視覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

連携戦闘:少なくとも1体のヴァルチャーの味方がクリーチャーから1.5m(5フィート)以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヴァルチャーはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:2(1d4)[刺突]ダメージ。

ジャイアント・ヴァルチャー

大型・野獣、中立にして悪


AC:10

hp:22(3d10+6)

移動速度:3m(10フィート)、飛行18m(60フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 10(+0) 15(+2) 6(−2) 12(+1) 7(−2)

技能:〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:共通語を理解するが話せない

脅威度:1(200XP)


鋭敏視覚&嗅覚:ヴァルチャーは視覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

連携戦闘:少なくとも1体のヴァルチャーの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヴァルチャーはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:ヴァルチャーはくちばしで1回および鉤爪で1回、2回の攻撃を行なう。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:7(2d4+2)[刺突]ダメージ。

鉤爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[斬撃]ダメージ。

2-3.広場

ヴァルチャーたちが飛んできた方向には、彼らの巣らしき木の枝を寄せ集めたものが転がっている広場がある。

鳥の巣の中を難易度12の〈捜査〉【知力】判定で調査すれば、ヒーリング・ポーションを1つと、30GPの宝石が見つかる。

PC2が峠道の頂上付近へ向かうなら「1-4.双頭巨人ヘット」に交代すること。

2-4.双頭巨人メルス

PC2が峠の頂上にたどり着くと、そこには運悪くふたつの頭を持つ巨人、エティンが立ちはだかっている。

彼らのうち片方の頭は峠道の反対側から来た旅人を見て「おんやあ? メシが来たぞメルス」と、もう片方の頭に声をかける。そうすると、もう1つの頭は「向こうからも来るぞ、ヘット」と、PC2を見て言う。

ここでエティンは2人のキャラクターたちと戦闘を開始する。エティンの行動はPC1のプレイヤーとPC2のプレイヤーが交互に決定すること。

エティン

大型・巨人、混沌にして悪


AC:12(外皮)

hp:85(10d10+30)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
21(+5) 8(-1) 17(+3) 6(-2) 10(+0) 8(-1)

技能:〈知覚〉+4

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉14

言語:オーク語、巨人語

脅威度:4(1100XP)


双頭:エティンは【判断力】〈知覚〉判定および気絶状態、恐怖状態、聴覚喪失状態、魅了状態、盲目状態、および朦朧状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

常時覚醒:エティンの頭が片方寝ているとき、もう片方は起きている。

アクション

複数回攻撃:エティンは2回攻撃を行なう。1回はバトルアックス、もう1回はモーニングスター。

バトルアックス:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:14(2d8+5)[斬撃]ダメージ。

モーニングスター:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:14(2d8+5)[殴打]ダメージ。

結末:峠の英雄

東西からやってきた2人の英雄により、峠の巨人は討ち取られた。2人はそのまますれ違うのだろうか。それとも、意気投合して2人の旅を始めるのだろうか。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.