ネコぶんこ


2023年08月05日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:大地の底より石造りの牛が現われた話(5レベル)

今週の小冒険はアーサー王と円卓の騎士の物語を下敷きにした『円卓騎士異伝』のアドベンチャーで、5レベルのキャラクター2人用ですぅ。うち1人はGMが操作するキャラクターでプレイすることを想定していますぅ。

『円卓騎士異伝』は夏コミで頒布の後イエローサブマリンさんに依託するので、ぜひよろしくお願いしますぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

アーサー王の宮廷に仕えるキャラクターたちは、王の執事を務めるベディヴィア卿から、コーンウォールのプリマス近くで農民が石造りの牛を地中から発掘したが、それが暴れ回って村が壊滅した事件について説明され、その解決を任される。

農民達が発掘してしまったのは巨人たちの戦争、ギガントマキアで兵器として造られた怪物、ゴーゴンである。キャラクターたちがプリマスに向かい、ゴーゴンを討伐すれば冒険は成功となる。

冒険への導入

アーサー王の宮廷に仕えるキャラクターたちは、ある日王の執事ベディヴィア卿から呼び出される。ベディヴィア卿はコーンウォールのプリマス近くで農民が石造りの牛を地中から発掘したが、それが突然暴れ回って村が壊滅した……という事件をキャラクターたちに説明し、アーサー王はこれについて非常に憂慮しているため、君たちはプリマスに向かい王の悩みを解決し、民心を安んじるよう命じられる。

1.下調べ

魔法使いマーリンに質問したり、修道院にある古い文献を調査したりするなら、以下のようなことがわかる。キャラクターが知識を思い出そうとする場合、難易度12の【知力】〈歴史〉判定が必要である。

  • 古き神々と巨人の戦いギガントマキアでは、巨人側の味方としてゴーゴンと呼ばれる怪物が創造された。
  • ギガントマキアの後、ほとんどのゴーゴンは長い眠りにつき、その上に土が滞積するなどして忘れ去られていった。
  • ゴーゴンは石でできた牛のような姿をしている。
  • ゴーゴンは犠牲者を石にしてしまう息を吐く。

2.プリマスへ

ローマ帝国の遺産である街道があるため、プリマスには馬でも楽に行くことができる。

プリマスの領主と会談すると、配下の騎士に任せていた村がやられたと目を伏せ、その騎士も民を逃がすためゴーゴンと戦い、石にされたと語る。

くだんの農村の生き残りはプリマスに避難している。彼らに訊ねると、畑を耕していたら石の塊があったので、それを掘り出そうとしたら石塊が揺れ、地面から牛の化け物が出てきたと口々に語る。

3.壊滅した農村

壊滅した農村に行くと、ある日突然生活が終わったかのように、日用品や農作業の道具などが放り出されたままになっている。そして、そこかしこに石にされた人々が苦悶の姿を見せている。こうした石像を元に戻すにはレッサー・レストレーションの呪文などの魔法が必要である。

村の中心にある広場では大きな牛のような魔物、ゴーゴンが寝そべって周囲の様子をうかがっている。ゴーゴンはキャラクターたちが近くに来るか攻撃を受けると立ち上がり、戦闘態勢になる。

ゴーゴンは退却せず、死ぬまで戦う。

ゴーゴン

大型・魔物、無属性


AC:19(外皮)

hp:114(12d10+48)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
20(+5) 11(+0) 18(+4) 2(-4) 12(+1) 7(-2)

技能:〈知覚〉+4

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉14

言語:-

脅威度:5(1800XP)


踏み荒らし突撃:ゴーゴンが目標に向かって最低6m(20フィート)直進し、同じターンに角での突きによる攻撃がヒットした場合、目標は難易度16の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。伏せ状態の目標に、ゴーゴンは1回のひづめによる攻撃をボーナス・アクションで行なえる。

アクション

角での突き:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:18(2d12+5)[刺突]ダメージ。

ひづめ:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:16(2d10+5)[殴打]ダメージ。

石化のブレス(再チャージ5~6):ゴーゴンは9m(30フィート)の円錐状に石化ガスを噴射する。範囲内のクリーチャーは難易度13の【耐久力】セーヴィング・スローを行なう。セーヴに失敗したら、目標は石化が始まり動けない状態になる。動けない状態の目標は次のターン終了時に再びセーヴィング・スローを行なう。成功したなら、目標への効果は終了する。失敗したら、目標はグレーター・レストレーションの呪文などの魔法で自由になるまで石化状態になる。

結末

無事にゴーゴンを倒せば、キャラクターたちはプリマスの領主からいたく感謝され、彼のライディング・ホースを1頭づつ与えられる。また、アーサー王からも1人あたり4£の恩賞を与えられる。

キャラクターが石化してしまった場合、魔法使いマーリンが後日石化を解除してくれるが、他の者たちが不公平に思わぬようこのことを口外しない誓いを立てさせられる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年08月09日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] うなぎむらコミケ参加のお知らせと新刊など

コミケまであと数日となった今日この頃、皆様いかがおすごしでしょうかぁ。今年こそは参加なんとかするべえとなんとかやったらなんとかなりましたぁ。

というわけで、コミックマーケット1日目(8月12日土曜日)東V34bでRPG関係の新刊と小説既刊を持っていってお待ちしていますぅ。

今回の新刊は映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』のパンフレット的合同誌『アウトローたちといっしょ!』と、アーサー王時代の騎士たちの活躍を5eでプレイするためのサプリメント『円卓騎士異伝』のふたつですぅ。

小説はあいかわらず平成レトロホビー百合と艦これのてんたつ既刊ですぅ。

サークルのサイトにも色々書きましたぁ。よろしくおねがいしますぅ。


2023年08月11日 [長年日記] 編集

§ [Promiscuus] 旅立ち

というわけで起きたら旅に出るですぅ。


2023年08月12日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:トリスタンとイゾルデとサメの話(5レベル)

今週の小冒険はアーサー王と円卓の騎士の物語を下敷きにした『円卓騎士異伝』のアドベンチャーで、5レベルのキャラクター2人用ですぅ。うち1人はGMが操作するキャラクターでプレイすることを想定していますぅ。

『円卓騎士異伝』は夏コミで頒布の後イエローサブマリンさんに依託するので、ぜひよろしくお願いしますぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちは円卓の騎士トリスタン卿がアイルランドより帰還するとのしらせを受け、敵の多い彼の船を護衛するようアーサー王より言いつかる。

キャラクターたちはグロスター付近の港から船出し、トリスタン卿の乗る船と合流しようとする。しかし、その時天がにわかにかき曇り、2隻の船は魚人族サフアグンたちに襲撃されてしまう。

襲撃をやりすごし、トリスタン卿の船旅に同行したら冒険は終了である。

冒険への導入

アーサー王の宮廷に仕えるキャラクターたちは、ある日王の執事ベディヴィア卿から呼び出される。

ベディヴィア卿は、円卓の騎士トリスタン卿がアイルランドでの冒険を終えて帰還する旨を告げる。だが、彼は敵の多い男ゆえ、道中狙われないとも限らない。そこで、キャラクターたちに彼の船と合流して無事にブリテン島の地を踏むまで同行してやってほしいと命じる。

1.船出

アイルランドに近いグロスターの港から船を出せば、トリスタン卿の船旅にも間に合う。もちろん、船はベディヴィア卿がつつがなく手配しており、キャラクターたちは何の心配もなく乗船できる。

水夫たちのほとんどは一般人で、戦えるような者はいない。

2.トリスタン卿の船

しばらく船を進めると、アイルランドの方からトリスタン卿の紋章である緑の地に獅子の絵が描かれた旗を掲げた船が見えてくる。

そちらの船を見てみれば、トリスタン卿と側にいる見目麗しい金髪の女性(勘のいいプレイヤーなら彼女がイゾルデだとわかるはずである)が、キャラクターたちに向かって手を振っている。

和やかな雰囲気になって船は互いに近づいていくが、その時、一天にわかにかき曇り、渦を巻く黒雲が船の上に現われる。

3.暗雲の中で

黒雲が出てしばらくすると、ドシン、ドシンと船が揺れ、水夫たちが恐怖の叫び声を上げる。船に向かってサメが体当たりしているのだ。

サメの背中には緑色の鱗で覆われた魚人、サフアグンが乗っており、船にとりついて甲板に上ってくる。

彼らは水夫たちに襲いかかろうとするが、キャラクターたちが割って入るならまずはそちらを敵とみなして攻撃する。

サフアグンは6人で、船の縁ではハンター・シャークが1体、近づいてくるキャラクターを攻撃しようと歯をカチカチ鳴らしている。

サフアグン

中型・人型生物(サフアグン)、秩序にして悪


AC:12(外皮)

hp:22(4d8+4)

移動速度:30フィート、飛行40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 11(+0) 12(+1) 12(+1) 13(+1) 9(-1)

技能:〈知覚〉+5

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉15

言語:サフアグン語

脅威度:1/2(100XP)


限定的な水陸両用:サフアグンは地上でも水中でも呼吸できるが、窒息しないために少なくとも4時間に1回は水に潜る必要がある。

鮫とのテレパシー:サフアグンは120フィート以内の鮫に、限定的なテレパシーで魔法的な命令を下すことができる。

血の狂乱:サフアグンはヒット・ポイントを完全に持っていないクリーチャーに対する近接攻撃ロールに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:サフアグンは1回の噛みつきおよび1回の爪あるいはスピアで、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[斬撃]ダメージ。

スピア:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程20/60フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ。

ハンター・シャーク

大型・野獣、無属性


AC:12(外皮)

hp:45(6d10+12)

移動速度:0フィート、水泳40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 13(+1) 13(+1) 1(-5) 10(+0) 4(-3)

技能:〈知覚〉+2

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉12

言語:-

脅威度:2(450XP)


水中呼吸:シャークは水中でしか呼吸できない。

血の狂乱:シャークはヒット・ポイントを完全に持っていないクリーチャーに対する近接攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[刺突]ダメージ。

4.すべてのサメの父へ

最後のサフアグンが倒れると、彼は「すべてのサメの父よ、ここに我らが命を捧げる!」と高らかに宣言し、海へ身を投げる。すると、血に染まった海の底からジャイアント・シャークが現われ、船に体当たりを仕掛け、間合いの中にいるキャラクターに攻撃を仕掛けてくる。

トリスタン卿の船を見るなら、そちらにもジャイアント・シャークが数匹現われ、船を足止めしている。この獰猛な海獣を倒さねば、船旅はここで終わってしまうだろう。

ジャイアント・シャーク

超大型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:126(11d12+55)

移動速度:0m(0フィート)、水泳15m(50フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
23(+6) 11(+0) 21(+5) 1(−5) 10(+0) 5(−3)

技能:〈知覚〉+3

感覚:擬似視覚18m(60フィート)、受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:5(1800XP)


水中呼吸:シャークは水中でしか呼吸できない。

血の狂乱:シャークはヒット・ポイントを完全に持っていないクリーチャーに対する近接攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+9、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:22(3d10+6)[刺突]ダメージ。

4.戦い終わって

ジャイアント・シャークを撃退すると、トリスタン卿の船と合流できる。

そこでは深手を負ったトリスタン卿に、イゾルデが手に持った水薬を飲ませようとしている。この薬を検分するなら難易度12の【知力】〈魔法学〉判定が必要で、成功すればこれは生命力を回復させる秘薬だが、飲んだ者と与えた者の間に愛を芽生えさせる副作用があるとわかる。

ここでキャラクターたちがトリスタン卿の失われた40点のhpをすべて回復させれば、彼はその薬は必要ありませんとイゾルデに言えるまで回復する。できなかった場合、イゾルデはトリスタン卿に薬を与え、2人の間には愛が芽生える。

結末

サフアグンの襲撃を打ち破れば、後は追っ手もなく無事コーンウォールの港に船は到着する。トリスタン卿は、この後イゾルデをコーンウォールのマルク王と面会させる役目があると言い、キャラクターたちと別れて2人で旅を続ける。

さて、皆さんのゲームではトリスタンとイゾルデの間には愛が生まれただろうか、それとも……?

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年08月17日 [長年日記] 編集

§ [Ludus] コミケお疲れ様の巻き

コミケお疲れ様でしたぁ。幸い疫病に罹ることもなく帰ってこれたので、さっそく次の準備にかかるですぅ。

サークルのサイトもいじりましたぁ。

§ [Ludus][DnD][5e] 5e Zine vol.05企画書

これまで4年やってきた5e Zineが好評で、D&Dはホビージャパン版の在庫が払底してvol.04も完売したのを機に、vol.05を冬コミで出そうとここに企画書を公開しますぅ。

ターゲット(優先度順)

  1. 映画やバルダーズ・ゲート3でD&Dに興味を持った人。
  2. D&Dには詳しくないが、名前は聞いたことがある、存在は認識しているような人。
  3. RPGをプレイし、SNSで情報収集を行なう、即売会やホビーショップで関連商品を探すなど、知識を得るのに熱心な人。

内容

D&Dの経験が浅い人のプレイを軌道に乗せるためのサポート記事をメインにした合同誌。

大前提は前号を読まないでも大丈夫な記事。

5e Zine vol.04の内容を現在のWotC版D&Dやこれまでのノウハウ蓄積を反映した内容に更新する。

  • 製品の内容紹介と買い方ガイド。
  • 公式があてにならないのでフォーゴトン・レルムの設定解説が重要になる。
  • オンラインセッションの方法をツールに依存しないもので。
  • オフラインセッションの方法もいちから説明する必要がある。
  • ツールに依存する情報ではなく、ツールにアクセスするための情報。
  • M:tGネタも続投。
  • 楽に読めて遊べる付属シナリオ。

形態

同人誌(B5、左綴じ横書き、2段組)。

ライセンスはOGL準拠を諦め、本文内には製品名を明記してもいいようにする。ただし、レビュー、紹介、評論ととられる範囲にとどめるように。

非OGLなため、SRD5からの引用は不可。データを使うなら自作すること。

リリース時期

2023年12月30日。

頒布形態

コミケ会場で手売り。

イエローサブマリンさん、駒の時間さん、コノスさんに委託。

費用や報酬

印刷費は主催持ち。

報酬は参加者1人あたり2部(保存用と布教用)の現物。

原稿の再利用

制限なし。

出典を書いて宣伝してくれると嬉しい。

〆切など

8月いっぱい参加者募集(Twitterなどでコンタクトを取ると吉)。並行してネタ出し、すりあわせなどを行なう。

10月末、〆切。編集作業の本番開始。やりとりをしながら微調整を行なう。

11月末、入稿用原稿完成(希望的観測)。

12月、入稿(予定)。

原稿作成と手順

参加者それぞれが内容を申請して執筆→出そろったところで頁数調整などの編集→完成原稿へ……。

文字はテキストファイル、絵はPSDが望ましい。

紙面フォーマットはB5の2段組、1行22文字、48行×2段(見出しなどで変動あり)。

以上ですぅ。よろしくお願いしますぅ。


2023年08月19日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:貪欲な巨人が攻めてくる話(5レベル)

今週の小冒険はアーサー王と円卓の騎士の物語を下敷きにした『円卓騎士異伝』のアドベンチャーで、5レベルのキャラクター2人用ですぅ。うち1人はGMが操作するキャラクターでプレイすることを想定していますぅ。

『円卓騎士異伝』はイエローサブマリンさんとコノスさんに依託しているので、ぜひよろしくお願いしますぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ある日、GMのキャラクターの領地に巨人の一群が攻めてくる。ヒル・ジャイアントの“むさぼる”トッド率いる彼らは、領民たちを追い立てながらキャラクターの屋敷に向かってくる。

トッドを倒すまで巨人たちは侵攻をやめない。トッドを倒せば冒険は成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちがGMのキャラクターの領地でのんびりと過ごしているある日、領内の農民が数名、悲鳴をあげて屋敷に駆け込んでくる。

彼らは口々に巨人が現われただの、野良仕事をしていた家族が食われただのとおめき叫ぶ。

農民たちから話を聞いているうちに、大きなどら声が山の向こうから聞こえる。山の上には巨大な人影がおり「おでは巨人の大王“むさぼる”トッド様だ。よう聞け、ここの人間ども。ここは今日からおでの領地だ。逆らうやつは食っちまうど」と言う。

1.屋敷の前で

GMのキャラクターの屋敷の前には既にオーガが3体到達している。彼らは門を破壊し、中に入ろうとしている。

彼らはキャラクターたちを見つけると先にそっちをやっつけてしまおうと戦いを挑んでくる。

オーガ

大型・巨人、混沌にして悪


AC:11(ハイド・アーマー)

hp:59(7d10+21)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 8(-1) 16(+3) 5(-3) 7(-2) 7(-2)

感覚:暗視180m(60フィート)、受動〈知覚〉8

言語:共通語、巨人語

脅威度:2(450XP)


アクション

グレートクラブ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[殴打]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)または射程9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。

2.惨劇の農場

屋敷の近くにある農場は、野良仕事をしていた農民をオーガが襲い、何人かが殺されている惨劇が起こっている。

ここに残っているオーガ2体は死体を棒に縛り付けてカカシのようにするなど、死者を冒涜している。彼らはこの死体遊びに盛り上がっているのでキャラクターたちには気づいていない。キャラクターたちもこれを無視してトッドの場所を目指すもよし、死者の尊厳のために戦ってもよしだ。

オーガ

大型・巨人、混沌にして悪


AC:11(ハイド・アーマー)

hp:59(7d10+21)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 8(-1) 16(+3) 5(-3) 7(-2) 7(-2)

感覚:暗視180m(60フィート)、受動〈知覚〉8

言語:共通語、巨人語

脅威度:2(450XP)


アクション

グレートクラブ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[殴打]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)または射程9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。

3.山道

トッドがいるらしき山では、彼のペットであるジャイアント・ボアが1体うろついている。

これはトッドが飼っているジャイアント・ボア2体の片方で、上ってくる者を駆り立てるために放されている。

このジャイアント・ボアをやり過ごして進みたいなら難易度8の【敏捷力】〈隠密〉判定が必要になる。

ジャイアント・ボア

大型・野獣、無属性


AC:12(外皮)

hp:42(5d10+15)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 10(+0) 16(+3) 2(-4) 7(-2) 5(-3)

感覚:受動〈知覚〉8

言語:-

脅威度:2(450XP)


しぶとさ(小休憩あるいは大休憩後に再チャージ):ボアが10以下のダメージを受けてヒット・ポイントが0になるなら、それはその代わりに1ヒット・ポイントになる。

突撃:ボアが目標まで少なくとも6m(20フィート)直線で移動して牙による攻撃が目標にヒットしたなら、目標は追加で7(2d6)[斬撃]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、それは難易度13の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

アクション

牙:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[斬撃]ダメージ。

4.“むさぼる”トッドとの対決

山頂では“むさぼる”トッドがジャイアント・ボアの毛を撫でながらそこらの土を食べている。

トッドはキャラクターたちを見つけると、「馬鹿な騎士たちがのこのこやって来たか。食ってやるぞ」と喜び、ジャイアント・ボアと共に襲いかかってくる。

ジャイアント・ボア

大型・野獣、無属性


AC:12(外皮)

hp:42(5d10+15)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 10(+0) 16(+3) 2(-4) 7(-2) 5(-3)

感覚:受動〈知覚〉8

言語:-

脅威度:2(450XP)


しぶとさ(小休憩あるいは大休憩後に再チャージ):ボアが10以下のダメージを受けてヒット・ポイントが0になるなら、それはその代わりに1ヒット・ポイントになる。

突撃:ボアが目標まで少なくとも6m(20フィート)直線で移動して牙による攻撃が目標にヒットしたなら、目標は追加で7(2d6)[斬撃]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、それは難易度13の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

アクション

牙:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[斬撃]ダメージ。

ヒル・ジャイアント

超大型・巨人、混沌にして悪


AC:13(外皮)

hp:105(10d12+40)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
21(+5) 8(-1) 19(+4) 5(-3) 9(-1) 6(-2)

技能:〈知覚〉+2

感覚:受動〈知覚〉12

言語:巨人語

脅威度:5(1800XP)


アクション

複数回攻撃:フロスト・ジャイアントはグレートクラブで2回の攻撃を行なう。

グレートクラブ:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:18(3d8+5)[殴打]ダメージ。

岩:遠隔武器攻撃:攻撃+8、射程18/72m(60/240フィート)、目標1体。ヒット:21(3d10+5)[殴打]ダメージ。

結末

トッドを倒せば、残りのオーガたちは士気が崩壊して逃げ出す。君たちの領土は守られたのだ。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2023年08月26日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:邪悪な大釜の話(5レベル)

今週の小冒険はアーサー王と円卓の騎士の物語を下敷きにした『円卓騎士異伝』のアドベンチャーで、5レベルのキャラクター2人用ですぅ。うち1人はGMが操作するキャラクターでプレイすることを想定していますぅ。

『円卓騎士異伝』はイエローサブマリンさんとコノスさんに依託しているので、ぜひよろしくお願いしますぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ブリテン島を旅する遍歴の騎士であるキャラクターたちの前に、近くに住む村人たちが助けを求めてきた。彼らの村は巨人を使役する魔女に荒らされ、子どもたちがさらわれているというのだ。

この魔女は古き神を進行するグリーン・ハグの姉妹で、ニクリとニクラという。彼女たちはさらった子を贄に、今はもう名も知られていない古き神を蘇らせようとしているのだ。

探索を行ない、ニクリとニクラを倒せば冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが連れ立ってブリテン島を旅していると、立ち寄った村で女性たちに呼び止められる。彼女たちはこの村の母親たちで、我が子を森に住む魔女にさらわれたので、騎士様たちしか頼れない、取り戻してほしいと涙ながらに訴える。

村の人々から話を聞けば、森に住む魔女が双頭の巨人を従えたニクリとニクラという双子だということ、彼女たちの信仰では新月の晩が聖日で、その日に人身御供を捧げる習慣があることを聞き出せる。

新月の晩は今夜だ。急いで探索を行なわねばならない。

1.森の中へ

森の中に分け入り、魔女の家を探すには、難易度13の【判断力】〈生存〉判定が必要である。

この判定を成功させるまでに3回失敗したなら、GMはそのことをメモしておくこと。また、これ以降に小休憩を取るなら、新月の晩には間に合わないかもしれないことを警告すること。小休憩を取ったらそのことをメモすること。

2.魔女の洞窟

魔女の家は森の中の小高い塚にある洞窟の中だ。その前では双頭の巨人、エティンが番をしている。彼は「腹が減ったなー」「そうだなー」と頭同士で話をしている。

彼らに見つからず、目につきそうな場所に食料を置いて気を引きつけるには、難易度14の【敏捷力】〈隠密〉判定が必要になる。成功すれば彼らは置かれた食べ物に誘われ、洞窟の番を忘れてそれを食べ出す。

武力でなんとかする場合、エティンは死ぬまで洞窟の番をする。

エティン

大型・巨人、混沌にして悪


AC:12(外皮)

hp:85(10d10+30)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
21(+5) 8(-1) 17(+3) 6(-2) 10(+0) 8(-1)

技能:〈知覚〉+4

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉14

言語:オーク語、巨人語

脅威度:4(1100XP)


双頭:エティンは【判断力】〈知覚〉判定および気絶状態、恐怖状態、聴覚喪失状態、魅了状態、盲目状態、および朦朧状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

常時覚醒:エティンの頭が片方寝ているとき、もう片方は起きている。

アクション

複数回攻撃:エティンは2回攻撃を行なう。1回はバトルアックス、もう1回はモーニングスター。

バトルアックス:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:14(2d8+5)[斬撃]ダメージ。

モーニングスター:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:14(2d8+5)[殴打]ダメージ。

3.ふたりの魔女

洞窟の中にはふたりの魔女、ニクリとニクラがぐつぐつ煮えた大釜を前に歌を唄い、何らかの儀式を行なっている。

ここで森の探索に3回以上失敗していた場合、あるいは小休憩を取っていた場合、既に数人の子どもが生贄に捧げられている。

双子のグリーン・ハグは、「わざわざ新月の晩にあたしたちと戦うなんて、騎士という生き物は酔狂だこと」と見下しながら、釜の中から彼女たちが信仰する神の使い魔を喚起する。人の姿にくちばしと翼を持つ悪魔、ヴロックだ。儀式が進んでいた場合、ヴロックのhpを+22する。

ヴロック

大型・フィーンド(デーモン)、混沌にして悪


AC:15(外皮)

hp:104(11d10+44)

移動速度:40フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 15(+2) 18(+4) 8(-1) 13(+1) 8(-1)

セーヴィング・スロー:【敏】+5、【判】+4、【魅】+2

ダメージ抵抗:[電撃]、[火]、[冷気];非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉11

言語:深淵語、テレパシー60フィート

脅威度:6(2300XP)


魔法抵抗:ヴロックは呪文およびその他の魔法効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:ヴロックは1回のくちばしおよび1回の鉤爪で、2回の攻撃を行なう。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[刺突]ダメージ。

鉤爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:14(2d10+3)[斬撃]ダメージ。

胞子(再チャージ6):ヴロックは半径15フィートに有毒な胞子を放つ。胞子は角を曲がって広がる。範囲内のクリーチャーすべては難易度14の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、毒状態になる。この毒状態にある間、目標はターンの開始時に5(1d10)[毒]ダメージを受ける。目標はターンの終了時にセーヴィング・スローを再び行なえ、成功すれば自身への効果を終了させる。聖水1本を飲み干しても、目標の効果は終了する。

グリーン・ハグ

中型・フェイ、中立にして悪


AC:12(外皮)

hp:82(11d8+33)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 12(+1) 16(+3) 13(+1) 14(+2) 14(+2)

技能:〈隠密〉+3、〈知覚〉+4、〈魔法学〉+3、〈ペテン〉+4

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉14

言語:共通語、ドラゴン語、森語

脅威度:3(700XP)


生得呪文発動:ハグの生得呪文発動能力は【魅力】(呪文セーヴ難易度12)である。彼女は生まれつき、物質構成要素なしで以下の呪文を発動できる。

無限回:ヴィシャス・モッカリィ、ダンシング・ライツ、マイナー・イリュージョン

擬態:ハグは動物の鳴き声や人型生物の声を模倣できる。声を聞いたクリーチャーは難易度14の【判断力】〈看破〉判定に成功すると、それが模倣だと気づくことができる。

アクション

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[斬撃]ダメージ。

幻術の外見:ハグは彼女自身および身につけたり持ち運んでいるものすべてを魔法的な幻で覆って彼女を一般的なサイズで別の人型生物のように見せかける。ハグがそれを終わらせるためにボーナス・アクションを行なうか、彼女が死ねば幻は終わる。

この効果による変化は物理的な精査には耐えられない。例えば、ハグの肌はなめらかに見えるかもしれないが、誰かが彼女に触れるなら、彼女の肌はがさがさだとわかるだろう。それ以外の場合、クリーチャーは幻を視覚で調査し、難易度20の【知力】〈捜査〉判定にすればハグの変装を見破れる。

透明な道行き:ハグは攻撃をするか呪文を発動する、あるいは精神集中が終了(呪文の精神集中と同じように扱う)するまで魔法的に不可視状態になる。不可視の間、彼女は動いた物理的な証拠を残さないため、魔法によってのみ追跡することができる。ハグが身に着けていたり運んでいる物も透明になる。

結末

ニクリとニクラ、そしてヴロックを倒せば、古き神への儀式は終わり、森には静寂が訪れる。さて、君の騎士たちは子どもたちを無事取り戻せただろうか?

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