ネコぶんこ


2023年08月26日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:邪悪な大釜の話(5レベル)

今週の小冒険はアーサー王と円卓の騎士の物語を下敷きにした『円卓騎士異伝』のアドベンチャーで、5レベルのキャラクター2人用ですぅ。うち1人はGMが操作するキャラクターでプレイすることを想定していますぅ。

『円卓騎士異伝』はイエローサブマリンさんとコノスさんに依託しているので、ぜひよろしくお願いしますぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ブリテン島を旅する遍歴の騎士であるキャラクターたちの前に、近くに住む村人たちが助けを求めてきた。彼らの村は巨人を使役する魔女に荒らされ、子どもたちがさらわれているというのだ。

この魔女は古き神を進行するグリーン・ハグの姉妹で、ニクリとニクラという。彼女たちはさらった子を贄に、今はもう名も知られていない古き神を蘇らせようとしているのだ。

探索を行ない、ニクリとニクラを倒せば冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが連れ立ってブリテン島を旅していると、立ち寄った村で女性たちに呼び止められる。彼女たちはこの村の母親たちで、我が子を森に住む魔女にさらわれたので、騎士様たちしか頼れない、取り戻してほしいと涙ながらに訴える。

村の人々から話を聞けば、森に住む魔女が双頭の巨人を従えたニクリとニクラという双子だということ、彼女たちの信仰では新月の晩が聖日で、その日に人身御供を捧げる習慣があることを聞き出せる。

新月の晩は今夜だ。急いで探索を行なわねばならない。

1.森の中へ

森の中に分け入り、魔女の家を探すには、難易度13の【判断力】〈生存〉判定が必要である。

この判定を成功させるまでに3回失敗したなら、GMはそのことをメモしておくこと。また、これ以降に小休憩を取るなら、新月の晩には間に合わないかもしれないことを警告すること。小休憩を取ったらそのことをメモすること。

2.魔女の洞窟

魔女の家は森の中の小高い塚にある洞窟の中だ。その前では双頭の巨人、エティンが番をしている。彼は「腹が減ったなー」「そうだなー」と頭同士で話をしている。

彼らに見つからず、目につきそうな場所に食料を置いて気を引きつけるには、難易度14の【敏捷力】〈隠密〉判定が必要になる。成功すれば彼らは置かれた食べ物に誘われ、洞窟の番を忘れてそれを食べ出す。

武力でなんとかする場合、エティンは死ぬまで洞窟の番をする。

エティン

大型・巨人、混沌にして悪


AC:12(外皮)

hp:85(10d10+30)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
21(+5) 8(-1) 17(+3) 6(-2) 10(+0) 8(-1)

技能:〈知覚〉+4

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉14

言語:オーク語、巨人語

脅威度:4(1100XP)


双頭:エティンは【判断力】〈知覚〉判定および気絶状態、恐怖状態、聴覚喪失状態、魅了状態、盲目状態、および朦朧状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

常時覚醒:エティンの頭が片方寝ているとき、もう片方は起きている。

アクション

複数回攻撃:エティンは2回攻撃を行なう。1回はバトルアックス、もう1回はモーニングスター。

バトルアックス:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:14(2d8+5)[斬撃]ダメージ。

モーニングスター:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:14(2d8+5)[殴打]ダメージ。

3.ふたりの魔女

洞窟の中にはふたりの魔女、ニクリとニクラがぐつぐつ煮えた大釜を前に歌を唄い、何らかの儀式を行なっている。

ここで森の探索に3回以上失敗していた場合、あるいは小休憩を取っていた場合、既に数人の子どもが生贄に捧げられている。

双子のグリーン・ハグは、「わざわざ新月の晩にあたしたちと戦うなんて、騎士という生き物は酔狂だこと」と見下しながら、釜の中から彼女たちが信仰する神の使い魔を喚起する。人の姿にくちばしと翼を持つ悪魔、ヴロックだ。儀式が進んでいた場合、ヴロックのhpを+22する。

ヴロック

大型・フィーンド(デーモン)、混沌にして悪


AC:15(外皮)

hp:104(11d10+44)

移動速度:40フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 15(+2) 18(+4) 8(-1) 13(+1) 8(-1)

セーヴィング・スロー:【敏】+5、【判】+4、【魅】+2

ダメージ抵抗:[電撃]、[火]、[冷気];非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉11

言語:深淵語、テレパシー60フィート

脅威度:6(2300XP)


魔法抵抗:ヴロックは呪文およびその他の魔法効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:ヴロックは1回のくちばしおよび1回の鉤爪で、2回の攻撃を行なう。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[刺突]ダメージ。

鉤爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:14(2d10+3)[斬撃]ダメージ。

胞子(再チャージ6):ヴロックは半径15フィートに有毒な胞子を放つ。胞子は角を曲がって広がる。範囲内のクリーチャーすべては難易度14の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、毒状態になる。この毒状態にある間、目標はターンの開始時に5(1d10)[毒]ダメージを受ける。目標はターンの終了時にセーヴィング・スローを再び行なえ、成功すれば自身への効果を終了させる。聖水1本を飲み干しても、目標の効果は終了する。

グリーン・ハグ

中型・フェイ、中立にして悪


AC:12(外皮)

hp:82(11d8+33)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 12(+1) 16(+3) 13(+1) 14(+2) 14(+2)

技能:〈隠密〉+3、〈知覚〉+4、〈魔法学〉+3、〈ペテン〉+4

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉14

言語:共通語、ドラゴン語、森語

脅威度:3(700XP)


生得呪文発動:ハグの生得呪文発動能力は【魅力】(呪文セーヴ難易度12)である。彼女は生まれつき、物質構成要素なしで以下の呪文を発動できる。

無限回:ヴィシャス・モッカリィ、ダンシング・ライツ、マイナー・イリュージョン

擬態:ハグは動物の鳴き声や人型生物の声を模倣できる。声を聞いたクリーチャーは難易度14の【判断力】〈看破〉判定に成功すると、それが模倣だと気づくことができる。

アクション

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[斬撃]ダメージ。

幻術の外見:ハグは彼女自身および身につけたり持ち運んでいるものすべてを魔法的な幻で覆って彼女を一般的なサイズで別の人型生物のように見せかける。ハグがそれを終わらせるためにボーナス・アクションを行なうか、彼女が死ねば幻は終わる。

この効果による変化は物理的な精査には耐えられない。例えば、ハグの肌はなめらかに見えるかもしれないが、誰かが彼女に触れるなら、彼女の肌はがさがさだとわかるだろう。それ以外の場合、クリーチャーは幻を視覚で調査し、難易度20の【知力】〈捜査〉判定にすればハグの変装を見破れる。

透明な道行き:ハグは攻撃をするか呪文を発動する、あるいは精神集中が終了(呪文の精神集中と同じように扱う)するまで魔法的に不可視状態になる。不可視の間、彼女は動いた物理的な証拠を残さないため、魔法によってのみ追跡することができる。ハグが身に着けていたり運んでいる物も透明になる。

結末

ニクリとニクラ、そしてヴロックを倒せば、古き神への儀式は終わり、森には静寂が訪れる。さて、君の騎士たちは子どもたちを無事取り戻せただろうか?

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。