2025年09月20日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:コールガール連続失踪事件(1レベル)
今週の小冒険はサイファイ・フューチャーの1レベル・キャラクター4人用ですぅ。
今回は新しい試みとして、モンスターの後ろにカッコ書きでTRPGミニチュアショップのホットゴブリンさんが扱っているミニチュアを推奨ミニチュアとして紹介してますぅ。これを見てイメージを膨らませていただければですぅ。
データまわりはサイファイ・フューチャー独自のもの以外CC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらのご参考にもですぅ。
このアドベンチャーを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
冒険の概要
キャラクターたちはスプロールでマネキネコ街で商売をしているコールガール(娼婦)のジェーンに呼び出され、最近頻発しているコールガール失踪事件の相談をされる。市警も捜査を行なっているが進展がないので、キャラクターたちに依頼をするのだ。
この事件の犯人は、スプロールの該当地域の担当者でこの事件の捜査を受け持っている警官、マックだ。彼は警官として獲物に接触し、宇宙海賊のマルコスに売っているのだ。
キャラクターたちが捜査を始めると、マックはジョーに罪をなすりつけて殺し、捜査圏外に逃げようとする。マックとマルコスが接触する現場を押さえ、彼らを追及すれば冒険は終了である。
冒険への導入
ここではいくつかの導入を例示する。
- スプロールのマネキネコ街で商売をしているコールガールのリーダー格、ジェーンに呼ばれ、最近頻発している失踪事件の相談を受ける。彼女は事件を解決してくれれば1【財力点】を払うと約束してくれる。
- 馴染みのコールガール、ダリアが失踪した。キャラクターは彼女が心配になり、事件を調べてみることにした。
- キャラクターはアウタークラウド市警の嘱託警官として、マネキネコ街で頻発しているコールガール失踪事件の捜査をすることになる。解決すればボーナスとして1【財力点】が得られる。
1.情報収集
以下はこの事件に関する情報である。カッコ書きされている難易度は、【知力】〈事情通〉やコンピュータを使用した【知力】判定、警官やジャーナリストなどへの適切な技能を使った【魅力】判定などの難易度である。
コールガール失踪事件(難易度10):スプロールのマネキネコ街では、このところコールガールが失踪する事件が頻発している。オフの日に忽然と姿を消してしまうのが共通点だ。
市警の動き(難易度10):アウタークラウド市警では、マネキネコ街を担当する刑事のジョーとマック、そして(契約警官としての導入をキャラクターが選んだ場合)契約警官に事件の捜査を任せている。
ジョーとマック(難易度15):アウタークラウド市警のベテラン刑事のバディ。ジョーは市警の備品であるエイドスで、マックは生身の人間。彼らは長年マネキネコ街を担当しており、住民からも慕われている。
この他、コールガールの家に行くなら「2.コールガールの家に行く」、ジョーとマックに会ってみるなら「3.ジョーとマックに会う」へ進むこと。
2.コールガールの家に行く
コールガールの家を捜査してみるなら、彼女たちのほとんどはマネキネコ街のあまり高くない集合住宅に独り暮らしをしていたことがわかる。
家に何かないか調べるなら、難易度15の【判断力】〈知覚〉判定をすると、紙のメモ用紙に手書きで日付と時刻を書いたものが見つかる。これは失踪者の家すべてにあり、筆跡はすべて同じである。
筆跡を鑑定してみるなら、コンピュータを使用した難易度18の【知力】判定で、市警のジョー型エイドスと一致していることがわかる。
実際のところ、これはマックが市警で運用されている複数のジョー型エイドスに書かせている。これについて調べるなら、数百人いるジョー型エイドスと接触し、マックからメモを頼まれたか訊ねる必要がある。
3.ジョーとマックに会う
ジョー(カスタムヒーローEF 0E00GGJ00E)とマック(傭兵)は、ジョーがディスプレイに表情が投影されるタイプのコモナー型ヒュレーで、身長180cmほどの男性人格。マックが白髪が目立つ痩せ型で身長170cmほどの男だ。
彼らはマネキネコ街の喫茶店で捜査について話をしている事が多い。彼らは事件については鋭意捜査中であると話し、より掘り下げた話を訊くならコールガールたちはオフの日にいなくなっていることから、知っている誰かに誘い出されている可能性を指摘する。
コールガールたちの家にあったメモについて追及するようなら、ジョーは身に覚えがないと弁明する。難易度18の【判断力】〈看破〉判定に成功すれば、ジョーは嘘を言っていないとわかる。市警に訴えても、行動記録メモリをスキャンした結果、異常なしと太鼓判を押される。
4.ジョーの死
事件の捜査開始から数日後、マネキネコ街の路地裏でジョーが死んでいるのが発見される。手に持った銃で頭部パーツのコンピュータ部分を撃ち抜いており、自殺とみられる。
現場では制服の巡査数名が処理をしているが、マックの姿は見えない。巡査たちに訊ねると、昨日の夜から連絡がつかないと話される。
キャラクターたちがジョーのメモリを調べてみるなら、難易度18のコンピュータを使用した【知力】判定に成功すれば、ジョーの視覚メモリの一部が復元され、そこにはコールガール失踪事件についてマックを問い詰めるジョーの声と、彼を撃つマックの姿が映っている。
キャラクターたちがマックがネットで使っている私用のアカウントを調べたいなら、難易度11の【知力】〈事情通〉判定に成功すればアカウントを発見できる。そこから情報を得るなら難易度15のコンピュータを使用した【知力】判定が必要で、成功すれば宇宙港の近くにあるバー、プレステージに行く予定が昨日の夜インプットされたことがわかる。
5.マックとの決着
バー、プレステージには、マックと彼が連れ出したコールガールを売っていた“顧客”、宇宙海賊のマルコス(ドワーフ戦士シェフ)がいる。マルコスは丸々と太った男で、赤いゴーグルをしている。彼らは下手を打ったマックがマルコスの船で高飛びする算段を相談しているところだ。
キャラクターたちがマックとマルコスを追及するなら、彼らはバーの中であることなどお構いなしに武器を取り出し、突破して宇宙港へ行こうとする。
マックは警官、マルコスは宇宙海賊のデータを使用する。マルコスはレーザー・ピストルを持っていない。
宇宙海賊
中型・人型生物あるいは人造
AC:14(シールドで16)
hp:33(6d8+16)
移動速度:9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
10(+0) | 16(+3) | 12(+1) | 8(-1) | 12(+1) | 14(+2) |
セーヴ:【敏】+5
装備:ナイフ(6)、レーザー・ピストル、レザー・ジャケット
感覚:受動〈知覚〉11
言語:バベル言語
脅威度:2(450XP;習熟ボーナス+2)
アクション
ナイフ:近接/遠隔攻撃ロール:+5、間合い1.5m(5フィート)または射程6/18m(20/60フィート)。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ
レーザー・ピストル:遠隔攻撃ロール:+3、射程12/36m(40/120フィート)。ヒット:13(3d6+3)[光輝]ダメージ
心奪うふるまい:【判断力】セーヴィング・スロー:難易度12、宇宙海賊が見ることのできる9m(30フィート)以内のクリーチャー1体。失敗:目標は宇宙海賊の次のターン開始時まで、魅了状態になる。
警官
中型・人型生物あるいは人造
AC:14(シールドで16)
hp:11(2d8+2)
移動速度:9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
13(+1) | 12(+1) | 12(+1) | 10(+0) | 11(+0) | 10(+0) |
技能:〈知覚〉+2
装備:メタル・バトン、オートマチック・ピストル、ライト・コンバット・アーマー、シールド
感覚:受動〈知覚〉12
言語:バベル言語
脅威度:1/4(50XP;習熟ボーナス+2)
アクション
メタル・バトン:近接攻撃ロール:+3、間合い1.5m(5フィート)。ヒット:4(1d6+1)[殴打]ダメージ
オートマチック・ピストル:遠隔攻撃ロール:+3、射程12/36m(40/120フィート)。ヒット:8(2d6+1)[刺突]ダメージ
結末
マックを取り押さえると、彼は数年前から宇宙海賊を挟んでグリーゼ667C星系のアプスーにコールガールたちを売っていたことを白状する。彼はこれで得た金を市警の幹部に“上納”して隠蔽させていたが、要求額が増えてきたので連続失踪事件を演出せねばならなくなったと悪態をつく。
ジョー殺害事件の数日後、ジョーの代わりになるジョー型エイドスを搭載した刑事がマネキネコ街にやってくる。世はすべてこともなし。ということだ。
This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.