2025年09月06日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:エイドス誘拐事件(1レベル)
今週の小冒険はサイファイ・フューチャーの1レベル・キャラクター4人用ですぅ。
今回は新しい試みとして、モンスターの後ろにカッコ書きでTRPGミニチュアショップのホットゴブリンさんが扱っているミニチュアを推奨ミニチュアとして紹介してますぅ。これを見てイメージを膨らませていただければですぅ。
データまわりはサイファイ・フューチャー独自のもの以外CC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらのご参考にもですぅ。
このアドベンチャーを使ったリプレイの公開やプレイ配信などは好きに行なっていただいて構わないですぅ。その時はご一報いただけると嬉しいですぅ。
冒険の概要
アウタークラウド大学のエミリー・キンスキー教授の研究室が何者かに襲われ、エイドスである彼女が実行されているサーバが盗み出された。
事件はエイドスの人間性を否定する過激カルト、心の光協会によるもので、キンスキー教授はエイドスが研究室のサーバでのみ管理されているため狙われた。同様の襲撃はアウタークラウドでオンプレミス(自分で管理、運用できる環境を自宅や自社に整備する)な環境でのみエイドスを動かしている変人たちに行なわれている。心の光協会は集めたコンピュータを破壊することで、エイドスはただのコンピュータであることをアピールしようとしている。
キャラクターたちはキンスキー教授の助手、アナトール・エルストから相談を受け、教授の“失踪事件”を調査することになる。
心の光協会が配信の準備を行なっているスクラップ工場に乗り込み、凶行が行なわれる前に制圧すれば冒険は終了だ。
冒険への導入
キャラクターたちはアウタークラウド大学で人格工学の研究を行なっているエミリー・キンスキー教授の弟子を務めるアナトール・エルストに招かれる。彼はキャラクターたちをがらんどうになっている研究室の電算室に案内し、教授のエイドスの実行やバックアップをしているサーバが盗まれ、教授が“失踪”してしまったと話す。
アナトールの依頼は、盗まれたサーバを取り戻して教授を見つけることである。報酬は1【財力点】だ。なお、エミリー教授は極度の反企業論者で、企業が経営するサーバは検閲や改変の危険があると考え、研究室のサーバでエイドスを一元管理しているため、サーバが失われることはすなわち彼女の死を意味する。このことはアナトールの口から伝えること。
1.情報収集
以下にこの事件に関する情報である。カッコ書きされている難易度は、【知力】〈事情通〉やコンピュータを使用した【知力】判定、警官やジャーナリストなどへの適切な技能を使った【魅力】判定などの難易度である。
アナトール・エルスト(難易度10):アウタークラウド大学に勤務している。エミリー・キンスキー教授の助手で、人格工学の研究者。特に怪しげな動きや人脈はない。
エミリー教授の“失踪”(難易度15):アウタークラウドではここ数日の間にエイドスを独立した環境で管理している者のコンピュータが盗まれる事件が何件か発生している。「エイドス誘拐事件」についての情報収集が可能になる。
エイドス誘拐事件(難易度15):現場の近くのセンサーや監視カメラにはいずれもシリウス運輸という中小運送会社のトラックが記録されている。アウタークラウド市警はこれの内偵を進めようとしているが、人材不足で手に負えていない。
シリウス運輸を掘り下げて調べるなら「2.シリウス運輸」へ進むこと。
2.シリウス運輸
キャラクターたちがシリウス運輸を調べてみるなら、判定するまでもなくスプロールの雑居ビルにオフィスを構え、数台のトラックを運用している市街地の運送会社だとわかる。
シリウス運輸の経営や背後関係を洗うなら、難易度12の判定に成功することで、彼らがエイドスやケンタウリなどのデータ人類の人間性を認めず、社会から排撃しようとしている心の光協会の幹部が経営しているフロント企業だとわかる。
シリウス運輸に乗り込んでみるなら「3.シリウス運輸のオフィス」へ進むこと。
3.シリウス運輸のオフィス
シリウス運輸のオフィスには、特に隠し立てするようなことなく心の光協会のステッカーやポスターが貼ってある。
ここの従業員は普段は会社員だが、心の光協会の訓練キャンプで戦闘訓練を受けたカルト教団員(改宗したカルト教徒)である。彼らは三交代勤務しており、オフィスには常に6人の従業員がいる。
運送業に偽装してカルトが行なっている裏の仕事についてのデータは手動でケーブルを繋がないとネットに接続できないコンピュータに保存されているため、従業員たちを排除する必要がある。
コンピュータを調べるなら「4.シリウス運輸の裏データ」へ進むこと。
カルト教団員
中型・人型生物あるいは人造
AC:13
hp:9(2d8)
移動速度:9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
11(+0) | 12(+1) | 10(+0) | 10(+0) | 11(+0) | 10(+0) |
技能:〈教養〉+2、〈説得〉+2
装備:ナイフ、アンダーカヴァー・シャツ
感覚:受動〈知覚〉10
言語:バベル言語
脅威度:1/8(25XP;習熟ボーナス+2)
アクション
ナイフ:近接/遠隔攻撃ロール:+3、間合い1.5m(5フィート)または射程6/18m(20/60フィート)。ヒット:3(1d4+1)[殴打]ダメージおよび1[精神]ダメージ。
4.シリウス運輸の裏データ
シリウス運輸の裏データが管理されているコンピュータには簡単なプロテクトがかけられている。これはコンピュータを使用した難易度12の【知力】判定で無効化できる。
プロテクトを解除すれば、心の光協会では現在エイドス粛清のデモンストレーションをネットワークで配信する予定であり、そのために他にエイドスが中に入っているコンピュータを狙って盗みを働いている。彼らはスラムの外れにある廃工場でそれらのコンピュータプレス機にかけ、エイドスはただのコンピュータであることを世界にアピールするつもりだ。
裏データの中にはもちろんスラムの廃工場の住所も入っている。そこへ行くなら「5.スラムの廃工場」へ進むこと。
5.スラムの廃工場
スラムの廃工場には配信機材が運び込まれ、心の光協会がほうぼうから盗んできたコンピュータが積み上げられており、デモンストレーションの日を待っている。
ここには4人のカルト教団員と、彼らに傭兵として雇われたギャング(サイバーパンクの手下)がいる。彼らはコンピュータの前で生け贄を警備しており、勇敢にも死ぬまで戦う。
カルト教団員
中型・人型生物あるいは人造
AC:13
hp:9(2d8)
移動速度:9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
11(+0) | 12(+1) | 10(+0) | 10(+0) | 11(+0) | 10(+0) |
技能:〈教養〉+2、〈説得〉+2
装備:ナイフ、アンダーカヴァー・シャツ
感覚:受動〈知覚〉10
言語:バベル言語
脅威度:1/8(25XP;習熟ボーナス+2)
アクション
ナイフ:近接/遠隔攻撃ロール:+3、間合い1.5m(5フィート)または射程6/18m(20/60フィート)。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージおよび1[精神]ダメージ。
ギャング
中型・人型生物あるいは人造
AC:12
hp:32(5d8+10)
移動速度:9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
15(+2) | 12(+1) | 14(+2) | 12(+1) | 11(+0) | 12(+1) |
技能:〈ペテン〉+3
装備:メタル・バトン、オートマチック・ピストル、レザー・ジャケット
感覚:受動〈知覚〉10
言語:バベル言語
脅威度:1/2(100XP;習熟ボーナス+2)
特徴
群れ戦術:最低1体の味方がクリーチャーの1.5m(5フィート)以内にいて無力状態でないなら、ギャングはそのクリーチャーへの攻撃ロールに有利を得る。
アクション
メタル・バトン:近接攻撃ロール:+4、間合い1.5m(5フィート)。ヒット:5(1d6+2)[殴打]ダメージ。
オートマチック・ピストル:近接攻撃ロール:+3、射程12/36m(40/120フィート)。ヒット:8(2d6+1)[刺突]ダメージ。
結末
キャラクターたちがスラムの廃工場にいた心の光協会のメンバーを倒してコンピュータを元の場所に戻せばエイドス誘拐事件は解決され、感謝した者たちから2【財力点】を得るとともに、1【勇名点】を得る。
This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.