2011年12月03日 そのコミュニティ共通の基準によって、プレイヤーがたどり着く以前からその地にいた人々の歴史や、英雄たちの冒険譚が舞台設定として用意されるのだ。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][BoVD] 『不浄なる遭遇の作成(Creating Vile Encounters)』
『Book of Vile Darkness』プレビュー
バート・キャロル「力への道は困難であふれている。ぬしの努力を砕くことが彼らの務めと信ずる押しつけがましい者たちが絶えることはない。誰かを殺めればおぬしの脅威を世に知らしめ、他の者たちがぬしの足取りを追い始める仕事を始めさせるだけであるため、ぬし自身がこれらの敵に抗するため武装するのは良策とは言えぬ。冒険者どもを殺し続けるということは、ぬしに時を浪費させ、そのくわだてを失敗させる」
「かような敵をあしらう次善の策は彼らと戦わぬことだが、むしろ彼ら――ぬしの死を望む充分な備えをした英雄――をぬしの選んだ戦場へ誘うがよかろう。これについてわしの墓はよくやってくれた。英雄どもはわしがそこに座すものと思い込み、地中深くの冒険者のみが辿りつける究極の死が隠れた玄室へ向かう。実はわしは墓の近くにおらぬ。わしは計画を進めるためそこに自ら配置した罠と守護者を信じ、墓荒らしどもの集団をこれでもかと筆舌も及ばぬ最期に誘い込んでやった。かくしてわしは彼らから……いかなる種類の邪魔もされることなく仕事を終わらせた」
――アサーラック
不浄なる呪い
「呪われた私に話しかけるな!」
――ダークオンのアザリン
ハグは彼女の好意を拒絶した騎士を呪い、彼がこれから愛を見つけようとするのを妨げる。善意からワービーストを殺した英雄は満月の下で自分の呪いと変身に気づく。英雄たちは王墓の宝物庫をあばいた後で彼らの肉体が腐り、健康が損なわれていくのに気づく。
呪いは幻想譚に欠かせず、ダンジョンズ&ドラゴンズ・ロールプレイング・ゲームでも、呪いは英雄たちが戦うものたちと同じくらい危険なものだと示すことができる。
ある特殊な行動や事件によって呪いを受けることになる。悪の敵を倒す、呪われた場所を探検する、あるいは大いなる存在の怒りに触れたとき、キャラクターは呪われることがある。キャラクターが一度呪いを受けたなら、忍耐と苦痛にさいなまされ、キャラクターは毎日その苦しみと戦い続けることになる。キャラクターは呪いを解くため、通常は通過儀礼やそれを与えたものに償いを行なわなければならないが、強力な儀式によって呪いを解くことができるかもしれない。
ゲームでの呪い
キャラクターが呪いを受ける方法はいくつか存在する。呪いは班長に使うこと。君は呪いで物語を展開させ、冒険者たちを新しいクエストに導いたり、遭遇が終わってからも非常に邪悪な敵の命が絶えた後も、その影響を残しておくことができる。
呪いの運用
すべての呪いは段階的に影響を増す。ほとんどの呪いには4つの段階がある。
- 第0段階(呪いは休眠中)
- 第1段階(呪いの初期症状)
- 第2段階(呪いのより悪い症状)
- 第3段階(呪いによる最悪の症状)
呪いにはクリーチャーが受ける呪いの段階が指定されている。一度クリーチャーが呪われれば、そのクリーチャーはその段階の影響を受ける。クリーチャーから呪いが除去されないかぎり、それはそのクリーチャーの次の大休憩終了時に悪化する可能性がある。
進行
呪いは時間とともに悪化する可能性がある。クリーチャーは呪いに抵抗するための技能判定を行なうことができる。クリーチャーは孤独に呪いと戦わねばならず、味方からの援護を受けることはできない。
技能判定:呪いが解除されるまで、クリーチャーは呪いの段階が変化するかそのままなのかを決定するために呪いで指定された技能判定を大休憩終了時に行なわなければならない。呪いは2つの難易度を指定する。判定の結果が高いほうの難易度以上だった場合、呪いは1段階減少する(こうして呪いの効果は軽減される)。判定の結果が低いほうの難易度以上で高いほうの難易度未満だった場合、呪いは現在の段階にとどまる。判定の結果がそれ未満だった場合、呪いの段階は1上昇する(こうして呪いの影響が増大する)。
いくつかの呪いは2つ以上の難易度を持っていたり、異なる条件で技能判定を行なわせる。
新しい段階への到達:クリーチャーが呪いの新しい段階に到達したとき、それはすぐに新しい段階の影響を受ける。呪いの解説に特記がない限り、新しい段階の効果は前の段階の効果を上書きする。
休眠状態:病気とは違い、呪いはキャラクターが第0段階になっても効果を終了しない。その代わり、呪いは休眠状態となる。クリーチャーの次の大休憩終了時、それは呪いが悪化するかどうかの技能判定を必ず行なわなければならない。君は呪いの段階を0未満に減らすことはできない。
最終段階はない:呪いに最終段階は存在しない。呪いが終了するか開放(下記参照)されるまで、その効果は日ごとに弱くなったり強くなったりする。
呪いからの開放
呪いからの開放は外的要因によるものではない。クリーチャーが何もしないなら、呪いはそのクリーチャーが生きているかぎりまとわりつく上に、クリーチャーが殺されて死から蘇ったとしても持続する。呪いを終了させるために、キャラクターは呪いの解説に描かれたクエストを完遂せねばならない。君はクエストを君のキャンペーンに適合するよう別のものと入れ替えてもよい。キャラクターがクエストを完了させたなら、呪いは終了する。
キャラクターはリムーヴ・アフリクションの儀式や類似の魔法で呪いから開放されてもよい。DMはある種の呪いは強力で、それらは一般の儀式魔法では開放することができず、開放には特別なクエストや特殊な儀式が必要としてもよい。
キャラクターが呪いの効果を終了させた場合、彼や彼女は彼や彼女のレベルの副次クエストを完了させたかのように経験点を得る。
人狼変化
広く知られた知識では野獣に変身して戻ることができる人型生物がライカンスロープである。しかし、メローラやセイハニーンが自然に対する罪を犯した定命の者を呪ったという伝説がある。満月が昇るたび、咎人は獰猛な野獣に変身する。他の呪われたクリーチャーは彼らの苦しみを噛みつくことでうつすことができるが、これの場合はモンスターの病気が呪いに変更される。
この呪いはワーウルフのためにデザインされているが、君は変身するクリーチャーを変更することで他種の変化に対応させることができる。
人狼変化 | レベル可変・呪い |
月が昇れば裡なる獣が目醒め、何ものにも縛られずに暴れる。 | |
第0段階:呪いは休眠状態になる。 第1段階:目標は第1段階で、“意思”に-2のペナルティを受ける。 第2段階:目標は第2段階で、重傷状態となった時、それは隣接する味方に対してフリー・アクションで近接基礎攻撃を行なう。 第3段階:目標は第3段階で、攻撃がヒットした時、それは隣接する味方に対してフリー・アクションで近接基礎攻撃を行なう。 第4段階:目標は第4段階で、満月の夜はワーウルフとなりDMの制御下に置かれる。これのワーウルフ・バイトはワーウルフの月下狂乱の代わりに、この呪いをうつす。 判定:大休憩の終了時ごとに、第4段階以外の段階にある目標は〈自然〉判定を行なう。 簡単な難易度以下:呪いは1段階進行する。 簡単な難易度:変化なし。 通常の難易度:呪いは1段階減少する(第0段階の場合、変化なし)。 呪いからの開放:この呪いを受けた者以上のレベルを持つ善のクリーチャーに呪いをうつす(英雄級)、ワーウルフ・ロードを見つけ出して呪いから開放してもらうように説得する(伝説級)、月の乙女に拝謁して呪いを受けた者が彼女の裁きを受ける(神話級)。DMの判断で、リムーヴ・アフリクションの儀式を執行すれば目標は呪いから開放されるとしてもよい。 |
ワーウルフ・バイト | 呪い・攻撃 |
Warewolf Bite/人狼の噛みつき | |
君はその牙を他のクリーチャーに沈み込ませ、肉を裂き、君の呪いをうつす。 | |
[無限回] | |
標準アクション | 近接・1 |
目標:クリーチャー1体 | |
攻撃:使用者のレベル+5対AC | |
ヒット:2d6+(使用者のレベル)のダメージ。この攻撃で目標が重傷状態になった場合、目標は遭遇終了時に-2のペナルティを受けてセーヴィング・スローを行なう。セーヴィング・スローに失敗した場合、目標は人狼変化の呪いを受ける(第1段階)。 |
不浄なる病気
「生めよ増殖よ、我が仔らよ! 汝が悪のために働け! かような死すべき肉袋に示す慈悲はない! 我に目玉が血を流し、腫れ物が爆ぜ、そして皮が骨から滑り落ちるさまを見せよ!」
――オイノデーモンのファラクサス
多くの嘆きと苦しみを生むが、病気そのものは本来悪ではない。しかし、故意に病気を蔓延させるのは悪で、無差別にそれを行なうスラードのようなものたちもいる。
ある種の疫病は他のものより強力である。これらは特殊で不安定な効果を持つ病気で、その根深く恐ろしい性質は悪を源泉としている。この項では冒険者たちが出会うかもしれない非常に悪名高い病気をいくつか紹介している。いくつかの病気は肉体に影響を及ぼし、他のものは精神を侵す。どちらにしろ、それらはすべて患者を彼らが発病したときよりはるかに酷い容態に陥らせる。
無貌の憎悪
魔法の病気は彼らが憎む者たちを倒すために設計され、無貌の憎悪はクリーチャーに抑制できない憤怒で満たす。この病気のもっとも酷い面があらわになるのはクリーチャーの顔が融け落ち、なめらかで凹凸のない皮膚だけが残るときである。こうなれば、そのクリーチャーには飢えや渇きで死ぬまで盲目的な怒りに駆られる運命が待っている。
無貌の憎悪に感染したクリーチャーを殺したクリーチャーには病気に感染する可能性がある。そのクリーチャーは遭遇終了時にセーヴィング・スローを行なわなければならない。セーヴに失敗したら、それは無貌の憎悪に感染する(第1段階)。
無貌の憎悪 | レベル可変・病気 |
君の中に憤怒が芽生える。それは君の周りすべてが死滅するまで治まることがない凄まじい激怒だ。 | |
第0段階:目標は病気から回復する。 第1段階:目標は第1段階で、行なえるかぎりすべての機会攻撃を行なわなければならず、それの味方は敵であるかのように機会攻撃を誘発する(彼らは敵の区別をつけることができない)。 第2段階:目標は第2段階で、行なえるかぎりすべての機会攻撃を行なわなければならず、それの味方は敵であるかのように機会攻撃を誘発する(彼らは敵の区別をつけることができない)。さらに、目標が重症状態になった場合、それは盲目状態となるが擬似視覚5を得る。目標が重症状態の間、それが自身のターン中に攻撃がヒットしなかった場合、それはターン終了時に級あたり5点の[精神]ダメージを受ける。 第3段階:目標は第3段階で、目と口を喪失する。目標は盲目状態となるが擬似視覚5を得る。目標がすでに悪でない場合、その属性は悪となり、すべてのクリーチャーを敵とみなすようになる。最後に、目標のターン開始時に5マス以内に1体でもクリーチャーがいる場合、そのターンに必ず標準アクションを使ってそれを目標にした攻撃を行なわなければならない。 判定:大休憩の終了時ごとに、第1あるいは第2段階の目標は〈持久力〉判定を行なう。 簡単な難易度以下:病気は1段階進行する。 簡単な難易度:変化なし。 通常の難易度:病気は1段階減少する。 |
不浄なる罠と危険要因
「思うに、わしは少し夢中になりすぎていたかもしれん。最高の罠はその犠牲者を苦しませ叫ばせる。わしの墓をおとなった冒険者どもは皆すぐに死んでしもうた」
――アサーラック
罠や危険要因は冒険者に対する一般的な障害である。しかし、それらと出遭った者たちが死ぬか死ぬよりも酷い目に遭う効果を持ったたちの悪いものも存在する。以下では、世界でもっとも邪悪な者たちの隠れ家やその周辺で出遭うかもしれないたちの悪い装置や、『Dungeon Master's Kit』と『ダンジョン・マスターズ・ガイド』に掲載された罠や危険要因の補足を紹介している。
墓所のもの
邪悪なアンデッドの守護者の一種だと考えられている玄室のものは、事実貴重な財宝を守るように考えられた強力な魔法の罠である。すべての墓所のものは茶色か黒のローブを着て背もたれの高い椅子に座った骸骨である。設置された部屋に生きたクリーチャーが入ってきたら、墓所のものはイニシアチブをロールしてそのターンに攻撃を行なう。
墓所のものは喋ることができ、それに向かって話しかけるクリーチャーと会話する。しかし冒険者が墓所のものと話したとしても、それが攻撃を止めることはない。墓所のものはその場所と隣接した部屋すべてについての情報を知っており、ターンに1度フリー・アクションとして1つの質問に答える。
キャラクターは難易度32の〈宗教〉あるいは〈魔法学〉判定に成功すれば、墓所のものを識別することができる。
墓所のもの | 18レベル・罠 |
物体 | XP2,000 |
発見:自動 | イニシアチブ:+10 |
HP:100 AC30;頑健30、反応25、意思- 完全耐性:[死霊]、[精神]、[毒]、強制移動、すべての状態、継続的ダメージ |
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標準アクション | |
[r]ファルス・ディスインテグレイト/偽りの分解([幻])◆無限回 | |
攻撃:遠隔5(クリーチャー1体);+21対“意思” ヒット:目標は気絶状態および不可視状態となる(どちらもセーヴ・終了)。 |
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[r]ベイルフル・テレポート/攻性瞬間移動([瞬間移動]、[力場])◆再チャージ(4、5、6) | |
攻撃:遠隔5(クリーチャー1体);+21対“意思” ヒット:墓所のものは目標を4d20マス以内のランダムな場所に瞬間移動させる。d6をロールして方向を決定する:1、上;2、下;3、北;4、南;5、東;6、西。移動先のマスまで墓所のものの視線が通っている必要はない。そのマスが占有されていたり遮断地形だった場合、目標は20点の[力場]ダメージを受け、もっとも近い占有されていないマスに出現する。目標が空中に瞬間移動した場合、それは落下する。目標はこの瞬間移動を抑止するためにセーヴィング・スローを行なえない。 |
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トリガー時アクション | |
[m]クロー/爪◆無限回 | |
トリガー:隣接したクリーチャー1体が墓所のものに攻撃した。 攻撃(即応・対応):近接1(トリガーを発生させたクリーチャー);+23対AC ヒット:4d8+8ダメージ。 効果:墓所のものは目標を1マス押しやることができる。 |
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対抗手段 | |
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バート・キャロル
バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版の『Monster Manual』が好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。
『Book of Vile Darkness』今回のプレビューは、遭遇を彩るさまざまな危険の紹介ですぅ。アサーラックの反省文にもあるように、即死するようなものではなくじわじわ影響が出るようになってるのがDMする側としても安心して使えるようになったと感じさせてくれますぅ。
2011年12月06日 リチャードにとって、こういったことすべてのはじまりは、ごく単純なものだった――当時の新発明、アップルIIホームコンピュータで実行される一五〇〇行のプログラムだ。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『ルールの適温(The Temperature of the Rules)』
伝説と伝承
私はマイク・ミアルズとサーモスタットの話をした。マイクは「適温は21度に設定してあります。もしあなたが暖めたり冷やしたりしたいときは、これにあなたが適温を調節するための方法が書いてあります」と書かれたサーモスタットの説明書が欲しいと言った。私は「あなたは適温を何度にでも設定でき、その方法はこれに書かれています。あなたが何もしないとき、初期設定は21度になっています」と書かれた説明書が欲しいと言った。
閑話休題。私たちは実際にサーモスタットの話をしていたわけではない。というより、私たちのサーモスタットについての議論は、DMに情報を提示する方法論の比喩だったのである。この場合の“適温”は、ルールを提供することと、状況にあわせ、DMである彼や彼女が適当だと考えるものに調整することである。
しかし議論でもっとも重要なのは最終的な裁定者であるDMの能力についてではなかった。私たちは双方それが重要だと認識している。しかし、議論はゲームの初期設定についてだった。
君は開始時の適温を調節することをどうDMに説明するか、あるいは君はどう彼に適温が21度だと説明するか、そして彼がそれを気に入らなかった場合、そこからどう調節させるのか? 他の言葉で説明するなら、君はどうDMにルールと必要ならそれを破る許可(と指針)を与えたり、DMが最初に調節することを推測する?
先週、私は君が1ラウンドで行なえることについて書いた。少しの間、君が自分のターンに1回のアクションと移動速度ぶん移動ができるゲームをプレイしたと仮定してほしい。そこで君は移動と攻撃、移動と呪文の発動、あるいは移動とその他のアクションが行なえる。それは当たり前のことでDMの裁定を必要としない。たとえばドアを開けるような、より一般的でないアクションがプレイに入るとそれは違ってくる。ある方法ではドアを開けることをルールで指定されたアクションとし、他では君が移動の代わりに行なえる、あるいはまったくアクションを必要としないとするかもしれないが、DMは状況に基づいてルールを変更する。他にはDMにたくさんの基本的な例示と、1ラウンドでできることや状況をまとめた裁定用の長々とした資料を与える方法もある。
どちらのやり方にも利点はある。最初の方法はDMに見通しのよい道を与えてひとつひとつ事例を明確にしていく。他のものはすぐに使える力をDMの手に与える。
第3版から第4版にかけて、ゲームは直接的で明確なルールを提供することに集中してきた。この方法はルールがはっきりと定義していない状況を裁定することをより簡単にした。だが、第3版以前の、“DMが決める”も完全に信頼できるものではなかったが、それもよくあるルールだった。これは時々DMの間違いによってルールと違った決定が行なわれるため、しばしば苦行だと認識されていた。そしてもちろん、ルールを重んじるプレイヤーはこのような裁定に異議をとなえたり、少なくとも疑問視する傾向がある。
君がほとんどの状況に対する具体的なルールを用意できるなら、君がめったに解釈を行なったり即興でルールを作る必要(難しくなりうる)がない限り、DMにとってゲームはより簡単なものになる。ルールが印刷された本になっているなら、それのバランスと一貫性にプレイヤーが疑問を挟まないようにするのはより楽になる。一方で、君がその代わりDMに公正で、冴えた、一貫した決定と判断をその場で行なう方法を教えようとするなら、君は本に載せるルールを厳選することでDMをより簡単にできる。権限を持ち賢明な裁定を行なえるDM以上にゲームをより速く動かせるものはない。
DMに権限を与えるのはシミュレーションを簡単にする。決められたルールだけであらゆる状況に対応できることはなく、DMはルールブックに書かれていない方法で素晴らしい再現を行なえる。君のターンをどれだけ扉を開けることに費やすかは、おそらく扉による。大きく重い金属製の扉は君がアクションを使う必要があるかもしれないし、簡素な木製の扉はアクションが必要ないかもしれない。他のドアはその中間かもしれない。このさほど重要ではない状況にあらゆる面から対応できるルールを君は望むだろうか?
より少ないルールはDMの権限を大きくし、1冊、あるいは2冊……10冊と本に相談して語りを遅らせないため、物語を重視したプレイを楽にする。DMには君のターンにできることとできないことなどの裁定を行なう権能が与えられ、プレイヤーのアクションはより自由なものになる。彼らはアクションの種別を心配する必要なく、今何をしたいか宣言できるようになる。プレイヤーの奇抜な計画は君が1ラウンドに何ができるか厳密に定義されたルールと相性が悪いかもしれないが、うまいDMはそれが合理的かどうか即興で素早く判断し、物語と活劇を動かし続けることができる。
DMはゲームを運営しなければならないが、彼らがルールを上書きする権利は“プランB”と“プランA”のどちらだろう? DMの裁定はルールを破ったものだろうか、それともそれ自体がルールなのだろうか?
2011年12月09日 このプロジェクトで単位を取るには、実際に動作するゲームを提出するしかない。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][BoVD] 『悪漢とモンスター(Villains and Monsters)』
『Book of Vile Darkness』プレビュー
バート・キャロル悪はさまざまな手段で世界を侵す。恐怖で彩られた悲惨な犯罪現場で、むごい目的のために作られた道具、そしてまことに憎むべき悪漢が動かす計画の中で、人はその惨禍を見つけることができる。組織としての悪を真実理解したいなら、人はそのとりこになっているクリーチャーの、腐敗の深淵を覗き込んでそのようなしもべが何を渇望して暗黒に仕えているのかの根本的な動機を分析し、調査する必要がある。
『Book of Vile Darkness』の第4章には不浄なる遭遇での敵を作成して運用するための、さまざまな材料が用意されている。そのすべてを以下で紹介しよう。
- 悪漢の作成:悪漢のステータス・ブロックを作成するのは、まさに新しいモンスターを作るということだが、思い出に残り語られ続ける悪漢を作成するためにはさらに数歩先を行く必要がある。
- モンスター・テーマ:“混沌の魔獣”から“九層地獄の奴隷”まで、この章に掲載されるモンスター・テーマは君が普通のモンスターを恐るべき敵対者に変身させることを助ける。
- 新しいモンスター:いくつかの新しいモンスターは不浄なる暗黒を君のキャンペーン世界に出現させる方法を示す。
- 組織:いくつかの組織は君にプレイヤー・キャラクターたちを試し、楽しませるために混乱をもたらすための力ある存在を提供する。
悪漢の作成
「私が痛みからインキを作れることを発見した時どれだけ驚いたかわかるかね。さあ、座って静かにしたまえ。君の苦しみはじきに終わる」
――シャセラックス、マインド・フレイヤー
悪が遥か遠くにある謎めいた力だというひとつの知識とは別に、悪に顔を与えてそれを知らしめるのは暗黒のために働く者である。悪漢は悪に個性を与える。それは終わりのないデーモンの氾濫や黒く腐れて世界に破滅と苦しみをまき散らすために這いずる、群れをなした悪のクリーチャーに顔と名前を与える。悪漢は悪い計画を心に秘め、暗き望みが達成されるまで彼や彼女のために働き続けるしもべを求める。
この項では君が魅力的で面白い悪漢、特に不浄なる暗黒の奴隷である者たちを作成するのを助ける。詳細をつめる前に、まず大事なのは悪漢を他のクリーチャーから離しておくことだ。悪漢は君がシナリオで最後の戦闘遭遇に出すようなクリーチャーではない。悪漢はステータス・ブロックから生まれ、生き、キャラクターがイニシアチブをロールする場で悪漢のヒット・ポイントが0になれば死ぬようなものでは断じてない。悪漢とは個性を創作することである。それはプレイヤー・キャラクターの仇敵とキャンペーン・セッティングの大きな力である。悪漢の一挙手一投足、そして目的により英雄が置かれた状況は変わり、シナリオからシナリオへ彼らを導かねばならない。
不浄なるモンスター・テーマ
「死霊術は役にたたぬ。そは影の真なる可能性を理解する助けにならぬ研究、片手落ちの系統だ。死霊術では永遠不滅のアンデッドを種族として創造できなんだ。復活させたゾンビもスケルトンも維持には驚くほどのエネルギーが必要だ。これらの下僕はすべて創造者の力を要求する。しかるに答えは死者を操ることではなかった。しかし、それは影そのものの精髄に存在した」
「宇宙創世の暁から分離した暗黒はシャドウフェルとなった。かくのごとく、永遠不滅の種族は神の介在や世界の自然によって生み出されるのではなく、あの領域を新しい何かとしたように、創世の力を利用したものでなければならない。多くの失敗を重ねたが、朕はこの可能性ある新たな寄り代であり我が下僕となるべき方舟を誇りに思っている」
――キュス
悪はクリーチャーにさまざまな影響をおよぼす。ある場合、暗黒は種族全体に影響し、彼らを永遠の奴隷とした。別の場合、悪は感染し、歪ませ、そしてねじれさせることで、クリーチャーを無理矢理に従わせ働かせる。悪による影響は平凡な者たちに永続的な変化をもたらし、彼らを新たな力に覚醒させたり、言葉にできないほどの変異で彼らを傷つける。
特別な悪の物語を君のキャンペーンへ織り込むために、君はモンスター・テーマで既存のクリーチャーを肉付けすることができる。たとえば、テーマにはモンスターがある主の所有物であること、邪悪な力に尽くした結果の変異、あるいは特別な訓練、帰依、あるいは環境からの影響によって得たものなどを意味するものがある。
この項では不浄なる暗黒の力を呼び起こす新しいモンスター・テーマを紹介している。君は他のテーマを『ダンジョン・マスターズ・ガイド2』、『ドラコノミコン』など他のDM用書籍でも見つけることができる。
モイルの死者
「美しきものを壊すは我が楽しみ」
――オルクス
幾星霜の昔、その都市はまるごとデーモン信者の奴隷だった。何世代にも渡って生贄が捧げられ、不死のデーモン・ロードは人々にフィーンドの恐るべき報酬で報いた。しかし時間と新しい思想は人々を闇から離れさせ、光へ向かわせようとした。デーモン・ロードは彼らの裏切りに気づき、彼らすべてを呪った。彼は彼らを永遠のまどろみに閉じ込め、都市をシャドウフェルの深淵へと落とし、美しい塔や優美な橋を暗黒に呑ませ、すべてを忘れ去らせてしまった。都市の名はモイル、失墜以来多くの宝を求める者や悪人はその遺跡に誘われた。
モイルの市民は永遠のまどろみで生き続けることはなかったが、暗黒の地を覆う邪悪なエネルギーは彼らの死体に恐るべき力を与えた。現在、都市にはゾンビ、グール、レイス、そしてスペクターなど、雑多なアンデッドがうごめいている。都市の血統は恐ろしく不浄な気にあてられこれらのアンデッドに異常で協力な能力を与えている。
“モイルの死者”のテーマはアンデッドのクリーチャーだけに適用でき、あらゆる役割で利益を得られる。
副種別:クリーチャーは既に得ていない場合アンデッドの副種別を得る。
抵抗:“モイルの死者”のテーマを持つクリーチャーはそれが既に得ていない場合、[死霊]への抵抗5、[冷気]への抵抗5を得る。この抵抗は伝説級で10、神話級で15に増加する。
脆弱性:“モイルの死者”のテーマを持つクリーチャーはそれが既に得ていない場合、[光輝]への脆弱性5、[火]への脆弱性5を得る。この脆弱性は伝説級で10、神話級で15に増加する。
技能修正:〈隠密〉判定に+2のボーナス。
攻撃パワー
モイルはゆっくりと暗黒へ降下し、都市は冷え冷えとした霜に覆われた。廃墟から出てくるアンデッドは冷気を武器として使う。
デッドリィ・フロスト
モイルの有害な寒さは廃墟をさまようクリーチャーに染み付いている。“モイルの死者”に立ち向かう者はこれら呪われたクリーチャーが発する刺すような霜とも戦わなければならない。
特徴 | |
[A]デッドリィ・フロスト/死の霜(死霊、冷気)◆オーラ2 | |
このオーラの中にいるすべての生きているクリーチャーは戦術的優位を与え、それのターン終了時に5点の[死霊]かつ[冷気]ダメージを受ける。 11レベル:10点の[死霊]かつ[冷気]ダメージ。 21レベル:15点の[死霊]かつ[冷気]ダメージ。 |
フリージング・ドゥーム
“モイルの死者”すべては、彼らが悲惨な末路をたどるまでに行なった選択の残滓を記憶している。真の死によって彼らは呪いから開放され、自由になった魂は殺人的な寒さの中で爆発する。
トリガー時アクション | |
[C]フリージング・ドゥーム/凍れる破滅(冷気)◆遭遇毎 | |
トリガー:このクリーチャーのヒット・ポイントが0以下になる。 効果(アクション不要):近接爆発1(爆発内の生きているクリーチャー)。目標は5点の[冷気]ダメージを受け、動けない状態となる(セーヴ・終了)。 11レベル:10点の[冷気]ダメージ 21レベル:15点の[冷気]ダメージ |
ギフト・オヴ・オルクス
いくらかの“モイルの死者”は遥か昔に彼らと敵対した者たちを苦しめた呪いを使うことができる。
トリガー時アクション | |
[M]ギフト・オヴ・オルクス/オルクスの恩寵◆遭遇毎 | |
トリガー:隣接した敵がこのクリーチャーのヒット・ポイントを0以下にした。 攻撃(アクション不要):近接1(トリガーを発生させたクリーチャー):レベル+3対“意思” ヒット:目標は無防備状態となる(セーヴ・終了)。 最初のセーヴィング・スローに失敗:目標はこの効果へのセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける。 ミス:目標は減速状態となる(セーヴ・終了)。 |
汎用パワー
“モイルの死者”は生命の気配によって目を覚ますまで眠る。
センス・ライフ
オルクスはモイル人を永遠の眠りへ追いやる呪いをかけた。彼らを死のまどろみから覚まさせる唯一のものは生命の接近で、暗黒は彼らに不愉快な存在を抹殺させるため偽りの命を与える。
特徴 | |
センス・ライフ/生命感知 | |
視認できない場合でも、このクリーチャーは5マス以内の生きているクリーチャーすべての位置を特定できる。 |
バート・キャロル
バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版の『Monster Manual』が好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。
今回の『Book of Vile Darkness』プレビューは悪漢の作成やモンスター・テーマなど、DM向け情報の続きですぅ。悪漢の作成については訳が途中で止まっているけど、3.5e時代にも悪役作成講座などで定期的にサポートされ続けてきた分野なので、4eでも有用な資料が増えるのは助かるですぅ。
今回は引用されても悪漢の台詞も彼らの特徴を表現してて面白いですぅ。
§ [DnD][4e][BoVD] 『新しいモンスター(New Monsters)』
『Book of Vile Darkness』プレビュー
バート・キャロル「おれが今まで見た中で一番恐ろしかった怪物は腕2つ、脚2つ、そして頭1つを持っていて、頭は目2つ、耳2つ、鼻1つ、そして口1つの顔がついていて、この顔のてっぺんにモップみたいな毛が生えていた。この生き物の体は、他のほとんどが桃色でつるつるだった。ほとんどが。おれはねばねばをそれに這わせ、こいつが何なのか考えた」
――ジュイブレクス
アビスは四方に闘争を撒くために膨大なフィーンドを産み、闇のしもべたちはあるじの目的のため計画や陰謀を進める。以下のモンスターたちは苦痛、屈辱、死、そして拷問のつづれ織りに存在を包まれる悪の抱擁によって誕生した。
ンハグルールのドラゴンスポーン
ンハグルールは世界を征服して膝下にせんと『Book of Vile Darkness』の利用を試みた異端のウィザードで、闇の遺産を多く残した。ンハグルールのドラゴンスポーンは彼の残した作品でももっとも忌まわしいもののひとつである。狂気の魔術師は彼の弟子が盗んだ悪のドラゴンの卵を使い、彼の工房でドラゴンスポーンを育てた。ウィザードは胚を腐敗させるために彼が持っていたデーモンの精髄を使った。卵から孵ったのは、ンハグルールと魔法的なつながりを持ち、創造主と慕ってくる戯画化されたドラゴンのような化け物どもで、彼らは本質的に歪んだ性質で大いなる邪悪の力へ向かった。
ンハグルールのもっとも大きな影響は、ドラゴンスポーンがもっとも老獪な魔術師すら魔法のように出し抜けるほど恐ろしく狡猾な獣だったということである。ンハグルールがと『Book of Vile Darkness』を失った時、ドラゴンスポーンは弱体化して自暴自棄になった。そして、モンスターたちはお互いの縄張りと財宝をめぐって互いに争った。どれくらいのクリーチャーが生存競争を生き残ったか定かではない。後年、生き残りは彼らの隠れ家に引き揚げ、ンハグルールとの栄光の日々の記憶や魔法は彼らの記憶から消えていった。
知識
〈魔法学〉あるいは〈歴史〉難易度26:ドラゴンスポーンはデーモンのウィザード、ンハグルールの穢れた所産で、彼らの卵はじくじくとしたデーモンの粘液に満ちた増殖槽で孵化した。これら雛竜の多くは魔術師の邪悪な精髄と生まれながらにつながりを持っていたが、最悪の異端者のひとりであるンハグルールは滅ぼされた。
闇のウィザードの滅び(あるいは、いくつかの証言によると失踪)以降、ンハグルールのドラゴンスポーンはほとんど生き残らなかった。彼らをトゥルー・ドラゴンと見間違えるのは難しいが、ンハグルールのドラゴンスポーンは皮膜の翼やブレス・ウェポンのように、ドラゴンとしての一般的な特徴を備えている。
ンハグルールのドラゴンスポーンは2匹いても必ずしも同じ外見ではない。彼らのドラゴンとしての特徴は彼らを誕生させた不浄なるウィザードのより恐るべき特徴と醜怪に混じりあっているのだ。このため、彼らはその名前で彼らの餌食になったものに与えた恐怖を再現することはほとんど不可能だが、歴史の記述にしばしば“不浄なるドラゴン”として登場する。
遭遇
ンハグルールのドラゴンスポーンでもっとも強いものは文明の辺境域に住み、深い洞窟、森、古代の遺跡などに営巣する。
ンハグルールのドラゴンスポーンはどんなドラゴンに対しても遭遇したら攻撃を行なう。ドラゴンの巣を乗っ取ると、ドラゴンスポーンは犠牲者の卵を1つだけ残して食い尽くす。ドラゴンスポーンはその唾液で残された卵を腐敗させ、新たなンハグルールのドラゴンスポーンの雛として孵るまで、日に数回殻につばを浴びせる。
ンハグルールのドラゴンスポーン | 14レベル・単独・砲撃役 | |
大型・自然・魔獣(爬虫類) | XP5,000 | |
HP:564;重傷値:282 | イニシアチブ:+13 | |
AC28;頑健28、反応24、意志26 | 〈知覚〉+16 | |
移動速度:6、飛行8 | 暗視 | |
セーヴィング・スロー:+5;アクション・ポイント:2 | ||
特徴 | ||
アクション・リカバリィ/アクション復活 | ||
ドラゴンスポーンのターン終了時に、すべての幻惑状態、気絶状態、あるいは支配状態の効果は終了する。 | ||
インスティンクティヴ・フェロシティ/本質的残虐性 | ||
(ドラゴンスポーンのイニシアチブ判定)+10のイニシアチブで、ドラゴンスポーンはフリー・アクションでバイトあるいはファイアリー・スピットルを使用できる。ドラゴンスポーンが支配状態あるいは気絶状態の効果でこのフリー・アクションを行なえない場合、ドラゴンスポーンが攻撃を行なう代わりにその効果を終了させる。 | ||
標準アクション | ||
[m]バイト/噛みつき(毒)◆無限回 | ||
攻撃:近接2(クリーチャー1体);+19対AC ヒット:2d6+10ダメージ。目標は10点の継続的[毒]ダメージを受ける(セーヴ・終了)。 |
||
[M]ダブル・アタック/2回攻撃◆無限回 | ||
効果:ドラゴンスポーンはバイトを異なる2体のクリーチャーに対して使用する。 | ||
[R]ファイアリー・スピットル/炎の唾液(火)◆無限回 | ||
攻撃:遠隔20(クリーチャー1体);+19対“反応” ヒット:2d8+11[火]ダメージ。 |
||
[C]ブレス・ウェポン/ブレス攻撃(毒、火)◆再チャージ5、6 | ||
攻撃:近接噴射5(噴射内のクリーチャー);+17対“反応” ヒット:4d10+11[毒]かつ[火]ダメージ。 ミス:半減ダメージ。 |
||
[C]フライトフル・ロアー/畏怖すべき咆哮(恐怖)◆遭遇毎 | ||
攻撃:近接爆発3(爆発内のクリーチャー);+17対“意志” ヒット:目標はドラゴンスポーンの次のターン終了時まで幻惑状態となる。 後効果:目標はそれの次のターン終了時まで攻撃ロールに-2のペナルティを受けるか、フリー・アクションで移動速度分ドラゴンスポーンから離れるかのどちらかを選択する。 ミス:目標はドラゴンスポーンの次のターン終了時まで攻撃ロールに-2のペナルティを受ける。 |
||
トリガー時アクション | ||
[M]ウィング・クロー/翼の爪◆無限回 | ||
トリガー:ドラゴンスポーンから2マス以内の敵がドラゴンスポーンに近接攻撃をヒットさせた。 攻撃(即応・対応):近接2(トリガーを発生させた敵);+19対AC ヒット:4d6+8ダメージ。 効果:ドラゴンスポーンは4マスまで飛行してもよい。この移動は機会攻撃を誘発しない。 |
||
ブラッディッド・ブレス/手負いのブレス◆遭遇毎 | ||
トリガー:ドラゴンスポーンが最初に重傷状態になった。 効果(アリー・アクション):ブレス・ウェポンを再チャージし、ドラゴンスポーンは即座にそれを使用する。 |
||
技能:〈威圧〉+15、〈隠密〉+18 | ||
【筋】24(+14) | 【敏】22(+13) | 【判】18(+11) |
【耐】21(+12) | 【知】11(+7) | 【魅】17(+10) |
属性:混沌にして悪 | 言語:ドラゴン語、奈落語 |
戦闘でのンハグルールのドラゴンスポーン
飢えたンハグルールのドラゴンスポーンは牛や馬にかじりつくことしか考えないが、狩の場合は人型生物の犠牲者から断末魔の叫びを引き出さなければ満足しない。ンハグルールのドラゴンスポーンは町の周囲を旋回し、建物と人々に炎の雨を降らせて恐れと死の香りを嗅ぐ。それの餌が逃げ始めると、なるべくそれに火をつけた上で、モンスターは毒のついたその歯で引き裂くために急降下する。
ンハグルールのドラゴンスポーンはとりわけ賢いわけではないが、狡猾だ。巣に進入されると、獣は大型の猫類のような方法で侵入者を尾行し、影の中を這い進むと、空き巣が気をゆるめた隙に跳びかかる。角に追い詰められると、ドラゴンスポーンはその翼の爪を敵に振り上げて切り裂く。
この『Book of Vile Darkness』プレビューは新モンスターの紹介で、ドラゴンを改造したとされるドラゴンスポーンが紹介されているですぅ。
2011年12月10日 提出しなければ落第だ。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][BoVD] 『悪の冒険者の作成(Creating an Evil Adventurer)』
『Book of Vile Darkness』プレビュー
バート・キャロル「正気は退屈だ」
――ジュイブレクス
『Book of Vile Darkness』を使用した悪の冒険者のキャラクター作成は、他のキャラクターとほとんど変わらない。君はいつも通りクラス、種族、特技、そしてパワーを選び、装備を購入する。ほとんどの場合、善と無属性の英雄が使用できるオプションは同様に悪のキャラクターも使える。たとえば、悪のファイターでもパワー・ストライクが善のファイターと同じくらい効果的なことがわかる。しかし、物語とシステムには例外が存在し、それらは以下で紹介されている。
原型
ほぼすべての冒険者はある面において英雄的である。彼らは危険な地へ赴いて仕事をし、そこで彼らはモンスターと戦い、卑劣な陰謀を妨害するために時間を費やす。立派な英雄は世界で最後に残った光と善性の砦を護るために暗黒と戦う。
悪の冒険者は一見、他の冒険者と同じようなふりをする。彼らは同じようなダンジョンへ乗り込み、同じようなモンスターと戦う。彼らが異なるのは彼らをこれらの場所へ向かわせる動機にある。
悪の冒険者はほとんど、3つの原型の1つに落ち着く。これらの分類はキャラクターがどうふるまい、彼や彼女が何を求めるかを大雑把に記述する。君は原型を選ぶ必要はないが、作成したいキャラクターを考えるときに目を通すとよい。
反英雄
反英雄は幻想譚、映画、テレビの物語に昔からある原型で、冒険のグループにもっとも適合するオプションだ。これらのキャラクターはしばしば、他の人々が好ましくないと考える方法でことを収めようとする。
反英雄は彼らが必要だと信じる卑劣な行ないを実行するために道徳と倫理を無視する。これら闇の冒険者が使用しない手段は少ししかない。彼らは殺し、盗み、拷問で自白させ、無実の人を脅迫するなど、憎まれることを多く行なうかもしれない。彼らもこの行為を悔やんでいるが(それをする以上)、彼らはそれが崇高な大いなる目的を達成するためにまともな方法と同じくらい必要だと信じている。
君が善か無属性の冒険者パーティで悪のキャラクターをプレイしたいと考えているなら、反英雄は最高の原型だ。君がたとえ目的のためなら汚い手段を使っても、君は仲間と同じものを目指している。君はおそらく十分に聡明で、仲間が君の行ないをどう見ているか把握し、彼らが見逃すであろう限度も知っている。その結果、君は揉め事を起こさないように彼らから隠れて行動するかもしれない。だが、君の行為が万一彼らの知るところとなっても、君は彼らに弁解しないだろう。
マイケル・ムアコックのエルリックは反英雄の優れた例である。
非英雄
純真な者たちはすべての冒険者が世界のためだけを思っていると信じている。確かに、ある優れた事例では――他者のために――村を迫りくる破壊から護ったり、デーモン・ロードが自然世界へ侵攻するのを阻止するために勇敢にアビスの中心へ向かうかもしれない。
しかしそれらは絶対ではなく、献身的に弱者を守護し、悪の隆盛と戦う者たちは例外である。
多くの者たちはそれほど立派ではない。彼らは命を繋ぐだけで満足し、責任を負うものに注意し、自分自身の世話をする。これら“一般人”は、復讐、富、栄光など、他のさまざまな理由で冒険に出る。全般的に、彼らは気高い目的を持っていない。多くの場合、彼らは自分たちの目的に忠実だ。
利己的な動機は非英雄を無属性か悪にする傾向がある。これらのキャラクターは彼らの働きに見返りがあったり、仕事が彼らの利益になると確信している限り、属性が多様なグループにもなじむことができる。非英雄は通常、目的を共有する他の非英雄とのグループを組むことで最良の働きをする。
グレン・クックの小説、『Black Company』のキャラクターは非英雄のよい例である。適切な報酬が得られるなら、彼らはおよそどんな雇い主のためにも働く。
悪漢
悪の冒険者最後の原型は悪漢である。いくつかを見ると悪漢は反英雄と非英雄だが、善の部分を持たない。基本的に、悪漢は彼らの望むところにより悪を行なう。助けを求める人々を助けるより、悪漢は彼らから搾取する。悪のモンスターを倒すより、悪漢は彼らを従える。悪漢は本物の悪人だ。
悪漢が善や無属性の冒険者グループとうまくやることはめったにない。悪漢は英雄が戦うものなんでもすべてに反逆する。彼らはグループに無用の軋轢と混乱を生む。対立が起こるまでそう長くはない。考えうる最良の結果は悪漢が彼や彼女自身の道を歩むことで、最悪の結果はキャラクターの死とパーティの解散である。
ある条件のもと、悪漢はパーティの一員となることができる。君の冒険者は悪のドッペルゲンガーと取り替えられ、DMは君に悪漢の仮面がはがれるまでしばらくそのキャラクターをプレイさせるかもしれない。あるいは、パーティは君の悪漢キャラクターと共通の敵を倒すために合流し、短く緊張に満ちた共闘をするかもしれない。これらと似た状況でもなければ、たとえ他のプレイヤーが認めたとしても、君は悪漢を悪ではないグループに加入させるのはやめたほうがいいだろう。
悪漢に最適のグループは悪漢と非英雄からなるものだ。この物語はキャラクターが普段は同種の任務を請けないだろうから、普段経験している冒険とはがらりと違ったものになる。たとえそうでも、彼らはたまに悪しき目的のためにそれを行なう。悪漢のグループは善の敵を倒すための任務を行ない、悪の魔法のアイテムを探してダンジョンを探索し、城を包囲したり都市を攻めるために悪の人型生物を雇い、あるいは他の、しばしば悪ではない冒険者たちが阻止することを求められる目的に邁進する。悪漢のグループはプレイヤーが互いに対立することを自重しなければ成立しない。1つの魔法のアイテムを2人のキャラクターが求めるだけでグループが崩壊するかもしれないほど、繋がりは薄い。この理由から、悪漢のグループは長くとも級を1つまたぐ程度の、短い期間のキャンペーンでもっとも使われる。
伝説の道
「汝が魂にある悪に目を背けるな。受けいれよ」
――バールゼブル、なめくじ大公
悪を受けいれた者として、君は大いなる危険な闇の道を歩む。君は困難に対するため、アイドル・オヴ・ダークネス、ヴァーミン・ロード、コントラクト・キラー、デモノロジスト、あるいはブラッドクレイジード・バーサーカーになりたくなるかもしれない。君の選択にかかわらず、君は闇の力で道を拓き続ける。
デモノロジスト
「アビスの力は私のものだ。デーモンよ、従え!」
前提条件:いずれかの秘術クラス
君は自分で操るものへの恐れを何ら持たない。君を破滅させることができるものは、君が操れないものだけだ。デモノロジストとして、君はこの原則を熟知している。アビスの中心を観測するとき、君は自分の頭脳でそれを解明できると疑いを持っておらず――1匹のデーモンのときでも、必要ならそうである。
君は野望のためなら影の領域を調査することもいとわなかった。君は長い間暗闇を見続け、アビスに隠された圧倒的な力の秘密の存在を確信していった。
研究の結果、君は小さなデーモン――醜いクアシト――の注意をひいた。この相棒との議論は、君の頭脳を新たな恐るべき可能性へと導いた。このクアシトから学んだことよりも大きな力を、君は操れる。君はこれまで、その考えが実は間違いかもしれないというしつこい忠告を一笑にふしてきた。
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バート・キャロル
バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版の『Monster Manual』が好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。
『Book of Vile Darkness』おそらく最後のプレビューは、悪属性のPC作成についてですぅ。データよりプレイの指針寄りになっているようで、プレビューの分だけでも結構参考になることが書いてありますぅ。
§ [DnD][4e] 『Book of Vile Darkness』プレビューのカテゴリわけ
『Book of Vile Darkness』のプレビューもひと段落したので、[BoVD]に切り出したですぅ。
2011年12月13日 彼はルーンという言語の研究も始めていた。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『仕組みの維持(Maintaining the Machine)』
伝説と伝承
先週のDMへ情報を開示することについてのコラムで、興味深い謎が現われた。ダンジョン・マスターの真の役割はなんだろう? 以前私はいろいろな人にそれを尋ねた時は、しばしば「彼はモンスターの判定をする」のように答えられ、幻滅させられた。DMはそれ以上のものに違いないから私は“幻滅”したのだ。
他の人たちはDMの役割がゲームのシステムに気を配る、システムの一部だと主張した。ゲーム・システムのDMが読む項にはたまにしか使わないようなものでも、少しでも需要がある裁定の多くを成文化して体系化している。DMによる裁定は望ましくないという意見は、長い時間をかけてD&Dの文化で多数派になっていった。DMによる決定は、ゲームを酷くつまらないものにしたり、DMの権限を逸脱していると。
他の静かな人たちはDMが語り部であると主張するかもしれない。ダンジョン・マスターというものは非常に創造的な仕事で、この“DMは語り部”説は私をしばらくうならせたが、しかし、語り部はグループ全体である。DMは世界とキャラクターと大筋を創造するが、全員がテーブルにつくまで物語は語られない。
私はいつでもDMをプレイヤーと幻想世界のつなぎ手と見たかった。彼は彼らの目と耳であり、彼らが見たものを語り、彼は彼らを取り巻く(架空)世界に対して何ができ何ができないかを決める裁定者である。
おそらくDMはこれらすべてを行なうだろう。
だが、私たちがDMとゲームを共同作業の相棒だと見たらどうだろう? 私たちが両者の強みと弱みを認め、彼らの弱さを補うために強さを利用し合うなら? たとえば、ゲーム内でキャラクターが行なおうとするアクションすべての面倒をゲーム・システムはみていられない。こういう時、ゲーム・システムは彼らが1ラウンドで何ができるかという貧弱な裁定しか出せない。それはルールで一般的なアクション(攻撃、呪文の発動などなど)を提供するが、システムはあらゆるアクションを解決できるわけではない。DMなら可能だ。なぜならDMは人間でアクションがどの程度の長さかを簡単に判断できるから、それが難しいことではない。これは絶対の精密さが要求されないゲームの一面でもある。そしてこの場合、DMによる決定は素晴らしいものだ。事実、それは強みである。
次は攻撃ロールのことを考えよう。ほとんどのDMは戦闘の心得などなく、いろいろな武器、戦い方などの知識もないだろう。だが、ルールはゲーム・バランスを保った適切な精度で戦闘をうまくさばく。
なぜDMにターンを裁定する権利(と指針)を与えず、ゲーム・システムに攻撃ロールを任せるのだろう? DMがルールをよりよいものとし、ルールはDMをよりよくしてゲームを満たすことができる。それらの理解は慎重でなければいけないこともあるが、システム・デザインの面白い方法だ。私はルールブックやコンピュータではなくて生きた、生身の人間が存在することがテーブルトップRPGの強さ――おそらく一番の強さ――だと感じているので、私はそれが好きだ。私たちにはDMがいるので、彼に働いてもらおう。それは彼が最善を尽くせるよう、ゲームの難しいところ、時間がかかるところ、退屈なところを直していくことであるともいえる。DMの真実を受けいれることは、それが楽しく価値あることであり続けるための確実な方法だ。
2011年12月14日 リチャードにとって、ゲームを作るのは人々と実際にプレイするのと同じくらい楽しかったが、一人プレイのコンピュータゲームであっても、根本的には、“同じ経験を友人と共有する”ためのものなのだ。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][HotEC] 2月:『Heroes of the Elemental Chaos』
太初に可能性あり。抑制されざるエネルギーは完全な生の混沌の中で、ぶつかっては砕けていた。不定形の存在はエネルギーの泉の表面で起こる爆発のように空劫の中で膨張と収縮していた。新世界は一瞬のうちに生まれ、そして即座に激動する宇宙が消していった。これが世界のありようであり、これは訪れるべき未来――現実の崩壊、創造と崩壊の永劫輪廻である。
神学は創世に関わる数え切れないほどの神話を記録している。多くの寺院では元素の諸王に対する神格の勝利を語り、神々とプライモーディアルの血で血を洗う闘争はフレスコ画や絵画としてそれらの壁や円蓋に切り取られている。忠実な信者に、プライモーディアルは忘却こそがふさわしい恐るべき怪物として映る。神々は彼らの脅威を倒して未来を手にした。
しかし、歴史は勝者が記述するものである。旧きプライモーディアルの力と彼らを失墜させた天上との戦に対する認識と感じ方は、神々とそのしもべたちが数千年をかけて築いてきたものである。神々はそれが世界を現在の姿にするためだったと主張し、彼らの勝利を目的が正しかったことの証としている。プライモーディアルの次元界を支配して形成しようとする野望は阻まれ、神々への信仰篤き者たちは荒れ狂う渾沌から世界を救ったことに感謝を捧げる。だが、プライモーディアルの元素の力が征服されたという物語は、危険な騙りである。
プライモーディアルはまだ生きている。彼らの肉体は――束縛され沈められ、封印された脱出できない玄室に、あるいはまどろみの中へ――封じられている。しかし、彼らの心と魂はまだ生きている。彼らは考え。彼らは企て。彼らは憎む。そして彼らの企て通り、プライモーディアルと“元素の渾沌”から流出した遺産である元素魔法は、ひそやかに宇宙へと広がっている。
元素の英雄を作成する
“元素の渾沌”の深奥に隠されていると伝えられる膨大な魔力の存在については、多くの説がある。そのきざしは至るところに存在する。下方次元より発せられ、上方次元で定命の者の魔法や不死者たちのそれにより漏出するエネルギーは、目に見えず理解しがたいものだ。ファイアーボールの呪文は元素の炎を利用し、ドルイドやシャーマンが使う招力はそれらが制御できる原始魔法を超えた力さえ利用する。一部の賢者は恐るべき冷気の影魔法から渾沌のソーサラーが使う荒々しく予測不能の呪文まで、他のあらゆる魔法流派を内包したものが元素の力だと考えている。他の者たちは元素の力を一般的な魔法の仕組みによって別の神秘的な力として拘束し、形成し、そして利用できると考えている。結局、どちらの理論も正解かもしれないが、既知の魔法理論すべてを繋げることができるのは、“元素の渾沌”の英雄だけだ。
『Heroes of the Elemental Chaos』の第1章では元素の力の基礎を学ぶもので、以下の項を含んでいる。
- 元素魔法:それが何であるか、そしてその力で何ができるかという、元素魔法についての説明。
- 元素の影響:“元素の渾沌”がどう次元界に影響しているかというさまざまな概略。
- “元素の渾沌”:すべての元素の英雄が彼らの魔法を引き出す力の源泉である、下方次元についての説明。
- 元素の影響を受けた種族:キャラクターが元素の力を使うようになるまでの説明と、そのようなキャラクターが仕えることのできるプライモーディアルの概要。
- 君のゲームでの元素の力:キャンペーンに元素の力を導入しようとしているDMへの助言。
『Heroes of Shadow』、『Heroes of the Feywild』に続くPlayer's Optionの3冊目で、D&D Encounters: The Elder Elemental Eyeでも使われる(はずの)“元素の渾沌”の力にスポットをあてた『Heroes of the Elemental Chaos』が『December: In the Works』でプレビューされたので抜粋して訳したですぅ。
以前のトークショーなどで出ている情報だと、クラスはMonk(Shugenja)、Sorcerer(Elementalist)、Wizard(Sha'ir)、種族はBladelingが収録されるようですぅ。
プライモーディアルを信仰対象にできるというのは、PCのテクスチャが幅広くなるので嬉しい人が多そうですぅ。
2011年12月15日 試験運用の端末を警備していた気さくなハッカーが、彼に教えてくれた――ゲームがしたいなら、キーボードから「BIG JUMP」と入力すればいいよ。 [長年日記] 編集
§ [TRR] 2011年08月14日『古戦場火』
朱春峰(男・300歳余・青龍2/白虎1/異邦人7):万の勝利を得るまで祖国へ戻らぬと誓い、日本へやってきた仙人。その正体はかつて鄭成功と轡を並べ清と戦った明帝室の一員。東方不敗と呼ばれたこともあるらしいが、本人は否定している。プレイヤは森聖氏。
“葛葉”土御門晴明(男・15歳?・朱雀2/陰陽師7/退魔僧1):表の顔は葛葉の号で浮世絵を描く少年絵師。しかし、その実体は肉体を乗り換え無窮の時を生きる高名な陰陽師。今回は古い知己、蘆屋道満こと道摩法師の足跡を発見する。プレイヤは荒原の賢者氏。
伊藤伊吹(女・17歳・白虎3/玄武3/神職4):江戸市中のさる寺に勤める巫女。親の代からそういう仕事で、何事にも動じることなく淡々と“仕事”を行なう。理解できない物事はおおよそを異邦の文化習俗として納得するため、非常に順応性が高い。プレイヤは隠者氏。
古石屋の事件から数ヵ月後。かの事件は洪水から逃げる時の混乱から起こった失火で、主人の武兵衛や奉公人数名が焼死した。という筋書きで収束した。
しかし、巷では古石屋の焼け跡に怪火、幽霊のたぐいが出没するともっぱらの噂になっていた。これをいい読売のネタと嗅ぎつけた蔦屋重三郎は、絵師の葛葉を誘って焼け跡を調べに向かった。
おりしも夏の盛り。幽霊噺にはちょうどいい季節である。
屋敷の暑気から逃れ、大川端を散策していた朱春峰は、大店が抱える千石船が浮かぶ辺りで彼らに遭遇した。
宙を歩くように陸から船、船から屋根へと飛び移り、荷をさらっていく盗人たち。
それが武林の技であると気づいた春峰が手近な者を締め上げようとした時、船から男がひとり彼の前へ飛び降り、右手を握り、左手で包んで一礼した。
反清復明を示す抱拳礼。思わぬところで出逢った故郷の慣習に面食らう春峰に、男は親しく声をかけた。
「久しいなあ、春峰!」
「成功か」
「いかにも。お前とこのような形で再び見えたくはなかったが、どうだ。ここはひとつ見逃してくれ」
春峰の前に現われたのは、かつて清と戦った戦友であり、朱氏の末裔を江湖で庇護した“国姓爺”こと鄭成功であった。江湖の者がこう言った以上、退かなければ血を見るのは明らか。春峰がこの場は見逃すと応じると、謝と声高らかに返し、賊徒は夜の闇へと消えた。
同じ頃、伊吹は寺の境内に腹を空かせて倒れていた少年を拾っていた。歳の頃十かそこら。祖母を殺した仇を探し、紀州からやってきた半之助と名乗った。伊吹は体さえ動けばすぐに飛び出しそうな彼をなだめすかし、本調子になるまで色々探ってくることを約束して寺に待機させた。
葛葉と蔦重は古石屋の跡に潜入したが、ただ荒れた風景が広がるだけだった。よく見れば、近頃の怪しい噂に誘われて潜入した若者や酔漢の残した落書きや狼藉の跡もある。
「は、は、は。化け物って風情じゃあありませんねぇ、センセイ」
などと言いながらも顔面蒼白で脚を震わせ、咽喉の渇きを癒そうと庭の片隅にある井戸へ蔦重が向かうと、その後ろに。
ぽう。と鬼火が灯った。
葛葉はそれをにやにや笑いながら見ていたが、蔦重は何も気づかずごくごくと水を飲み、「化け物騒ぎなんてガ」と言いながら振り向いて、倒れた。
倒れた蔦屋を引きずりながら、葛葉は庭での出来事を反芻していた。鬼火が出るときかすかに漂った火薬臭と、そちらから素早く逃げた何者か。この化け物騒ぎには、何か裏があるようだと。
半之助から詳しい話を訊いてほうぼうに聞きまわった伊吹は、半之助の祖母、おさんを殺した髭達磨の男が、大坂の天満屋丹兵衛という豪商のもとに身を寄せていた赤川大膳なる伊予浪人だと知る。
同じ頃、春峰はかつての友“国姓爺”のことを調べていた。すると、彼は阿片戦争後に配下の鉄人たちを伴い仙郷を下りて蓬莱神教と手を組み、南洋や台湾、琉球、日本近海などで幅広く海賊活動を行なっていた。現在は日本の船問屋、天満屋の密輸船を重点的に狙っているという。
葛葉は鬼火の正体を占い、鎌倉に幕府があった頃から続く火薬使い一族の出で大坂の仕事人、赤猫のお順の存在にたどり着く。仕事人の中では異色の、多数の陽動や殲滅を得意とする彼女の存在は、危険な女を好む彼の眼鏡にかなうものだったようで、蔦屋の相手もそこそこに街へ飛び出した。
とりあえず腕の立つ助っ人を求めて春峰のもとを訪ねた伊吹は、彼もまた天満屋関係のことを調べていると知って遊び人の金さんに天満屋のことを訊くと、手広く事業を展開し、将軍家御落胤を名乗る天一坊の後見までする篤志家としても名高い彼が、闇の世界では“天魔”と渾名される大立者だと知らされる。
しかも“天魔”の影響力は渡世人の間だけにとどまらず、抜け荷で築いた富を背景にした大名貸し、サッスーン家との協調による欧米との繋がりなど、身分や海すら越えたものだった。
「つうわけで幕府のご重役方も財布を握られてちゃあ強くは出られねえ」
「厭だねえ金ってやつは」
今後のこともあるので伊吹と連れ立って春峰が自宅に帰ると、そこでは葛葉が慣れた様子で台所を漁って食事をしていた。
「
「お前人の家勝手に上がり込んでよくそんなこと言えるな」
「まあ気にするな、ちょっと人探ししてるんだ」
「俺も忙しいんだよ俺も人探ししてるんだよ、ちょっと占え」
そんなこんなで葛葉が鄭成功の居場所を占うと、江戸湾に停泊している船の一隻だと判明し、春峰はそこにひとり向かった。
しかし、その後には火腿を丸かじりしながら追う葛葉と、その彼について行く伊吹の姿があった。
春峰が鄭の船に乗り込むと、鉄人たちが彼を囲む。しかし、ほどなく甲板に出てきた鄭が彼らを退かせ、自分の部屋に春峰を誘った。葛葉と伊吹も、その後をつけて耳をそばだてる。
「やはり首を突っ込んだか」
「放ってはおけん。話してもらうぞ」
「だから、それはできんと言っているのだ!」
「鄭は口を割らない決意をする判定を行ない、これを《剣禅一如》でクリティカルにする」
「面倒くさい奴だ。《千変万化》で《剣禅一如》をコピーしてリアクションで説得」
春峰の説得にほだされ、鄭も折れた。
「言えるわけがなかろう。お前が故郷に遺した裔が危機にさらされながら、下手を打ってしまったことなど」
「裔……? ああうん、心当たりがないわけではない。めでたい、祝おう。認知はしないが」
「最低だこいつ」
「いや妻帯を禁じる戒律とかないし」
結局、葛葉や伊吹も乗り込んだところで鄭が説明するには、明帝室たる朱家の末裔は亡命政権が滅びた後も華南でその命脈を保ち、蓬莱神教という形で存続していること。現在の朱家当主、瑶小鳳が織田弾正忠なる男の招きで援軍を求めて単身日本に渡ってしまったことを話した。
「本名だったのかよ。あからさますぎて偽名だと思ってた」
「名乗って恥じる名などない」
鄭は陰ながら見守ってきた朱家の公主の失踪を知ると、山を降りで彼女を日本へ誘った天満屋を突き止め、そこの船を片っ端から襲って検めていた。すると、天満屋が阿片戦争後に上海へ拠点を置いたサッスーン家と手を組んで日本を内側から揺さぶろうとする企ても知ってしまい、故郷の危機に矢も盾もたまらず飛んできたのだという。
「元はといえばすべて俺の問題だ。それに、お前の故郷に戻らぬという誓いを邪魔するわけにもいかぬ。だが敵は江戸の古石屋などとも手を組み、より荷物を分割して運び始め、手が足りなくなってしまった」
「俺は万の勝利を得るまで故郷には帰れん。それに貢献してもらおうか」
かくして、何かあったときには鄭と鉄人たちの協力を受けられるよう約束を取り付け、一行は船を辞した。
一旦春峰の家に戻った三人は、大坂の仕事人たちが江戸で何をするよう“天魔”に命じられているのかを葛葉の占いで調べる。すると、仕事人たちはサッスーン家から古石屋が買い入れ、地下蔵にしまわれた“カインの血”なる呪物を探していることが判明した。
「何だそれは」
「
「何が罰かよくわからんが、面白い。手に入れて調べてみたい」
「慈悲深いデウスはそいつ自身が改悛するまでの時を与えたとも云われているが、よくわからんな」
「死なないのになんで血があるんでしょうね」
それはさておき、英傑たちは鄭たちに声をかけて古石屋の跡地へ向かう。鄭と鉄人たちは外と道中の露払いをし、三人が仕事人の本隊を襲撃するという手筈である。庭の片隅にぽっかりと口を開けた地下蔵に入ろうとした春峰に、鄭が身に着けていた腕環を投げる。
「二百年ものの宝貝だ。返せよ」
仕掛けられていた爆発物を解除しながら隧道を進むと、そこには素焼きの小瓶を手にした髭達磨こと赤川大膳、そして炎の匂いを漂わせる赤猫のお順がいた。
「さあて、後は引き揚げるだけよ」
「PCが健在な限り敵は奥義でしか撤退しない。最大ふたつ」
「逃がしたら?」
「カインの血は天満屋の手に落ちます」
大膳は腰のものを抜きもせず肩を怒らせ二足の狼へ変化し、お順は殺し技を放つ相手に狙いをつける。さらに、地下蔵に澱んだ悪気がそこかしこに貼られた呪符によって凝り、妖異の姿をとる。
「道満ちゃんの術か。懐かしいなあ」
そう呟く葛葉が打った式と、伊吹の拍手であっさりとしかけは解除され、仕事人ふたりとの戦いになる。人狼化して刺し違え覚悟で殴り返してくる大膳を春峰が抑える一方で、てつはうをばらまくお順に「同じ朱雀仲間だから」と葛葉がこなをかけつつ、英傑たちは持てる奥義のすべてを尽くして仕事人たちを倒した。
「倒れた大膳は《起死回生》で復活し、《神出鬼没》で退場」
「もう打ち消せない」
「次回も出るのかな」
「お順確保できればいいや。仕事人のコネ欲しかったし」
大膳は逃げたが、半之助の家が襲撃された裏には天満屋が関わっており、彼らが江戸で大仕掛けを行なおうとしていることを知った英傑たち。彼らは少年のため、カインの血のため、新たな戦いに身を投じるのだった。
これは余談たが、葛葉はかつて阿倍晴明と呼ばれていた頃に殿上人たちの娯楽として考案し、長らく失伝していた素早くめくると動いて見える絵本の技法を蔦屋に教えて売り出させた。まるで本物のように動く幽霊の絵は、江戸っ子たちの評判になったという。後の世にいうパラパラマンガ、アニメーションの源流である。
一将功なりて万骨かれし枯野にハ
燐火とて火のもゆる事
あり是ハ血のこぼれ
たる跡より
もえ出る火なり
といへり――『今昔画図続百鬼・晦』
この回は一日に二セッションすること前提の連作シナリオをやってみたけど、ミドルをの大仕掛けをひとつだけにして、それを終わらせたらクライマックスという構造にしたら、両方とも三時間弱でセッションが終わってかなりうまくいったですぅ。
まずはそのひとつめですぅ。
2011年12月16日 お堅い学術研究向けとされているネットワークでゲームを発見し、それによってコンピュータ文化の奇妙な、また創造的な一面に初めて気づく――そんな経験をした人は少なくない。 [長年日記] 編集
§ [TRR] 2011年08月14日『逢魔時』
朱春峰(男・300歳余・青龍4/白虎1/異邦人7):万の勝利を得るまで祖国へ戻らぬと誓い、日本へやってきた仙人。その正体はかつて鄭成功と轡を並べ清と戦った明帝室の一員。東方不敗と呼ばれたこともあるらしいが、本人は否定している。プレイヤは森聖氏。
“葛葉”土御門晴明(男・15歳?・朱雀2/陰陽師9/退魔僧1):表の顔は葛葉の号で浮世絵を描く少年絵師。しかし、その実体は肉体を乗り換え無窮の時を生きる高名な陰陽師。今回はついに蘆屋道満と数百年ぶりの再会、再戦を果たす。プレイヤは荒原の賢者氏。
伊藤伊吹(女・17歳・白虎3/玄武3/神職6):江戸市中のさる寺に勤める巫女。親の代からそういう仕事で、何事にも動じることなく淡々と“仕事”を行なう。理解できない物事はおおよそを異邦の文化習俗として納得するため、非常に順応性が高い。プレイヤは隠者氏。
古石屋の化け物騒動からしばらく経ったある日、春峰は田沼屋敷へ呼ばれた。庭先で彼を待っていた田沼は、近頃幕府を悩ます御落胤、天一坊についてひとくさり愚痴を述べた。
「闇から闇。とできるなら楽だが、後見の天満屋から金を借りている者たちも多くてのう」
「他意はないが天一坊とやらに興味がわいてきましたな」
「そうかそうか」
伊吹は引き続き赤川大膳について調べながら、飛び出そうとする半之助をはぐらかす日々を送っていた。彼の家から奪われた守り刀に何やら仔細ありそうなのだが、まだ材料が足りない。
それに、“カインの血”の行方も気になる。
葛葉はその寓居で、かつてその業を競い合っていた蘆屋道満のことを想っていた。古石屋の地下蔵に仕掛けてあった呪符は、確かに彼の手によるもの。ならば。
久しぶりに昔馴染みと遊べそうだと、彼は微笑んだ。
早々に合流した春峰と伊吹の調査により、将軍家御落胤を名乗る天一坊という少年は、上方に突如姿を現わして大坂町奉行や京都所司代といった幕府の要職と接見し、彼らから絶大な信頼を得て江戸へ向かうよう推挙されていることが判明した。
これには天満屋丹兵衛の顔、そして天一坊の右腕として働く山内伊賀亮なる浪人の政治手腕が大きく貢献しているらしい。さらに天一坊自身も天稟というべきか、魔物めいた魅力を備えており、俗人は接見した途端その高貴さにあてられてしまうという。
葛葉は葛葉で道満のことを占うと、彼が化成の世に復活していることまでは確定。天満屋丹兵衛という闇の元締めに雇われ、江戸を訪れていることまでが判った。
誰ともなく伊吹が勤めている寺近くの茶店に集まり相談をしていると、とりあえず某藩の抱屋敷へ忍び込み、将軍からの沙汰を待つ天一坊の顔を拝むということになる。
そっと屋敷へ侵入ると、蟲物の気配がちらほらと。中でも一番大きいのは、大食風の装束に身を包んでいる天一坊その人のものだった。どこぞの藩から来た使者に対し二言三言声をかけて微笑んだだけで、彼らがまったくの言いなりになっている。
「ありゃ間違いないな」
「ああ。だが、やつの中に命が視えない」
今襲撃しても奴の命は取れない。ということで、英傑たちは撤退した。葛葉が調べていたことと合わせれば、およその見当はつけられる。
かくして、葛葉こと安倍晴明は蘆屋道満がねぐらにしている荒れ寺へ向かった。今にも崩れ落ちそうな三門を潜ると一転。中には禁苑を思わせる雅な情景が広がり、和様の金堂に蓬髪僧形の青年が寝転んでいる。
「久しぶりだな、道満ちゃん」
「ちゃんはやめろ、ちゃんは」
言いながら道満はのそりとその場へ起き上がると晴明と久闊を叙し、話題は天満屋へと移っていく。
「ああ、あれなら僕がやった。今の世は何かと金が要るからな」
「昔も公家のためにまじないやってたんだ。俺たちはどの時代でも変わらんよ。解除は?」
「はは、世知辛い。一番堅いのを頼まれたんで、軍荼利明王の法で僕の命と天一坊の命を繋いだ」
「するとお前を倒さないといけないわけか」
薄笑いして晴明が身構えると、道満も笑みを返して構える。
「そういうことだね。久しぶりに面白いことになってきた。ああ、それから」
お連れさんもまとめてかかって来て構わないよ。道満はそう宣言すると背中から翼を生やすと天狗へと変じ、真言を紡いで不動明王に従う矜羯羅童子を己の前に立たせる。
「あれだけ外法に手を染めるなって言ったのに」
「修行してたら勝手に成ったんだ。しょうがないだろう」
「呑まれるなよ」
晴明が打った式を飲み込まされた童子は一瞬で空へ散じたものの討ちかかる春峰の一撃を道満は耐えきり、攻勢に転じ大元帥明王の秘法を放つ、が。
「回避」
「回避」
「避けた」
「道満は《大元帥明王呪》のペナルティで倒れました」
道満がその場へ大の字に寝転ぶと、辺りの幻も晴れて元の荒れ寺が姿を現わす。
「大技志向全然変わってないな。出し惜しみしようよ」
「どうせ敗けるんだ。見せ技くらいはね。ともかく、これで天一なんとかの加護は解けたし、僕は金の分働いたぞ」
「えらく爽やかだなお前ら」
「物語にあるようなのは俺たちの間では挨拶くらいの意味だから」
「お蔭で合わせる顔がない人たちを大勢作ってしまった」
「帰りづらいよなあ」
そう言うと二人の悪友は笑い合う。
明日のあてはないが本気を出したのは愉しかった。そう言った道満に、晴明は声をかける。
「天海に口きこうか? あそこなら色々安心だろ」
「そいつは助かる。いいのかい?」
「あいつが困る顔はなかなか面白いからな」
天一坊にかけられたまじないも解けたが、彼の招待が判らない英傑たちは友誼のある者たちに聞きまわる。すると、意外な事実が浮かび上がった。
天一坊はサッスーン家が日本へと送り込んだ間諜だが、その正体は人ではない。
その正体はアラムートの山塞に築かれた
実体無き恐怖を司る閻羅王ゆえ、その実体もまた曖昧。それが喰らった者たちはその中に取り込まれ、ひとりひとりが“山の老人”でありその手駒でもある存在になりはてる。その中の一柱こそ、天一坊を名乗るあの妖異である。
「ははあアサマイト」
「さらにどこかで聞いた気もする」
「参考にしていないとは言わない」
天一坊の招待が判り、それが完膚なき悪だとしても世間に立てる理屈は要る。
「田沼殿の手前もあるし。何か要るんだ」
「そんなの作ればいいって。どうせ天満屋は色々やってるんだし、何か後ろ暗いものは出てくるから」
「そういえば、半之助の守り刀見つけないと」
「そいつ見つけて半之助を証人にすればいいか」
「近場だし御前さまからも裏取ってもらおう。それにしても南朝が出てこなくて助かった」
春峰が再び忍び込んで半之助の守り刀を取り戻すと、確かに三葉葵が刻まれていた。証拠も出たので、英傑たちは三度屋敷へ忍び込んだ。
葛葉と伊吹が正面から乗り込むと、死んだ瞳の侍たちがわらわらと出てきた。いずれも天一坊に魅了されて操られ、天一坊と山内伊賀亮、赤川大膳を護るように展開する
「カビルの血はすでに私の中にある。“山の老人”の呪縛を絶ち、今こそ我が法にならん」
「この地にはこの地の法がある。去ね」
天一坊が舞うと
「
ひとさしの法力比べが終わると、何かに思い当たった春峰が刃を抜き放つ。
「鉄の刃で死ぬまで殺すんだ」
「カインの血を吸収した天一坊は特技増えてます」
《生命力吸収※》 | |
タイミング:常時 | |
判定値:自動成功 | 難易度:なし |
対象:自身 | 射程:なし |
効果:旧き吸血鬼の力で生命の根源を吸収する特技。 このエネミーの物理攻撃によって実ダメージを受けたキャラクターは、シナリオ終了時までキャラクターレベルを1D6下げる。この攻撃でキャラクターレベルが0以下になったキャラクターは即座に死亡する。 この効果による死亡を解除したキャラクターのキャラクターレベルは本来のものに戻る。 |
「あたらなければどうということはない」
葛葉の《地鎮祭》で地の利を得た英傑たちは、確かにあらゆる手段を使って攻撃を避けた。
春峰に至っては相手の関節を極めて破壊する天一坊得意の暗殺術を、攻撃を当てられてからも完全に相殺することで防ぎ、《生命力吸収※》を無効化する。
一方で、山内伊賀亮も《軍神の気》や《名将の指揮》で天一坊と大膳を補佐し、自らも《頭が高い!》で英傑たちを牽制して戦いを遅延させる。
そのせいもあり、傷が癒えず弱体化していた大膳が倒れた次は山内伊賀亮が討ち取られ、最後に残されたのは天一坊だけとなる。彼は起死回生を狙って伊吹にむしゃぶりついて血を啜るが、直後に九穴から炎を噴きだして悶絶した。
「この血は少し綺麗過ぎたようですね」
「麒麟児になった時取った《一蓮托生》忘れてた」
「それで死んだ」
ひとつかみの灰になるまで焼かれた天一坊は、吹き込んできた風に散らされ、跡形もなくなってしまう。
かくして天一坊は将軍との席捲直前に流行り病を得て身罷り、すべては闇の中に消えるのだった。
天一坊が滅んで数日後。街ではその真相を知りたい人々が読売をこぞって買い、版元は扇情的なネタを書き立てている。蔦屋も例外ではなく、葛葉から何か聞き出そうと彼の寓居を訪れていた。
「センセイもあの辺り調べてたらしいじゃないですか。何かないんですか」
「ころりか何かの流行り病だって。変なこと知ると死んじゃうよ」
などと問答を続けていると、蘆屋道満がやってくる。今から天海の依頼で小笠原島の探索に赴くという。彼も早速この時代に適応しているらしい。
それからさらに日が経って天一坊騒ぎも収束した頃、伊吹の寺をひとりの侍が訪れた。その周りでは、遊び人の金さんや町人姿の田沼などがひそかにその様子を見守っている。田沼の横に春峰が座り、それとなく話を振る。
「幕府の方はどうなりました」
「旗本徳田家の子息として養育し、折をみて適切な身分に遇する。ということになった」
「それはよい。もし何かあれば、まだ剣を振るうところだった」
しばらくすると、伊吹に連れられた半之助が侍の前に出てくる。侍は彼の顔をしげしげと眺めた後、感極まって落涙し、そのまましっかりと少年をかき抱いた。
黄昏をいふ百魅
の生ずる時なり
世俗小児を外
にいだす事を
禁む一説
に王莽時とかけり
これハ王莽前漢の代を
簒ひしかど程なく後漢
の代となりし故昼夜
のさかひを両漢の間に
比してかくいふなん
――『今昔画図続百鬼・雨』
『古戦場火』の続きで、真相の究明と証拠集めにスポットを当てた後編ですぅ。
葛葉がうまく引っ張ってくれたおかげでメモ程度にしか用意していなかった蘆屋道満が面白くなったり、伊吹の提案で旗本の徳田家と三男坊の徳田新之助がエンディングで登場したりと、大変プレイヤに助けられたセッションだったですぅ。
§ [Promiscuus] クリスマスプディング(仕込み)
材料
- 生地
- パン粉:150g
- 砂糖:150g
- ケンネ脂:150g
- 薄力粉:50g
- 卵:1個
- 具材
- ドライフルーツ各種(今年はクランベリー、プルーン、レーズン、レモンピールを使用):350g
- ラム:50ml
手順
久方ぶりにクリスマスプディングを仕込んだので覚書程度のレシピを残すものですぅ。冬らしくずしりと重いものになりそうですぅ。
買い物に出かけたら牛の脂とパンの耳をただでもらってしまったので、材料費は1000円以下でなんとかなってしまったですぅ。
2011年12月20日 それによると、彼らは「アバタール(Avater)」というゲームに取りつかれてしまい、自分たちのキャラクターをもっと強くしようと、PLATOの本拠地であるイリノイ大学のキャンパスに車で乗りつけ、何とか中央オペレーション室に忍び込んだのだという(「アバタール」は一九七〇年代に「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を素材として製作された中で最も先進的だったゲームタイトルの一つ)。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『承認されたリアリズム(Nod To Realism)』
伝説と伝承
多くの人たちはダンジョンズ&ドラゴンズをシミュレーションとしてとらえる。確かに、このゲームの起源はシミュレーションにあった。たとえば、このゲームでは剣と槍が発生させるダメージを区別する。ウォーホースとライディング・ホースの移動速度や、がれきだらけの10×10の部屋を掃除するのにどれくらいかかるか、知性を持つ敵が残った体力と相手の頭を殴ることをどれくらい計算してするかなど、さまざまな局面で具体的に区別しようとしてきた。しかし人々がD&Dで“リアリズム”について語るとき、とどのつまり、D&Dはとてもリアルだとはいえないため、私は常にその言葉の周りに引用符を置いてきた。その代わり、できる限り人々がやりたいことを気持ちよく、ゲームを遅くしたりものごとが厄介すぎないよう、リアルであるかのようにシミュレーションしてきた(それはしばしば失敗したが、それよりははるかに多く成功してきた)。
そこここにあるこれらのものを“承認されたリアリズム”と呼ぶことにする。私はそれについて考えたが、その言葉は本当にほぼすべてのゲームを総括できる。ゲームを強く助ける幻想は承認されたリアリズムがもたらすものだ。重量級の歴史ものウォーゲームから始まり、ゲームはたくさんの魔法、モンスター、そしてその他の幻想的要素を積もらせてきた。しかしそれでも、それは多くの歴史的“リアリズム”を保ってきた。OD&Dからの変化で、承認されたリアリズムは強化された。私たちは長柄武器、病気、そしてダンジョン・マスターが彼らのキャンペーン世界を設定するための政治体制さえ詳細なリストで手に入れた。武器のスピードファクターや“武器対鎧”表も無視できない。そうした点により、ゲームの発達につれシミュレーションの度合いは上下したが、承認されたリアリズムはかなりのプレイヤーたちにとって長年にわたって重要なものだったことは明らかで、否定できない。だが、どれくらいのリアリズムがふさわしいだろうか? ちょうどいいリアリズムとは?
この質問は次のようなものより少し複雑かもしれない。たとえば、ヒット・ポイントはどうだろう。ヒット・ポイントの概念はゲームの歴史を通じてほとんど同じままだった。それは鍵となる要素――常に存在してD&Dというゲームを構成する何か――だ。1レベルのファイターはできないが、10レベルのファイターが50フィートの岩棚から飛び降りることができる理由の説明など、さまざまな時にゲームはキャラクターが経験を得ることで増えるヒット・ポイントによって表現しようとしてきた。長年にわたり、プレイヤーはゲームに対する彼ら自身の視座に合った合理化と、幻想がリアリティに立ち入ってもよい範囲、あるいはその逆をつちかってきた(そしてそういう作業が好きではないプレイヤーは、おおむねそれを無視した)。
プレイヤーそれぞれが持つ彼ら自身の合理化――彼ら自身に承認されたリアリズム――は、おそらく非常に堅牢なものだろう。君と私は違う姿でヒット・ポイントを見ているかもしれないし(実際、君は私にとってはまったく重要でないものについて、非常に多くの説明をつけているかもしれない)、それでいい。なぜならゲームのシステムは人々に骨折からのペナルティや小さなあざの記録を強いるようなシミュレーションの領域に深く踏み込んだものではなく、君のヒット・ポイントに対する認識と私のそれがかみ合っていなくても十分に使えるものだからだ。
これらすべてがD&Dのデザインでは、シミュレーションがゲームのプレイを損ねる領域を慎重に見定めねばならないことを意味している。ゲームが承認されたリアリティを提供し、それらはプレイヤーの部屋で彼らだけの承認を行なわせる。
現在の顧客は(1974年の顧客、あるいは2000年の顧客とは違い)どんな基準でリアリティを承認しているのか知るのは、私にとって本当に重要なことだ。君にはぜひ今週の投票に参加して、私に意見を伝えてほしい。
2011年12月22日 コンピュータ室のシステム管理者が熱狂的なゲームファンで、自分の勤務中にはエンフォーサーを必ずオフにしていたのだ。 [長年日記] 編集
§ [Ludus] ギャリオットの究極のRPGはウルティマ・オンライン2になる(Garriott's Ultimate RPG could become Ultima Online 2)
The Ultimate RPG that Richard Garriott is making could, literally, become Ultima Online 2.
Garriott's Ultimate RPG could become Ultima Online 2 - News - Eurogamer.net
2011年12月12日掲載
EAとの合意がなくともそれは“明らかに”精神を継ぐものである。
リチャード・ギャリオットが開発中の“究極のRPG”は、文字通り“ウルティマ・オンライン2”になる。
『ウルティマ・オンライン』と疎遠になった創造者はEurogamerに、彼がエレクトロニック・アーツで再び働くことを“今でも”交渉していると語った。
究極のRPGがUO2になる可能性はあるかとの問いに、「もちろん」とギャリオットは答えた。「そう――理屈の上だとそれは可能だ」
「実は我々はエレクトロニック・アーツと(ギャリオットが再び『ウルティマ・オンライン』を主導することについて)交渉している。私はウルティマの資産を使いたい。我々はエレクトロニック・アーツと資産の使用について非常に高い役職同士の協議を重ねた」
「我々が現在もマーケティングと販売についてエレクトロニック・アーツと提携することについて協議しているのも、自然な経緯だ」
「私はエレクトロニック・アーツが非常に好みだ――ビジネスにおける営業とマーケティング、販売においてもっとも強力で有能な会社なので、私は最良の選択だと考えている」
しかしギャリオットの熱意はEAと少しの部分でしか一致しない。
彼は「エレクトロニック・アーツは大企業だ」と言った。「その組織の一部が『みんなでウルティマを作っていく』という考えをきちんと理解したうえで愛して受け入れたとする」
「同時に組織のどこか別の部署――私は実はどこが抵抗してくるのかわからないが、彼らにも彼らなりの製品をどうすべきかという考えや、私は熱心に支持できない彼らの考えがあるだろう。そして、私はどこから抵抗されるかわからない」
「これまで我々は取引に合意してこなかったが、もちろん、そう、私にその準備はある」
EAとの取引が成立するかどうかに関わらず、究極のRPGは“明らかに”『ウルティマ・オンライン』の精神を継ぐものだとギャリオットは言った。
「ウルティマの要素を形成しているウルティマはデザインの原則だ」そうギャリオットは説明した。「そして私はエレクトロニック・アーツとの取引がどうなったかに関わらず、プレイヤがこの新世界を訪れた時、すぐさまそれを認めるだろうと確信している」
「これは明らかにウルティマ・シリーズの精神を継いでいる」
――ウルティマ・シリーズの創造者、リチャード・ギャリオット
「これは明らかにウルティマ・シリーズの精神を継いでいる」と彼は言う。
続編ではなく、継承者――ギャリオットは設定を移行させることに熱心だ。
「もし君がウルティマ1、2、3を振り返ると――それらは他の作品と関係なかった(ゲームの中で)。残り6作のうち5作はキャラクタと街をまさしく共有した同じ世界だった」と彼は回顧した。
「実は私はその歴史にはそれほどこだわっておらず、我々が私が積み重ねた歴史の資産を使うことができても、私は現在の計画を変更することはないだろう。こだわらないこと、私は現在の計画が創造の発展にとって正しい方法だと強く確信している」
その設定はいまだファンタジーだが、ギャリオットの扱うファンタジーはサイエンス・フィクションから耳のとがったエルフまで幅広い。
「私と関わった発売元が、私を取り巻く売上とマーケティングについて仕事中常に語ってきたのは、ファンタジーとサイエンス・フィクションと現代ものはどれかしか生き残れない対立項だった」と彼は回想する。
「私がはじめてEAに入った時、言われたことを覚えている『リチャード、いい年の男は男がタイツを着て走る姿なんて見たくないんだから変えてくれないか。それをやめて『マトリックス』みたいなものにしてくれ。それはこのジャンルで成功するために絶対必要なことだ』」
「新世界で私は自分で物語の設定を決定している」そう彼は説明した。
「それは必ずしもある特定の伝統に則ったものではない。私はまた『Tabula Rase』で我々が初めて挑戦したようなむやみに独特な、これは独特すぎて――私はそれが一般からいち早く支持を得られなかった理由だと感じている――ものにしようとも考えてはいない」
「この世界は『指輪物語』ではなく、『ハリー・ポッター』でもなければ、『ナルニア国』でもないが、独自の幻想世界だ」
――リチャード・ギャリオット
「私は一般的に連想しやすい見た目ですぐに認識できるものにしようとしている。私が挑戦しているのはそれらに『指輪物語』の世界ではなく、『ハリー・ポッター』でもなければ、『ナルニア国』でもない、独自の幻想世界としての味つけをすることだ」
『ウルティマ・オンライン』から究極のRPGへ至る設定の進化は、必ずしも3Dを意味するものではない。『ウルティマ・オンライン』の俯瞰視点はおそらくそのままだと、ギャリオットは語った。
「我々は(3Dか俯瞰型)どちらにも対応できるようにツールを開発している。しかし今のところ我々は俯瞰型を想定しているという話だ」と彼は語る。
「我々が今日まで開発してきた世界を構築するためのツール――それらは俯瞰型を仮定している。それは進化にふさわしく君が考えているように障害があっても変えられないものでもないが、おそらく俯瞰型だろう」
リチャード・ギャリオットの究極のRPGは無料でプレイでき、すぐにアクセスできて今日の巨大なプラットフォームにまたがる。
「私はプラットフォームについて固定的な見解を持たない」ギャリオットは説明した。
「我々はダウンロード可能な形態でも、ウェブ・ブラウザやiPhone、iPad、Androidのモバイルからでも使えるソーシャルメディアにしたい」
「我々が考えているのはそれらのすべてが同じゲームをするということだ。私は君のiPhone以外ではすべてをプレイできなかったり、縮小版の取引ゲームや他の機能限定版でしかないようなゲームを作りたくない。私はそれらに興味がない」
ギャリオットは究極のRPGが『FarmVail』の別バージョンであることを望まない。だが彼はフェイスブックがfarmのように一般受けするものを、仮想経済としてゲームを運営する方法論に“魅せられて”いる。『ウルティマ・オンライン』にはただの鍛冶屋として生きる自由があったが、『World of Warcraft』のような「すべてのプレイヤがその前提として戦士である」ゲームによって無力化されたとギャリオットは言う。
「『ウルティマ・オンライン』には『エバークエスト』から『World of Warcraft』までのゲームが辿った道のりでは試みられることすらなかった、プレイへの多様性があった」とギャリオットは言う。
ギャリオットは究極のRPGで――“フェイスブック・ゲームの“Vile”時代に行なわれた大きな発見”のひとつ――同期/非同期型マルチプレイヤーをサポートしたいと望んでいる。
「君が誰かに干渉したくなったら、君たちの両方が同時にオンラインであれば深く関われるだろうが君たちはお互いの回線の影響を受けてしまう。しかし我々は同時にオンラインでない場合でもきちんとそれを行ないたい……我々はたとえプレイのあり方や時間帯が大きくずれていても、お互いに交流できなければならない」そうギャリオットは説明する。
「『ウルティマ・オンライン』には『エバークエスト』から『World of Warcraft』までのゲームが辿った道のりでは試みられることすらなかった、プレイへの多様性があった」
――リチャード・ギャリオット
ギャリオットは君がすぐに究極のRPGを手にすることを望んでいる。君が最初に40ユーロを払わなくてもプレイにのめり込ませられるような仕事が必要だと、彼は理解している。それが“最大の挑戦”だと彼は認めた。
「次世代の仮想世界ゲームは基本的に、洗練された無料プレイ可能なMMO――5時間もあれば自分にふさわしいゲームか判断できる――でなければ機能しない」とギャリオットは言う。
彼の会社、Portalariumの社員は25人で、開発されている究極のRPGは――『Star Wars: The Old Republic』よりは“『Minecraft』がより近い”――プレイ感覚だという。
「たとえばスター・ウォーズのMMOのように巨人的MMO――私は正直それが良いか、悪いかあるいは別の結果を生み出すか判断できないが――莫大な開発費と時間がかかる」とギャリオットは言う。
「私が投資家か発売元なら、それは恐ろしい――それは大量の仕事で、本当に怖いものだ。彼らが大成功を収めたとしても、それは我々がやろうとしていることとは明らかに違う。私は――彼らがどれだけ仕事をしているか知っているし、どんなに素晴らしいか聞いているるので――彼らには成功してほしい。しかし、それは我々が向かおうとしている方角ではない」
「我々はプレイヤの手に直接創造の手段が委ねられるような、どんどん成長するゲームを目指している」
「これまで『ウルティマ・オンライン』から去らなかったプレイヤは、ウルティマのやり方とウルティマの要素を熱心に愛する人たちだった」彼は続ける。
「私は新しいプレイヤとそれら古株のプレイヤの比率を知り、早くこれらの仮説を検証したい、というのは私の――決まり文句――だ。彼らを生み出す真の方法はプレイヤとの協力にある」
残された謎は究極のRPGを――2012年か2013年の―いつ遊べるかということだが?
「どちらかで。誰か知ってるかい? できるだけ早く、だが1年か2年はかかるね」そうギャリオットは言った。
「1年以内にそれができれば、我々は夢中になれるだろう。2年かかっても、そうなるだろうけど」
2011年12月24日 他の学校でも、管理者たちはこういった試みを追跡し、コンピュータのリソースがゲームによって浪費されるのを阻止しようとしたが、それが功を奏することは滅多になかった。 [長年日記] 編集
§ [Promiscuus] クリスマスプディング(しあげ)
§ [Promiscuus] クリスマスプディング(たべた)
なかなかよくできていたけどプルーン入れると酸味強くなりすぎていて、これは前回作った時にも得た教訓だったと思いだしたですぅ。
2011年12月29日 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」がプログラマーの間に広まると、アドベンチャーゲームの愛好家はすぐ、ファンタジーの世界を探検するもっと複雑なゲームの登場を願うようになった。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e][ChaosScar] John Rossomangno『廃墟に響くもの(Reflections of Ruin)』Dungeon #196(7レベル)
呪われしドラゴンが“混沌の傷痕”の力を利用して魔法的に増幅した歪んだ想念を世界へ注ぎ始めた、冒険者は彼女の異常な陰謀を終わらせなければならない。ドラゴンがかつて親しんだ混沌により、彼女と彼女に仕えるオーガの部族はいくつかの驚くべき干渉をされている。『廃墟に響くもの』は7レベル・キャラクター向けの短編アドベンチャーである。
このアドベンチャーは“混沌の傷痕”を舞台としてスーパー・アドベンチャーの『Madness at Gardmore Abbey』の事件に言及しているが、君は簡単に舞台を変更したりそれなしで運営することができる。キャラクターがAndrew Schneiderの『命の傷跡』(Dungeon 192)を既に終わらせている、あるいは君がこれの前にそのアドベンチャーを行なう予定なら、君は関係性を持たせるためにドラゴンのマルリアーチ(Maluriath)とデック・オヴ・メニー・シングスを利用することができる。
§ [DnD][4e][ChaosScar] Aeryn "Blackdirge" Rudel『傷痕の中心で(Heart of the Scar)』Dungeon #197(9-11レベル)
時は満ちた、今こそ数百年もの昔“混沌の傷痕”を穿った旧き流星のかけらの上にそびえる要塞寺院が戦場となる。大伽藍の下には恐るべきなにかが潜み、その怪物は城砦のいしずえを揺るがすどころかネンティア谷そのものを荒廃させる力を持っている。
『傷痕の中心で』は9-11レベルのキャラクター向けアドベンチャーである。“混沌の傷痕”の“涜聖の地”に建つベインの暴力的カルト“傷痕の兄弟団”の要塞寺院が舞台となる。
2011年12月31日 プログラマーたちが夜のうちに、昼間使っている巨大なコンピュータにこのゲームをインストールすると、それを見つけた別の人がゲームをはじめ、そこから先はARPANETを通じて配布されていくという具合だった。 [長年日記] 編集
§ [DnD][4e] 今後のDungeon連載アドベンチャー
『Dungeon』で連載されていた英雄級のアドベンチャー、『Chaos Scar』は『傷痕の中心で(Heart of the Scar)』を最後に完結したけど、次に連載されるアドベンチャーについては『Dungeon Magazine Sneak Peek』である程度告知されているですぅ。
ひとつめはガイギャックスによる1stの3連作アドベンチャー、『Against the Giants』に新作1本を加えた上で伝説級向けにリメイクしたものですぅ。これはすでに今月の『Steading of the Hill Giant Chief』(12-14レベル)を皮切りに21レベルくらいで終わるキャンペーンになるそうですぅ。
そして神話級向けは『Temple of Elemental Evil』や『邪悪寺院、再び』でおなじみ『Temple of Elemental Evil』で、これまでは前史として背景情報になっていた“エムリディ草原の戦い”から始まり、パーティが“旧き元素の目”と直接対決することが示唆されているキャンペーンですぅ。
もちろん英雄級のサポートも続き、Encountersを補完するようなアドベンチャーなども公開されていく予定だそうですぅ。