ネコぶんこ


2011年12月22日 コンピュータ室のシステム管理者が熱狂的なゲームファンで、自分の勤務中にはエンフォーサーを必ずオフにしていたのだ。 [長年日記]

§ [Ludus] ギャリオットの究極のRPGはウルティマ・オンライン2になる(Garriott's Ultimate RPG could become Ultima Online 2)

The Ultimate RPG that Richard Garriott is making could, literally, become Ultima Online 2.

Garriott's Ultimate RPG could become Ultima Online 2 - News - Eurogamer.net

文:ロバート・パーチェス(Robert Purchese)

2011年12月12日掲載

EAとの合意がなくともそれは“明らかに”精神を継ぐものである。

リチャード・ギャリオットが開発中の“究極のRPG”は、文字通り“ウルティマ・オンライン2”になる。

ウルティマ・オンライン』と疎遠になった創造者はEurogamerに、彼がエレクトロニック・アーツで再び働くことを“今でも”交渉していると語った。

究極のRPGがUO2になる可能性はあるかとの問いに、「もちろん」とギャリオットは答えた。「そう――理屈の上だとそれは可能だ」

「実は我々はエレクトロニック・アーツと(ギャリオットが再び『ウルティマ・オンライン』を主導することについて)交渉している。私はウルティマの資産を使いたい。我々はエレクトロニック・アーツと資産の使用について非常に高い役職同士の協議を重ねた」

「我々が現在もマーケティングと販売についてエレクトロニック・アーツと提携することについて協議しているのも、自然な経緯だ」

「私はエレクトロニック・アーツが非常に好みだ――ビジネスにおける営業とマーケティング、販売においてもっとも強力で有能な会社なので、私は最良の選択だと考えている」

しかしギャリオットの熱意はEAと少しの部分でしか一致しない。

彼は「エレクトロニック・アーツは大企業だ」と言った。「その組織の一部が『みんなでウルティマを作っていく』という考えをきちんと理解したうえで愛して受け入れたとする」

「同時に組織のどこか別の部署――私は実はどこが抵抗してくるのかわからないが、彼らにも彼らなりの製品をどうすべきかという考えや、私は熱心に支持できない彼らの考えがあるだろう。そして、私はどこから抵抗されるかわからない」

「これまで我々は取引に合意してこなかったが、もちろん、そう、私にその準備はある」

EAとの取引が成立するかどうかに関わらず、究極のRPGは“明らかに”『ウルティマ・オンライン』の精神を継ぐものだとギャリオットは言った。

「ウルティマの要素を形成しているウルティマはデザインの原則だ」そうギャリオットは説明した。「そして私はエレクトロニック・アーツとの取引がどうなったかに関わらず、プレイヤがこの新世界を訪れた時、すぐさまそれを認めるだろうと確信している」

「これは明らかにウルティマ・シリーズの精神を継いでいる」

――ウルティマ・シリーズの創造者、リチャード・ギャリオット

「これは明らかにウルティマ・シリーズの精神を継いでいる」と彼は言う。

続編ではなく、継承者――ギャリオットは設定を移行させることに熱心だ。

「もし君がウルティマ1、2、3を振り返ると――それらは他の作品と関係なかった(ゲームの中で)。残り6作のうち5作はキャラクタと街をまさしく共有した同じ世界だった」と彼は回顧した。

「実は私はその歴史にはそれほどこだわっておらず、我々が私が積み重ねた歴史の資産を使うことができても、私は現在の計画を変更することはないだろう。こだわらないこと、私は現在の計画が創造の発展にとって正しい方法だと強く確信している」

その設定はいまだファンタジーだが、ギャリオットの扱うファンタジーはサイエンス・フィクションから耳のとがったエルフまで幅広い。

「私と関わった発売元が、私を取り巻く売上とマーケティングについて仕事中常に語ってきたのは、ファンタジーとサイエンス・フィクションと現代ものはどれかしか生き残れない対立項だった」と彼は回想する。

「私がはじめてEAに入った時、言われたことを覚えている『リチャード、いい年の男は男がタイツを着て走る姿なんて見たくないんだから変えてくれないか。それをやめて『マトリックス』みたいなものにしてくれ。それはこのジャンルで成功するために絶対必要なことだ』」

「新世界で私は自分で物語の設定を決定している」そう彼は説明した。

「それは必ずしもある特定の伝統に則ったものではない。私はまた『Tabula Rase』で我々が初めて挑戦したようなむやみに独特な、これは独特すぎて――私はそれが一般からいち早く支持を得られなかった理由だと感じている――ものにしようとも考えてはいない」

「この世界は『指輪物語』ではなく、『ハリー・ポッター』でもなければ、『ナルニア国』でもないが、独自の幻想世界だ」

――リチャード・ギャリオット

「私は一般的に連想しやすい見た目ですぐに認識できるものにしようとしている。私が挑戦しているのはそれらに『指輪物語』の世界ではなく、『ハリー・ポッター』でもなければ、『ナルニア国』でもない、独自の幻想世界としての味つけをすることだ」

ウルティマ・オンライン』から究極のRPGへ至る設定の進化は、必ずしも3Dを意味するものではない。『ウルティマ・オンライン』の俯瞰視点はおそらくそのままだと、ギャリオットは語った。

「我々は(3Dか俯瞰型)どちらにも対応できるようにツールを開発している。しかし今のところ我々は俯瞰型を想定しているという話だ」と彼は語る。

「我々が今日まで開発してきた世界を構築するためのツール――それらは俯瞰型を仮定している。それは進化にふさわしく君が考えているように障害があっても変えられないものでもないが、おそらく俯瞰型だろう」

リチャード・ギャリオットの究極のRPGは無料でプレイでき、すぐにアクセスできて今日の巨大なプラットフォームにまたがる。

「私はプラットフォームについて固定的な見解を持たない」ギャリオットは説明した。

「我々はダウンロード可能な形態でも、ウェブ・ブラウザやiPhone、iPad、Androidのモバイルからでも使えるソーシャルメディアにしたい」

「我々が考えているのはそれらのすべてが同じゲームをするということだ。私は君のiPhone以外ではすべてをプレイできなかったり、縮小版の取引ゲームや他の機能限定版でしかないようなゲームを作りたくない。私はそれらに興味がない」

ギャリオットは究極のRPGが『FarmVail』の別バージョンであることを望まない。だが彼はフェイスブックがfarmのように一般受けするものを、仮想経済としてゲームを運営する方法論に“魅せられて”いる。『ウルティマ・オンライン』にはただの鍛冶屋として生きる自由があったが、『World of Warcraft』のような「すべてのプレイヤがその前提として戦士である」ゲームによって無力化されたとギャリオットは言う。

「『ウルティマ・オンライン』には『エバークエスト』から『World of Warcraft』までのゲームが辿った道のりでは試みられることすらなかった、プレイへの多様性があった」とギャリオットは言う。

ギャリオットは究極のRPGで――“フェイスブック・ゲームの“Vile”時代に行なわれた大きな発見”のひとつ――同期/非同期型マルチプレイヤーをサポートしたいと望んでいる。

「君が誰かに干渉したくなったら、君たちの両方が同時にオンラインであれば深く関われるだろうが君たちはお互いの回線の影響を受けてしまう。しかし我々は同時にオンラインでない場合でもきちんとそれを行ないたい……我々はたとえプレイのあり方や時間帯が大きくずれていても、お互いに交流できなければならない」そうギャリオットは説明する。

「『ウルティマ・オンライン』には『エバークエスト』から『World of Warcraft』までのゲームが辿った道のりでは試みられることすらなかった、プレイへの多様性があった」

――リチャード・ギャリオット

ギャリオットは君がすぐに究極のRPGを手にすることを望んでいる。君が最初に40ユーロを払わなくてもプレイにのめり込ませられるような仕事が必要だと、彼は理解している。それが“最大の挑戦”だと彼は認めた。

「次世代の仮想世界ゲームは基本的に、洗練された無料プレイ可能なMMO――5時間もあれば自分にふさわしいゲームか判断できる――でなければ機能しない」とギャリオットは言う。

彼の会社、Portalariumの社員は25人で、開発されている究極のRPGは――『Star Wars: The Old Republic』よりは“『Minecraft』がより近い”――プレイ感覚だという。

「たとえばスター・ウォーズのMMOのように巨人的MMO――私は正直それが良いか、悪いかあるいは別の結果を生み出すか判断できないが――莫大な開発費と時間がかかる」とギャリオットは言う。

「私が投資家か発売元なら、それは恐ろしい――それは大量の仕事で、本当に怖いものだ。彼らが大成功を収めたとしても、それは我々がやろうとしていることとは明らかに違う。私は――彼らがどれだけ仕事をしているか知っているし、どんなに素晴らしいか聞いているるので――彼らには成功してほしい。しかし、それは我々が向かおうとしている方角ではない」

「我々はプレイヤの手に直接創造の手段が委ねられるような、どんどん成長するゲームを目指している」

「これまで『ウルティマ・オンライン』から去らなかったプレイヤは、ウルティマのやり方とウルティマの要素を熱心に愛する人たちだった」彼は続ける。

「私は新しいプレイヤとそれら古株のプレイヤの比率を知り、早くこれらの仮説を検証したい、というのは私の――決まり文句――だ。彼らを生み出す真の方法はプレイヤとの協力にある」

残された謎は究極のRPGを――2012年か2013年の―いつ遊べるかということだが?

「どちらかで。誰か知ってるかい? できるだけ早く、だが1年か2年はかかるね」そうギャリオットは言った。

「1年以内にそれができれば、我々は夢中になれるだろう。2年かかっても、そうなるだろうけど」