ネコぶんこ


2022年10月01日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:巨大冥路(5レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで少人数の5レベル向けですぅ。

データ関係は主にOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2~3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

数十年前に廃業した人が実際に迷路に入って遊ぶ巨大迷路がデッドゾーンと化している。デッドゾーンの核になっているのはミノタウロスで、肝試しや廃墟探索に来た者たちを捕食している。

キャラクターたちはいつも仕事の仲介をしてくれる密売人から巨大迷路の攻略を依頼され、これに挑むことになる。迷路に挑戦し、何らかの結末にたどり着けば冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちは密売人に呼ばれる。今回の仕事は郊外にある数十年前に廃業した巨大迷路に発生したデッドゾーンの探索、破壊だ。報酬は2財力点。

既に数人の冒険者が挑んだものの行方知れずになっていることもあり、彼らの捜査をすれば追加で1財力点の財力点を約束される。

1.巨大迷路の入口

迷路の近くには駐車場がある。迷路は正方形状で、その全域がデッドゾーンになっている。高台から様子をうかがったり、ドローンなどで空撮を試みても中は霧がかかったようになって観測できない。

入口と出口はそれぞれ別の場所にあり、かつてはスタッフが入場券を確認していた小屋がある。

2.迷路へ入る

入口、あるいは出口から迷路に入ると、デッドゾーンに入った時に特有のめまい、そして方向の失認を感じる。

迷路は10フィートほどの板で仕切られている。

3.迷宮探索

迷路はマップではなく、判定で探索を行なう。難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、迷路を先に進むことを表わす進行マーカーを1増やす。「力任せに壁の破壊を試みる」、「シャターの呪文で壁を破壊する」など、キャラクターが他の方法で攻略したいようなら、GMは可能かどうかを判断し、呪文の使用や判定の成功と引き換えに進行マーカーを与えてもよい。

進行マーカーが3になったら、「5.迷宮の主」のイベントを発生させる。

進行マーカーを得るための判定に失敗した場合、「4.冒険者の末路」のイベントを発生させる。2回目以降は何も起こらない。

4.冒険者の末路

残念ながらここは突き当たりだ。そして、キャラクターたちの目の前には体のあちこちに牙の跡があるボロボロの青白い死体3体がある。風体を見るに先客、冒険者のようだ。

彼らはキャラクターたちが近づいたことを察知したからかゆらゆらと体を起こし、生者たちに襲いかかってくる。

ここにある冒険者の死体たちはグールと化している。周囲には財布やリュックサックが残っており、そこには身元の手がかりになる身分証やスマートフォンなどがある。

グール

中型・アンデッド、混沌にして悪


AC:12

hp:22(5d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 15(+2) 10(+0) 7(-2) 10(+0) 6(-2)

ダメージ完全抵抗:[毒]

状態完全抵抗:消耗状態、毒状態、魅了状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:共通語

脅威度:1(200XP)


アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(2d4+2)[斬撃]ダメージ。目標がエルフあるいはアンデッド以外のクリーチャーの場合、目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに失敗すると、1分間麻痺状態になる。目標は各ターンの終了時に再びセーヴィング・スローを行なえ、成功すれば効果を終了させる。

5.迷宮の主

迷路の中ほどにある立体交差には、このデッドゾーンの主であるミノタウロスと、そのペットであるヘル・ハウンドがいる。

ミノタウロスは元々持っている牛の角ひと組の間に、紫色をした水晶のような角を持っている。デッドゾーンの核が一体化しているのだ。

ミノタウロスとヘル・ハウンドは咆吼をあげながら襲いかかってくる。

ヘル・ハウンド

中型・フィーンド、秩序にして悪


AC:15(外皮)

hp:45(7d8+14)

移動速度:50フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 12(+1) 14(+2) 6(-2) 13(+1) 6(-2)

技能:〈知覚〉+5

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉15

言語:地獄語を理解できるが話せない

脅威度:3(700XP)


鋭敏聴覚・嗅覚:ヘル・ハウンドは聴覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を受ける。

群狼戦術:少なくとも1体のヘル・ハウンドの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヘル・ハウンドはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(1d8+3)[刺突]ダメージに加え7(2d6)[火]ダメージ。

火のブレス(再チャージ5~6):ハウンドは15フィートの円錐状に火を噴射する。この範囲内すべてのクリーチャーは難易度12の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら21 (6d6) [火]ダメージを、成功すれば半減ダメージを受ける。

ミノタウロス

大型・怪物、混沌にして悪


AC:14(外皮)

hp:76(9d10+27)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 11(+0) 16(+3) 6(-2) 16(+3) 9(-1)

技能:〈知覚〉+7

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉17

言語:奈落語

脅威度:3(700XP)


捨て身:ターン開始時、ミノタウロスはそのターン中に行なうすべての近接武器攻撃の判定に有利を得るが、次のターン開始時まで、それに対する攻撃ロールに有利を与えることを選べる。

突撃:ミノタウロスが目標に向かって最低10フィート直進し、同じターンに角による攻撃がヒットした場合、目標はさらに9(2d8)[刺突]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、難易度14の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ、最大10フィート押しやられて伏せ状態になる。

迷宮記憶:ミノタウロスは自分が旅した経路を完全に思い出せる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:17(2d12+4)[斬撃]ダメージ。

角:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[刺突]ダメージ。

結末

ミノタウロスを倒せば、巨大迷路は元のように腐った板で区切られた廃墟に戻る。こうなれば腐り落ちた場所などを探して脱出するのも容易である。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年10月08日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:死のフロア(5レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで少人数の5レベル向けですぅ。

データ関係は主にOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2~3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

駅前にある雑居ビルの4階は常に入居者がなく、エレベータも止まらないようになっている。なぜならここは数年前からデッドゾーンと化し、怪物が徘徊しているからだ。

オーナーはデッドゾーンがあることを了解して閉鎖したまま運営を続けていたが、数時間前にデッドゾーンが拡大。エレベータは3階で止まってしまい、5階より上とは携帯電話での連絡すら取れない事態になってしまった。

キャラクターたちは急遽呼び集められ、この事態への対処を依頼されることになる。4階でこのデッドゾーンの核に力を注ぎ込んでいるレイスを倒し、核になっている神棚のようなものを破壊すればデッドゾーンは霧散する。

冒険への導入

キャラクターたちは夕方、突然密売人に呼ばれる。今回の仕事は駅前にある雑居ビル4階のデッドゾーンの破壊である。このデッドゾーンは以前から存在していたが放置されていたもので、かなりの危険が見込まれる。報酬は2財力点だ。

1.デッドゾーンの入口

階段の3階部分から少し昇ると、めまいと頭痛を感じる。デッドゾーンへ入ったのだ。

4階に上がると血だまりがある。難易度10の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、血が点々と404号室に続いていることに気づける。

2.4階の部屋一覧

雑居ビルの4階は主に事務所として使われている。4階には401、402、403、404、405号室まで5つの部屋とトイレがある。

3.402号室

この部屋には神棚のようなものがあり、その下には地蔵のような石像が安置されている。この石像はガーゴイルで、部屋に入ってきたものに襲いかかる。

神棚のようなものには血の塗りつけられた石で組み上げられた祭壇がある。これは核とその力を増幅されている魔法儀式である。これらの並びを崩せばデッドゾーンは縮小し、霧散する。

ガーゴイル

中型・エレメンタル、混沌にして悪


AC:15(外皮)

hp:52(7d8+21)

移動速度:30フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 11(+0) 16(+3) 6(-2) 11(+0) 7(-2)

ダメージ耐性:アダマンティン以外の非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、あるいは[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、石化状態、毒状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:地界語

脅威度:2(450XP)


外見偽装:ガーゴイルは動かないかぎり、ただの像と見分けがつかない。

アクション

複数回攻撃:ガーゴイルは1回の噛みつきおよび1回の爪で、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

4.403号室

この部屋にはこのフロアで死んだ犠牲者たちがしまわれている。死体はミイラ化、あるいは白骨化している。血抜きは別の場所で行なわれているのか、部屋は綺麗なものだ。

この部屋に人が入ると、スケルトンと化している死体が2体襲いかかってくる。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程80/320フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

5.404号室

この部屋には実験室のような器具が揃えられており、血の入ったビーカーのようなものが大量に並べられている。部屋の中央には背広を着た男の死体が横たえられている。

部屋の奥には黒い影のようなレイスがおり、ひゅうひゅうと喉に穴が空いたような音をあげながら「門が大きくなったのだ。邪魔はさせん」と叫んで襲いかかってくる。

レイス

中型・アンデッド、中立にして悪


AC:13

hp:67(9d8+27)

移動速度:0フィート、飛行60フィート(ホバリング)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
6(-2) 16(+3) 16(+3) 12(+1) 14(+2) 15(+2)

ダメージ耐性:[酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴]、[冷気];銀の武器ではない非魔法的攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

ダメージ完全耐性:[死霊]、[毒]

状態完全耐性:拘束状態、消耗状態、石化状態、つかまれた状態、毒状態、伏せ状態、麻痺状態、魅了状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉12

言語:生前に知っていた言語すべて

脅威度:5(1800XP)


非実体移動:レイスはクリーチャーや物体の占める空間を移動困難地形として通り抜けることができる。物体の中でターンを終えたなら、5(1d10)[力場]ダメージを受ける。

陽光過敏:陽光の下で、レイスは攻撃ロール、視覚による【判断力】〈知覚〉判定に不利を得る。

アクション

生命力吸収:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:21(4d8+3)[死霊]ダメージ。目標は難易度14の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、ヒット・ポイント最大値を受けたダメージと同じだけ低下させる。この低下は目標が大休憩を終了するまで持続する。この効果によって最大ヒット・ポイントが0以下になった場合、目標は死亡する。

スペクター作成:レイスは10フィート以内の1分以内に暴力で死んだ人型生物を目標にする。目標の魂は死体からもっとも近い何者にも占められていない空間でスペクターとなり復活する。このスペクターはレイスの支配下にある。レイスは一度に7体を超えるスペクターを支配できない。

結末

デッドゾーンがなくなれば5階より上に取り残されていた人たちもビルから外に出ることができる。

もし先にデッドゾーンを破壊してもレイスは翌朝になるまでここにいる。その後はデッドゾーンの崩壊に気づき、どこかへ姿を隠す。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年10月15日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:峠のトンネル(5レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで少人数の5レベル向けですぅ。

データ関係は主にOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2~3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ある地方都市を通る旧国道には、郊外の峠を越えるトンネルがある。十数年前に新しい道が出来て車の通りが少なくなったここに、デッドゾーンが発生した。

このデッドゾーンの主はゴーゴンで、近くを通る車に突進しては破壊を繰り返し、表の世界では謎の追突事故が多発していると認識されている。

キャラクターたちはこの事態をデッドゾーンの顕現だと考えたさる筋からの依頼を受け、トンネルに踏み込むことになる。ゴーゴンを破壊すればデッドゾーンは霧散する。

冒険への導入

キャラクターたちを呼んだ密売人は、最近街外れの峠にある旧国道のトンネルで、謎の追突事故や横転事故が相次いでいることを報道するネットメディアを見せる。密売人は、さる筋がこれはデッドゾーンの仕業ではないかとあたりをつけ、その調査と、デッドゾーンならば排除するよう依頼が出たとキャラクターたちに説明する。

報酬は2財力点である。

1.事前の調査

トンネルについて事前に調査するなら、昔からある街道を整備した道で、かつては峠道だったのをトンネルにして整備したということ、数年前にバイパスができ通行量は激減したこと、その頃から肝試しスポットとして若者の間で人気になったことなどが、判定の必要なく判明する。

事故について調べるなら、難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、数ヶ月前からこのトンネルを通る自動車が何かに追突される事故が続出しており、ドライバーは巨大な角のついた何かが目の前に出てきたなどと証言していることがわかる。

1.トンネルの入口

問題のトンネルは現在はより広いバイパスができたために車の通りが少なくなった旧国道にある。昼でも通る車は少なく、後続の車が見えないこともしばしばだ。

トンネルの中に足を踏み入れると、キャラクターたちはデッドゾーン独特の臭さとめまいに襲われる。

2.寂れた隧道

トンネルの中の明かりはまばらで、“薄暗い”明かりの空間である。

壁のところどころからは水がにじみ、うっすらとした冷気も感じる。難易度17の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、触手がからみあった怪物のグリックが2体、不意討ちをしかけようとしているのに気づける。全員がこの判定に失敗した場合、キャラクターたちは不意を討たれる。

グリック

中型・怪物、真なる中立


AC:14(外皮)

hp:27(6d8)

移動速度:30フィート、登攀30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 14(+2) 11(+0) 3(-4) 14(+2) 5(-3)

ダメージ耐性:非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉12

言語:-

脅威度:2(450XP)


石への擬態:グリックは岩がちな地形での【敏捷力】〈隠密〉判定に有利を得る。

アクション

複数回攻撃:グリックは触手で1回の攻撃を行なう。それがヒットしたなら、グリックは同じ目標にくちばしで1回の攻撃を行なえる。

触手:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[斬撃]ダメージ。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

3.獰猛なうなり声

トンネルの半ばほどまで来ると、奥の方からうなり声が聞こえる。それは自動車のエンジン音にも近い、機械のような音だ。うなり声はだんだん近づいてきている。

キャラクターたちが敵はこちらに近づいてくると予想して待ち伏せするなら、難易度14の【敏捷力】〈隠密〉判定を行なうこと。成功すれば「4.突進!」の遭遇で不意討ちをできる。

4.突進!

トンネルの奥には軽自動車くらいの大きさをした灰色の怪物が煙を吐きながらうなり声をあげている。ゴーゴンだ。キャラクターたちを見つけたゴーゴンは、新たな獲物に舌なめずりをして突進してくる。

ゴーゴン

大型・怪物、無属性


AC:19 (外皮)

hp:114(12d10+48)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
20(+5) 11(+0) 18(+4) 2(-4) 12(+1) 7(-2)

技能:〈知覚〉+4

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉14

言語:-

脅威度:5(1800XP)


踏み荒らし突撃:ゴーゴンが目標に向かって最低20フィート直進し、同じターンに角での突きによる攻撃がヒットした場合、目標は難易度16の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。伏せ状態の目標に、ゴーゴンは1回のひづめによる攻撃をボーナス・アクションで行なえる。

アクション

角での突き:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い5フィート、目標1体。ヒット:18(2d12+5)[刺突]ダメージ。

ひづめ:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い5フィート、目標1体。ヒット:16(2d10+5)[殴打]ダメージ。

石化のブレス(再チャージ5~6):ゴーゴンは30フィートの円錐状に石化ガスを噴射する。範囲内のクリーチャーは難易度13の【耐久力】セーヴィング・スローを行なう。セーヴに失敗したら、目標は石化が始まり動けない状態になる。動けない状態の目標は次のターン終了時に再びセーヴィング・スローを行なう。成功したなら、目標への効果は終了する。失敗したら、目標はグレーター・レストレーションの呪文などの魔法で自由になるまで石化状態になる。

結末

ゴーゴンを倒せばデッドゾーンは消えていく。事故も起こらない元のさびれた道に戻るだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年10月20日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] ダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版の製品紹介

12月16日にウィザーズ・オブ・ザ・コーストから発売されるD&Dの各種製品について、特に『スターターセット』と『デラックス・プレイ・ボックス』の違いがわかりづらそうなので、それらを紹介する記事を書きましたぁ。

これがD&Dを新しく始めたい人の助けになれば幸いですぅ(新しく始めたい人がこんな場末のblogを見るのかというのはナシで)。

スターターセット:竜たちの島ストームレック

ダンジョン・マスター、プレイヤー共に初めてプレイする人たちに向けたセットが、この『スターターセット』ですぅ。箱の中にはルールブックとダンジョン・マスターが読み聞かせするアドベンチャーの他に、作成済みのキャラクター、ダイスが入ってますぅ。

セットに入っているアドベンチャー(シナリオ)、「竜たちの島ストームレック」はプレイヤーが操るキャラクターたちがそれぞれ目的を秘めてストームレック島を訪れ、この島を支配するドラゴンたちの争いに関わっていくあらすじで、数時間もあればプレイできる小規模なアドベンチャー4本連作の形式ですぅ。

ゲームの運営をするダンジョン・マスターに向けたアドバイスやコラムも豊富で、最初に手に取るアイテムとして洗練されたものになってますぅ。

なお、こちらは英語版でも2022年に発売された新しいセットで、グリーン・ドラゴンが描かれたホビージャパン版の『スターター・セット』とは違うものですぅ。

デラックス・プレイ・ボックス

こちらも『スターターセット』と同じ箱入りの製品ですぅ。仲介人を通してある程度自由に行く冒険を選べたり、プレイヤーが1人の場合ダンジョン・マスターがお助けキャラクターを管理したり、キャラクターの自作が推奨されていたりと管理する情報がちょっと複雑になっているので、ダンジョン・マスター経験のある人が新規プレイヤーを誘ってレクチャーしながら遊ぶのにちょうどいい造りになっているですぅ。

箱の中にはルールブックとアドベンチャーの他に、ゲーム中に使う表などが書かれたスクリーン(ついたて)、状態異常の内容が書かれたカード、拠点の村や周辺を描いた地図、依頼内容などを書いているさまざまなカード、作成済みのキャラクター、ダイスが入ってますぅ。

中に入っているアドベンチャーの「アイススパイア山の竜」は、数時間ほどで終わる小規模なアドベンチャーがたくさん入っていて、それをクリアしていくことでこの地方に起こっている異変の正体に迫っていくようになっている歯応えのある内容ですぅ。

プレイヤーズ・ハンドブック

こちらはプレイヤーが自分でキャラクターを作成するための種族やクラスなど、さまざまなデータが掲載されている本ですぅ。

D&Dは無償公開されている範囲でもエルフ、ドワーフ、ハーフリング、ヒューマンの4種族とウィザード(魔法使い)、クレリック(僧侶)、ローグ(盗賊)、ファイター(戦士)の4クラスを組み合わせて最高レベルの20レベルまでプレイ可能だけど、『プレイヤーズ・ハンドブック』を導入すれば、さらに多くの種族やクラス、呪文を扱えるようになりますぅ。

また、ダンジョン・マスターも敵が使う呪文を参照するために持っているほうがいいですぅ。

ダンジョン・マスターズ・ガイド

こちらはダンジョン・マスターが自分で世界やアドベンチャーを作るための手引きに数百ページを作った想像して創造するための本ですぅ。冒険の合間にできる行動や罠、乗り物、屋外で遭遇する危険など、さまざまな要素がゲームのデータとしても収録され、想像力を羽ばたかせる手助けをしてくれますぅ。

剣と魔法の世界での冒険を彩る魔法のアイテムや、それにちょっとしたアクセントを添えるための表などもこの本にまとまっているですぅ。

モンスター・マニュアル

D&Dの世界にいるさまざまなモンスターのイラストや生態、そしてゲーム用のデータを紹介する本ですぅ。アドベンチャーを自作したいダンジョン・マスターにはうってつけのおもちゃ箱になること間違いなしの一品ですぅ。

極論何かモンスターを出してそれと戦う模擬戦みたいなゲームでも、そこの中でプレイヤーと話しながら物語をつけていくと面白さは勝手に生まれるので、そういう遊び方から入るのも一興ですぅ。

ザナサーの百科全書

プレイヤー向けには『プレイヤーズ・ハンドブック』で紹介されたクラスを掘り下げるさまざまなオプションや、ダイスを転がすだけで生い立ちを決められるいろいろな表、そして呪文が追加され、ダンジョン・マスターにも新たな罠のルールや新たな魔法のアイテム、遭遇の作り方、さまざまな文明での名前表などが紹介されるサプリメント(追加ルールブック)ですぅ。

必須ではないけど、ゲームに慣れてきた頃にちょっと足したらより味わい深くなるような本ですぅ。

なお、ザナサーというのは表紙に描かれた金魚鉢を覗き込むビホルダーの名前ですぅ。


2022年10月22日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:季節外れのスキー場(5レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで少人数の5レベル向けですぅ。

データ関係は主にOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2~3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちは密売人から仲介され、あるスキー場のオーナーと接触する。彼女が所有するスキー場はまだシーズンではないのに大量の雪が降り、大量の野犬がうろついているというのだ。

キャラクターたちはデッドゾーンのものと思われるこの雪と野犬を排除するよう依頼される。成功報酬は3財力点である。

スキー場で探索を行ない、デッドゾーンの核になっているヤング・ホワイト・ドラゴンを倒せば依頼は成功となる。

冒険への導入

密売人に呼ばれたキャラクターたちは品のいい年老いた女性を紹介される。彼女が今回の依頼人で、スキー場のオーナーである。

異変はスキー場で起こっているもので、まだそういう季節ではないのに雪が降り、それに呼ばれたかのように野犬がうろついているというもの。地元の管理人が調べに行こうとしたが、山を登っていいるうちに車が動かなくなり本人も体調を悪くしてそれ以上調べられなかったという。

本当のスキーシーズンになるまでに問題を解決しなければ危なくて開業できないため、オーナーはキャラクターたちにデッドゾーンの調査を頼んでくる。

報酬は成功報酬で3財力点である。

1.デッドゾーンへ

スキー場の近くまではオーナーや管理人の車で来ることができる。

雪が積もっている場所の近くまで来ると車の調子は悪くなり、デッドゾーン特有のめまい、吐き気といった感覚に襲われる。管理人やオーナーが同行していても、ここから先に行くことはできず、無理に連れて行こうとすると倒れてしまう。

2.雪山を探索する

スキー場は広く、どこに目標がいるかは探索しなければわからない。

難易度13の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、イヌ科の動物とおぼしき足跡を見つけることができる。後を追うなら「3.狼の群れ」へ。

この判定には1時間かかり、[冷気]ダメージへの抵抗や完全耐性を持たなかったり、防寒具を装備していないキャラクターは1時間ごとに難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗したキャラクターは1段階の消耗状態を受ける。

3.狼の群れ

足跡を追いかけてくると、そこには野犬を引き連れた薄青色の毛並みを持つ神秘的な狼がいる。狼はキャラクターたちを見つけると、「この世界にも獲物がいたとはな。ものども狩りの時間じゃ」と野犬を引き連れて襲いかかってくる。

狼はウィンター・ウルフである。野犬はウルフのデータを使用し、4体いる。

ウィンター・ウルフ

大型・魔物、中立にして悪


AC:13(外皮)

hp:75(10d10+20)

移動速度:50フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 13(+1) 14(+2) 7(-2) 12(+1) 8(-1)

技能:〈隠密〉+3、〈知覚〉+5

感覚:受動〈知覚〉15

言語:共通語、ウィンター・ウルフ語、巨人語

脅威度:3(700XP)


鋭敏聴覚/嗅覚:ウルフは聴覚あるいは嗅覚を使った【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群狼戦術:少なくとも1体のウルフの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、ウルフはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

雪への擬態:ウルフは雪が積もった地形での【敏捷力】〈隠密〉判定に有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ、。目標がクリーチャーであるなら、目標は難易度14の【筋力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗したら伏せ状態になる。

冷気のブレス(再チャージ5~6):ウルフは長さ15フィートの円錐状に冷たい風を噴射する。範囲内のクリーチャーはそれぞれ難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗したら18(4d8)[冷気]ダメージを受け、成功したら半分のダメージを受ける。

ウルフ

中型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:11(2d8+2)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 15(+2) 12(+1) 3(-4) 12(+1) 6(-2)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:1/4(50XP)


鋭敏聴覚・嗅覚:このウルフは聴覚および嗅覚に関する【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群狼戦術:少なくとも1体のウルフの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このウルフはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(2d4+2)[刺突]ダメージ。目標のクリーチャーは難易度11の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

4.真の主

ウィンター・ウルフたちを撃退すると、大きな羽ばたきの音が聞こえる。この地に発生したデッドゾーンの核、ヤング・ホワイト・ドラゴンが血の臭いを嗅ぎつけてやってきたのだ。

ドラゴンはキャラクターたちを見つけると喉を鳴らし「狼ばかりか人の血肉にありつけるとは。今日はついておる」とたどたどしい言葉で叫び、上空からキャラクターたちに向かって急降下してくる。

ヤング・ホワイト・ドラゴン

大型・ドラゴン、混沌にして悪


AC:17(外皮)

hp:133(14d10+56)

移動速度:40フィート、穴掘り20フィート、水泳40フィート、飛行80フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 10(+0) 18(+4) 6(-2) 11(+0) 12(+1)

セーヴィング・スロー:【敏】+3、【耐】+7、【判】+3、【魅】+4

技能:〈隠れ身〉+3、〈知覚〉+6

ダメージ完全耐性:[冷気]

感覚:疑似視覚30フィート、暗視120フィート、受動〈知覚〉16

言語:共通語、竜語

脅威度:6(2300XP)


雪歩き:ドラゴンは凍った面を能力値判定の必要なく移動や登攀ができる。さらに、氷や雪による移動困難な地形では追加の移動が必要ない。

アクション

複数回攻撃:ドラゴンは1回の噛みつきおよび2回の爪で、3回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い10フィート、目標1体。ヒット:15(2d10+4)[刺突]ダメージおよび4(1d8)[冷気]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[斬撃]ダメージ。

冷気のブレス(再チャージ5~6):ドラゴンは長さ30フィートの円錐状に氷の爆発を噴射する。範囲内のクリーチャーはそれぞれ難易度15の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗したら45(10d8)[冷気]ダメージを受け、成功したら半分のダメージを受ける。

結末

ドラゴンを倒せばデッドゾーンは消え、数日中には狼たちも元の世界へ戻る。出来なかった場合、デッドゾーンは徐々に拡大し、人里まで野犬が降りてくることになる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年10月23日 [長年日記] 編集

§ [Ludus][DnD][5e] 5e Zine vol.04企画書

これまで三年間やってきた5e Zineが好評で、今年もまた日本のD&D環境激変の年になるため、5e Zine vol.04を始動しますぅ。

今回も企画書を公開し、参加したい人を募る方式にしますぅ。

ターゲット(優先度順)

  1. RPGをプレイし、SNSで情報収集を行なったり、同人誌即売会やホビーショップで関連商品を探すそこそこ熱心な人。
  2. D&Dには詳しくないが、名前は聞いたことがある、存在は認識しているような人。

内容

D&Dの経験がない、薄い人のプレイを軌道に乗せるためのサポートになるような記事をメインにした合同誌。

大前提として、前号を読まないでも大丈夫な記事。

5e Zine vol.01をWotC版D&Dや三年分のノウハウ蓄積を反映した今日の内容に更新する、新定番としての号にしたい。

  • まずは製品の内容紹介と買い方ガイド。
  • オンラインセッションの方法をツールに依存しないもので。
  • オフラインセッションの方法もいちから説明する必要がある。
  • ツールに依存する情報ではなく、ツールにアクセスするための情報を(重要)
  • フォーゴトン・レルムの設定解説。
  • M:tGネタも続投(させたい)
  • 説明できる人が少ないフィフスエディションRPGとの関係。
  • さっと遊べる小粒なアドベンチャー。

形態

同人誌(B5、左綴じ横書き、2段組)。

ライセンスはOGL準拠を諦め、本文内には製品名を明記してもいいようにする。ただし、レビュー、紹介ととられる範囲にとどめるように。

非OGLなため、SRD5からの引用は不可。データを使うなら自作すること。

リリース時期

2022年12月中。

頒布形態

イエローサブマリンさんに委託。

即売会に出せるようなら出したい。

費用や報酬

印刷費は主催持ち。

報酬は参加者1人あたり2部(保存用と布教用)の現物。

原稿の再利用

制限なし。

出典を書いて宣伝してくれると嬉しい。

〆切など

11月6日まで参加者募集(Twitterなどでコンタクトを取ると吉)。

12月3日原稿〆切。

12月半ば、入稿(予定)。

原稿作成と手順

各員内容を申請→出そろったところで頁数調整→編集→版下作成へ……。

文字はテキストファイル、絵はPSD。

紙面フォーマットはB5の2段組、1行22文字、48行×2段。

以上ですぅ。よろしくお願いしますぅ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

§ まぁてい [Vol.1が入手できないのでVol.4が代わりになる感じなんですね。今度こそイエサブで買いたいと思います。楽しみにし..]

§ ぱらでぃん [ありがとうございますぅ。vol.01の内容が古くなった部分もあるので、新しいバージョンが出るに合わせて新しい物を作る..]


2022年10月29日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:地下放水路の怪物(5レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで少人数の5レベル向けですぅ。

データ関係は主にOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2~3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちに某地方都市にある地下放水路を調査するよう依頼が来る。先日メンテナンスのスタッフが何者かに襲われ、死傷者が出たというのだ。

現在、問題の地下放水路は異世界にあるどこかの水辺と繋がり、水界のモンスターが流れ出してきている。このデッドゾーンの核になっている歯車の組み合わさった球体はジャイアント・クロコダイルが呑み込んでいるため、これを倒して取り出し、破壊しなければならない。

冒険への導入

キャラクターたちは密売人から、某地方都市にある地下放水路を調査するよう依頼される。メンテナンスのスタッフが何者かに襲われ、死傷者が出たこと、監視カメラに謎の移動物体が映ったことなどから、デッドゾーンの侵食が始まっているとみられたからだ。

依頼内容はデッドゾーンの調査、そして核の破壊。報酬は成功報酬で3財力点である。

1.デッドゾーンへ

現場とは話がついているので、キャラクターたちはメンテナンス用の出入口から放水路に入っていける。

放水路の中をしばらく歩くと、めまい、遥か彼方から潮の香りがするような感覚に囚われ、何かの機械が動いているかのようなカチカチという音が遠くから聞こえる。デッドゾーンに入ったのだ。

ここには膝の上くらいまで水がたまっている。この放水路の中は移動困難な地形と扱われる。

2.待ち伏せ

放水路の中にはさまざまなバイパスがあり、入り組んでいる。その中には4体のサフアグンとメロウが侵入者を待ち伏せしている。メンテナンスのスタッフを襲ったのも彼らで、メロウは被害者からもぎとった左腕を戦利品のようにトンネルの中に置いている。

難易度10の【判断力】〈知覚〉判定に成功すればメロウとサフアグンの不意討ちを見破ることができるが、失敗した場合は不意を討たれる。

サフアグン

中型・人型生物(サフアグン)、秩序にして悪


AC:12(外皮)

hp:22(4d8+4)

移動速度:30フィート、飛行40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 11(+0) 12(+1) 12(+1) 13(+1) 9(-1)

技能:〈知覚〉+5

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉15

言語:サフアグン語

脅威度:1/2(100XP)


限定的な水陸両用:サフアグンは地上でも水中でも呼吸できるが、窒息しないために少なくとも4時間に1回は水に潜る必要がある。

鮫とのテレパシー:サフアグンは120フィート以内の鮫に、限定的なテレパシーで魔法的な命令を下すことができる。

血の狂乱:サフアグンはヒット・ポイントを完全に持っていないクリーチャーに対する近接攻撃ロールに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:サフアグンは1回の噛みつきおよび1回の爪あるいはスピアで、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[斬撃]ダメージ。

スピア:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程20/60フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ。

メロウ

大型・怪物、混沌にして悪


AC:13(外皮)

hp:45(6d10+12)

移動速度:10フィート、水泳40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 10(+0) 15(+2) 8(-1) 10(+0) 9(-1)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:深淵語、水界語

脅威度:2(450XP)


水陸両用:メロウは空気中でも水中でも呼吸できる。

アクション

複数回攻撃:ハーピーは2回の攻撃を行なう。噛みつきで1回、および爪、あるいは銛で1回。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:8(1d8+4)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d4+4)[殴打]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d4+4)[殴打]ダメージ。

銛:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィートまたは20/60フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。目標が超大型以下のクリーチャーなら、メロウとの【筋力】の対抗判定に失敗した場合、メロウに向かって20フィートまで引き寄せられる。

3.歯車の音

放水路に広がるデッドゾーンの中は常にカチカチという音がする。そちらに向かうためには、難易度14の【判断力】〈知覚〉判定が必要になる。失敗した場合、獲物を求めてうろつくメロウと遭遇してしまう。

メロウ

大型・怪物、混沌にして悪


AC:13(外皮)

hp:45(6d10+12)

移動速度:10フィート、水泳40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 10(+0) 15(+2) 8(-1) 10(+0) 9(-1)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:深淵語、水界語

脅威度:2(450XP)


水陸両用:メロウは空気中でも水中でも呼吸できる。

アクション

複数回攻撃:ハーピーは2回の攻撃を行なう。噛みつきで1回、および爪、あるいは銛で1回。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:8(1d8+4)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d4+4)[殴打]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d4+4)[殴打]ダメージ。

銛:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィートまたは20/60フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。目標が超大型以下のクリーチャーなら、メロウとの【筋力】の対抗判定に失敗した場合、メロウに向かって20フィートまで引き寄せられる。

4.地下水路のワニ

音がする方向へ向かうと、そこにはクロコダイル4匹を従えた白く巨大なワニ、ジャイアント・クロコダイルの姿が見える。そして何かがカチカチ鳴る音はそのワニの腹から聞こえてくる。

ジャイアント・クロコダイルを倒した後、口から手を入れる、腹を裂くなどの宣言をしたなら難易度10の【知力】〈捜査〉判定を行ない、成功すれば歯車が複雑に絡み合った球体を引きずり出すことができる。そのカチカチという音を間近で聞いたキャラクターたちは、デッドゾーンに入ってきたときのようなめまいを感じる。

この球体を破壊すればデッドゾーンは崩壊する。

クロコダイル

大型・野獣、無属性


AC:12(外皮)

hp:19(3d10+3)

移動速度:20フィート、水泳30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 10(+0) 13(+1) 2(-4) 10(+0) 5(-3)

技能:〈隠れ身〉+2

感覚:受動〈知覚〉10

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


息こらえ:クロコダイルは30分間息を止めていられる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(1d10+2)[刺突]ダメージ、目標はつかまれた状態(脱出難易度12)になる。つかみが終わるまで目標は動けない状態となり、クロコダイルは他の目標に噛みつきができなくなる。

ジャイアント・クロコダイル

超大型・野獣、無属性


AC:14(外皮)

hp:85(9d12+27)

移動速度:30フィート、水泳50フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
21(+5) 9(-1) 17(+3) 2(-4) 10(+0) 7(-2)

技能:〈隠れ身〉+5

感覚:受動〈知覚〉10

言語:-

脅威度:5(1800XP)


息こらえ:クロコダイルは30分間息を止めていられる。

アクション

複数回攻撃:クロコダイルは1回の噛みつきおよび1回の尻尾で、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い5フィート、目標1体。ヒット:21(3d10+5)[刺突]ダメージ、目標はつかまれた状態(脱出難易度16)になる。つかみが終わるまで目標は動けない状態となり、クロコダイルは他の目標に噛みつきができなくなる。

尻尾:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い10フィート、クロコダイルがつかんでいない目標1体。ヒット:14(2d8+5)[殴打]ダメージ。目標がクリーチャーなら、それは難易度16の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

結末

球体を破壊すればデッドゾーンは消え、キャラクターたちは帰還することになる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。