ネコぶんこ


2022年12月03日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:水神よりの賜物(3レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで1~2人の3レベル向けですぅ。

魔法のアイテム以外のデータ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ある地方都市の港湾地区を中心に新型のドラッグ“クタアト”が蔓延している。反社会的組織絡みとは異なるルートのようで、警察も尻尾をつかめない。

クタアトを売りさばいているのは、ダゴン秘密教団を名乗る秘教結社である。彼らは『クタアト・アクアディンゲン』なる魔術書の儀式に従ってデッドゾーンを創造して信仰対象の眷族、深きもの(と、彼らが主張するデッドゾーンの住民)に接触し、彼らからドラッグの原料を得ているのだ。

通常ではこの世に存在しないはずの物質がクタアトの成分に見つかったため、この事件は冒険者たちに託される。

クタアトについて捜査を行なってデッドゾーンを発見し、そこにいるダゴン秘密教団の信者とデッドゾーンの怪物を倒せばアドベンチャーは成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちが出入りする密売人が、少々面倒な仕事を勧めてきた。デッドゾーンの場所は不明。デッドゾーン由来とみられるドラッグ“クタアト”が港湾部の歓楽街を中心に流行しているので、これの元を辿って捜査、必要あらば殲滅してほしいとの警察からの依頼だ。

依頼を受けるなら、密売人が警察から預かっているクタアトの密売が行なわれていた(いる)クラブやバーのリスト、検挙された使用者のリストを提供される。

報酬は財力点2点である。

1.使用者からの聞き込み

使用者に聞き込みを行なうなら、彼らは一様にクタアトを使うと耳の奥から波の音が聞こえるような幻聴が始まって眠りに落ち、いい夢を見られていたのだと話す。ただ、寝ている間も夢遊病のように徘徊するため、暴れたり路上で目を覚ましたりしたこともあったようだ。

難易度10の【魅力】〈説得〉判定に成功すれば、密売人の連絡先を内密に教えてもらうことができる。

2.成分の照会

クタアトの成分を照会するなら、GHB(γ-ヒドロキシ酪酸、ダウナー系ドラッグ)に謎の成分が混ぜ込まれていることがわかる。分析機関の見解によれば謎の成分はデッドゾーン由来らしい。

主な効能は酩酊と眠気である。眠気に襲われても寝ず、朦朧とした意識のまま徘徊する者も多い。

3.売人との接触

警察のリストにある店に行けば売人と接触するチャンスがある。難易度10の【魅力】〈ペテン〉判定に成功すれば、新しい刺激を求める客を装うことができ、売人が向こうから声をかけてくる。

「1.使用者からの聞き込み」で売人の連絡先を教えてもらっているなら判定は必要なく、指定された店に行けば売人と接触できる。

売人から彼らがドラッグを仕入れている業者を聞き出すには、難易度10の【魅力】〈威圧〉判定や、【魅力】〈ペテン〉判定、【魅力】〈説得〉判定などが必要だ。成功すれば、彼はダゴン秘密教団という連中から買い付けていると口を滑らす。

もし暴力に訴えて口を割らせたいなら、売人はちんぴらのデータを使う。一度hpを0にされると、彼らはキャラクターたちの言うことをできる限りきこうとする。

ちんぴら

中型・人型生物(ヒューマン)、任意の属性


AC:11

hp:9(2d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 11(+0) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:共通語

脅威度:1/8(25XP)


アクション

ナイフ:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程10/30フィート、目標1つ。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージ。

4.ダゴン秘密教団

ダゴン秘密教団について知りたいなら、難易度10の【知力】〈宗教〉あるいは難易度12の【知力】〈歴史〉判定である。成功すれば19世紀アメリカ、マサチューセッツ州の船乗りたちを由来とする秘密クラブで、戦後にGHQ関係者などの仲介で日本でも加入した者がいる団体だとわかる。彼らは独自にデッドゾーンの知識を持ち、そこから富を得ているという風聞もある。

現在この街にあるダゴン秘密教団の拠点を調べるなら、難易度10の【知力】〈捜査〉判定で、海辺にある一軒家に団員の家があることを突き止められる。

5.教団の拠点へ

ダゴン秘密教団の拠点は海に向かって開けた庭を持つ一軒家で、建物に人気はない。

侵入するなら門や壁をよじ登る(難易度10の【筋力】〈運動〉判定)か、セキュリティを切る(難易度12の電子工具を使用した判定)必要がある。

屋敷の敷地に入るとデッドゾーンの気配に襲われる。海に面した庭に近寄ると、その気配はより強くなる。

6.水界への門

庭に入れば、そこはもうデッドゾーンの波打ち際である。そこには今まさに何かを入れた箱を交換しようとしているダゴン秘密教団の神官(用心棒のデータを使用)と、サフアグンが3体いる。

取引の現場にキャラクターたちが入ってきたことを知った神官とサフアグンたちは襲いかかってくる。彼らは信仰対象であるダゴンの名を叫びながら死ぬまで戦う。

サフアグン

中型・人型生物(サフアグン)、秩序にして悪


AC:12(外皮)

hp:22(4d8+4)

移動速度:30フィート、飛行40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 11(+0) 12(+1) 12(+1) 13(+1) 9(-1)

技能:〈知覚〉+5

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉15

言語:サフアグン語

脅威度:1/2(100XP)


限定的な水陸両用:サフアグンは地上でも水中でも呼吸できるが、窒息しないために少なくとも4時間に1回は水に潜る必要がある。

鮫とのテレパシー:サフアグンは120フィート以内の鮫に、限定的なテレパシーで魔法的な命令を下すことができる。

血の狂乱:サフアグンはヒット・ポイントを完全に持っていないクリーチャーに対する近接攻撃ロールに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:サフアグンは1回の噛みつきおよび1回の爪あるいはスピアで、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[斬撃]ダメージ。

スピア:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程20/60フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ。

用心棒

中型・人型生物(ヒューマン)、任意の属性


AC:11(レザー・ジャケット)

hp:26(4d8+8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 11(+0) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

技能:〈威圧〉+2

感覚:受動〈知覚〉10

言語:共通語

脅威度:1/2(100XP)


アクション

複数回攻撃:2回の近接攻撃を行なう。

カタナ:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1つ。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、両手持ちの場合は7(1d10+2)[斬撃]ダメージ。

リヴォルバー・ピストル:遠隔武器攻撃:攻撃+3、射程30/90フィート、目標1つ。ヒット:9(1d8)[刺突]ダメージ。

結末

ダゴン秘密教団の拠点にあるデッドゾーンは、それを維持していた神官を倒せば失われる。神官が生きていた場合、彼らは夢見人を増やすために行なったなどと供述するが、表の世界で報道されることはない。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年12月10日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:四つ角の魔犬(3レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで1~2人の3レベル向けですぅ。

魔法のアイテム以外のデータ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

某都市では、ここしばらく野犬による怪我人が続出している。被害者はいずれも気分が悪くなってふらついたところを数頭の犬に襲われたと証言しており、同じ犬によるものと考えられ、関係各所が捜査をしており、「気分が悪くなる」ことがデッドゾーン侵入時のそれに似ているため、冒険者たちにも話が回ってくる。

自分を中心に小型のデッドゾーンを発生させてこの世界にしがみついているデス・ドッグが狩りをしているのが事件の真相で、四つ角のある場所でないとデッドゾーンが強くならないことに気づけば、デッドゾーンになりそうな場所で待ち構えることができる。

デス・ドッグを迎え討ち、倒せば冒険は成功となる。

冒険への導入

冒険者たちが世話になっている密売人から、仕事の依頼が入る。最近この街で度々発生している野犬被害の捜査である。

被害者はいずれも気分が悪くふらふらしたところを複数の犬に襲われているということで、近くにデッドゾーンが発生したことも考えられるため、裏の世界にも仕事が回ったというわけだ。

報酬は財力点1点である。

1.被害者たちの情報

被害者は5人ほどで、年齢、性別、社会的地位はまちまち。いずれも複数の犬に食われて重傷を負っている。

被害者の主治医や事件を捜査している刑事を相手に難易度12の【魅力】〈説得〉判定に成功すれば、歯形から同じ2匹の犬による被害だと特定されていることがわかる。

2.現場百遍

現場を見て回ったら、難易度8の【知力】〈捜査〉判定、あるいは【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、襲撃現場はどれも四つ角にあることがわかる。

3.共通する時

襲撃の日時に共通することはないか調べるキャラクターがいるなら、難易度5の【知力】〈歴史〉判定に成功すればどれも新月の夜だとわかる。

4.新月の夜、四つ角で

キャラクターたちが新月の夜、街のどこかにある四つ角へ行くなら、そこは頭もくらむような死臭が漂うデッドゾーンと化す。そして角の中心にこごった闇から、漆黒の毛並みを持つ双頭の魔犬、デス・ドッグがよだれをたらしながら身を起こす

デス・ドッグは四つ角に現われた者をなぶりものにするのが目的だが、反撃してくるなら野生をむき出しにして死ぬまで戦う。

デス・ドッグ

中型・野獣、無属性


AC:12

hp:39(6d8+12)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 14(+2) 14(+2) 3(-4) 13(+1) 6(-2)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+5

感覚:暗視12フィート、受動〈知覚〉15

言語:-

脅威度:1(200XP)


双頭:ドッグは【判断力】〈知覚〉判定に有利を得て、気絶状態、恐怖状態、聴覚喪失状態、魅了状態、盲目状態、あるいは朦朧状態に対するセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:ドッグは2回の噛みつき攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。目標がクリーチャーの場合、難易度12の病気に対する【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、毒状態となる。24時間毎にそのクリーチャーはセーヴィング・スローを再び行ない、失敗する度に最大ヒット・ポイントが5(1d10)減少する。この減少は病気が治癒されれば終了する。この病気でヒット・ポイントの最大値が0になったなら、そのクリーチャーは死亡する。

結末

デス・ドッグを倒せば街を騒がせる野犬の徘徊は終わる。噂もそのうち消えてしまうだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年12月17日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:恐竜と少年(3レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで1~2人の3レベル向けですぅ。

魔法のアイテム以外のデータ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

ある少年が、デッドゾーンから出てきたプレシオサウルスを自然公園の池に放して育てていた。彼は小遣いで魚を買って食べさせていたが、お金が底を尽き餌を与えられなくなってしまった。プレシオサウルスはしばらく大人しくしていたが、最近になって池の中の魚を襲い、食べるようになった。

少年は噂話に出てくる怪物に詳しい店の情報を元に密売人を見つけ、恐竜をもといた森の中の池に戻すよう依頼した。

キャラクターたちがプレシオサウルスをデッドゾーンに戻すか、殺してしまえば冒険は終了となる。

冒険への導入

冒険者たちが世話になっている密売人の店に、小学校高学年から中学生くらいに見える少年が来ている。

密売人はキャラクターと彼を面通しさせると、依頼の内容を語る。街の中にある自然公園の池に棲んでいる恐竜を、同じ公園の森林地区にあるデッドゾーンまで誘導してほしいと。

より詳しい事情を聞くなら、少年は森を探検していると恐竜を見つけてしまい、魚をあげたらなついたので夜に公園の池まで連れて行ってそこで飼っていたが、お金がなくなって魚をあげられなくなり、池の魚を食べ始めている。殺されてしまう前にもといた場所に戻してほしいと涙ながらに語る。

ここでキャラクターたちに密売人が耳打ちし、公園の管理団体にも話は通してあるので恐竜が手に余ったり暴れ出すようなら殺処分にして構わないこと、報酬は1財力点出ると裏の事情も明かされる。

キャラクターたちが仕事の準備を始めたならシーンを終了する。

1.恐竜が潜む池

問題の池は自然公園の中にあり、周囲は遊歩道やあずまやが整備された憩いの場である。プレシオサウルスは人気の少ない場所の水中に潜んでおり、難易度14の【判断力】〈知覚〉判定に成功しなければ見つからない。

目ざとい者は見つけることができる程度の難易度であるため、ネットでは池に巨大生物がいるという噂が流れている。このため、長くとも1週間ほどで事件にけりをつけなければいけない。

2.森のデッドゾーン

自然公園内には森があり、少年はそこで恐竜を見つけたという。彼に案内を頼むなら判定なしで、伝聞だけで調べるなら難易度10の【判断力】〈生存〉判定に成功すればデッドゾーンへ入ることができる。

このデッドゾーンは入るときにめまいなどの違和感がなく、周囲の植生が巨大なシダ植物が中心のものになっていると気づかねば(気づくには難易度5の【判断力】〈生存〉判定が必要だとしてもいいだろう)わからないくらいだ。

デッドゾーンの奥には池のような場所があり、そこには数体のプレシオサウルスが体を休めている。

プレシオサウルス

大型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:68(8d10+24)

移動速度:20フィート、水泳40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 15(+2) 16(+3) 2(-4) 12(+1) 5(-3)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


息こらえ:プレシオサウルスは1時間まで息を止めることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、目標1体。ヒット:14(3d6+4)[刺突]ダメージ。

3.恐竜のおひっこし

恐竜を池から出して森のデッドゾーンに返すには、池で難易度14の【判断力】〈知覚〉判定に成功し、プレシオサウルスを見つけて攻撃せずに近づき、難易度10の【判断力】〈動物使い〉判定に成功する必要がある。

【判断力】〈動物使い〉判定に5以上の差(ロールの結果が5以下だった場合)で失敗してしまった場合、プレシオサウルスはへそを曲げて一番近いキャラクターを攻撃してしまう。

プレシオサウルス

大型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:68(8d10+24)

移動速度:20フィート、水泳40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 15(+2) 16(+3) 2(-4) 12(+1) 5(-3)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


息こらえ:プレシオサウルスは1時間まで息を止めることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、目標1体。ヒット:14(3d6+4)[刺突]ダメージ。

4.恐竜、気が散る

恐竜を釣れてしばらく遊歩道を歩くと、魚の型をしたベンチがある場所を通りかかる。ここでプレシオサウルスはそれに興味を示し、そちらへ歩いて行こうとする。ここでプレシオサウルスの気を散らないようにするには難易度12の【判断力】〈動物使い〉判定に成功する必要がある。

結末

デッドゾーンに戻ると、恐竜はひと声鳴いてのそのそと元の池に戻っていく。

このデッドゾーンをどうするか、どうなるかはまた別の物語で語られることになるだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年12月22日 [長年日記] 編集

§ [DnD] 『OGLと、SRDと、One D&D

私たちはコミュニティがD&Dに持っている関心と情熱を愛しています。私たちもD&Dを愛しています。だから、D&Dコミュニティに噂や誤解で心配をかけているなら、私たちは当初の計画より少し早くなっても、皆さんと事実を共有して空気を綺麗にしたい。我々にとって皆さんのすべてが重要で、また、D&Dがどうやってサードパーティのクリエイターをサポートし続けるかについてを明確にしておきます。

ゆえに、ここに事実を開示します。

1.One D&DにSRDはあり/それはOGLになりますか?

はい。第一に、私たちはOne D&Dを第5版との後方互換性を持つようにデザインしているので、第5版と互換性のある既存のコンテンツすべてもOne D&Dと互換性があります。第二に、One D&Dの開発――開発には何十万人もの生きたD&Dプレイヤーに向けて実施しているプレイテストの結果に基づいた――が完了したらSRDを更新します。

2.OGLの文言は変わる?

はい。2023年初頭にOGLのバージョン1.1を公開予定です。

OGLは意図されたように――D&Dコミュニティの独立したクリエイターが私たち全員の愛するゲームを構築し、プレイし、成長できるように――サードパーティがD&DのNFTを作成したり、大企業が我々の知的財産を悪用できないよう――機能し続けるため更新される必要があります。

それで、何が変わるの?

第一に、OGL1.1が何を対象にし、何を対象にしないかを明確にします。OGL1.1はTRPGで使うために作られたものだけを対象にして、それらのものは印刷物、あるいは静的なファイル(epubやPDFなど)としてだけ許可されることを明確にしています。動画やビデオゲームなどの他の種類のコンテンツはウィザーズ・オブ・ザ・コーストのファン・コンテンツ・ポリシー、または我々との個別の契約のみで可能になります。明確にすると、印刷物と静的な電子ファイル以外のものを、OGLは対象としません。

これはプレイヤーが今使っているD&Dのコンテンツやサービスに影響しますか? すべきではありません。有名オンラインセッションのプラットフォームはウィザーズと独自の契約を結んでいます。ミニチュアや小説のようなD&Dの商品化は、OGLの一部になるよう意図したものではなく、OGL1.1でもそれは変わりません。これらの形式の表現でD&Dを活用したいクリエイターは、常に必要とされていたように、我々と個別に契約する必要があります。

第二に、我々はOGLを更新し、無償にすることを選んだクリエイターと、継承コンテンツを売りたいクリエイターに異なる条件を提供します。

クリエイターとしてのあなたにこれは何を意味するでしょう? 継承コンテンツを作成している場合、すでに慣れ親しんでいるものとほとんど変わりないはずです。

商用コンテンツを作成している場合、ほとんどのクリエイターには変化がほとんどありません。継承コンテンツを販売している場合、次のことを行なう必要があります。

  1. ライセンス条項に従い、販売するものをお知らせください
  2. (年間5万ドルを超える場合)OGL関係の収益を毎年報告してください
  3. あなたの作品にCreator Productのマークを入れてください

OGL1.1を展開する時には、これらの要件を可能な限り簡単で直感的にご案内できるよう、説明の動画、よくある質問、および登録用のポータルサイトを提供します。また、クリエイターの皆さんに新しい手順をご案内するためのヘルプも提供します。

年間の売上が75万ドルを超える20以下のクリエイターには、2024年からロイヤリティを追加します。そのため、D&Dのサプリメントやゲームを販売して多額の収益を上げているクリエイターでも、2023年のロイヤリティは発生せず、将来的にも75万ドルに満たない収益はすべてロイヤリティなしとなります。

結論:OGLはなくなりません。あなたはこれからも新たなD&Dコンテンツを造り、どこででも公開し、このゲームとコミュニティを成長させるあらゆる方法で、友人やフォロワーとゲームができます。Kickstarter、DMsGuildなどで出版している何千人ものクリエイターはD&D体験の重要な部分で、One D&Dやそれ以降も引き続きサポートし、奨励していきます。

One D&DとこれからのOGLについてD&D Beyondに公開された文を訳したですぅ。OGL1.0aがオープンソースらしく継承表示をしてれば何にでも(データを使ってコンピュータゲームにしててもOK)自由に使えてたライセンスだったのに対し、OGL1.1は縛りがきつくなって、実態として変わりはしないだろうけどオープンとは名のみの集権的ライセンスになってるですぅ。


2022年12月24日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:輝ける木(3レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで1~2人の3レベル向けですぅ。

魔法のアイテム以外のデータ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

大型の鳥が飛来して街の道行く人や店先から光り物を奪う事件が頻発している。この鳥たちはデッドゾーンに住むジャイアント・ヴァルチャーで、自分たちが住むアウェインクド・ツリーを光り物で飾るために盗みをはたらいている。

役所からの依頼を受けたキャラクターたちは街にやってくるジャイアント・ヴァルチャーを追って本拠地を探り当て、デッドゾーンの核となっているアウェインクド・ツリーを倒さなくてはならない。

キャラクターたちがアウェインンド・ツリーを倒すか諦めるかしたらアドベンチャーは終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが住む街では、大型のカラスに似た鳥が通行人や店から光るものを奪う被害が相次いでいる。

そんなある日、キャラクターたちは密売人から呼び出される。用件は光り物を奪う鳥のことでだ。「調査の結果、鳥たちは一般的な生物種のいずれとも同定されなかったため、デッドゾーンから現われたものと考えられる。ただちに捜査を行ない、原因究明の後に脅威の排除を願いたい」という依頼が市から来ているとのことだ。

報酬は財力点1点。ついでに街の人々の平穏なクリスマスもだ。

1.怪鳥

現在、街で大粒のガラス玉や宝石、光沢のあるパッケージなどを持ち歩いているなら、街でジャイアント・ヴァルチャーから襲撃されることがある。難易度18の【敏捷力】〈隠密〉判定に成功しなければヴァルチャーに目を付けられ、襲撃される。

目標が人の場合ヴァルチャーは威嚇しながら【筋力】判定で持ち物を奪い取る。光り物を持ち帰りたいだけなので、激しく抵抗されるまで攻撃は行なわない。

デッドゾーン内部には複数のヴァルチャーがいるので、数羽倒された程度で襲撃が終わることはない。

ジャイアント・ヴァルチャー

大型・野獣、無属性


AC:10

hp:22(3d10+6)

移動速度:10フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 10(+0) 15(+2) 6(−2) 12(+1) 7(−2)

技能:〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:共通語を理解するが話せない

脅威度:1(200XP)


鋭敏視覚・嗅覚:ヴァルチャーは視覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群れ戦術:少なくとも1体のヴァルチャーの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヴァルチャーはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:ヴァルチャーはくちばしで1回および鉤爪で1回、2回の攻撃を行なう。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(2d4+2)[刺突]ダメージ。

鉤爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[斬撃]ダメージ。

2.鳥を追え

ヴァルチャーを見つけて追うには、難易度10の【判断力】〈知覚〉判定に成功してヴァルチャーを発見し、難易度14の【判断力】〈生存〉判定で追いかける必要がある。ヴァルチャーに襲撃されたなら、最初の判定は省略することができる。

3.デッドゾーンへ

ヴァルチャーの追跡に成功したなら、街の片隅にある児童公園に舞い降りるのを見ることが出来る。この公園の側にある路地がデッドゾーンになっているのだ。キャラクターたちがそこに近づくと、なんとなく頭が重くなり、めまいを感じる。それをこらえて進めば、そこでは何羽かのヴァルチャーが奪った光り物を大きなもみの木に引っかけているシュールな光景を見ることができる。

ヴァルチャーは自分たちの縄張りに他の者が入ったことに激しく怒り、2羽のジャイアント・ヴァルチャーがキャラクターたちに攻撃をしかけてくる。この2羽が撃退されるようなら、他のヴァルチャーは一旦この場から逃げ去る。

ジャイアント・ヴァルチャー

大型・野獣、無属性


AC:10

hp:22(3d10+6)

移動速度:10フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 10(+0) 15(+2) 6(−2) 12(+1) 7(−2)

技能:〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:共通語を理解するが話せない

脅威度:1(200XP)


鋭敏視覚・嗅覚:ヴァルチャーは視覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

群れ戦術:少なくとも1体のヴァルチャーの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヴァルチャーはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

複数回攻撃:ヴァルチャーはくちばしで1回および鉤爪で1回、2回の攻撃を行なう。

くちばし:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(2d4+2)[刺突]ダメージ。

鉤爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[斬撃]ダメージ。

4.動く木

ジャイアント・ヴァルチャーを倒してもデッドゾーンが破壊される様子はない。

キャラクターたちがもみの木にかかっている盗まれた物品を外そうとするなら、今度はこの木が動き出してキャラクターたちに襲いかかる。本性を現わしたツリーは、「わたしを飾れ、飾り立てろ」と叫びながら暴れる。

これを倒すか、キャラクターが機転をきかせて「クリスマスツリーになれば合法的に飾ってもらえるぞ」などの取引をしなければ、街の人々から盗まれた物は戻ってこない。

アウェイクンド・ツリー

超大型・植物、無属性


AC:13(外皮)

hp:59(7d12+14)

移動速度:20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 6(−2) 15(+2) 10(+0) 10(+0) 7(−2)

ダメージ脆弱性:[火]

ダメージ抵抗:[殴打]、[刺突]

感覚:受動〈知覚〉10

言語:創造者の知っている言語1つ

脅威度:2(450XP)


外見偽装:ツリーは動いていない間、普通の木と見分けがつかない。

アクション

叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、目標1体。ヒット:14(3d6+4)[殴打]ダメージ。

結末

アウェイクンド・ツリーを倒すか、この地で合法的にクリスマスツリーになることに同意させればデッドゾーンは霧散する。

怪鳥騒ぎもおさまり、街には平穏なクリスマスが訪れるだろう。

メリー・クリスマス!

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。


2022年12月31日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:カニ漁(3レベル)

今週の小冒険はMansions & Monstersで1~2人の3レベル向けですぅ。

魔法のアイテム以外のデータ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

キャラクターたちは密売人から、大きなカニをたくさん取れるデッドゾーンが発見されたから、正月前に行ってみるのはどうかと持ちかけられる。

果たしてそのデッドゾーンにはジャイアント・クラブが多く棲んでいるが、それを狙ってメロウがやってくる危険も持っている場所だ。

キャラクターたちがカニ漁を堪能した後で狩りにやってきたメインと戦えばアドベンチャーは終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちは年末に密売人から呼び出される。今回は仕事の依頼ではないが、近場に設けられそうなデッドゾーンが発見されたので、その話を回してもらえるということだ。

紹介されたデッドゾーンは、大きなカニがたくさんいる浜辺だそうだ。既に数人の冒険者が年末年始に食べるカニを手に入れてきているらしい。

キャラクターたちがデッドゾーンに向かうとアドベンチャー開始となる。

1.デッドゾーンを探せ

デッドゾーンは街外れの海岸にある。目立った目印はなく微妙に移動しているので、難易度10の【判断力】〈生存〉判定に成功し、周囲との違いを見つけ出さなければならない。

判定に成功すれば、デッドゾーンと通常空間の境界を見つけることができる。

2.デッドゾーンの中へ

デッドゾーンの中に入ると、軽いめまいと共に濃厚な潮の香りが鼻腔をくすぐる。

浜辺では波が白く砕け、人間サイズの大きなカニが何匹も歩いている。

3.カニ漁

デッドゾーンの中にいる人間サイズの大きなカニは1d6匹で群れている。漁をするなら、一度にそれだけのジャイアント・クラブを相手取ることになる。

ちなみに巨大ガニは煮てよし、焼いてよしでかなり美味である。これは密売人から聞くこともできる情報だ。

ジャイアント・クラブ

中型・野獣、無属性


AC:15

hp:13(3d8)

移動速度:30フィート、水泳30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 15(+2) 11(+0) 1(−5) 9(−1) 3(−4)

技能:〈隠密〉+4

感覚:疑似視覚30フィート、受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:1/8(25XP)


水陸両棲:クラブは空気中でも水中でも呼吸できる。

アクション

爪:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[殴打]ダメージ、および目標はつかまれた状態(脱出難易度11)になる。クラブは2つの爪を持ち、それぞれの爪は1つの目標しかつかめない。

4.カニ喰う人々を狩る……

キャラクターたちがジャイアント・クラブと戦い、1匹以上をhp0にすると、戦闘の音とカニの体液を辿ってメロウがやってくる。このメロウはデッドゾーンの核であり、カニのいる海岸にやって来る人々を狩ることで生きている存在だ。

メロウはキャラクターたちを新たな獲物と定め、襲いかかってくる。

メロウ

大型・怪物、混沌にして悪


AC:13(外皮)

hp:45(6d10+12)

移動速度:10フィート、水泳40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 10(+0) 15(+2) 8(-1) 10(+0) 9(-1)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:深淵語、水界語

脅威度:2(450XP)


水陸両棲:メロウは空気中でも水中でも呼吸できる。

アクション

複数回攻撃:ハーピーは2回の攻撃を行なう。噛みつきで1回、および爪、あるいは銛で1回。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:8(1d8+4)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d4+4)[殴打]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d4+4)[殴打]ダメージ。

銛:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィートまたは20/60フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。目標が超大型以下のクリーチャーなら、メロウとの【筋力】の対抗判定に失敗した場合、メロウに向かって20フィートまで引き寄せられる。

結末

メロウを倒せばその死体はデッドゾーンと共に消えていき、後にはキャラクターたちが倒したカニが残る。これだけあれば、年末年始はカニ三昧で過ごせそうだ。

よいお年を。

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