2022年12月03日 [長年日記]
§ [DnD][5e][MnM] アドベンチャー:水神よりの賜物(3レベル)
今週の小冒険はMansions & Monstersで1~2人の3レベル向けですぅ。
魔法のアイテム以外のデータ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
冒険の概要
この冒険は3レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。
ある地方都市の港湾地区を中心に新型のドラッグ“クタアト”が蔓延している。反社会的組織絡みとは異なるルートのようで、警察も尻尾をつかめない。
クタアトを売りさばいているのは、ダゴン秘密教団を名乗る秘教結社である。彼らは『クタアト・アクアディンゲン』なる魔術書の儀式に従ってデッドゾーンを創造して信仰対象の眷族、深きもの(と、彼らが主張するデッドゾーンの住民)に接触し、彼らからドラッグの原料を得ているのだ。
通常ではこの世に存在しないはずの物質がクタアトの成分に見つかったため、この事件は冒険者たちに託される。
クタアトについて捜査を行なってデッドゾーンを発見し、そこにいるダゴン秘密教団の信者とデッドゾーンの怪物を倒せばアドベンチャーは成功となる。
冒険への導入
キャラクターたちが出入りする密売人が、少々面倒な仕事を勧めてきた。デッドゾーンの場所は不明。デッドゾーン由来とみられるドラッグ“クタアト”が港湾部の歓楽街を中心に流行しているので、これの元を辿って捜査、必要あらば殲滅してほしいとの警察からの依頼だ。
依頼を受けるなら、密売人が警察から預かっているクタアトの密売が行なわれていた(いる)クラブやバーのリスト、検挙された使用者のリストを提供される。
報酬は財力点2点である。
1.使用者からの聞き込み
使用者に聞き込みを行なうなら、彼らは一様にクタアトを使うと耳の奥から波の音が聞こえるような幻聴が始まって眠りに落ち、いい夢を見られていたのだと話す。ただ、寝ている間も夢遊病のように徘徊するため、暴れたり路上で目を覚ましたりしたこともあったようだ。
難易度10の【魅力】〈説得〉判定に成功すれば、密売人の連絡先を内密に教えてもらうことができる。
2.成分の照会
クタアトの成分を照会するなら、GHB(γ-ヒドロキシ酪酸、ダウナー系ドラッグ)に謎の成分が混ぜ込まれていることがわかる。分析機関の見解によれば謎の成分はデッドゾーン由来らしい。
主な効能は酩酊と眠気である。眠気に襲われても寝ず、朦朧とした意識のまま徘徊する者も多い。
3.売人との接触
警察のリストにある店に行けば売人と接触するチャンスがある。難易度10の【魅力】〈ペテン〉判定に成功すれば、新しい刺激を求める客を装うことができ、売人が向こうから声をかけてくる。
「1.使用者からの聞き込み」で売人の連絡先を教えてもらっているなら判定は必要なく、指定された店に行けば売人と接触できる。
売人から彼らがドラッグを仕入れている業者を聞き出すには、難易度10の【魅力】〈威圧〉判定や、【魅力】〈ペテン〉判定、【魅力】〈説得〉判定などが必要だ。成功すれば、彼はダゴン秘密教団という連中から買い付けていると口を滑らす。
もし暴力に訴えて口を割らせたいなら、売人はちんぴらのデータを使う。一度hpを0にされると、彼らはキャラクターたちの言うことをできる限りきこうとする。
ちんぴら
中型・人型生物(ヒューマン)、任意の属性
AC:11
hp:9(2d8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
13(+1) | 12(+1) | 11(+0) | 10(+0) | 10(+0) | 11(+0) |
感覚:受動〈知覚〉10
言語:共通語
脅威度:1/8(25XP)
アクション
ナイフ:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程10/30フィート、目標1つ。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージ。
4.ダゴン秘密教団
ダゴン秘密教団について知りたいなら、難易度10の【知力】〈宗教〉あるいは難易度12の【知力】〈歴史〉判定である。成功すれば19世紀アメリカ、マサチューセッツ州の船乗りたちを由来とする秘密クラブで、戦後にGHQ関係者などの仲介で日本でも加入した者がいる団体だとわかる。彼らは独自にデッドゾーンの知識を持ち、そこから富を得ているという風聞もある。
現在この街にあるダゴン秘密教団の拠点を調べるなら、難易度10の【知力】〈捜査〉判定で、海辺にある一軒家に団員の家があることを突き止められる。
5.教団の拠点へ
ダゴン秘密教団の拠点は海に向かって開けた庭を持つ一軒家で、建物に人気はない。
侵入するなら門や壁をよじ登る(難易度10の【筋力】〈運動〉判定)か、セキュリティを切る(難易度12の電子工具を使用した判定)必要がある。
屋敷の敷地に入るとデッドゾーンの気配に襲われる。海に面した庭に近寄ると、その気配はより強くなる。
6.水界への門
庭に入れば、そこはもうデッドゾーンの波打ち際である。そこには今まさに何かを入れた箱を交換しようとしているダゴン秘密教団の神官(用心棒のデータを使用)と、サフアグンが3体いる。
取引の現場にキャラクターたちが入ってきたことを知った神官とサフアグンたちは襲いかかってくる。彼らは信仰対象であるダゴンの名を叫びながら死ぬまで戦う。
サフアグン
中型・人型生物(サフアグン)、秩序にして悪
AC:12(外皮)
hp:22(4d8+4)
移動速度:30フィート、飛行40フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
13(+1) | 11(+0) | 12(+1) | 12(+1) | 13(+1) | 9(-1) |
技能:〈知覚〉+5
感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉15
言語:サフアグン語
脅威度:1/2(100XP)
限定的な水陸両用:サフアグンは地上でも水中でも呼吸できるが、窒息しないために少なくとも4時間に1回は水に潜る必要がある。
鮫とのテレパシー:サフアグンは120フィート以内の鮫に、限定的なテレパシーで魔法的な命令を下すことができる。
血の狂乱:サフアグンはヒット・ポイントを完全に持っていないクリーチャーに対する近接攻撃ロールに有利を得る。
アクション
複数回攻撃:サフアグンは1回の噛みつきおよび1回の爪あるいはスピアで、2回の攻撃を行なう。
噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[刺突]ダメージ。
爪:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d4+1)[斬撃]ダメージ。
スピア:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程20/60フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ。
用心棒
中型・人型生物(ヒューマン)、任意の属性
AC:11(レザー・ジャケット)
hp:26(4d8+8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
15(+2) | 11(+0) | 14(+2) | 10(+0) | 10(+0) | 11(+0) |
技能:〈威圧〉+2
感覚:受動〈知覚〉10
言語:共通語
脅威度:1/2(100XP)
アクション
複数回攻撃:2回の近接攻撃を行なう。
カタナ:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1つ。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、両手持ちの場合は7(1d10+2)[斬撃]ダメージ。
リヴォルバー・ピストル:遠隔武器攻撃:攻撃+3、射程30/90フィート、目標1つ。ヒット:9(1d8)[刺突]ダメージ。
結末
ダゴン秘密教団の拠点にあるデッドゾーンは、それを維持していた神官を倒せば失われる。神官が生きていた場合、彼らは夢見人を増やすために行なったなどと供述するが、表の世界で報道されることはない。
この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。