ネコぶんこ


2015年09月10日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] 『レンジャー(RANGER)』

Unearthed Arcana

マイク・ミアルス――2015年09月09日

レンジャーはかなりの初期からダンジョンズ&ドラゴンズの一部で、長い間ゲームでもっとも人気があるクラスのひとつだ。

しかし、D&D第5版のフィードバックでは、レンジャーの強さとプレイヤーの満足感が他のクラスに後れをとっていると示された。今回のUnearthed Arcanaでは、独自の特色を持ったレンジャーの改訂版デザインを、1レベルから5レベルまでのクラス特徴を作成して発表する。これらの特徴はゲームの中で同一性を保持しながら、レンジャーを独特で面白いと感じさせるようになっている。

君たちはこのシリーズで発表される素材を第5版プレイテストの第一波と同じように考えることができる。これらのゲームの仕組みは草案の形式なので、君たちのキャンペーンで使用可能であるがプレイテストとデザインの繰り返しで完全に調節されたものではない。これらはとても気まぐれで、不安定なものかもしれない。もし君たちがこれらを使うなら、どんな問題が起こっても裁定を下せる準備をしてくれ。これらはインクではなく、鉛筆で書かれている。これらの理由もあり、このコラムで提示される素材はD&D組織化プレイのイベントで合法的なものではない。

Unearthed Arcanaで発表される素材は私たちがいつか出版されるサプリメントに収録したいものから、私たちの自宅でやっているキャンペーンのハウス・ルールのうち共有してみたいものまで多岐にわたり、コア・システムのオプションから特定のセッティングの素材まである。一度それを公開すれば、君たちはそれがどのようにうまくいき、それを改善するために私たちができることがあるかを知るために君たちは私たちに接触することができる。

UNEARTHED ARCANA: RANGER

以前のSage Adviceでほのめかされていたレンジャーの新ビルドですぅ。


2015年09月22日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] 『ルール回答集:2015年9月(RULES ANSWERS: SEPTEMBER 2015)』

Sage Advice

ジェレミー・クロフォード――2015年09月21日

エルフのトランス、呪文の巻物、組みつき、そして他のルールについて少々。

今月は、昨年来何度か届いていたいくつかのルールにの質問に触れる。

Sage Adviceに将来答えてほしい質問があるなら、sageadvice@wizards.comに質問を送るか、ツイッター(@JeremyECrawford)で私に伝えてほしい。

種族の特徴

トランスの特徴によって、エルフが4時間で大休憩を終わってもよい? 意図が違う。トランスの特徴はヒューマンが8時間の睡眠で得るものを、エルフの場合は4時間の瞑想でそうなるものだが、エルフの大休憩を短くすることを目的とするものではない。大休憩はひとまとまりの穏やかな時間で、少なくとも8時間だ。そこで睡眠、読書、おしゃべり、食事などの落ち着いた活動をすることもできる。その間でも2時間以内なら歩哨に立つこともできる。ただし、それ以上神経を張り詰めると落ち着いた状態ではない。ようするに、大休憩と睡眠は同じものではない。君は大休憩を取っていないときに眠り、大休憩で眠らないこともできる。

これがエルフのために意味するもののすべてだ。エルフは大休憩のうち4時間をトランスにあて、さらに4時間で軽い行動ができる。エルフの仲間がうたた寝をしている間もエルフは起きていることができ、美しい小間物を刻んだり、十四行詩を書いたり、古代の伝説についての書物を読んだり、数世紀前の経験を思い出したり、そして危険を警戒するといった、さまざまな活動を行なえる。このように、トランスの特徴はエルフの浮世離れした性質を際立たせるだろうし、彼らにゲーム上の有利さを与えない。

最終的に君がDMでトランスによってエルフの大休憩を短くすると決めるなら、ゲームを壊すことにはならない。そうするのは世界を構築する選択しているからだ。エルフを世界中でほかのどの種族よりも戦いへ戻る準備ができ、彼らが大部分の人型種族よりすばやく傷を癒し、魔法のエネルギーを回復させると決めるなら。そうした選択はエルフが支配的な種族である世界で意味をなし、そこで彼らは他の種族より長生きなだけでなく、より速く回復もする。

クラス特徴

シーフは魔法のアイテムを起動させるために器用な指先の特徴を使える? できない。器用な指先の利益のひとつはボーナス・アクションとして物体の操作を行なうことができるが、魔法のアイテムはDungeon Master's Guide(141ページ)で説明されているように物体の操作ではなく、たとえば治療用具のような非魔法的アイテムの使用が物体の操作である。

冒険

消耗状態を減少させることのできる効果の例は? グレーター・レストレーションは消耗状態を減少させることができる。

戦闘

“近接武器攻撃”の定義は、武器による近接攻撃、あるいは近接武器による攻撃のどっち? 武器による近接攻撃がその定義となる。同様に、“遠隔武器攻撃”の定義は武器による遠隔攻撃だ。いくつかの攻撃は武器を使わなくても、それらの攻撃の文によって近接、あるいは遠隔武器攻撃と定義される。たとえば、たとえ攻撃者の肉体が武器だとは考えられなくても、素手打撃は近接武器攻撃として扱われる。

ここで少し細かい言い回しを解説するなら、私たちは近接武器による攻撃には“近接武器による攻撃”と書くだろう。

二刀流を使っている場合、ターン中に2つの武器を抜いて投擲できる? 二刀流(PHB、195ページ)で2つの武器を投擲することはできるが、そのルールは自由に2つの武器を抜く能力も与えるものではない。

君のターン、君は移動かアクションの同時に1つの物体と関わることができる(PHB、190ページ)。もっとも一般的な物体との関わりは武器を抜くか納めるかだ。同じターンに2つ目の物体と関わるなら、アクションが必要になる。《Dual Wielder》特技など、自由に2つ目の武器を抜くか納めるための特徴が必要になる。

Player's Handbookの組みつきのルールは手のないクリーチャーでも使える? 組みつきのルール(PHB、195ページ)は少なくとも1本の手による組みつきのために書かれているが、DMは噛みつきや触手のような付属器官を持つ手のないクリーチャーが合理的に何かを捕らえるルールへと、簡単に適応させることができる。たとえば、ウルフは噛みつきで人を捕らえようとして、それが人にしがみついている限り、その噛みつき攻撃を使うことができないのがそれらしい。

Player's Handbookの組みつきルールが攻撃アクションを要求することを心にとめ、そのルールを使うときは、クリーチャーが相当するアクション――というより、複数回攻撃やクリーチャーのステータス・ブロックにある他のアクション――を使うようにすること。ローパーのように、特殊な組みつき攻撃を持つモンスターは、そのルールに従う必要はない。

呪文

ダークネスを高レベルスロットで発動させて3レベル以上の呪文による光を解呪できる? できない。何レベルの呪文スロットをダークネスのために使っても、ダークネスの呪文が解呪できるのは2レベル以下の呪文によって作られた光だけだ。同様に、デイライトの呪文を何レベルの呪文スロットで使っても、解呪できるのは3レベル以下の呪文によって作られた闇だけだ。

ディスペル・マジックグローブ・オヴ・インヴァルネラビリティを終了させられる? できる。ディスペル・マジックグローブ・オヴ・インヴァルネラビリティを解呪できるが、球体の中にある何ものにも影響できない。

魔法のアイテム

Dungeon Master's Guideの巻物についてのルールと、スペル・スクロールについてのルールはどちらが正しい? それらは両方正しい。巻物についてのルール(139ページ)はスクロール・オヴ・プロテクションなど、巻物全般のもので、君が読み書きをできるならその呪文の起動を試みることができる。スペル・スクロールについてのルールは、その種類の巻物に特有な、さらなる必要条件を求める。巻物に記録されている呪文は、君のクラスの呪文リストになければならない。

呪文の巻物はさまざまな名前で表現される。スペル・スクロールスクロール・オヴ・X(Xが呪文の名前である)、あるいはスペル・スクロール・オヴ・X(念のため、Xが呪文の名前である)。どんな名前かを問わず、呪文の巻物は同じルールに従う。

呪文の巻物の必要条件を満たすためには、君のクラスが呪文リストを使っていようとも、巻物の呪文が入っている必要がある。2つの例がここにある。君がクレリックなら、呪文はクレリックの呪文リストになければならず、君がエルドリッチ・ナイトの類型を持つファイターなら、君のクラスによって用いられる呪文リストであるため、ウィザードの呪文リストになければならない。

リング・オヴ・プロテクションブレイサー・オヴ・ディフェンスのACボーナスは累積される? される。一般的に、それらが同じ呪文由来でない限り(Player's Handbook205ページの「Combining Magical Effects」参照)、ボーナスは累積される。たとえば、一度に1つ以上の同名アイテムと同調できないため、1つ以上のリング・オヴ・プロテクションから利益を得ることはできない。

今月の質問と回答は新たなSage Advice大辞典の一部になっている(バージョン1.03)。

著者について

ジェレミー・クロフォードはダンジョンズ&ドラゴンズ第5版の共同リード・デザイナである。彼は第5版Player's Handbookのリード・デザイナでありDungeon Master's Guideにも関わっている。彼は2007年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社して以来、多くのD&D関連書籍に携わってきた。君は彼にツイッターで連絡することができる(@JeremyECrawford)。