2025年03月01日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:風狼の峰へ(10レベル)
今週の小冒険はD&Dで10レベルのキャラクター4人用ですぅ。
データまわりはCC4.0で公開されているSRD5から引用して独自に翻訳しているので、そちらのご参考にもですぅ。
冒険の概要
ヒヤメルガシュというアダルト・ホワイト・ドラゴンが人里を脅かしている。彼は風狼の峰と呼ばれる雪山に住んでおり、キャラクターたちはこれを退治するよう求められる。
山を登り、ヒヤメルガシュを倒せば冒険は成功である。
冒険への導入
キャラクターたちの拠点の近くにある村や町が、北にある風狼の峰からやってくるホワイト・ドラゴンに脅かされている。人々はキャラクターたちのところを訪れ、竜退治を頼み込む。報酬は1人2000GPである。
拠点から風狼の峰までは60km(40マイル)ある。GMは旅の間にランダムな遭遇などを行なってもよい。
1.酷寒の道行き
風狼の峰の周囲はとても寒く、[冷気]ダメージに対する抵抗、完全耐性を持たないクリーチャーは、1時間ごとに難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ1段階の消耗状態をこうむる。このセーヴィング・スローは雪山用の耐寒装備などを着用している場合、自動的に成功する。
また、風狼の峰は雪が積もっており、これは移動困難な地形として扱う。
風狼の峰にはフロスト・ジャイアントの住み家があり、ふもとからそこまでは獣道がある。これを使わずに頂を目指すなら、難易度13の【判断力】〈生存〉判定に成功せねばならない。失敗した場合、見当違いの場所を1時間さまようことになる。
ここからは「2.霜巨人の住み家」に進むことができる。【判断力】〈生存〉判定に成功したなら、「3.炎熱の巨獣」に進むことができる。
2.霜巨人の住み家
獣道を4.5km(3マイル)進めばそこには地面から抜いて枝を払っただけの針葉樹を組み合わせた丸太の雪よけがあり、そこには2体のフロスト・ジャイアントが住んでいる。この夫婦はここに昔から住んでいる者たちだ。
巨人たちは自分たちの庭を歩き回る小さな者たちを咎めだてするほどに気位は高いが、それゆえに小さな者たちと事を構えるのは大人げないとも思っている。彼らに適切な“貢ぎ物”(500GP以上の金品)をすれば、戦いは避けられる。貢ぎ物もお追従もない場合、彼らは自分たちの庭でうろつく小さな者たちに仕置きをするため武器を構える。
巨人たちは頂上近くの湖にヒヤメルガシュという名のアダルト・ホワイト・ドラゴンが住んでいることを知ってはいるが、お互い知らぬふりの中立状態を保っている。そのため、ここでドラゴンについて得られる情報は住み家と名前くらいだ。キャラクターたちと友好的に会話できた場合、頂上の近くに“熱を持った大きな虫”がうろついているので注意するようにこの夫婦は話す。
フロスト・ジャイアントたちは300CP、9000SP、1800GP、110PP、銀のゴブレット(125GP)を持っている。
ここからは「1.酷寒の道行き」か「3.炎熱の巨獣」へ進める。
フロスト・ジャイアント
超大型・巨人、中立にして悪
AC:15(つぎはぎの鎧)
hp:138(12d12+60)
移動速度:12m(40フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
23(+6) | 9(-1) | 21(+5) | 9(-1) | 10(+0) | 12(+1) |
セーヴ:【耐】+8、【判】+3、【魅】+4
技能:〈運動〉+9、〈知覚〉+3
ダメージ完全耐性:[冷気]
感覚:受動〈知覚〉13
言語:巨人語
脅威度:8(3900XP)
アクション
複数回攻撃:フロスト・ジャイアントはグレートアックスで2回の攻撃を行なう。
グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+9、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:25(3d12+6)[斬撃]ダメージ。
岩:遠隔武器攻撃:攻撃+9、射程18/72m(60/240フィート)、目標1体。ヒット:28(4d10+6)[殴打]ダメージ。
3.炎熱の巨獣
「2.霜巨人の住み家」から3km(2マイル)、「1.酷寒の道行き」から7.5km(5マイル)進めば、寒いのに地面は熱せられて雪が融けている奇妙な場所に出る。
ここにはルモアハズが住んでおり、キャラクターたちを発見すると視界を遮るほどの大きな虫が出現し、襲いかかってくる。
ここからは「1.酷寒の道行き」か「2.霜巨人の住み家」、「4.崩れる雪」へ進める。
ルモアハズ
超大型・魔獣、無属性
AC:17(外皮)
hp:195(17d12+85)
移動速度:9m(30フィート)、穴掘り6m(20フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
24(+7) | 13(+1) | 21(+5) | 4(-3) | 10(+0) | 5(-3) |
ダメージ完全耐性:[火]、[冷気]
感覚:暗視18m(60フィート)、振動感知18m(60フィート)、受動〈知覚〉10
言語:-
脅威度:11(7200XP)
熱された体:ルモアハズに触れた、あるいは1.5m(5フィート)以内から近接攻撃をヒットさせたキャラクターは10(3d6)[火]ダメージを受ける。
アクション
噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+11、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:40(6d10+7)[刺突]ダメージおよび10(3d6)[火]ダメージ。目標がクリーチャーだった場合、それはつかまれた状態(脱出難易度17)になる。このつかみが終了するまで、目標は動けない状態になり、ルモアハズは他の目標に噛みつきを行なえない。
呑み込み:中型以下のつかんでいるクリーチャーにルモアハズは1回の噛みつきを行なう。攻撃がヒットしたなら、そのクリーチャーは噛みつきのダメージを受け、呑み込まれた状態になり、つかみは終了する。呑み込まれた状態で、クリーチャーは盲目状態および動けない状態になり、ルモアハズの外からの攻撃および他の効果に完全遮蔽を得て、ルモアハズのターン開始時ごとに21(6d6)[酸]ダメージを受ける。
ルモアハズが中にいるクリーチャーから1ターンに30ダメージ以上を受けたなら、ルモアハズはターンの終了時に難易度15の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、呑み込んでいるキャラクターを吐き出し、それらはルモアハズから3m(10フィート)以内の空間に伏せ状態で出てくる。ルモアハズが死んだなら、呑み込まれているクリーチャーへは動けない状態ではなくなり、4.5m(15フィート)の移動距離を費やすことで、死体から出てきて伏せ状態になる。
4.崩れる雪
「3.炎熱の巨獣」から3km(2マイル)進むと、両側に雪が積もった隘路に出る。
この細い道の上にはもちろん雪が積もっており、崩れ落ちてくる危険性がある。1体のクリーチャーが通るごとに1d6をロールし、1の目が出たらそのクリーチャーは難易度15の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗すれば6d6[冷気]ダメージを受け、成功すれば半減ダメージを受ける。
崩れた雪はクリーチャーの上にのしかかり、埋めてしまう。この状態が続くかぎり、キャラクターは1分に1d6[冷気]ダメージを受ける。雪の塊は2000ポンドの重量を持っており、これを取り去るか埋もれたクリーチャーが難易度20の【筋力】判定に成功すれば、雪から脱出することができる。
ここからは「3.炎熱の巨獣」か「5.凍った湖」へ進める。
5.凍った湖
「4.崩れる雪」から4.5km(3マイル)進めば、目の前が大きく開け、凍った湖の前に出る。
ホワイト・ドラゴンのヒヤメルガシュが住んでいるのは山の頂に近い凍った湖だ。直径120m(400フィート)で、彼はその中心部にある小島の洞窟に身を隠している。
湖は氷が張っており、移動困難な地形として扱われる。また、この氷の上に移動したクリーチャーは、それがターン中に初めてならば、難易度10の【敏捷力】〈軽業〉判定を行なわなければならず、失敗したら伏せ状態になる。
ヒヤメルガシュは湖を渡るのに失敗して転げた挑戦者をあざ笑うかのように飛来し、ブレスで攻撃するのを好んでいる。彼は自分が死ぬはずはないと思っているので、最期まで戦う。
ヒヤメルガシュの洞窟には17000GP、900GP、銀の偶像(750GP)、金の仮面(2000GP)、黒曜石の彫像(500GP)がある。
アダルト・ホワイト・ドラゴン
超大型・ドラゴン、混沌にして悪
AC:18(外皮)
hp:200(16d12+96)
移動速度:12m(40フィート)、穴掘り9m(30フィート)、水泳12m(40フィート)、飛行24m(80フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
22(+6) | 10(+0) | 22(+6) | 8(-1) | 12(+1) | 12(+1) |
セーヴ:【敏】+5、【耐】+11、【判】+6、【魅】+6
技能:〈隠密〉+5、〈知覚〉+11
ダメージ完全耐性:[冷気]
感覚:疑似視覚18m(60フィート)、暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉21
言語:共通語、竜語
脅威度:13(10000XP)
氷歩き:ドラゴンは凍った面を能力値判定の必要なく移動や登攀ができる。さらに、氷や雪による移動困難な地形では追加の移動が必要ない。
伝説的抵抗(3回/日):ドラゴンがセーヴィング・スローに失敗した場合、それはその代わりに成功したことを選べる。
アクション
複数回攻撃:ドラゴンは畏怖すべき存在を使用できる。その後、1回の噛みつきおよび2回の爪による3回の攻撃を行なう。
噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+11、間合い10フィート、目標1体。ヒット:17(2d10+6)[刺突]ダメージおよび4(1d8)[冷気]ダメージ。
爪:近接武器攻撃:攻撃+11、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d6+6)[斬撃]ダメージ。
尾:近接武器攻撃:攻撃+11、間合い5フィート、目標1体。ヒット:15(2d8+6)[殴打]ダメージ。
畏怖すべき存在:ドラゴンから36m(120フィート)以内にいてそれを認識しているドラゴンの選択したすべてのクリーチャーは、それぞれ難易度14の【判断力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗したら1分間恐怖状態になる。クリーチャーはそれのターン終了時にセーヴィング・スローを行なうことができ、成功すると自身への効果を終了する。クリーチャーのセーヴィング・スローが成功した場合、あるいはクリーチャーの効果が終了した時、そのクリーチャーは同じドラゴンによる畏怖すべき存在の影響を24時間受けなくなる。
冷気のブレス(再チャージ5~6):ドラゴンは18m(60フィート)の円錐状に凍てつく雹を吐くする。範囲内のクリーチャーはそれぞれ難易度19の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗したら54(12d8)[毒]ダメージを受け、成功したら半分のダメージを受ける。
伝説的アクション
ドラゴンは以下にある3回の伝説的アクションを行なえる。伝説的アクションは1度に1つだけ、別のクリーチャーのターン終了時にのみ使用できる。ドラゴンはそのターン開始時に、使用された伝説的アクションを回復する。
感知:ドラゴンは【判断力】〈知覚〉判定を行なう。
尾撃:ドラゴンは尾による攻撃を行なう。
翼打ち(2アクション分):ドラゴンは翼を羽ばたかせる。ドラゴンから10フィート以内のクリーチャーすべては難易度19の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗したら13(2d6+6)[殴打]ダメージを受けて伏せ状態になる。その後、ドラゴンはその飛行移動速度の半分まで飛行できる。
結末
ヒヤメルガシュを倒せば冒険は終了である。人々からも感謝される。
This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.