2012年04月17日 「暴政によって突如“普通であること”を強要され、異質な者は不快な思いをするだけでなく、危険な目にもあうことになった」 編集
§ [DnD][4e][Liber] マイク・ミアルス、ビル・スラヴィセック、ロドニー・トンプソン『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』
Amazon.co.jpで『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』の予約が始まったので粗く内容を紹介するですぅ。
クラス
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』で紹介されているクラスはウォーロック、ドルイド、パラディン、レンジャーと、『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』の定番構成と比べたら少し独特だけど、“らしい”クラスがチョイスされているですぅ。
これらのクラスはいずれも『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』と同じようにサブクラスがあり、レンジャーがスカウト(撃破役)、ハンター(制御役)の二役構成になってますぅ。
ここでは、それぞれのクラス紹介をするですぅ。
ウォーロック(へクスブレード)
ウォーロックのサブクラス、へクスブレードは、高次の存在と契約して呪文と秘術の力を実体化させた魔剣を授かる撃破役ですぅ。地獄の契約を結んだウォーロックはデヴィルの力を秘めた光をも吸い込む漆黒の剣ブレード・オヴ・アニヒレーション、フェイの契約を結んだウォーロックは冬の諸侯から抜けば玉散る氷の刃ブレード・オヴ・ウィンターズ・モーニングを授かり、これらの武器と呪文を組み合わせて戦う魔法戦士になってますぅ。
クラスの成長によって呪文を習得し、契約によって武器関係が強化されて相棒がもらえると、秘術クラスらしいやれることの幅が広がっていくデザインになってますぅ。得意分野は攻撃パワーが主に何らかの状態を与えること、汎用パワーが逆境からの脱出を得意にしている雰囲気ですぅ。
伝説の道はレジェンダリィ・へクスブレードで、契約で得る特徴を強化していくには必須のものになっていますぅ。
へクスブレードはダメージ種別を持つ攻撃パワーを基礎攻撃の代わりに行なえるので、特定キーワードのダメージを強化するものと突撃を強化するもの、これらの両方に対応した特技やアイテムで攻撃を強化できるのが強みですぅ。
ドルイド(センチネル)
このゲームのドルイドは自然世界(通常PCが住んでいる世界)の原始精霊たちに働きかけ、世界の均衡を守護する者たちと定義されていて、この本ではセンチネルというサブクラスで指揮役になってますぅ。方向性としては、敵や味方に遭遇中ずっと続く効果を与えるパワー、技能判定へのボーナスや移動能力などで特殊な環境に対応できる能力が強いデータになっているですぅ。
センチネルは1レベルで支援重視の春か攻撃重視の夏の自然の相をどちらか選び、方向性の大枠を決定し、オーラで隣接した敵に影響を及ぼせる動物の相棒を得るですぅ。その代わり、無限回パワーは1つしか修得できないですぅ。
あとはレベルが上昇すると回数が増加する動物の相棒との連携攻撃を表現した遭遇毎パワーのコンバインド・アタック、何らかの持続する効果を持つものが多い一日毎攻撃パワー、自分や味方を強化するものが主な汎用パワーを得ていくですぅ。
伝説の道のステッドファスト・センチネルは順当にセンチネルの特徴を強化したり移動困難地形を無視できるようになる他、変装能力であるア・サウザンド・フェイスなど、これまでの版に存在した要素の再現にも力が入っているですぅ。
パラディン(キャヴァリアー)
宿命によって大義を果たすべく召命された聖戦士がパラディンで、信仰パワー源の防衛役ですぅ。防衛能力はディフェンダー・オーラで敵をとらえ、オーラ内の敵から攻撃されない場合はライチャス・レイディアンスでダメージを与え、味方に攻撃がヒットしたら遭遇毎ではあるもののライチャス・シールドでダメージを肩代わりするという、(ライチャス・レイディアンスがやや癖はあるものの)二段構えの構造になっているですぅ。
攻撃面では、攻撃の目標を決定したところで使用して、ミスしてもある程度のダメージを与えるレベルで増加する遭遇毎パワーのホーリィ・スマイトで敵を討つほか、一日毎攻撃パワーを修得してその場に合わせた動きができるようになっているのが特徴ですぅ。
成長の大枠は信奉する徳を献身と武勇から選択するタイプで、お察しの通り献身が防御重視、武勇が受けた痛みを攻撃に転化させるようになっているですぅ。
伝説の道のヴァリアント・キャヴァリアーでは特に合わせた能力強化の他、自分のレベル以下の病気にかからなくなるなど、やはり旧版のこれはという要素が取り込まれているですぅ。
レンジャー(スカウト、ハンター)
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』で紹介されるレンジャーは、自然の生き物を真似た動きを原始から、武器の扱いを武勇からと、ふたつのパワー源から力を得ていることで特殊な動きにデータとしての説得力を持たせたものになっていて、撃破役のスカウト、制御役のハンターとふたつのサブクラスが収録されてますぅ。
いずれのクラスにも共通して、動物を手懐けるための判定や足跡の追跡を行なう判定にボーナスを得るなど“らしい”能力を、パワー枠圧迫しないクラス特徴レベルで得られるのは好感が持てる要素ですぅ。
スカウトはドリッズトなど旧版でおなじみの二刀流軽戦士を再現したサブクラスで、命中重視の軽刀剣類かダメージ重視の斧類のどちらを得意な武器にするか、そして動物の動きを真似た構えで移動や攻撃に恩恵を受けるアスペクト・オヴ・~の構えを選ぶことで大まかなスタイルを決めるですぅ。
二刀流による攻撃は、敵に近接基礎攻撃が命中したらトリガーが発生するパワーのデュアル・ウェポン・アタックで再現されていて、突撃しながら斬るなどもできるようになってますぅ。ダメージ強化はヒットしたら武器のダイス分をダメージに上乗せする遭遇毎パワー(レベル上昇で回数増加)のパワー・ストライクでも行なえますぅ。
伝説の道はイントレピッド・ハンターで、移動速度が上がったりぬるぬるシフトしたり、水泳や登攀を難なくこなすなど、移動面での安定性があがっていくですぅ。
ハンターはボウ類かクロスボウ類のどちらかを選ぶと、攻撃の目標にさまざまな効果を与える“遠隔基礎攻撃を行なう”~・ショットの無限回攻撃パワー、アスペクト・オヴ・~の構え、ダメージを増やして敵を動けない状態にする遭遇毎パワー(レベル上昇で回数増加)のディスラプティヴ・ショットを得るですぅ。
一日毎攻撃パワーは持っていないけど、~・ショットとアスペクト・オヴ・~を組み合わせて行なう攻撃がヒットすれば、目標を伏せ状態にしてそれに隣接した味方が次に行なう攻撃ロールおよびダメージロールに+1パワー・ボーナスなど、細かく支援していけるので、大物狩りで特に安定した強さを発揮するというのは上手くできているですぅ。
伝説の道のピアレス・ハンターになると、~・ショットが強化される他、ハンターズ・グラスピング・トラップという罠を仕掛けるパワーや各種パワーで面に対する制御能力もやや強化されていくですぅ。
神話の運命:ディスティニード・サイオン
この本には、21レベル以降のどんなPCでも恩恵を受けられるようにデザインされたディスティニード・サイオンという神話の運命が収録されているですぅ。
任意の能力値上昇、攻撃ボーナスとセーヴィング・スローのボーナス、ヒット・ポイントが0でターンを開始したところで回復して立ち上がるエピック・リカヴァリィと、攻撃を自動命中させるアンデニアブル・ヴィクトリィの一日毎パワーと、『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』のインドミタブル・チャンピオンより攻性の汎用要素でまとめられているですぅ。
種族
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』に収録されている種族は、悪魔の血を引き地獄の炎を操るティーフリング、地底からやってきたダーク・エルフのドラウ、竜人族ドラゴンボーン、器用でタフなハーフエルフ、強い野性を秘めたハーフオーク、おなじみのヒューマンで、『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』より個性的な面々が揃っているですぅ。
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』と同じく1種族あたりの説明は6ページで、データに加えて身体的特徴、精神性、その種族はどんな共同体に住んでいるのか、典型的冒険者、ロールプレイの指針といった紹介がまとめられているですぅ。
技能
技能の章では技能の使いみちや難易度などがまとめられていて、プレイするときはこれ一冊でもだいたい把握できるようになっているですぅ。
特技
特技は『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』の再録が多いけど、完全新規も13個あるですぅ。やはり前提条件の無いものや能力値を前提にしたものばかりなので1レベルのPCでも最初からたくさん選択肢がある上、武器や装具の種別に応じて攻撃ロールへのボーナスに加えて特典が得られる練達シリーズなど、PCの個性化にも有効なものがそろっているですぅ。○○に加えて△△という特技が多いので、特技の利益を得たと感じる時が多いのもいいところですぅ。
装備と武器
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』と同じく、『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』でも鎧、武器、そして冒険で使うための装備が一通り紹介されているですぅ。魔法のアイテムはラックブレードやフレイム・ブレイサーズなど、結構ラインナップが入れ替わっているですぅ。
日本語版独自要素
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』日本語版には『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』日本語版同様、付録としてWotCの公式サイトで『プレイヤーズ・ハンドブック』のクラスを新書式でサブクラスとして紹介していたClass Compendiumなど、プレイエイド記事の和訳が掲載されるそうですぅ。
これにはおそらく『プレイヤーズ・ハンドブック』のクラスからウォーロード、ウォーロックが、他にもDragon Magazineからこの本に収録されたクラス用のもろもろが収録されるはずですぅ。
既存ユーザ向け要素
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』収録クラスの中ではレンジャー(ハンター)が遠隔基礎攻撃にさまざまな効果を付与する能力なので、『冒険者の宝物庫2』の矢弾やマルチクラスと組み合わせ、色々なコンボを組む足がかりにちょうどいいという印象を受けたですぅ。
パラディン(キャヴァリアー)も、『Heroes of Shadow』があるのでパワーのレベルで攻撃を少し重視したりして、細かく遊べるですぅ。
まとめ
データの読み方は以前書いた『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』の紹介に譲るとして、『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』からひしひしと伝わってきたのは、神話やファンタジィ小説、映画など他メディアの物語を再現することもさることながら、“ダンジョンズ&ドラゴンズの”ドルイドを、パラディンを、レンジャーを再現することにたいへん心を砕いていることですぅ。
これはD&D Nextについてのもろもろで何度も繰り返されているように、旧版で遊んでいた人が「パラディンは病気にならなくってなあ」という思い出話をした時、それが思い出話で終わるのか、現役プレイヤも理解できてそれをネタに話が転がり、もう一度プレイしてみようかと思わせるフックになるかの分岐点であることを強く意識したものだと感じられたですぅ。
そしてこうやって過去を再現したクラスの中に4eで標準クラスになったウォーロック(へクスブレード)やティーフリング、ドラゴンボーンといった種族が入っているのは、旧交を温めながら“現在の”ゲームも提示しているとも取れ、『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』が復古の一冊であるなら『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』はそこから現在のゲームへ繋いでいく意欲を持って編まれた一冊だと位置づけることもできると考えたですぅ。
2013年04月17日 おそらく、彼はそういった態度がユニークだと思っているからであろう。 編集
§ [Promiscuus] 国際FAXサービス
所用で国際FAX使う機会が発生しそうだったのでセブンイレブンのコピー機で使えるか調べたらだめだったけど、ファミリーマートとローソンのでは国際送信できるようだったので一安心ですぅ。
2014年04月17日 編集
§ [Promiscuus] A CONTACTあるいはDEATH
イデオンの接触篇を観ていると、この作品は物語を展開するのではなく、発動篇を始める前に主要キャラをランウェイに立たせ、これはこういう人となりなのだと前提になる要素を紹介するためのパートになっていると感じることが大きいですぅ。
これを前提にするとキッチ・キッチンの死がコスモの眼前で起こったのも、テレビ版では執拗に描かれていたけど劇場版ではそこまで尺が取れない、逃げ込めたかもしれない外界を衝撃的な形で完膚なきまでに破壊し、もう彼らにはソロシップしか居場所がないと示す通過儀礼だと考えることができますぅ。
そして接触篇の人物紹介パートという成分をテロップや弦楽四重奏のパートでより表面に出してきたのが劇場版エヴァのDEATHなのだというのを常々考えているですぅ。
2015年04月17日 編集
§ [DnD][4e] 2013年11月17日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル28):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ28):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ28):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター28):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
ウィーヴァーたちの都市で一休みしているとき、異変は起こった。物質界すべての海が泡立つように荒れ始め、死者がアンデッドとしての蘇生を始めたのだ。この急報を神々からの声で聞いた一行は、同じく星幽界の辺境に位置する何かの神の骸ともいわれる岩塊が怪しいとみて急遽飛び立った。
同じ辺境であるゆえ一日でそこへ降り立つと、そこには生まれることがなかった神の骨と皮でできた遺骸、アトロパル・デススクリーマーが、この宇宙ではないところから訪れた異形のドゥーム・ハルクと、マインド・スラッシャーを従えて待ち構えていた。
「ツギノ、セカイデ、カミニナル」などのうわごとを発しながら迫ってくるアトロパルたちには、戦場を駆け回るアゼリと後ろで泰然と呪文を詠唱するエスペランザが状態異常を叩き込み、グスタフがダメージを与え、セヴンが適宜味方を再行動させていた。
最後はそれでも押し込んでくる敵と乱戦になるがアゼリが守り通して戦いは冒険者側が制した。しかし、ここはまだ外周部に過ぎない。複数の次元界が折り畳まれた複雑な迷宮になっている内部は技能チャレンジになっていたが、もはや28レベル。危なげなくクリアすると、次の空間へと放り出された。
次元界回廊を抜けたパーティがいたのは、密林だった。茂みのそこかしこからサーペント・オヴ・ニハルが這い出てきて、生きとし生けるものの正気を餌にするサニティ・サイフォンが徘徊し、近づいたものを吸い込む次元の亀裂が行く手を遮る、異形の密林である。
エスペランザの開幕爆撃をサーペント・オヴ・ニハルはそのパワーでかわして29レベル雑魚の維持を見せるが、所詮は雑魚。ふたたび戦場に出てくれば足止めにしかならず、タイム・ストップやAC以外の防御値を狙うことに集中したサニティ・サイフォンがやや冒険者を苦しめるも袋叩きになり、戦闘は終わった。
次元の亀裂を避けながらさらに奥へ進むと、サニティ・サイフォンとそれを従える“目玉の暴君”ことビホルダーの中でも最悪の一種、異なる宇宙の力をその身に宿し現実改変の力まで持つヴォイドスフィア・ビホルダーが、湖の中でとぐろを巻く長大な“龍”を見下ろし、その移ろう様子を観察していた。
そしてこの多重次元迷宮を創造した“目玉の暴君”は厳かに宣言する。
「リヴァイアサン。それがまどろむうたかたの凪こそが宇宙で、目覚めると宇宙は終わると伝えられる龍王。夢が現となる“ここ”ではそれすらも創造できる。この世界を夢みる龍王に夢を囁くわしこそが秩序の制定者であるがゆえに」
夢と現の境が曖昧なほつれた次元の元凶はウィーヴァーから盗んだ円盤の力の余波でアスペクト・オヴ・リヴァイアサンを見つけ出したビホルダーたちだったのだ。しかも、彼らの次の一手はアスペクトの力を借りて夢見るリヴァイアサンを起こし、宇宙を再創造することだった。そんなことは許さんとばかりにエスペランザはメイズをアスペクト・オヴ・リヴァイアサンへ放って迷宮次元に放逐し、まずは彼らの目的達成手段を奪った。しかる後にプレイヤがその能力を恐れるヴォイドスフィア・ビホルダーへ集中攻撃が加えられ、奇しくもエミッサリー・オヴ・カイフォンが横で善戦しながら全滅。メイズから戻ってきたアスペクト・オヴ・リヴァイアサンはパーティ全員で宥めて再封印し、ここに宇宙再創世の危機は免れたのだった。
今回のセッションは導入部の記憶がかなり曖昧なので、これでよかったのかちょっとわからないですぅ。
しかし、今回の最終戦闘はドラゴンやビホルダーなどの有名どころはプレイヤも危機感を持つから取り巻きが少ないと一ラウンド生き残れないことを見事に証明してしまい、もうちょっと何かいさせてもよかった気がしないでもないですぅ。
2021年04月17日 編集
§ [DnD][5e] アドベンチャー:放たれた刃(1~3レベル)
今週の小冒険も少人数用のシティ・アドベンチャーですぅ。
データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
また、現在イエローサブマリンさんに第5版用のアドベンチャー集『駆け出し勇者の小冒険』を1650円(税込)にて依託中ですぅ。さくっと遊べるシナリオをお探しの方は是非ですぅ。
冒険の概要
この冒険は1~3レベル程度のキャラクター1~2人向けの短時間で終わるアドベンチャーである。
港町スリカトゥの衛士隊は、近頃町で暗躍していた殺し屋集団、緋色の牙へ手入れを行なった。
しかし、構成員の数名を取り逃がしてしまい、その中でもヒャルツという刺客はこの町を訪れている旅芸人一座の役者、ジョゼの暗殺以来を請けたままである。
義理堅く恨みを忘れない性格のヒャルツは、衛士隊への腹いせとしてより派手な手段でジョゼの命を奪おうと、彼が出演する芝居での暗殺決行を決意している。
キャラクターたちは緋色の牙の継続捜査を命令される。ヒャルツを追い、捕えることができれば冒険は成功となる。
衛士隊についての詳しい情報は、「アドベンチャー:落書き事件(1~3レベル)」を参照すること。
冒険への導入
キャラクターたちが所属する衛士隊はスリカトゥに係留されている難破船のひとつにある、暗殺集団緋色の牙の隠れ家を制圧した。
しかし、所属する刺客の数名が隠れ家から離れており、キャラクターたちはその中のひとり、ヒャルツという男の継続捜査を隊長のエリムに命じられる。
ヒャルツはジョゼの暗殺を捜査が始まった日の夜に行なわれる芝居の舞台で行なおうとしている。捜査開始時からの猶予は10時間である。これはプレイヤーたちに伏せておくこと。
PCが1人の場合、エリムは衛士のシグナーを同行させる。彼は今年17歳になるヒューマンの男性で、武器の訓練も兼ねて衛士に志願している。属性は中立にして善。基本的にキャラクターの考えを尊重するが、悪の行動を取ろうとした場合、ひと言止めに入る。データは衛兵のものを使う。
衛兵
中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性
AC:16(チェイン・シャツ、シールド)
hp:11(2d8+2)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
13(+1) | 12(+1) | 12(+1) | 10(+0) | 11(+0) | 10(+0) |
技能:〈知覚〉+2
感覚:受動〈知覚〉12
言語:任意の言語1つ(ほとんど共通語)
脅威度:1/8(25XP)
アクション
スピア:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートまたは射程30/120フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[刺突]ダメージ、あるいは両手持ちでの近接攻撃の場合5(1d8+1)[刺突]ダメージ。
1.継続捜査開始
ヒャルツについては以下のことが既に調査済みである。
緋色の牙の隠れ家にあった押収品によれば、彼はヒューマンの男性で、裏の仕事について一通りの訓練を受けた者である。うぬぼれ屋で何らかの痕跡を残すことを誇りとする人物だ。彼は暗殺の依頼を受け、隠れ家を離れていた。
他の押収された資料はまだ他の衛士たちも解読に手間がかかっている。キャラクターも手伝うなら難易度12の【知力】判定を行なうこと。暗号や隠語が多く含まれているからだ。この判定を1回行なうには1d4時間がかかる。
資料の解読に成功すれば、ヒャルツの目標が、今町を訪れている旅芸人のジョゼ、決行は今日の夜、舞台の最中に殺すよう指定されたものだとわかる。
2.ジョゼを探せ
スリカトゥは交易の町でもあるため、旅芸人なども多くいる。彼らの中からジョゼを探し出すのはなかなかの仕事だ。
ジョゼの居場所を調べるのに必要な難易度は13である。町の出入りの名簿類を洗うなら【知力】、町の人々に話を聞くなら【知力】などが妥当だろう。この判定を1回行なうには1d4時間がかかる。
判定に成功すれば、ジョゼは旅芸人ラスマカス一座におり、一座は町外れの倉庫を宿舎兼練習場として借りていることがわかる。
3.旅芸人ラスマカス一座
これまでの捜査で10時間が経過しているなら、ここでの展開は大きく違うものになる。ヒャルツは暗殺を成功し、ラスマカス一座にはジョゼの遺体が横たえられているのだ。この場合、ヒャルツは市門の外へと逃亡しつつある。難易度20の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、追跡してけりをつけることができる。
ラスマカス一座は座長のラスマカス率いる、芝居と曲芸の旅芸人一座である。ラスマカス(斥候のデータを使用)は鼻の頭が赤い中年のハーフリングの男性で、曲芸を得意としている。
ジョゼ(貴族のデータを使用)は一座の看板女優で、短めに切った薄茶色の髪を持つ中性的なエルフの女性である。
一座には他に役者や裏方が10名ほどいる(一般人のデータを使用)。
ラスマカス氏は事情を話しても、今回の公演は一座の今後を賭けた重要なものだと渋る。
ジョゼは怖いもの知らずゆえ、自分をおとりにしてヒャルツを捕らえるのはどうかとキャラクターたちに提案する。
ジョゼの提案に乗るなら、キャラクターたちはそれぞれ客席で待機するか役者のふりをするのか選ぶこと。役者のふりをするなら、難易度10の【知力】判定で、舞台の賑やかしに出てくる村人の台詞を覚えてもよい。こうした場合、「4.死の舞踏」での【魅力】〈芸能〉判定に有利を得る。
キャラクターたちが他の方法を提案するなら、GMは「4.死の舞踏」にあるヒャルツの行動なども参考にしながら遭遇を組み立ててほしい。
一般人
中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性
AC:10
hp:4(1d8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
10(+0) | 10(+0) | 10(+0) | 10(+0) | 10(+0) | 10(+0) |
感覚:受動〈知覚〉10
言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)
脅威度:0(10XP)
アクション
クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。
貴族
中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性
AC:15(ブレストプレート)
hp:9(2d8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
11(+0) | 12(+1) | 11(+0) | 12(+1) | 14(+2) | 16(+3) |
技能:〈看破〉+4、〈芸能〉+5、〈ペテン〉+5
感覚:受動〈知覚〉12
言語:任意の言語2つ
脅威度:1/8(25XP)
アクション
レイピア:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。
リアクション
受け流し:貴族はそれにヒットした1回の近接攻撃に2のACを加算する。そのためには貴族が攻撃者を視認可能で近接武器を使用している必要がある。
斥候
中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性
AC:13
hp:16(3d8+3)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
11(+0) | 14(+2) | 12(+1) | 11(+0) | 13(+1) | 11(+0) |
技能:〈隠密〉+6、〈自然〉+4、〈生存〉+5、〈知覚〉+5
感覚:受動〈知覚〉15
言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)
脅威度:1/2(10XP)
鋭敏聴覚・視覚:斥候は視覚と聴覚を使う【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。
アクション
複数回攻撃:斥候は2回の近接攻撃あるいは2回の遠隔攻撃を行なう。
ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。
ロングボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程150/600フィート、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ。
4.死の舞踏
捜査開始から10時間後、舞台の幕が上がる。会場はこの町の裕福な商人たちが資金を出し合って作った公会堂で、身なりの良い観客も訪れている。
劇のあらすじはジョゼ演じる漂泊の剣士が盗賊団に狙われた村の用心棒をするというもので、派手な剣戟が見せ場だ。
ヒャルツ(諜報員のデータを使用)は舞台に乱入できる最前列に陣取っており、剣戟の場面に乱入してジョゼを殺害し、最初からの段取りであるかのように逃げ出す計画を立てている。その後はさっさと町を出て行き、この武勇伝を利用して近くの町で仕事をするつもりだ。
戦闘になった場合、キャラクターがターン開始時に難易度10の【魅力】〈芸能〉判定に成功し続ければ、暴漢の乱入ではなくすべては劇の演出だったことにできる。
諜報員
中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性
AC:12
hp:27(6d8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
10(+0) | 15(+2) | 10(+0) | 12(+1) | 14(+2) | 16(+3) |
技能:〈隠密〉+4、〈看破〉+4、〈説得〉+5、〈捜査〉+5、〈知覚〉+6、〈手先の早業〉+4、〈ペテン〉+5
感覚:受動〈知覚〉16
言語:任意の言語2つ
脅威度:1(200XP)
急所攻撃(1回/ターン):目標に有利を得た、あるいは目標が無力状態にない諜報員の味方から5フィート以内にいる場合、攻撃ロールで目標に武器攻撃がヒットしたなら、諜報員は追加で7(2d6)ダメージを与える。
狡知のアクション:これのすべてのターン、諜報員はボーナス・アクションとして疾走、離脱、あるいは隠れ身アクションを取れる。
アクション
複数回攻撃:斥候は2回の近接攻撃を行なう。
ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。
ハンド・クロスボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程30/150フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。
結末
ヒャルツを倒したなら、衛士としての任務は成功だ。彼から事情を聞き出せば、依頼主はラスマカスの成功を妬んだ同業者だとわかる。
ジョゼの殺害を阻止したならジョゼとラスマカスから大変感謝され、30gpの礼金をもらえる。舞台での戦闘中に【魅力】〈芸能〉判定を成功させた場合、迫真の舞台は大評判となる。キャラクターたちはラスマカスから役者にならないかと声をかけられる。
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