ネコぶんこ


2023年09月09日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:砂に埋もれた墓所(3レベル)

今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

黄塵の砂漠と呼ばれる砂漠地帯には、色々な遺跡が埋もれている。今回キャラクターたちが挑むのは、かつてこの辺りで栄えた文明の司祭が葬られている墓所だ。

墓所にはさまざまな守護者が配置され、司祭その人がアンデッドと化したマミーも住んでいる。キャラクターたちは財宝の噂を聞き、この墓所へ挑むことになる。

キャラクターたちが墓所に挑み、財宝を得たら冒険は終了である。

冒険への導入

このアドベンチャーは黄塵の砂漠と呼ばれる砂漠地帯にある街から始まる。キャラクターたちは、かつて栄えた文明の司祭が葬られている墓所の噂を聞く。

かつて栄華を誇ったマリヨス王の時代、地位のある者たちは遙か未来での復活を信じて自らの死体に防腐処理を行ない、財宝とともに墓所に葬られた。

今回、そのような墓所が砂漠の中で見つかった。見つけたのは駆け出しの冒険者たちだが、既に冒険を済ませて物資も体力も限界が近かったため、その情報を街でキャラクターたちに教えてくれたのだ。

キャラクターたちはこの情報に従って、砂漠を旅して墓所へ向かうことになる。

1.旅路

くだんの墓所は街から50kmほど先だ。砂漠は風が強く、身を隠す場所は少なく、水も少ない。片道3日(砂漠の荒れ地は移動困難な地形で、1日18kmしか移動できないものとする)分の水や食料を準備する必要がある。

砂漠の移動中、1日の間道に迷わず移動するには、難易度13の【判断力】〈生存〉判定に成功しなければならない。失敗した場合、1時間かけて再挑戦できる。

2.墓所の入口と門番

50kmの旅をしたら、砂山のふもとに沈んだ黄色い砂岩の構造物を発見できる。ここが墓所の入口だ。

近づくと四角く切りそろえられた砂岩の建造物があり、閉ざされた一枚岩の扉がある。扉には取っ手ひとつなく、その正面には扉に向かって手を捧げるように上げた石像があり、その足元には朽ち果てた人型生物の頭蓋骨がある。

扉を開ける条件は、この像を今置かれている場所から移動させることだ。しかし、像はガーゴイルで、キャラクターたちが触れると活性化して襲いかかってくる。

ガーゴイル

中型・エレメンタル、混沌にして悪


AC:15(外皮)

hp:52(7d8+21)

移動速度:30フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 11(+0) 16(+3) 6(-2) 11(+0) 7(-2)

ダメージ耐性:アダマンティン以外の非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、あるいは[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、石化状態、毒状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:地界語

脅威度:2(450XP)


外見偽装:ガーゴイルは動かないかぎり、ただの像と見分けがつかない。

アクション

複数回攻撃:ガーゴイルは1回の噛みつきおよび1回の爪で、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

3.回廊

墓所の中の空気は冷たく乾いており、しんとしている。通路の幅は3m(10フィート)、高さは4.5m(15フィート)、照明はなく“暗闇”である。

回廊はまっすぐ奥に続いており、途中で左に折れる通路がある。また、難易度13の【判断力】〈知覚〉判定に成功すると、どこからかすきま風を感じる。難易度15の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、隠し扉を発見できる。GMはすきま風を感じたキャラクターに、隠し扉を見つけるための判定に有利を与えてもよい。

左の通路に進む場合「4.葬祭の間」、奥へ進むなら「6.控えの間」、隠し扉を調べるなら「5.隠し部屋」へ進むこと。

4.葬祭の間

ここは墓所に葬られた者に生者が祈りと供物を捧げるための場所だった。壁には3m(10フィート)四方ほどの未来の国で復活している死者たちの彩色された浮き彫りがある。これを壁面から剥がして持って帰るキャラクターがいるなら、街で2500gpで売ることができる。

浮き彫りと差し向かいには砂岩で作られた祭壇があり、そこには乾燥してボロボロになった花や果物の残骸が敷き詰められている。これらをどけてみるなら、そこにはアクアマリンが散りばめられた黄金製の腕輪がある。これは250gpの値打ちものだ。

5.隠し部屋

隠し扉に鍵や罠はない。扉の中は通路がしばらく続いた先にがらんとした広い部屋があり、砂岩から削り出された棺が安置されている。棺の蓋と本体の間には封印のためか文様の描かれた布きれが貼られており、厳重に封印されているのがわかる。

キャラクターたちが封印を剥がしたなら、棺の蓋を開けてマミーが立ち上がる。このマミーは女性で、ハナシュトラという名を持つこの墓所の主だ。彼女はキャラクターたちのことを未来の国で自分を迎えに来た使者と思うため、主人としての態度を取る。

ハナシュトラはキャラクターたちに副葬品の黄金を気前よく(1人100gp)振る舞うと、自分を未来の国の都へ連れて行くように言う。今の時代は彼女の信仰する教えがいう未来の国ではないが、キャラクターたちがぼろを出さない限り彼らの言うことを信用する。彼女を案内して外界に出るなら、ハナシュトラはキャラクターたちにとって気前のよい後援者となるだろう。

もしキャラクターたちがここは未来の国ではなく、自分たちは遺跡を探索していただけだと本当のことを言うと、彼女は憤慨するが、器の大きいところを見せようと再び布きれを棺に貼って封印するなら危害は加えないと言う。

問答無用でマミーを倒したなら、遺骸は崩れ去り、棺の中には副葬品の2000gpが見つかる。

マミー

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:11(外皮)

hp:58(9d8+18)

移動速度:20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 8(-1) 15(+2) 6(-2) 10(+0) 12(+1)

セーヴィング・スロー:【判】+2

ダメージ脆弱性:[火]

ダメージ耐性:非魔法攻撃による[殴打]、[斬撃]および[刺突]

ダメージ完全耐性:[死霊]、[毒]

状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、毒状態、麻痺状態、魅了状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10

言語:生前に知っていた言語

脅威度:3(700XP)


アクション

複数回攻撃マミーは戦慄の視線に加え、腐敗の拳による1回の攻撃を行なう。

腐敗の拳:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[殴打]ダメージおよび10(3d6)[死霊]ダメージ。目標がクリーチャーの場合、難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければマミーの腐敗の呪いを受ける。この呪いを受けている間目標はヒット・ポイントを得られず、24時間毎にヒット・ポイントの最大値が10(3d6)減少する。この呪いで目標のヒット・ポイントの最大値が0になった場合、目標は死に、その肉体は塵と化す。この呪いはリムーヴ・カースやその他の魔法によって解除できる。

戦慄の視線:マミーは60フィート以内の視認できるクリーチャー1体をこれの目標にできる。目標はマミーを視認可能ならこの魔法に対する難易度11の【判断力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗するとマミーの次のターン終了時まで恐怖状態になる。目標が5以上の差でセーヴィング・スローに失敗した場合、同じ間さらに麻痺状態になる。このセーヴィング・スローに成功した目標は、24時間の間すべてのマミー(マミー・ロードを除く)の“戦慄の視線”に対する完全耐性を得る。

6.控えの間

通路の先には広い部屋になっており、四方には石造りの燭台がある。突き当たりには観音開きの扉があり、その手前には魔法円が描かれ、その中には防護のために召喚されているヘル・ハウンドがうずくまっている。

部屋の隅には何体か分の人型生物の骨が積み重ねられている。

観音開きの扉を開こうとすると、キャラクターたちに魔法円の中からヘル・ハウンドが飛びかかり、部屋の隅にある骨が4体のスケルトンになって退路を塞ぐ。ヘル・ハウンドとスケルトンは倒れるまで戦う。

扉の先に進むなら、「7.棺の間」へ進む。

スケルトン

中型・アンデッド、秩序にして悪


AC:13(ぼろぼろの鎧)

hp:13(2d8+4)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 14(+2) 15(+2) 6(-2) 8(-1) 5(-3)

ダメージ脆弱性:[殴打]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:消耗状態、毒状態

感覚:暗視30フィート、受動〈知覚〉9

言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程80/320フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

ヘル・ハウンド

中型・フィーンド、秩序にして悪


AC:15(外皮)

hp:45(7d8+14)

移動速度:50フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
17(+3) 12(+1) 14(+2) 6(-2) 13(+1) 6(-2)

技能:〈知覚〉+5

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉15

言語:地獄語を理解できるが話せない

脅威度:3(700XP)


鋭敏聴覚・嗅覚:ヘル・ハウンドは聴覚と嗅覚による【判断力】〈知覚〉判定に有利を受ける。

群狼戦術:少なくとも1体のヘル・ハウンドの味方がクリーチャーから5フィート以内にいて、その味方が無力状態でない限り、このヘル・ハウンドはそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:7(1d8+3)[刺突]ダメージに加え7(2d6)[火]ダメージ。

火のブレス(再チャージ5~6):ハウンドは15フィートの円錐状に火を噴射する。この範囲内すべてのクリーチャーは難易度12の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら21 (6d6) [火]ダメージを、成功すれば半減ダメージを受ける。

7.棺の間

部屋の中にはさまざまなコインが敷き詰められており、その中心に文様が描かれた布きれで封印された木製の棺がある。ランタンを持って入ったら明かりがコインに反射し、きらびやかに輝く。

ここには200pp、4200gp、2000sp、700cpのコインがある。

棺の中には白骨死体が入っており、両手にそれぞれ250gpの黄金の腕輪をつけ、500gpの黄金のサンダルを履いている。

結末

キャラクターたちは財宝を手に入れることができただろうか。あるいは、本当の墓所の主と遭遇してしまっただろうか。

いずれにせよ、この冒険を楽しめたなら幸いである。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。