2023年09月30日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:ベンターの隧道(3レベル)
今週の小冒険は3レベルのキャラクター4人用ですぅ。
データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
冒険の概要
この冒険は3レベルのキャラクター4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。
キャラクターたちが滞在している町の近くには、ベンターの隧道と呼ばれている洞窟がある。昔、ベンターという山師が掘り進めた鉱山らしいが、何が掘れるのか、中がどうなっているか誰も知らない。
実はこの洞窟からは、ミスリルが採掘できる。ベンターは1人でこれを行ない、大もうけをしていたのだ。そして彼は外敵から守るために情報を秘密にし、各所に番人や罠を仕掛けた。何年も前にベンターは死んだが、洞窟の防衛機構は生きている。
財宝があるという噂を聞いたキャラクターたちが隧道に挑み、ミスリルを見つけたら冒険は終了である。
冒険への導入
キャラクターたちが滞在する町の近くに、ベンターの隧道という小さな洞窟がある。ずいぶん昔にベンターという男が掘り進めた洞窟で、今は主もおらずうち捨てられている。
ベンターは愛想が悪いが羽振りはよかったという話が残っており、町では彼は隧道で一山当てたのだと噂され、キャラクターたちが滞在する宿の主も暇なら行ってみてはどうかと提案する。
1.隧道へ
ベンターの隧道は町から16km(10マイル)ほど離れた山あいにある。直接行ける道はないが、近隣の村々を繋ぐ道から外れた場所なので、行くだけで冒険になる場所ではない。
GMは旅の途中にランダム遭遇を起こしてもよい。
2.入口
ベンターの隧道の入口は、扉で塞がれている。扉は金属製の枠に木を打ち付けたもので、主が去ってからこの洞窟に人が入らないよう守り続けている。
扉の金属部は腐蝕が進み、鍵穴も錆で埋まってしまっているため、力ずくで壊すしかない。扉のACは15、hpは18。【筋力】判定でこじ開けるなら難易度は16である。
3.細い通路
隧道の幅は3m(10フィート)、高さも3m(10フィート)、照明はない“暗闇”である。
通路はゆるやかに下りながらまっすぐ続いている。途中にいくつか岩がごろりと転がっているが、これらのうち2つは擬態したつがいのグリックである。彼らは隧道が塞がれてからは小さな虫などで飢えをしのいでいたので、キャラクターたちが通り過ぎようとすると喜び勇んで襲いかかってくる。
グリック
中型・怪物、真なる中立
AC:14(外皮)
hp:27(6d8)
移動速度:9m(30フィート)、登攀9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
14(+2) | 14(+2) | 11(+0) | 3(-4) | 14(+2) | 5(-3) |
ダメージ耐性:非魔法的な攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]
感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉12
言語:-
脅威度:2(450XP)
石への擬態:グリックは岩がちな地形での【敏捷力】〈隠密〉判定に有利を得る。
アクション
複数回攻撃:グリックは触手で1回の攻撃を行なう。それがヒットしたなら、グリックは同じ目標にくちばしで1回の攻撃を行なえる。
触手:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[斬撃]ダメージ。
くちばし:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:9(2d6+2)[刺突]ダメージ。
4.休憩所
通路を下ると天井は低いままだが、縦横18m(60フィート)ほどの部屋がある。
この部屋の隅にはベッドロールが3組とランタン、樽がいくつか置いてある。樽の中身は空のものもあるが、干した果物や穀物が底に少しだけ残っているものもある。
この部屋を調べるなら難易度10の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、ベッドロールの近くに帳面が落ちており、そこには「3回目の調査でようやく有望な鉱脈が見つかった」、「あのバカ兄弟にはうんざりだったが、見つかればこっちのものだ」、「あいつらの始末をした、番人も呼んだ、すべて上手くいった」、「4回目の調査、失敗。ここはもう潮時か」と書かれているのを読み取れる。
通路は一旦ここで途切れ、壁に穿たれた4本の通路に枝分かれしている。一番左の通路、左から2番目の通路、一番右の通路に行くなら「5.外れの突き当たり」へ、左から3番目の通路に行くなら、「6.さらなる扉」へ進むこと。
5.外れの突き当たり
通路は30m(100フィート)ほど進むと横に少しずつ掘られているが、そこで終わっている。ここは外れだったようだ。
6.さらなる扉
この通路は60m(200フィート)ほど先があり、突き当たりには木造りの扉がある。その前にはとても不機嫌そうな顔をしたひげ面の悪魔、ビアデッド・デヴィルが1体と、その傍らに青白い顔をした非実態のアンデッド、スペクターが2体いる。キャラクターたちが来たら悪魔は口で地獄語の悪態をつきながらグレイヴを構え、スペクターたちは抗議するような恨めしそうな顔で近づいてくる。
通路を立ち去るようならモンスターたちは追撃してこない。奥の扉に鍵はかかっていない。
スペクター
中型・アンデッド、混沌にして悪
AC:12
hp:22(5d8)
移動速度:0フィート、飛行50フィート(ホバリング)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
1(-5) | 14(+2) | 11(+0) | 10(+0) | 10(+0) | 11(+0) |
ダメージ耐性:[酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴]、[冷気];非魔法的攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]
ダメージ完全耐性:[死霊]、[毒]
状態完全耐性:気絶状態、拘束状態、消耗状態、石化状態、つかまれた状態、毒状態、伏せ状態、麻痺状態、魅了状態
感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10
言語:生前に知っていた言語すべてを理解できるが話せない
脅威度:1(200XP)
非実体移動:スペクターはクリーチャーや物体の占める空間を移動困難地形として通り抜けることができる。物体の中でターンを終えたなら、5(1d10)[力場]ダメージを受ける。
陽光過敏:陽光の下で、スペクターは攻撃ロール、視覚による【判断力】〈知覚〉判定に不利を得る。
アクション
生命力吸収:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(3d6)[死霊]ダメージ。目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、ヒット・ポイント最大値を受けたダメージと同じだけ低下させる。この低下は目標が大休憩を終了するまで持続する。この効果によって最大ヒット・ポイントが0以下になった場合、目標は死亡する。
ビアデッド・デヴィル
中型・フィーンド(デヴィル)、秩序にして悪
AC:13(外皮)
hp:52(8d8+16)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
16(+3) | 15(+2) | 15(+2) | 9(-1) | 11(+0) | 11(+0) |
セーヴィング・スロー:【筋】+5、【耐】+4、【判】+2
ダメージ抵抗:[冷気];非魔法的な銀製のもの攻撃による[殴打]、[斬撃]、および[刺突]
ダメージ完全耐性:[毒]、[火]
状態完全耐性:毒
感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉10
言語:地獄語、テレパシー120フィート
脅威度:3(700XP)
悪魔の瞳:魔法の暗闇はデヴィルの暗視を阻害しない。
堅忍:視認可能な味方のクリーチャーが30フィート以内にいる限り、デヴィルは恐怖状態にならない。
魔法抵抗:デヴィルは呪文およびその他の魔法効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。
アクション
複数回攻撃:デヴィルは1回のひげおよび1回のグレイヴで、2回の攻撃を行なう。
ひげ:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ1分間毒状態になる。これによって毒状態になると、目標はヒット・ポイントを回復できなくなる。目標はターンの終了時毎にふたたびセーヴィング・スローを行なうことができ、それに成功したら効果を終了する。
グレイヴ:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い10フィート、目標1体。ヒット:8(1d10+3)[斬撃]ダメージ。目標がアンデッドあるいは人造以外のクリーチャーなら、それは難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、地獄の傷によりターンの開始時に5(1d10)ヒット・ポイントを失う。デヴィルによる攻撃が傷を持つ目標にヒットするたび、傷によるダメージは5(1d10)増加する。クリーチャーは1回のアクションで難易度12の【判断力】〈医術〉判定を行ない、傷を塞ごうと試みることができる。目標が魔法による治癒を受けると、傷は閉じる。
7.ミスリルの小部屋
扉の先には9m(30フィート)四方ほどの部屋があり、ツルハシや金槌が置かれている。壁面は薄く光る青白い金属が露出している。難易度12の【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、これが伝説の金属、ミスリルの鉱脈だとわかる。
ここで採掘を行なえば、あと5000gp分のミスリルを掘ることができる。
結末
キャラクターたちは隧道の真実にたどり着けただろうか。そして、そこにあった財宝をどう活用するだろうか。
この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。