2010年09月16日 「ただ、人間と云うのは小賢しい生き物だから、それでは納得できないのだ。そこで人は朧げな偶然と偶然の点と点を線で結んで、蜘蛛が巣を張るように明瞭とした像を造りたがる。綺麗な像になった場合を必然と呼び、歪な像になった場合を蓋然と呼ぶ。ただそれだけのことだ。その蜘蛛の糸――理を外してしまえば、世界は渾沌とした偶然の集積に外ならないのだよ」 編集
§ [Ludus][ALF] マカロニ・ウェスタン風シナリオタイトル決定チャート
シナリオクラフト用にでも使えればと、定型処理っぽいマカロニ・ウェスタンの邦題風にシナリオタイトルを決定するチャートを10分くらいで作ったのでせっかくだから公開するですぅ。適当にダイスを振るだけで、暴力あふるる安っぽい荒野にいる気分を味わえるかもしれないですぅ。
とりあえずやってみたら、『さいはての兄弟』なんてのができましたぁ。
2011年09月16日 「深い霧に覆われたグルーミー湖の沼地に、ブラザーズ・オブ・スワンプの住む町がある……」と彼が切り出し、それが冒険のはじまりとなる。 編集
§ [DnD][4e] 技能チャレンジのtips
ほとんどはサプリメントやウェブの記事、先達のblogで読めることですぅが、私が技能チャレンジを作ったりプレイする上で心がけていることを、自分の中での整理ついでに書き出しておくですぅ。
状況や活躍をイメージする
技能チャレンジを作るときは、パーティがどういう状況でどう活躍をするかをイメージすることが大事だとですぅ。
たとえば“貴族の屋敷に忍び込む”という技能チャレンジを作る時も漫然と技能を並べるだけではなく、屋敷の近くにある木から塀の向こうの木まで〈運動〉で伝って忍び込む、権力者に取り入りたい門番は〈はったり〉で言いくるめられるし、街の情勢を知る〈事情通〉を副次技能にでき、庭にいる番犬は〈自然〉で懐柔できる……というふうに、技能を使うときどう使われるか、舞台はどういう場所かを少し細かく考えるといいですぅ。
こうすると、舞台はどんなところなのか明確になって情景描写を行いやすくなるですぅ。また、イメージを作って情景描写をすることで、「塀の中に木があるならツリー・ストライド(『PHB2』)使いたい」というようなプレイヤ側のアイデアを引き出す助けにもなるですぅ。
登場人物や舞台に個性を作ることにはまだ利点があり、“知られざる知識を探す”というような知識系技能ばかりになりそうな技能チャレンジに、「〈持久力〉でタイタンの賢者と腕相撲をする」など肉体派PCが活躍できる技能を差し込むこともできるですぅ。
既成のシナリオでDMをする時も、事前に自分はどう回していくか考えながら読むのは描写を膨らませる助けになるですぅ。
情景を描写する
DMがイメージした情景を伝えられるように、走り書き程度のメモを準備しておくのも役立つですぅ。
とはいっても構えた文章というわけではなく「〈隠密〉で物陰にひそみ、兵士をやりすごす」というような、“何をして”、“どうなる”がわかる程度のもので充分ですぅ。
細かいことだけど、あらかじめ準備しておけばセッション中につまることも少なくなって、盛り上がったテンションを維持する効果もあるですぅ。
加点法で考える
これは“技能チャレンジに失敗したら次の遭遇で不意討ちを受ける”より、“技能チャレンジに成功したら次の遭遇で不意討ちを受けない”にしたほうがモチベーションを引き出しやすいと感じたことで使っているやり方ですぅ。
レトリックの領域だけど、何事もものはいいようだと思うですぅ。
提案を拾う
技能チャレンジの利点のひとつに、さまざまな状況の解決を“xレベルの判定をy回成功させる”の形式で単純化できることがあるですぅ。
だから、プレイヤが他の技能や儀式、パワーなどで解決できないか提案してきた時はダメ出しをするより、できる限りそれを通したり拾うことでお互い幸せになれると感じたですぅ。何らかの提案をしてくれるというのは、DMが用意した状況をプレイヤ側が共有してくれているわけで、それに対してDMも誠意を持ちたいものですぅ。
私はパワー、儀式の扱いは無限回パワー、遭遇毎パワーが+2ボーナス、一日毎パワーで成功1、儀式は成功1かクリティカルに効果を及ぼすものだったら技能チャレンジそのものの成功くらいで裁定しているですぅ。
目標を明確にする
『DMG2』に書かれていることには反するかもしれないけど、私はよく「今の目的は遺跡を探すこと、複雑度は1ですぅ」というふうに目的と複雑度などを開示し、参加者全体で目的を共有しているですぅ。
こうして目的と必要な成功の数、現状使える技能などをある程度開示するのは、それらを簡単にしたり自分たちの得意な分野で判定するための意見を出すとっかかりにしてもらうという意図があるですぅ。
2012年09月16日 権利剥奪民だけが、羽目をはずしてパーティすることができる――若者、本当にリッチな老人、奇形的に美しい人間、変態、非合法民などなど。 編集
§ [Promiscuus] 吹き飛ばされかけた
今日はセッションからの帰り道、バスの時刻を調べようとしたら風にあおられて髪が目に入り、ムスカ状態でのたうちまわり時刻表どころではない事態にひとり陥るの巻きだったですぅ。
傘も吹き飛ばされかけたしひどい目にあったですぅ。
2013年09月16日 をろちとも名づく。 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『現在の技能(The Latest on Skills)』
先週のD&D Nextのプレイテスト用パックで、私たちはゲームから技能を除外してみた。技能のデザイン全般は以下の方法論と目標に基づいている。
- ゲームの見せ場になる能力を強調する。キャラクターが判定を行なうとき、能力値は技能より重要度の高いものになった。
- 技能ではキャラクターを強力にカスタマイズできるようになったが、それは(特にボーナスと難易度が着実に増加する方向で)力強くなるのではなく、できなかったことをできるようにする一覧に変化した。
- 基本要素として必須な領域にあるものとしてよりむしろ、テーブルに柔軟性と創造性をもたらすことが技能の真のボーナスといえる。それらをまとめるのが能力値だ。
- 序盤数レベルの難易度は中くらいから高い能力修正値を持つ者が確実に成功することは、難易度の調整で能力値が優越している裏づけになる。とても難易度が高くギリギリの状態でのみ、技能は要求される。
- 技能から特殊ルールを取り除いてコア・ゲームの中に落とし込むことで、ゲームを交通整理する。登攀関係のルールを〈登攀〉技能で定義するより、登攀関係のルールがあるゲームの中にひとつのやり方として存在させる。
- 技能は内部で処理が積み重なり、ほかのルールと乖離していく傾向がある。コアから始めて技能を追加していくようにすれば、ゲームができるだけ簡素で使いやすいものになることを約束できる。技能の中で新たなルールを導入べきではない。それらは既にコアで説明されている状況に単純な修正を提供すればいいのだ。
完全に技能を取り除くのが多数派のオプションでないことは現在のフィードバックからも明らかだ。プレイテスターはそれを嫌っていたが、こうして取り除くことで単純で柔軟性あるものになったのは評価された。
個人的に、技能は自分のキャラクターをカスタマイズする道具として好ましく感じている。たとえば私は伝統的なメイスとチェインメイルのクレリックとは大きく違った、〈隠密〉、〈生存〉、そして〈知覚〉と技能を修得して判定を強化し、野外での追跡と狩りが得意なレザー・アーマーと遠隔武器を使う高い【敏捷力】を持つクレリックを作成することができる。
さらに、これから始めるプレイヤーにとって技能は君のキャラクターが得意なことを把握できる便利な一覧表として使うこともできる。技能は能力値判定を喰わないのが理想だが、それらは判定の手順を知る手助けができる。それらは束縛を与えるより、プレイヤーに刺激を与えて援助せねばならない。
私たちが技能に出した結論はこうだ。
- 技能は能力値より下位にあることは、書式にも出てくる。ルールの文章では〈運動〉判定ではなく、【筋力】(〈運動〉)判定と書かれる。この書式は能力値がシステムの基盤で、技能はそれらの判定にボーナスを与えるものだという私たちの哲学に従ったものだ。
- さらに、これにはDMがふさわしいとした能力値に技能を適用させるのを簡単にする利点もある。【筋力】(〈運動〉)は足場の不安定な崖を登るときにはふさわしいかもしれない。その崖を登るのがどれくらい困難か知りたいときは、【判断力】(〈運動〉)を適用することができる。
- 技能に習熟しているとき、君はレベルに基づいたボーナスを得られる。ローグに代表されるような数種類のキャラクターは、技能に練達することができる。練達すると習熟した技能からさらに+5のボーナスを得られる。
- 君の技能ボーナスはその習熟ボーナスにひとしい。習熟ボーナスは総合レベルが基準になっており、技能、武器、およびその他の習熟している道具について適用される。こうした理由があるので、〈製作〉技能は存在しない。そのかわり、君は製作の作業や物品を作成するために必要になる道具セットに習熟することができる。
- 習熟ボーナスは+2から始まり、+6まで増加する。これにはすべてのレベル帯で一貫した難易度設定を確実にするために、ボーナスの量を管理する意図がある。
- 私たちはまた、判定時のダイスによるボーナスを固定値に戻した。これは多くのフィードバックでダイスの可変性が失望しか生まなかったと指摘されたからだ。みんなランダムが好きだが、腕利きのキャラクターをプレイしているときにふたつのダイス・ロールに一喜一憂させられるのは腹立たしい。
- 練達ボーナスはローグが確実に罠を発見し、レンジャーが野外活動に優れ、そしてバードが芸能にもっとも向いていることを確実なものとするために重要だ。ある分野の専門家なクラスがそのなりわいで生きていくことを確実にするため、私たちはデザインの中で選択的にこれを使っていく。
- フィードバックによってみんなはより幅広い技能を好んでいることを示し、さらにいくつかの技能は道具への習熟に移行させることができるため、技能の一覧はかなり簡潔なものになった。〈鍛冶〉技能のかわりに、君は鍛冶道具に習熟することができる。盗賊道具と解錠や罠解除についても同じことがいえる。最後のパックから伝承ボーナスが消えて適切な技能に置き換えられたのには注意してほしい。一般的な能力値と対応した技能の一覧は以下の通りだ。
- 〈軽業〉(【敏】)
- 〈動物使い〉(【判】)
- 〈魔法学〉(【知】)
- 〈運動〉(【筋】)
- 〈ぺてん〉(【魅】)
- 〈歴史〉(【知】)
- 〈威圧〉(【魅】)
- 〈医学〉(【知】)
- 〈自然〉(【知】)
- 〈知覚〉(【判】)
- 〈芸能〉(【魅】)
- 〈説得〉(【魅】)
- 〈宗教〉(【知】)
- 〈捜索〉(【知】)
- 〈真意看破〉(【判】)
- 〈手先の早業〉(【敏】)
- 〈隠密〉(【敏】)
- 〈生存〉(【判】)
- 〈職能〉技能がほしい向きに対しては、背景をその代替としている。セイラーの背景は〈軽業〉、〈自然〉、および〈知覚〉に習熟したうえに海の乗り物を操ることができる。
- 私たちはキャラクターの背景や原型を反映する技能のためのオプション・システムも追加する。たとえば、セイラーは君の背景にかかわる水夫としてのさまざまな判定に習熟ボーナスを与える特徴になるかもしれない。グループが望むなら、このオプション・システムは技能を代替または補完する。
- 技能と習熟のシステムにより、誰もがさまざまなことを試みることができる。技能と習熟はボーナスを与える。それらは何かを試みる機会を奪う壁ではないのだ。誰でも解錠を試みることができるが、彼や彼女が盗賊道具に習熟しているからローグはそれを得意とする。
これが技能システムの眼目だ。結論として、技能はまったくのオプションではないが、それらを無視することが簡単な方法をとった。私はそれらがゲームのコアに存在しながら、ゲームの中心には能力値があることを維持しつつ、強みを提供することで初心者が使いやすいようじゅうぶん単純にできたと確信している。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。
2014年09月16日 編集
§ [NOVA] 『Welcome 2 Newro Age』(TNX世界設定解説)公開
『トーキョーN◎VA THE AXLERATION』の世界設定解説文書、『Welcome 2 Newro Age』を公開したですぅ。
『ルーンクエスト』の『グローランサの神々』に収録されている「司祭たちはこう言った」みたいな語り口を目指したけど、どれくらいなのかは皆様の判断にお任せですぅ。
§ [DnD][5e][LnL] 『「DMG」の発売日(DMG Release Date)』
伝説と伝承
今週の『伝説と伝承』で、マイクは『Dungeon Master's Guide』のことを話す。
第5版の作成作業を始めたときにまず、私たちはいいものができるまでちゃんと時間を取ることをきちんと約束した。発売日を発表しても、私たちは自分たちの設定していた〆切を越えてしまう危険があることを理解していた。
数ヶ月かけてコア・ルールブックを発売していく素晴らしさのひとつに、私たちが後の製品を仕上げていく助けとして既に出したある本へのフィードバックを使う機会ができることがある。私たちは『Player's Handbook』への大きな反響と『Monster Manual』を先取りで見た人たちが見せた興奮にとても満足している。私たちがそれらの本につぎ込んだ追加の時間が明確になるのは、君が本文と組版で光っているものに気がつくときだ。
どちらの本の本文も新たなD&Dの標準となるべく品質検査と監督を受けた。私たちは書籍の作成に人事を尽くせるべく、デザインと編集のすべてに新たな工程を加えた。組版や視覚デザインは本を作るうえで慎重に時間を費やしただけ結果になる。その追加の時間は、デザイナそれぞれの本のページすべてが完全に調和していることを確認するための機会を与え、巨大な利益になることが判明した。
残念ながら、この追加労働はその代償を『Dungeon Master's Guide』の開発スケジュールで支払うことになった。
私たちはみんながコア・ルールブック3冊を手に入れたがっていることを知っているが、このときに仕上がりの判断を危うくすることはできない。私たちはどうにかできないかと計算したが、『DMG』の内容か品質を犠牲にしないためには、さらなる時間を与えることしかできなかった。したがって、私たちに残された道は発売日を3週間延期することだけだった。
『Dungeon Master's Guide』の新たな発売日は12月9日だ。私たちの早売りプログラムに参加している店舗の場合、その本は11月28日に発売される。
私を信じてほしいが、私たちは軽い気持ちでこの決定を行なっていない。しかし、私たちはあと数週間の仕上げ作業受け入れてもらい、君たちが待ってくれれば、『Player's Handbook』と『Monster Manual』の先例にならい、数年間を楽しめる巌のように堅牢な『Dungeon Master's Guide』を提供できると信じている。
君たちの忍耐に感謝する。私たちは君が『DMG』を手に取ればそれだけの価値があると感じると、心から信じている。(そして最後になるが、私たちは『DMG』から以下の先取りイラストを提供しよう。ジャスティン・ジェラードによるモドロンの大行進だ。)