2024年06月22日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:枯れた遺跡の罠(1レベル)
今週の小冒険は1レベルのキャラクター4人用ですぅ。現在開発中のソード・ワールドR(仮)のサンプルシナリオでもあるですぅ。
ソード・ワールドからゲスト出演しているデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
冒険の概要
オランの近くにある遺跡の調査をする依頼が“古代王国への扉”亭にやってくる。この遺跡は既にいくつかの冒険者グループが探索した“枯れた”遺跡のはずだが、たびたび魔物が居着くので、近くの住民が人をやるようにしているのだ。
問題の遺跡は実際“枯れた”遺跡である。しかし、最深部にはレックスから続く一方通行の移送の扉があり、うっかり入ってしまったモンスターがたむろしてしまうのだ。
キャラクターたちが迷い込んできたモンスターを倒せば冒険は終了だが、移送の扉の真相に気づいたら、さらに報酬を得ることができる。
冒険への導入
“古代王国への扉”亭の店主が、新しく来た依頼のことをキャラクターたちに話してくる。「この街から1日ほど行ったところにある古代王国の遺跡なんだが“枯れた”はずなのに度々モンスターが現われるってことで、また依頼が来たんだ。モンスター自体は低級のアンデッドくらいしかいないんだが、ひとつ行ってくれないか」報酬は1人500ガメルである。
問題の遺跡はオランからパダに向かう道沿いにある。そう迷うほどの場所ではないが、GMは道中にモンスターとの遭遇や探索の判定を行なうようにしてもよい。
1.“枯れた”遺跡
遺跡は古代王国時代にレックスの環状列石を守護するために作られた見張り所だと伝えられている、石造りの建物だ。ところどころ天井が抜けてはいるが、まだ建物としてのていを残している。
難易度12の【判断力】〈生存〉判定に成功すれば、建物の中からこのあたりまで人のような足跡が徘徊していることに気がつける。
難易度15の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、建物の中の扉で隔てられた場所に複数の足音がすることに気づける。
2.金属扉の部屋
遺跡の中には他の扉は木製で朽ちているが、この部屋だけは金属製の扉がある。鍵や罠はない。ちょうつがいは錆びだらけなので、開くと結構大きな音が出る。これを避けたいなら可動部に油をさすなどの工夫が必要だ。
「1.“枯れた”遺跡」で足音が聞こえたなら、足音はここから聞こえていたのだとわかる。
部屋の中には5体のスケルトンがうろうろしている。彼らはキャラクターたちが部屋に入ってくると応戦する。
スケルトン
中型・アンデッド、秩序にして悪
AC:13(ぼろぼろの鎧)
hp:13(2d8+4)
移動速度:9m(30フィート)
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
10(+0) | 14(+2) | 15(+2) | 6(-2) | 8(-1) | 5(-3) |
ダメージ脆弱性:[殴打]
ダメージ完全耐性:[毒]
状態完全耐性:消耗状態、毒状態
感覚:暗視9m(30フィート)、受動〈知覚〉9
言語:生前知っていた言語すべてを理解するが話せない
脅威度:1/4(50XP)
アクション
ショートソード:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。
ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程24/96m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。
3.後始末
この遺跡にスケルトン以外の他にモンスターや罠はない。もちろん、財宝もない。
スケルトンのいた部屋を調べるなら、片隅に3×3m(10×10フィート)の一枚板になっている床石があるのがわかる。この床石の近くで難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、床石の上に擦り切れた下位古代語が刻まれているのがわかる。そこには「レックスからの補給物資はここに出現する」と書かれている。
難易度12の【知力】〈魔法学〉に成功すれば、古代王国の魔法には通ったものを瞬間的に他の場所へ転送する移送の扉というものがあったことを思い出せる。
この冒険最大の問題は、この一方通行な移送の扉をどうするかである。床石を砕いてしまえば移送の扉は出口を失い、近くの人々が悩んでいる問題は解決される。遺跡の真相を暴いたキャラクターたちはいたく感謝され、追加で1人500ガメルの報酬を得られる。
床石を剥がしてオランの魔術師ギルドに持ち込めば、10000ガメルで買い取ってもらえるだろう。この場合、持ち帰るまでに石からモンスターが出てくる判定を行なうと、面白い帰り道になるだろう。この場合ももう遺跡にモンスターは現われなくなるので、そのことを説明すれば1人500ガメルの追加報酬が得られる。
あるいは、何も気づかなかった“にぶい”冒険者として最初の報酬だけもらって終わらせるという手もある。これを行なった場合、“鋭い”冒険者たちが現われるまで、この遺跡は初心者冒険者の小遣い稼ぎの場になるのだ……。
結末
キャラクターたちがどのような選択をしたかで、アドベンチャーの結末は大きく異なることになる。彼らが行なった選択に文句を付けるのではなく、それを尊重して演出することを心がけたい。
This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.
本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。
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