ネコぶんこ


2014年11月05日 [長年日記]

§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~あとがき』

あとがき、あるいは蛇足

天下繚乱リプレイ『鬼の話』を最後まで読んでいただきありがとうございますぅ。

このあとがきでは、細々とした事情や舞台裏を解説させていただきますぅ。

まず、このセッションの前提にはD16さんに『天下繚乱』をプレイしてもらうという陰謀があり、ハンドアウトの選択などを先にやってもらった結果、妖異を知らない明星十五郎なる非常に陽性な素浪人が誕生したけど、別側面から事件の根幹に関わる八刃破りの銀次郎が裏街道の住人として渋いPCになったので、お倫親子を挟んだ鏡像として綺麗なものになったと感心しましたぁ。

このあたりは、『天下繚乱』というシステムに依存しない、RPG慣れや物語のお約束慣れといった部分で、そういう点では蘭学奉行も、そして一見ぶっ飛んだ設定の三日月も、シーンで演出されていく雰囲気からは大きく逸脱せずに自己主張をする手馴れたうまさが発揮されているですぅ。

シナリオの構成は、金剛童子、謎の女お倫というふたつの軸にPCがそれぞれ異なる側面からアプローチし、情報を繋ぎ合わせると一枚の絵が出てくる、私がよく使う段階を追って薦めていくタイプの構造にしているですぅ。

これで便利なのはまず最初に与えられた情報を調べるときは自分で調べざるをえないのでそれが見せ場になることと、もしコネクションを持つPCに調査を頼もうとしたら、そのPCには関係のない、持ってない情報なので情報の取得が行なわれることですぅ。

そして情報が出てきたところでイベントを挿入して情報を一本にまとめさせてクライマックスへ持っていくのが、この形式のステロタイプな進行ですぅ。

このセッションでは蘭学奉行の機転もあって逆に敵を罠にかけることになったけど、クライマックスで敵とぶつかり合うのは必定なので、材料さえ出てればそこへの流れはPCへ委ねるのはモチベーションにも繋がるので、どんどんやったらいいと考えてるですぅ。

今回は折口信夫先生の『鬼の話』からシナリオのタイトルを頂いたので、その名の通り、さまざまな形の“鬼”を登場させ、夜の街を鬼が舞うおどろおどろしくも静かな時代伝奇を目指したので、その方向で楽しんで頂いたならとても嬉しいですぅ。

また『巷説百物語』シリーズをはじめとする時代ものの数々からも多くのインスピレーションを受けましたぁ。最後になるですぅが、感謝を捧げるですぅ。