2014年01月27日 [長年日記]
§ [DnD][4e][LnL] 『ルールのアップデートをいくつか(A Few Rules Updates)』
D&D Nextの発売に向けて作業を続けているが、君たちが公開プレイテストで確認できるルールのいくつかは改定された。ここではそれらのアップデートと変更点を軽く紹介しよう。
探検
探検のルールはテーブルで使いやすくなるように調整された。ダイス・ロールの回数を減らしてプレイ速度を向上させるために、第4版に存在した受動知覚の概念を復活させた。キャラクターの受動知覚は【判断力】(〈知覚〉)判定で10をロールしたものとして扱う。キャラクター・シートにはこれの記入欄があるので、一度計算すれば必要に応じて参照することができる。
また、パーティの隊列を探検システムの基本に組み込んだ。たとえばパーティが罠、隠れているモンスター、その他さまざまな脅威に近づいたとき、DMは隊列と受動知覚を組み合わせることで、誰がその脅威に気づくかを決定できる。この変更によって迅速に移動しようとすればキャラクターは受動知覚にペナルティを受けることになり、パーティが警戒しているかどうかを記録しておく必要がなくなった。
そして集団隠密についても単純化を行なった。パーティがゆっくりと移動している間は、そうしている間のあらゆるアクションに加え、グループにいる全員が【敏捷力】(〈隠密〉)判定で隠れ身をすることができる。ゆっくり移動しているとき、ローグは隠密を試みながら鍵開けや隠し扉の捜索を行なうことができる。パーティがより迅速に動く場合でもそれぞれのキャラクターは隠密を試みることができるが、アクションを費やす必要がある。
この考えはランダム遭遇の処理にも同様に適用できる。君は探検をしている間もさまざまな作業を行なえるが、私たちはそうしたオプションを行なうための総合ルールを統一した。たとえば、狩りや潜入のような行動も適切な能力値によって表現できる。探検のルールは君が行なうかもしれないことを、単純な一覧にまとめている。
最後に、私たちは探検のルールで特定のアクションが消費する時間を完全に標準化した。罠解除や鍵開けには1分かかり、これはダンジョンでの1探検ラウンドに相当するためDMは時間管理がより楽になる。
追加アクション
プレイテストにより、戦闘のターン中に追加アクションを得ることで多くの強すぎる組み合わせが生まれてしまうと判明した。さらに、キャラクターに追加アクションが重複していくことで、ゲームは深刻なまでに停滞してしまう。この問題をくっきりと浮き彫りにしたのはマルチクラスで、キャラクターが組み合わせたクラス特徴と即時呪文が同じターンに暴れることでさまざまな問題が噴出した。
現在、キャラクターのボーナス・アクションは毎ターン1回に限定され、必要に応じてボーナス・アクション相当の能力にするようルールの変更を行なっている。このルールの変更が目指すのは二刀流、ローグの奸智のアクション、モンクの連打、即時呪文、バードの鼓舞など、ターンを増加させるような能力が重複しないようにし、それを取り替えられないようにすることだ。こうしたボーナス・アクションは、君のターンにすべてではなく、ひとつ使えるようになり――この変更によってプレイテストで判明した大量のひどいアクションの組み合わせは抑止できる。
キャラクターの移動速度と重装鎧
すべての標準的なプレイヤー・キャラクター種族は30フィートの移動速度を持ち、キャラクターが十分な【筋力】の値を持つことで、重装鎧の移動速度へのペナルティは無視できるようにする予定だ。これらはいくつかの理由で意味があるものだと考えている。
移動速度へのペナルティはある狭い範囲のキャラクターとドワーフへのペナルティだが、それは彼らと他の種族を面白い方向で区別することがなかった。さらに、ゴブリンやコボルドは第3版の頃から30フィートの移動速度を持っていたので、いくつかの点についていえば、ノーム、ハーフリング、そしてドワーフは単純に既存の標準へ合わせられたともいえる。
鎧についていえば、私たちは重装鎧に厳しすぎる欠点や制限ではない潜在的な代償がほしかった。重装鎧は……信頼でき、重く、そして君の【筋力】を直感的な効果として役割づけることができる。この変更は中装鎧が【筋力】や【敏捷力】の値をそこまで重視しないキャラクターにとってより意味のあるものになることも意味する。【筋力】が13以下でも10フィートの移動速度を犠牲すれば、【敏捷力】が貧弱な他のキャラクターも重装鎧によってACを最大化することができる。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。