2012年03月23日 そして別の相手を探そうということになり、「Doom」の対戦専用のダイヤルアップBBS、DWANGO(ドワンゴ)の存在を知る。 [長年日記]
§ [DnD][4e] スカンドレルとシーフの比較
『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』が発売されて日本語環境も既存の作成オプションとはパワーの構成が違うサブクラスが出てきたので、せっかくだから以前からなんとなく気になっていたローグのシーフとスカンドレルを、ダメージ出力能力に重点を置いて比較したですぅ。
比較の基準は、おおむね以下のようなものですぅ。
- スカンドレルは『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』巻末付録のデータで作成(『プレイヤーズ・ハンドブック』所収のデータと同内容)。
- シーフは『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』のデータで作成。
- 比較で参照する範囲はクラス特徴、パワーまで(伝説の道や神話の運命は除外する)。
- 攻撃はすべてヒットしたものとする。
- 武器のダイスは1d6とする。
- ダイスの出目は平均値の端数切り捨て。
- 以上の基準に従い、できるだけ大きなダメージを出せるパワーを優先して選択する。
1レベル時の比較
ここからの比較に使用する種族はいずれもヒューマンで、能力値はいずれも以下の通りですぅ。
【筋】 | 【耐】 | 【敏】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
14(+2) | 11(+0) | 18(+4) | 10(+0) | 10(+0) | 14(+2) |
1レベル時点ではダメージ出力に大差無く、スカンドレルは一日毎パワーのトリック・ストライクでもダメージ出力を上げることができるですぅ。
シーフの場合は戦術的優位が取りづらくてもアンブッシュ・トリックで自分から条件を整えてコンスタントにダメージ程度を与えられ、息切れしない構成になっているですぅ。
1レベル・スカンドレル
クラスの特徴:腕っぷし無頼、急所攻撃(他省略)
無限回パワー:スレイ・フロウリッシュ、リポスト・ストライク
遭遇毎パワー:トーチャラス・ストライク
一日毎パワー:トリック・ストライク
1レベルの腕っぷし無頼スカンドレルがスレイ・フロウリッシュで攻撃を行なった場合、敵に9(+8)ダメージを与えるですぅ(ダメージ後ろの括弧書きは急所攻撃ダメージ)。リポスト・ストライクの場合、7(+8)ダメージ(次ターンまでに攻撃されたら5(+8)の攻撃)ですぅ。
遭遇毎攻撃パワー、一日毎攻撃パワーを使用した場合のダメージはそれぞれ12(+8)ダメージが1回、13(+8)(遭遇終了までヒットしたら1マス横滑り)ダメージが1回ですぅ。
1レベル・シーフ
クラスの特徴:急所攻撃、武器の妙技(他省略)
無限回パワー:アクロバット・トリック、アンブッシュ・トリック
遭遇毎パワー:バックスタブ(1回)
一日毎パワー:なし
1レベル・シーフがアクロバット・トリックから基礎攻撃を行なった場合、敵に9(+6)ダメージを与えるですぅ。これにバックスタブを使うことで遭遇毎に1回、ダメージが12(+6)となるですぅ。
11レベル時
伝説級になる11レベルを比較するですぅ。この辺りになると、付加効果のある遭遇毎、一日毎攻撃パワーが増えるスカンドレルと、飛び道具の数は少ないものの固定値や裏技といった無制限のリソースを使うシーフの差が際立ってくるですぅ。
この段階で、急所攻撃を込みにして遭遇毎パワーで与えるダメージの総計を比較するとスカンドレルが77、シーフ(バックスタブは2回しか使えないので3回目は急所攻撃入りアクロバット・ストライクで代用)が84となり、シーフがやや優位になっているですぅ。
この時、能力値はいずれも以下のように成長しているものとするですぅ。
【筋】 | 【耐】 | 【敏】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
17(+3) | 12(+1) | 21(+5) | 11(+0) | 11(+0) | 15(+2) |
11レベル・スカンドレル
クラスの特徴:腕っぷし無頼、急所攻撃(他省略)
無限回パワー:スレイ・フロウリッシュ、リポスト・ストライク
遭遇毎パワー:トーチャラス・ストライク、セットアップ・ストライク、ローグズ・ラック
一日毎パワー:トリック・ストライク、ディープ・カット、クリムゾン・エッジ
11レベル・スカンドレルのスレイ・フロウリッシュは10(+12)、リポスト・ストライクは8(+12)(次ターンまでに攻撃されたら6(+12))ですぅ。
遭遇毎パワーによるダメージはそれぞれ11(+12)、11(+12)(戦術的優位)、19(+12)ですぅ(総計77ダメージ)。
一日毎パワーによるダメージはそれぞれ14(+12)、11(+12)(継続的ダメージ8)、11(+12)(継続的ダメージ8、戦術的優位)ですぅ。
11レベル・シーフ
クラスの特徴:急所攻撃、武器の妙技、妙技強化(他省略)
無限回パワー:アクロバット・トリック、アンバランシング・トリック、アンブッシュ・トリック、タクティカル・トリック
遭遇毎パワー:バックスタブ(2回)
一日毎パワー:なし
11レベル・シーフのアクロバット・トリック使用時のダメージは15(+9)ですぅ。
バックスタブは遭遇毎2回になり、1回あたり21(+9)ダメージ(アクロバット・トリック使用時)を与えられるですぅ(総計40ダメージ)。
21レベル時
次は神話級になる21レベルの比較ですぅ。ここで両者の遭遇毎攻撃パワー数がつり合うけど、スカンドレルが1回の遭遇で1つの一日毎パワーを使用することを前提にして、シーフにはさまざまな効果が無い分ダメージを割り増ししてバックスタブに振り分けている印象があるですぅ。
この時、能力値はいずれも以下のように成長しているものとするですぅ。
【筋】 | 【耐】 | 【敏】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
20(+5) | 13(+1) | 24(+6) | 12(+1) | 12(+1) | 16(+3) |
21レベル・スカンドレル
クラスの特徴:腕っぷし無頼、急所攻撃(他省略)
無限回パワー:スレイ・フロウリッシュ、リポスト・ストライク
遭遇毎パワー:ローグズ・ラック、アンバランシング・アタック、ドラゴン・テイル・ストライク
一日毎パワー:クリムゾン・エッジ、スレイング・ストライク、スネークス・リトリート
21レベル・スカンドレルのスレイ・フロウリッシュはダメージが15(+20)、リポスト・ストライクは12(+20)(次ターンまでに攻撃されたら11(+20))ですぅ。
遭遇毎パワーで与えられるダメージはそれぞれ21(+20)、15(+20)(次ターン開始時まで機会攻撃に+5)、15(+20)(次ターン開始時までに攻撃されたら17(+20)の攻撃)ですぅ(総計111(+37)ダメージ)。
一日毎パワーで与えられるダメージはそれぞれ12(+20)(継続的ダメージ10、戦術的優位)、15(敵重傷時25)(+20)、24(+20)ですぅ。
21レベル・シーフ
クラスの特徴:急所攻撃、武器の妙技、妙技強化、伝説級妙技、シーフの優位(急所攻撃のダイスを4として計算)(他省略)
無限回パワー:アクロバット・トリック、アンバランシング・トリック、アンブッシュ・トリック、タクティカル・トリック、タンブリング・トリック
遭遇毎パワー:バックスタブ(3回)
一日毎パワー:なし
21レベル・シーフがアクロバット・トリックを使用して基礎攻撃を行なった時のダメージは22(+20)ですぅ。
バックスタブは遭遇毎3回になり、アクロバット・トリック使用時は1回あたり31(+20)ダメージを与えられるですぅ(総計153ダメージ)。
30レベル時
せっかくだから30レベル時にどうなるかも見ておくですぅ。
【筋】 | 【耐】 | 【敏】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
22(+6) | 13(+1) | 26(+8) | 12(+1) | 12(+1) | 16(+3) |
30レベル・スカンドレル
クラスの特徴:腕っぷし無頼、急所攻撃(他省略)
無限回パワー:ピアシング・ストライク、リポスト・ストライク
遭遇毎パワー:ドラゴン・テイル・ストライク、ナーヴズ・ギャンビット、ハリケーン・オヴ・ブラッド
一日毎パワー:スネークス・リトリート、ゴースト・オン・ザ・ウィンド、アサシンズ・ポイント
30レベル・スカンドレルのスレイ・フロウリッシュは17(+21)、リポスト・ストライクは14(+21)(次ターンまでに攻撃されたら12(+21))ダメージですぅ。
遭遇毎パワーで与えられるダメージはそれぞれ16(+21)(次ターン開始時までに攻撃されたら20(+21)の攻撃、20(+21)(目標は隣接した目標に攻撃)、23(+21)ですぅ(総計122(+44)ダメージ)。
一日毎パワーで与えられるダメージはそれぞれ26(+21)、26(+21)(戦術的優位)、29(+36)ですぅ。
30レベル・シーフ
クラスの特徴:急所攻撃、武器の妙技、妙技強化、伝説級妙技、シーフの優位(急所攻撃のダイスを4として計算)、神話級妙技(他省略)
無限回パワー:アクロバット・トリック、アンバランシング・トリック、アンブッシュ・トリック、タクティカル・トリック、タンブリング・トリック
遭遇毎パワー:バックスタブ(3回)
一日毎パワー:なし
30レベル・シーフがアクロバット・トリックを使用して基礎攻撃を行なった時のダメージは25(+20)ですぅ。
バックスタブは遭遇毎3回で、アクロバット・トリック使用時には37(+20)ダメージを与えられるですぅ(総計171ダメージ)。
総評
こうして見ると、自身のターンに叩きだせるダメージの総計はシーフが上で、スカンダレルは条件が揃った場合の瞬間ダメージと制御傾向が強い追加効果で頑張ってますぅ。パワーの傾向も、スカンドレルは次に続く布石として機能するのに対し、シーフは現状を眺めてある種場当たり的に動ける裏技と、表裏一体のものになっているですぅ。
両者の強みを活かした動きを考えると、制御能力が高めのスカンドレルは敵が次に取る行動を制限するパワーなどを状況に合わせて使い、3遭遇で大休憩が入るものと想定した場合、1遭遇に1回程度一日毎パワーを使うことでおよそシーフと同程度のダメージ出力が期待できるですぅ。また、n[W]のパワーでダメージを増強しているので《武器習熟:レイピア》など、武器のダイスを大きくするだけで平均ダメージを大幅に上げることが可能ですぅ。アクション・ポイントを使用したアクションでもパワーでそこそこのダメージを維持できるのも強いですぅ。
シーフは一日毎パワーが無くなった分バックスタブが強力なので、開幕3~4ラウンドの火力が非常に高いですぅ。もうひとつの特徴である基礎攻撃を【敏捷力】で行なえる部分も、ウォーロードやアーデントなどの再行動させる指揮役がいると、自身のターン以外でも細かくダメージを与えていけるですぅ。また、シーフは【敏捷力】さえあれば火力としてほとんどの部分をまかなえるので、パーティに無い技能の補完や特技による人生設計をやりやすいのも利点ですぅ。
なんとはなしに比較してみたけど、上のレベルで制御能力や範囲攻撃力を得るスカンドレルと、やれることは増えるけどあくまで無限回パワー範囲で対単体攻撃が主なシーフはうまいバランス取りになっていたと感じたですぅ。
シーフは現在の状況に対する干渉以上の仕事がほとんどできないけど、これは次のターンの事を考えずに目の前にいる敵への戦術的優位を取ることだけを考えるプレイでも充分戦えるということでもあり、思考時間を減らしてより速く、より簡単に成功体験を得られるという面で優秀ですぅ。
もちろんスカンドレルも、うまく次ターンへの布石を打って相手を追い詰める快楽というウィザードに近い楽しみを得ることができるですぅ。大きなダメージをやり取りして短いラウンド数で終わる戦闘は切り札を切るタイミングがよりシビアに、効果は劇的になるので、そういう意味では『モンスター・マニュアル3』以降、エッセンシャルズにかけての戦闘バランスはスカンドレルに取っても挑戦しがいのある環境ではあるですぅ。